恋するために、生まれてきたんだ。

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24:美影◆mU:2015/11/23(月) 14:27 ID:xlg



春人side


気づいたら、俺の周りにはいつも人が集まっていて、どんなときでも俺は中心にいた。

家族とも、友達関係だって、不自由なくて。
勉強も、何だって簡単にこなしてきた。だけど、俺には手に入らないものがあったんだ。

それは…、

「自由」 簡単に手に入りそうで、本当は難しいものなんだ。

俺の家は、世界的にも有名な会社。簡単にいえば、お金持ちの家、という事。
皆には、羨ましがられる。何でも欲しいものは大抵手に入るから。でも、俺はそんな自分の家柄が嫌で嫌で、仕方ない。

将来は、決められている。
生涯共に過ごすパートナーですら、敷かれたレールを歩くだけ。

そんな人生に嫌気がさしていたある日、俺は初めて生徒会長として、集会に出る事となった。

壇上に上がれば、いつものように皆の視線が集まる。

あぁ、皆、俺の内面は見ようともしないくせに…。そんな考えが頭を巡る俺は、ひねくれてしまった。

マニュアル通りの笑顔で、挨拶をして、集会は終わる。自分も教室に戻ろう
とした時、ふいに聞こえた声。

「生徒会長、顔色悪そうじゃなかった…?笑顔が、辛そうにも見えたんだけど…、あっ、緊張かな?」


あとから聞いて分かったこと。

あの声の彼女は、白坂知奈という。

あとから思ったこと。

俺は彼女を、好きになってしまったようだ。


春人side  終


美影◆mU:2015/11/23(月) 14:32 ID:xlg [返信]



すみません、訂正です。

白坂知奈→白坂知菜 です。


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