デジタルな価値観、リアルの価値観 -ver2.0-

葉っぱ天国 > 小説 > スレ一覧
12:越後:2017/01/06(金) 19:51

【plorogue 4-1 -Not connect memory device- 格闘の価値観】
その瞬間に目の前に広がるのは、いつもの忌々しい光景である。
一人がふとしたことで俺の方に気付き、それが次々と連鎖し、次第に最早バリケードか何かと間違えそうになるほどの人の塊が出来上がっていく。
「「........................」」
そして一分と経たずに、現在に至る。
すっかりと俺達は包囲され、目の前の塊から口々に「おい、あの人が噂の!?」だの「お久しぶりです!【英雄】様!」だのと未知の戯言が聞こえてくる。
何がお久しぶりですだよ。わざと来なかったんだっての。
そして、俺達の後から入ってきたのであろう同年代程の人が俺を怪訝な顔で見つめながらそのまま奥へと流れていった。
あぁ、これはもう駄目だ、完全に死んだ。俺は始業式で全校生徒の前で魔女裁判に掛けられて死ぬんだ。
しかもあのジャージの柄見たことあるもの。緑色に白と紫のラインが入ってるやつ。あれ俺と同じ高校のじゃん。と言うかそれってあの人同じ学校ってことじゃん。
絶望、困惑、失意、虚無と多くのマイナスな感情が沸き上がり目眩を起こしそうになる中、何とか自我を保ち、先程から全く言葉を発さない(ブーメラン)隣の方を向いた。

...彼女も白目を剥いたまま固まってた。

え? あれ? だから俺さっき言ったじゃん? 想定以上だったってことなのか信じてなかったってことなのかどっちなの? 後者だったら俺泣くよ? というかもう泣いていいよね?
先程のマイナス感情四天王の上に悲壮が君臨しました。もう元気のかたまり無いんだけどどうしよう。

...結局、少女が我に返るまでにそれなりに時間が掛かった。

と言うわけで現在、ゲーセン内ブラブラしながら勝負に使う筐体決めております。
「あんた...いつもあんなんなの? 流石に想像以上だったんだけど」
「いつもは...まぁそうだな。いつもあんなん」
「うっへぇ...」
こんな感じで凄く適当な会話を交わしながら捜索を続ける。
と言うか何か引かれたんだけど。俺だって命懸けなんだぞここに来るの。下手したらどっかの議員さんよりよっぽど命懸け。
そして、後ろがさっきからガヤガヤしててうるさい。何事かって言ったらもう振り向かないでも分かる。
「何か着いてきてるし...」
さっきの人の塊がそのまま後ろから着いて来ているような感じだろう。想像しただけで気持ちが悪いので振り向かないでおこう...。
俺が一人で戦慄していると、少し前を進んでいた少女はお目当ての物(※ゲーム筐体です)を見つけたらしく、声を張り上げた。


全部 <前100 次100> キーワード
名前 メモ