時を駆けて、初恋*します。

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997:アーヤ◆PY オンディーヌ(初音)said:2018/01/31(水) 21:52

もう夏音と土方さんだけが残ったの?
斎藤さんはどうなったのか心配だね…

私も更新しました。


リリカ@恋歌◆Wg >>999はレス禁!:2018/02/01(木) 19:35 [返信]

ありがとう!
斎藤さんは、生きてるよ(*^^*)
頑張ってね!!

※長レスかも 
         ☆
13,戦死と気付いたキモチ 

私は、鉢巻きを巻いて、刀を抜く。
艶やかに濡れたように光った、美しい刀身をスッと前に出す。
よしっ!
シミュレーションはばっちり。

「行ってきます!」

開戦とともに、私は走って敵を斬りつける。
飛び散る血飛沫に知らんぷりして、次の敵へとかかる。
ゾクゾクする喜びに、胸をおどらせてる自分に戸惑いながら。
何時間経ったのか。
私に、不幸の報せが入ってきた。

「嘘だっ!」

私は、なりふり構わず駆け出した。
着いた先に、斎藤さんの姿が見えた。
顔を綻ばせる暇なく、私は横たわってる土方さんに寄る。

「土方さんっっ!死なないでくださいよっ!」

青白い顔が、いや、そのまぶたが震えた。
僅かに目が開いた。

「・・・すまない・・・」

今は、謝る場合じゃないよ! 
私は、必死に止血する。
もう間に合わないと知っていても。
土方さんが、私に向けて、

「・・・俺は、・・・夏音が・・・好きだ・・・」

ああっ!
そんな言葉は、生き抜いてから言ってよ!
私は、涙がこぼれるのも構わず、体を揺する。

「・・・生きろ」

それだけ聞こえて、今度こそ土方さんはまぶたを開けなくなった。
次第に、息すらしなくなって────・・・。

「ああっ!・・・嘘よ!!」

みんな、死んじゃった。
私は、慟哭した。

そして、やっと気付いた。
私、たぶん心のどこかで恋愛感情に似た、感情で土方さんが好きだったんだね・・・。
もう、このキモチは伝えられない。

私は、むせび泣いた。

14,時空のはざまで愛を囁いて

ふいっと、誰かが私の前にたつ。
水干姿の、黒髪の男の子。

「君のお母さんが作った、マシーンは壊れたよ。だから、君も帰るんだ」

帰るの・・・?
その子は、ニコリと笑った。

「最後に、時空を結んであげる。沖田総司に挨拶しにいきなよ」

私の視界が揺らいで、目の前に、沖田さんが!恐らく、元気な頃の。

「約150年後に、また逢いましょうよ、沖田さん!」

声がかれても良い。
私は、離れ離れになるのを覚悟し、叫ぶ。
沖田さんが、ふわっと微笑んだ。

「約束ですね。愛してます」

そして、私たちは時空のはざまで愛を囁いた。                                                                                                                                                   


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