【助けて】マンホールの裏蓋で悪魔を召喚してしまった【死ぬかも】

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4:匿名:2021/09/07(火) 20:15

「まぁ、つまり結局――"カッコいい"からだ!」
「ですよね〜〜!」

結局そこに行き着いてくれて安心したよ私は。
やっぱ期待を裏切らねぇや。

「それに、この辺には悪魔を呼び覚ます魔法陣の刻まれた石板が眠っているらしいからな。ここに入学したのはその調査も兼ねている」
「はぁ? なにそれ……」

彼の厨二具合は右手の包帯が物語っているが、まさかここまで患っているとは……。
田中はステンドグラスの先をどこか遠い目で見つめながら、ぽつりと語る。

「その魔法陣は人の渇望や恨み、妬みなど強い想いに反応して悪魔を召喚すると言われている」
「バトル漫画のありきたりな設定じゃん。もっとマシなの考えろよ」
「ボクが考えたんじゃない! この学園の旧校舎にある資料室の文献に記されていたものだ!」
「へー文献」

おおかた田中みたいな"患ってるやつ"がそれらしいノートに禁断の書みたいに作って意味ありげに資料室に置いたんだろ、と言おうとしたが、喉奥で潰した。
患者には優しくしないとな……という哀れみがそうさせたのだ。
夢を壊しては気の毒だと思い、私は相槌だけ打ってバケツを片付けた。

「その顔は信じてないなッ! 悪魔の石板は本当に――!」
「ぎゃーやめろ! 汚水が飛ぶ!」

私の適当な態度が気に障ったのか、田中がモップを振り回した時だ。

「こらぁぁぁ! 田中君なにしてるの! 真面目にやりなさい! 罰として2人とも30分延長よ!」
「ああああああ゛っ!」
「はぁぁぁぁぁ!?」

聞き捨てならない発言に思わず持っていたバケツが落ち、激しい金属音がごわんごわん響いた。
タイミング悪く先生にモップを振り回している田中が見つかってしまい、連帯責任による追加罰で下校時間が遠ざかっていくのだった……。


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