抱きしめたい 壊れるまで

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3:匿名希望:2016/11/25(金) 20:52

「はぁ…はぁ…」

冷たく澄んだ空気が張り詰める森 

私は歩く 小さな小道を 辺りはもう暗闇に近い

「お…もいっ…」

ずるずると引きずりながら歩く 

なんであんなことをしたんだろう いつもの私ならあんなこと…

「今日の私はおかしいんだ そういうことにしておこう…」

私は家路を急いだ―――――――


匿名希望:2016/11/25(金) 21:04 [返信]


1時間前――――――――

「こんな時間……早く帰らないと…」

今日は少し帰るのが遅くなってしまった お店の片づけが予定より手間取ってしまったからだ

夜の森はシン…としていて不気味だ あの道はできるだけ夜には通りたくはない

だが仕方がない 早く家に帰らなくては  私は家路を急ぐ

「もうすぐ森…はぁ…    え…?」

私は目を疑った 森の手前で木にもたれかかるように倒れこんでいる男の姿があったからだ

「あの…大丈夫ですか!? あのっ!」

返事はない フードを被っていて表情もはっきりしない 体格から男ということがかろうじて分かった

「うっ……」

微かなうめき声 それを最後に微動だにしなくなった

「誰か人を…っ  あ…」

そう ここは森の手前 こんな時間に誰かが通るはずもない

「………」

倒れている男の服を掴む そのまま引きずるっ…!

「くっ… う、く…っ」

歩けないことはない だが非常にキツイ… 男は土だらけになっているがそんなことは気にしている暇もない

「このまま……家までっ……くっ…」

そうして私とこの人の出会いが始まった―――――――


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