暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part5♪

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812:凪海◆L6:2016/05/26(木) 02:21 ID:ySs

>>801

渚side

もうすぐ夏休みになる。僕らはA組に期末テストで勝った報酬として南の島へ行くことが決まっていた。
そこで、僕らは……。

「え、私も行っていいの⁉」

そう言う海の言葉に、僕らはうなずいた。

「だ、だって私A組だし。みんなと一応は張り合ってる仲だよ⁉ それなのに……」
「海はもう、僕らの大事な仲間だよ」

すると海は顔を真っ赤にして、「そ、そうかな……」と恥ずかしそうにつぶやいた。

「あのさ、もしも私を誘うんだったらもう1人いいかな」
「それってもしかして、浅野クン?」
「違う」

カルマくんの言葉を海は即座に否定した。

「うーんと……」

そこへ雪村先生が教室に入ってきた。

「あら、海。来てたのね?」
「あ、あぐりさん。……あのさ」

そう言って海は雪村先生に近づいた。

「そうそう、海。みんながね、海も一緒に南の島にどうかなぁって」
「それはもう聞いたんだ。ただ……そこにあかりを誘ってもいいかな」
「え、あかりを⁉」

雪村先生がひどく驚いているけど、誰だろう、「あかり」って。

「うーん……」
「ね、いいでしょ。大丈夫だよ、私がすぐに馴染めたクラスだからあかりもすぐに慣れるって!」
「私の口からはなんとも言えません。決めるのはあかりよ」
「よっしゃ!」

海は1人で喜んでいるけど……。

「で、誰なの? 『あかり』って」

中村さんが聞いた。

「私の双子のお姉さんだよ」
「ふ、双子⁉」
「顔は全く似てないけどね」

海は苦笑しながら言った。
いったい、どんな人なんだろう。「あかり」って。

☆(あかりside)

夕飯の準備をしていると、ちょうど海が帰ってきた。

「ただいま〜」
「おかえり、海」

海は靴を脱いでこっちにやってきた。

「ねぇ、あかり。夏休みって予定ある?」
「ないけど……」

味噌汁の味を確かめながら答える。うん、いい出来。

「じゃあさ、あぐりさんの彼氏さんに会ってみない?」
「⁉」

いきなりの不意打ち発言に、再度味見をした味噌汁をふくところだった。


凪海◆L6 ホィ(ノ゚∀゚)ノ ⌒dice6:2016/05/26(木) 20:33 ID:ySs [返信]


「いきなりすぎない?」
「うん、いきなりだとは思ったよ。でも、あぐりさんの彼氏にさ、会ってみたくない?」

 海の何か狙いをつけたような目に、私は興味をそそられる。

「たしかに、そうだけど……」
「なら決まりね」

 と、あっという間に決められてしまったんだけど。

「え? ていうか、どこに行くの?」
「南の島」

 どこよ、そこ。

☆(渚side)

夏休み

 僕らが島に着くと、海が出迎えてくれた。

「お疲れー」

 海は僕らより先に島に来ていた。えーっと、雪村先生の妹さんも一緒にいるらしいんだけど。
 雪村先生が海に聞いた。
 
「海、あかりは?」
「それがさ、恥ずかしがってでてこないんだよ」

 そう言いながら海は困った顔をして殺せんせーを見た。

「姉の彼氏が人外だって知ったら、あかり。どう思うかな」
「え、か、かかかか彼氏⁉ な、何言ってんのよ、海!」
「あれ、違うの?」

 海は今度は僕らを見た。
 中村さんが即座に言った。

「私たちもてっきり、雪村先生は殺せんせーと付き合ってるもんだと思ってたけど」
「え、な、何を言って⁉ ね、ねぇ、殺せんせー?」
「え、あ、え⁉」

 そんな2人の様子を見て、海はにやにや笑っていた。
 始めからそれが狙いだったのかな……。

「まぁ、殺せんせーのことは後回しにしておいて。みんなに紹介するよ」

 海は僕らに「こっちへ来て」と言って走りだした。

「おーい、あかり。みんな来たよー」

 僕らが泊まるホテルの玄関に着くと、海はそこで声を張り上げて雪村先生の妹の名前を呼んだ。

「どこに隠れてんのさ、ったく」

 海はしばらくそこら辺をウロウロしていたけど、やがて。

「あ、みーっけ」
「⁉」

 近くの物陰がガサガサ動き始めた。海はそこへ行き、

「ほら、早くでてきなよ」
「え、でも……」
「大丈夫だよ、みんな人間だから」
「……それどういう意味?」

 海が引っ張って来た子は……。

「かわいい子じゃん!」

 岡島くんが即座に言った。
 たしかに、僕も見惚れてしまった……。
 雪村先生に顔は似ていないけれど、黒髪のところが似ていた。ウェーブのかかった、綺麗な髪だった。

「彼女が雪村あかり。あぐりさんの妹だよ」
「はじめ、まして……」

 雪村さんは頭をさげて僕らに挨拶をした。僕らもなんとなくそれにならって頭をさげた。

「え、てか磨瀬榛名じゃん!」

 三村くんの言葉に僕らはハッとした。
 たしかに!

「あ、えっと。前に、その名前で役者をしてました……」
「マジで⁉」

 雪村さんは恥ずかしそうにコクリとうなずいた。
 僕らがそれぞれ黙っていると、海はいらいらしたように声を上げた。

「あー、もう! かたっくるしいなぁ。あかり、敬語なし!」
「うぇっ⁉」
「それからみんなも、そんな離れた位置にいないでもっと近くに来てよ! なんでこんな他人行儀なのさ、みんな!」
「なんかごめん……」

 僕らは2人に近づいていった。


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