思ったことを呟くだけのスレ part6

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242:風音◆Xk しきみなみ:2018/05/06(日) 07:14

「おはようございます」

私は挨拶をして、事務所の中に入る。
今日はレッスンの日だ。

「……何これ」

すると、ある物が目に入った。
香水を入れるようなビン、中に入っているのは禍々しい色の液体。事務所にこんな物を持ってくる人物なんて、一人しかいない。

「あれ、美波ちゃんだー。おはよー」
「お、おはよう……じゃない! 志希ちゃん、これ何なの!?」

私は慌ててそう尋ねる。

それに対し、志希ちゃんは「どこかへトリップしちゃう薬ー」と無邪気な笑顔で答えた。
その笑顔は文句無しに可愛かったが、それどころじゃない。

「もう、こんな物置いて危ないじゃない。小さい子が触ったらどうするの」

うちの事務所には、9歳の子だっているのだから、こんな危険な物は置いておけない。

「じゃあ、美波ちゃんが飲んでみてよ」
「えっ!?」

私は思わず変な声を上げてしまった。
……こんな物は飲みたくないけれど、小さい子が犠牲にならないようにしないと。

私は覚悟を決めて、ビンを手に持つ。

「ちょっとちょっと美波ちゃんストーップ!」

奇行としか思えない行動をする私を、珍しく志希ちゃんが慌てたようにして止める。

「はぁー、まさか本当に飲もうとするとは思わなかったよー。志希ちゃん不覚ー」

何だかよく分からないけれど、とにかくこれで誰かがこの薬を飲んだりすることは無さそうだ。
レッスン前からこんな事になって、疲れたなぁ。

ソファの上で脱力してると、入り口のドアが開いた。

「おはよう」

そして、プロデューサーさんが挨拶をしながら入ってくる。

「美波、今日のレッスン相手は志希なんだが……」
「ええっ!?」

プロデューサーさんは私を見つけてはいきなりそう告げる。
当の本人は、「やった〜、美波ちゃんとだー」と呑気に言っている。いや、喜んでもらえるのは嬉しいのだけれど。

「無理か?」
「いえ、大丈夫です! 志希ちゃんの面倒を見ることは嫌いでは無いですし!」

プロデューサーさんの仕事を増やすわけにもいかないし、私は志希ちゃんの事は嫌いでも苦手でもない。
寧ろ、好き、だったり……

「美波ちゃん? 何かニヤニヤしてキモいよ?」
「キモいって……」

変な事を考えていると、真顔になった志希ちゃんに罵倒を浴びせられた。志希ちゃんの言葉は相変わらず胸に刺さる。

「じゃ、またレッスン終わりにな」
「あ、はい」

プロデューサーさんは忙しいみたいで、それだけ言うと部屋を出て行った。

「……美波ちゃん」
「どうしたの?」

プロデューサーさんの姿が完全に見えなくなった時、志希ちゃんが話しかけてきた。

「今日のレッスン、よろしくねー」
「……うん! 頑張ろうね!」
「うわぁ急に態度変わったー」

気合いを入れ直す私に、ドン引きする志希ちゃん。

相変わらず辛辣な志希ちゃんだけど、私は志希ちゃんにこういう事を言われるのも嫌ではない。
……少し、傷付くけど。

「じゃ、行こうか志希ちゃん」

夕方の5時、そろそろレッスンが始まる。
私は志希ちゃんの手を引いて、レッスン室へと歩いて行った。


風音◆Xk 元七瀬:2018/05/06(日) 07:35 [返信]

りんなおかれん
>>242
しきみなみ

百合短編を貯めていく


風音◆Xk 元七瀬:2018/05/06(日) 09:40 [返信]

りんなおかれん
>>242
しきみなみ
>>275
うづりん


風音◆Xk 元七瀬:2018/05/06(日) 16:04 [返信]

りんなおかれん
>>242
しきみなみ
>>275
うづりん
>>349
しきみか

4個目だぞ……w


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