匿名板で小説書きたいのです

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54:匿名 age:2015/09/05(土) 23:15

 そして、ユミはふらりふらりと歩き始めた。
「ちょっと!こんな速さじゃ……」
サファイアが言いかけた時。
突然ユミが一気に加速し出した。
サファイアは驚き、言葉を失ってユミの足を見る。その足は、凄まじい速さで動いていた。
「どう?マーガレット!速いでしょう?」
「______!!!!」
サファイアは声も出せず、ユミの背中に必死でしがみついた。
馬の何倍も速い。ユミの速度は、最早人間とは言えないものだった。
「このまま行くから」
ユミは言った。
「待っ___」
サファイアが叫ぶよりも早く、ユミは更に加速する。サファイアは諦め、舌を噛まない様にと黙った。

サファイアが何とか横を向くと、景色はどんどん変わっていた。ビュン、ビュンと風を切る音が、耳元で鳴り響く。
一体いつまで続くのかと、サファイアはユミの背にしがみつきながら、遠くなりそうな意識の中、思った。先程から15分程度が経っていたが、ユミの速度は一向に落ちない。
もう、限界。
サファイアの頭が真っ白になりかけた時。
ふいに、風を切る音が止んだ。
「……よし。マーガレット、町はもうすぐそこだよ」
「………え?」
ユミの声で、サファイアはゆっくり顔を上げる。いつの間にかユミは立ち止まって、満足気に前方を眺めていた。
「ほら。あれが町」
サファイアがユミの指差す方に目をやると、少し遠くに町が見えた。
「うわぁ………」
サファイアは思わず感嘆の声を漏らす。
「結構、着くのは早かったでしょう」
ユミは言った。
「うん……って言うか!あの速さ、何?!!」
頷きかけたサファイアは、慌てて訊ねる。
「『レットゾーン』の事?…あれはわたしが、墓場歩きになったのと引き換えに手に入れたもの。神、仂乘の脚力」
「神??ろ、ろくの??」
淡々と答えるユミの言葉は難しくて、サファイアの頭からは疑問が完全には消えなかった。更に疑問をぶつけようとしたが、ユミの言葉の方が先だった。
「ここからだったらあの町、ミランテスまでは歩いてすぐ。だから行こう、マーガレット」


匿名 age:2015/09/14(月) 21:20 [返信]

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