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22:匿名:2018/06/04(月) 22:05

タイムスリップ


匿名:2018/06/04(月) 22:29 [返信]

>>22 タイムスリップ

私は篠宮架純。“平成生まれ”女子高生……なはずだ。
何故か現在地面に仰向けになっています。
「な、なにこれ……」
辺りを見回してみると、ロボットが動いていたり、空飛ぶ車が飛び交っていたり、周りの景色の全てが近未来的だった。
……これは、夢なのだろうか。
「…………ッ!」
私はそう思い、自分の顔を思いっきり引っぱたく。
「いった……」
虚しいことに、ただ痛いだけだった。
これは……タイムスリップしたとでも考えて良いのだろうか。夢を見ている訳でも無いし、どう考えても現代では無いし。
「よっと」
とにかく、いつまでもボーッとしている場合ではない。
あたしはその場からゆっくりと立ち上がった。
「ビビービビー。侵入者ハッケン」
「え?……ってキャアアアア!!!」
すると、周りからサイレンが鳴り出し、大量のロボットが私に襲いかかる。
私、何かした? 立っただけだよね?
心の中でツッコミながら、私は必死に逃げる。
「はぁっ!」
すると、目の前に光が走る。
「……大丈夫だったかい?」
目を凝らして前を見ると、中性的な外見の少年? が私に手を差し伸べていた。
「あっ、大丈夫です……」
「そうか、良かった」
……何だこの言動イケメン。
私は内心ツッコむ。こんな言動イケメン、現実には一人もいないよ……見た目はともかく。
そんな風に呑気に考えると、少年は私を舐めまわすようにじっくりと見る。……なんて言われるんだ。
「君はタイムスリップしてきたみたいだね」
……なんで分かるの!?
私は思わず心の中で突っ込んだ。
「まあ、何となく」
「心の中を読むな!」
ったく、何か怖いんだけど。
「あ、そうだ」
……今度は何?
「君、この世界を出かけてみないかい?」
「出掛ける?」
私は聞き返す。
「探検するのさ。この世界を」
「ふーん」
何か怖くて、奇妙な世界。でも……
「楽しそう。私、行きたい」
楽しそうだった。だから、自然にこの言葉が出た。
「君ならそう言うと思ったよ」
少年は、そう言いながら私の手を引く。
「じゃあ、この世界の探検に、レッツゴー!」

「……ん」
あれ、ここはどこだ。
一瞬そう思ったが、すぐに理解した。
ここは自宅。そして、さっきまでのあれは夢。
「変な夢だったなー」
本当に変な夢。でも……
もうしばらく覚めなくてよかったかも、なんて。

―――END


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