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8:匿名:2018/06/03(日) 22:28

怪奇なスーパーマーケット


匿名:2018/06/03(日) 22:55 [返信]

>>8 怪奇なスーパーマーケット


ある小さな町、水嶋町には、怪奇なスーパーマーケットがある。
近くに住んでいる女子高生曰く、「不気味。近づきたくない」らしい。
そして、その女子高生と同じことを思っている住民が過半数を占めており、人が全く寄り付かないとの事。
このスーパーマーケットの奇妙な部分は三つあるようで……

一つ目は、店員がロボットという事だ。
「エーラッシャイマセーイラッシャーイ」
そのロボットは、スーパーマーケットなのにまるで八百屋のような接客をしていて、しかも音声が大音量でおまけに棒読みなのだ。店の外まで聞こえるらしい。
このロボットが、スーパーマーケットに人が寄り付かない一番の理由だろうと言われている。

二つ目は、店内の女性用トイレから奇妙な笑い声が聞こえること。
この笑い声は、二年ほど前……このスーパーマーケットが出来た頃から聞こえてきていたらしい。
「ウェヒヒヒ、ウェヒヒヒヒヒ」
という、人に不快感を抱かせるような笑い声なので、誰一人としてこのトイレは使用しなかったと言う。
……まあ、この店に入った人間すら一人もいないが。


三つ目は、そもそもこのスーパーマーケットは都市伝説ということだ。
つまり、取材した女子高生の証言も、二つの奇妙な部分も、全て架空のものである。
「以上、奇妙なスーパーマーケットでしたー! 『ワクワク、都市伝説集』連載中! ぜひ買ってね!」
「買うかー!!」
暫く真剣にテレビを見ていた女子高生……美香はリモコンを叩きつけながらそう叫ぶ。
「都市伝説オチかよ! 酷すぎでしょ!?」
そんな風に呆れていた美香は、ソファに寝転んで脱力する。
その時、テーブルに置いていたスマホが音を立てて振動した。
美香はスマホを手に取り、電源を入れて画面を見る。
「……え?」
そして、美香は困惑した。
スマホが振動したのは、親友の恵美からメッセージが来たから。
……そこまでは良い。問題はメッセージの内容だ。

『美香、「奇妙なスーパーマーケット」って知ってる? 最近ここら辺で噂になってるらしいよ』


―――END


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