ちーの好きなアイツを想う日記

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1:ちー:2010/08/03(火) 04:30 ID:MkE

これから日記を書こうと思います。
でもその前に、アイツと出会ってから今までを小説風に書こうと思います。
※特定されるのを防ぐ為に、多少省略します。
※少し下ネタがでてくるので、苦手な人は読むのを控えましょう。


主な登場人物

・ちー:山村美紀
・アイツ:中山弘太
・ちーの親友:張田レナ

2:ちー:2010/08/03(火) 04:45 ID:MkE

↑言い忘れてましたが、もちろん仮名です✿

3:ちー:2010/08/04(水) 16:03 ID:8.E

〜出会い〜


私は中学入試に失敗した。

模試の合格判定はいつもA判定だったのに、塾の先生からは「絶対に受かる」と言われていたのに...

何故このような結果になってしまったのかわからないまま、気がつけばあれから10ヶ月が経っていた。


―2007年11月26日

この日の塾の休み時間のことであった。

私はいつも通り、親友のレナと遊んでいた。

すると、、、

「あの・・・千尋どこにいるか知ってますか。」

と、知らない小学生の男の子に尋ねられた。

千尋というのは、私と同じ学年の友達である。

「多分、向こうの教室にいるんちゃう??」

と、レナが答えた。

「ありがとうございます。」と言って彼は立ち去った。

この時はまだ、こんな簡単な出会いが私のこの暗い心を変えてくれるなんて思いもしなかった。

4:ちー:2010/08/04(水) 16:19 ID:8.E

それから、毎日のように休み時間になると、彼は私たちに「千尋どこ?」と尋ねてきた。

「何回訊くねん((笑」

彼が立ち去った後、レナが私にそう言ったのを覚えている。


―2007年11月29日

この日も確か、彼にしつこく同じことを訊かれていた。

その夜、私は1人で駅まで歩いていた。

すると、目の前に彼がいるのに気づいた。

彼と目が合った瞬間、私は何か予感がした。

性格にはわからないけど、何かが変わる気がしたのだ。

「そんなわけないし。あの人知らんもん。」

そう思い、私はさっと彼の横を通った。

この時、とてもすがすがしく、涼しくて、もうすぐ12月になるというのにまさに秋らしい心地の良い風が吹いていた。

私は今でも、涼しくなると当時のことを思い出して、とても愛しい気持ちになる。

5:ちー:2010/08/06(金) 06:02 ID:ojg

―2007年11月30日

この日は授業はなかった。

だけど、妹と喧嘩をしていたので家にいるのがいやだったから、自習でもしに塾へ行った。

この時もし、いつも通り塾に行ってなかったら、アイツと知り合うことはなかっただろう。

自習室では、翌年の1月に中学入試を控えた小学6年生が数人自習していた。

「そういえば私も、去年はよく自習室使ってたな。懐かしいな。」

私は受験前の自分を思い出していた。

いつの間にか小学生は誰もいなくなっていたが、そんなことに気づかないくらい回想に夢中になっていた。

第1志望であったR中学を受験した時にさしかかった時であった。

ちょうどR中学の赤本を持った小学生が私の横に立っていた。

思わず私は彼に話しかけていた。

「R中学、受けるんや?」

「えっ何で知ってるんですか。」

「だって見たらわかるやん。」

私たちはしばらく喋っていた。

彼は6年の7月に入塾した。

本来、中学受験をする人は小5くらいから入塾する。

因みに私は、小4の時に入塾した。

それで落ちたのだから、合格率が低いのは言うまでもない。

しかし彼は、それでも頑張っていた。

結果はどうであれ、入試までを自分なりに頑張ってみる。

そんな姿勢が彼にはあった。

小4から入塾して「どうせ受かるやろ」と自惚れていた自分とは全然違う。

私は心が動かされたような気がした。

「そうなん。頑張れ。」

少し噛みながら私はそう言った。

入試まで彼を応援しよう。私はそう心に誓った。

「千尋知ってますか。」

彼がそう言った瞬間、私は昨日までしつこく同じことを訊いてきた小学生のことを忘れていたことに気付いた。

2人が同一人物であることを認識するのに、少し時間がかかった。

「知ってるけど?」

「俺の姉ちゃん、千尋なんですよ。」

あぁ姉弟だから、あんなにしつこく訊いていたのか。

6:ちー:2010/08/19(木) 08:29 ID:sbk

〜生意気な奴〜


アイツが私に対して敬語を使っていたのは最初だけだった。

アイツはものすごく生意気で憎たらしくて変態だった。

アイツの同級生の女子から聞いた話によると、アイツは1人の女子をターゲットにして、集中的に意地悪をする性質があるそうだ。

私はアイツのターゲットになってしまったのだろう。

私は集中的にアイツから意地悪をされるようになった。

会う度に、アイツは私にこう言った。

「金ちょうだいw」

勝手に私の財布から100円を抜き取られたこともあった。

また、アイツが千尋の弟ではなく、赤の他人であったこともわかった。

でもすごく楽しかった。

別に意地悪をされるのが楽しいわけじゃないけど、アイツの一生懸命な姿は私の心を動かした。

だからどれだけ意地悪されても、アイツが合格できるように応援しようと思った。

また、塾の帰りしに、「500円ちょうだい」「何で貸さなあかんの?」などと2人で言い合いしながら歩くのも楽しかった。

7:ちー:2010/08/19(木) 08:44 ID:sbk

〜別れ〜


―2008年1月18日―

明日はアイツの第1志望の入試日だ。

それなのに、もうすでに試し受験で受けた中学に合格していたアイツはいつも通り元気だった。

しかも私はアイツに500円を盗られてしまった。

「今度、会ったら返すから。」

アイツはそう言った。

会っても返さないくせに。

この時の私は、その「今度」がいつになるかなんて知らなかった。

「明日、頑張ってきます!」

アイツは元気よくそう言って帰った。

私は心の中で「頑張れ」とつぶやいた。

実を言うと、私は冬休みの時にお参りに行き、「アイツが合格しますように。」と願った。

また、その時にもらったお守りの中にもそう書いた紙を入れて、毎日祈っていた。

アイツにだけは少し前までの私みたいに廃人になってほしくなかった。

しかし、この日がアイツに会った最後の日になるとは予想だにしなかった。

8:ちー:2010/08/19(木) 09:07 ID:sbk

―2008年1月22日

アイツの志望校の合格発表の日だ。

私は夜、アイツの夢を見た。

夢の中でアイツは私に受験番号を教えた。

その番号は「13048」だった。


学校が終わると急いで家に帰ってパソコンをつけた。

そしてR中学のHPを開いて合格発表のページを開いた。

私はアイツの受験番号を知らない。

だけどとりあえず夢の中に出てきた「13048」を探した。

・・・「13048」はなかった。

「まあ、所詮夢やし、本当の番号は違うやろ。」

私はそう自分に言い聞かせた。


その後、塾に行った。

合格した小6の人たちが嬉しそうに先生に結果を報告していた。

その中にアイツの姿はなかった。

どこを探してもアイツはいなかった。

小6の名札入れの箱の中には、アイツの名札だけが1つポツンと置いてあった。

その名札を裏返すと、「R中学絶対合格!」と書かれたシールがいっぱい貼られていた。

そのシールは私があげた物だった。

小6の人は皆、そういうシールをもらうのだが、アイツは途中から入塾した為にもらっていなかった。

だから私は、まだシールが残っていたのでアイツにあげた。

「ありがとv」

アイツはそう言っていた。

そのことを思い出すと、何だか切なくなってきた。

「私からもらった物をこんなに使ってくれてありがとう」

私はそう言ったが、もうアイツにそれが届くことはないだろう。

9:ちー:2010/08/23(月) 08:53 ID:T5Y

後でわかったことなのだが、アイツは「落ちた」そうだ。

それも本人から直接聞いたわけではない。

先生から聞いたのだ。

「アイツ、すごく落ち込んでたぞ。」

アイツと電話した時のアイツの様子をその先生はそう言った。

言われなくても、アイツは繊細な所があるのでとても辛い思いをしているだろうということはわかっていた。

それがわかっているのに私は何もできない。

あの入試の前日以来、アイツが私の前に現れることはなかったからだ。

アイツも私と同じように廃人になってしまうのだろうか・・・。

それだけは絶対にあってほしくなかった。

会えなくてもアイツがどこかで笑って暮らしているなら、私はそれで十分だ。

でもこんな風に終わってしまうなんて、、、

アイツがどこで何をしているかさえわからない私は、本当に辛かった。

10:ちー:2010/08/23(月) 09:32 ID:T5Y

アイツと会えなくなって1ヶ月が経った。

それまで私は「アイツのことやし、どうせまた突然現れてちょっかい出してくるやろ」と思っていた。

でも1ヶ月経っても会えないので心配になってきた。

アイツがいなくなってから、私は2つのことに気付かされた。

まず1つは、アイツと出逢ったお陰で私は前向きに生きられるようになったこと。

もしあの時、アイツと出逢っていなければ、私は今でも過去のことを引きずって生きていただろう。

それなのに、アイツに感謝の気持ちを伝えることさえもうできないのだ。

もう1つは、アイツのことが好きってこと。

いつから好きになっていたのか知らないけど、その気持ちは自分でも驚くぐらい強かった。

それなのに、どうして今まで気付かなかったのか。

「失ってからやっと気付く」本当にその通りだった。

私はどこに行っても、夢の中にいても、いつもアイツを探していた。

今までたくさんの人を好きになったけど、こんなに好きになったのは初めてだった。

いつも私は好きな人とたった1週間会わなければ冷めていた。

だけど、今回は1ヶ月会っていないのにまだ好きな気持ちは変わらず、それどころかその気持ちは日が経つにつれてもっと強くなっていった。


この前、こんな夢を見た。

前みたいに、塾でアイツと一緒にふざけていた。

アイツは元気で、とても無邪気に笑っていた。

私もそんなアイツと一緒に笑い合えて、とても幸せだった。

ふと目が覚めてアイツの姿が消えると、アイツのいない現実を改めて実感し、涙が出てきた。

思いきり泣きながら、胸が締め付けられているような苦しさを感じた。

今まで、1人の人を想ってこんなに泣いたことはなかった。

11:ちー:2010/08/24(火) 08:43 ID:mKY

私は中2になった。

アイツも中学生になったのだろう。

学校で新1年生歓迎会があった時、私はアイツの姿を探した。

何となくいるかもしれないと思ったからだ。

もちろん、いなかった。

「いるわけないし。仮に公立中学に行ったとしても、ここではないから。」

と、自分に言い聞かせた。

アイツがどこの中学校に行ったのかは私は知らない。

だけど、もしアイツが地元の公立中学に行ってるのだとすれば、G中だ。

私は親友のレナに全てを言った。

すると、レナは私と一緒にG中付近まで行って、アイツを探してくれた。

G中の近くの公園に行くと、G中の制服を着た1年生がいっぱいいたので、私は彼ら全員にアイツのことを訊いた。

10人ぐらいに訊いたので、少なくともアイツと同じクラスになった人は、最低でも2〜3人はいるだろう。

しかし、全員が「知りません」と答えた。

そのわけは後にわかることになるのだが、私はその時、「アイツの行ってる中学はここじゃないんだ」と思った。

すると他に考えられるのは、引っ越したか、もしくは試し受験で受かった中学になる。

試し受験で受かった中学は他の遠い県にあるので、どっちにしろもうここにアイツはいないということになる。

「アイツはもうここにはいない。だからもう会えないんだ・・・」

私はがっくり肩を落として、レナと一緒に帰った。


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