一人の役者にして一輪の花にして一等星
夢を喰らう 希望を奪う そんな少女 魔性の魅力に囚われたらもう最期。
でも仕方ない それはあなた達の罪 と誰かが言う。
つみ ばつ
罪 には 罰 を 罪深い咎人達よ
エゴイスト selfish
其の執行人には ----執行人には
目を付けられない様に生活を送って下さい
からん ころん
( 骨の山のてっぺんに座る。暇そうに肋骨や上腕骨とか使ってパズル。崩れて落ちた。退屈。)
「 4、5、7、8、9、10、11、12、13、22、25、50 どれが良いかな。
咎人は来ないかな。余りに重くて深い罪、私が食べて上げるから 」
此処は罪の間 来ない方がお勧めしましょう。
男も女も老人でも子供でも 機械でも化け物でも神でも平等に捌いて喰べてしまうので。
罪から逃れる術は無いのです。全ては身に降り掛かり身を滅ぼすのです。
…罪を食べる?
(ふと、骨山の狭間から響く声。
声の主は、蒼い双眸で骨上の人物をじっと見つめる年端もいかない少年だった。)
「 そう、罪を食べる 喰らい尽くす、骨の髄まで
罪の質が深くも浅くも 与える罰は皆同じ、平等に 」
こくん がぶり
( 落ちてた骨を鋭利な牙で噛み砕きながら告げる。例え少年でも、彼は悪くないと言う人が居ようとも、与える罰は変わらない。)
( 見た目は少女ながらにして其の眼に既に光は無く、炎の様に赤く赤く照らされた瞳。牙は口を閉じてもはみ出る【 捕食者 】 の牙をしている。
罰は少女にとっての食事ともなるのだ。)
…そうか。おれはクラズマ。
この身に宿る罪を…償うための旅をしている。
一つ質問するぞ。
罪を食えば、そいつはどうなるんだ?
(骨を咀嚼する少女から目を伏せ、尋ねる。)
「 その心意気は偉いよ、とっても偉い、でもだからと言って罪は軽くならない。誰しも小大関係無しに罪を背負うものだから 」
「 罪はその人の人生を表す。 つまり、罪を喰えばその人の存在と言うものが消える、分かりやすく言うなら死ぬ 」
「 でも安心して、骨だけは残してあげるから 」
( 瞬き一度もせずに少年を見詰める。少女にとってそれが至極当然と言わんばかり。)
「 遺言ぐらいは聞くよ、命を噛み締める時間が増えるだけ だけれどね? 」
…確かに、こんな命なら消えた方がマシだな。
(己の胸に触れ、うつむく。)
……それでも、もう一度生きたい。
罪だらけの命でも、居場所があるって分かったんだ。
だからそこへ帰るために。ただいまって言うために。
おれは死なない。
…ところでさ、もう一つ質問だ。
もしも一つの肉体に『二つの魂』が共存しているとしたら…?
「 自身の事を良く知る、其れはとても大事。自身の罪を深く知れば死にたくないと思える。其れが一つの罰。謝罪をするべき、人達への懺悔をする 」
( 冷たく見下ろす、今更何を言うのかと対して期待などせず )
「 居場所なんて無い。咎人に、罪人に、有るべき場所はあの世のみ。今更 更生をしたいだなんて、そんな美味しい話は無し。」
「 そして二つの魂、平等に喰う。何方もあの世行き。命令した方も、執行した方も、罪は同じ。死という罰を与えるのみ。此処に来たからには、代償を払う。たったそれだけ、私が喰べるだけ 」
それでも、あるんだ。
おれの心の中には、あの星の店が…
この命を肯定してくれた。
それを、アイツの言葉を無駄にしたくない。
謝る人がいないならどうすればいい。
この罪もろとも全て消し去ってしまえれば、それで…
……アンタはおれを喰うのか?
「 其れでも、だよ。償う人はあの世に居る。そこで永遠と罪の清算をすると良い。そして.....貴方みたいな罪人を肯定した、その人はつまり匿った。その人も此処に来たならば食べるべき存在 」
「 食べなければ罪は祓えない、そして私の腹も膨れない、一石-ニ鳥。安心して、ちゃんと美味しく、肉片は残さない予定 」
( 牙を見せながら大きく頷く、『 ただし 』と一言、希望を持たせる一言を付け足し )
「 とある罪人は言った、『他の方法で罪は払えないのか、無いならばこれでどうだ』と、新たな提案をした。其の方法はただ時間の無駄だったから勿論罰は与えたけど。
......貴方は提案出来る?自分も納得出来る、罪の祓い方を。其れを私の判断で決める。
セーフ か アウト
[ 無罪 ] [ 有罪 ] 考えれるものならば、考えると良い 」
分かるんだ。
この肉体が、段々…
世界が廻るたびに、『アイツ』に近付いていること。
だからもう方法は一つしかない。
おれは『コイツ』の罪を自分自身で裁く。
制限時間は10分。
もしもおれが裁けなかったのなら、好きに喰っていい。
これでどうだ。
「 そう、それが貴方の罪。理由はどうあれ貴方は悪神との契約。分かると思うけど、そいつを匿っているような物。当然執行対象になる 」
( 上げた腰をそのまま降ろし、掌を広げて見せた。)
「 “5分”ならばやっても良いよ、それが出来なければ交渉決裂、即罰を与える。勿論失敗しても罰を与える、喰う 」
分かった。
おれはそれだけの糾弾を受けるべき罪人だ。
…だから、ここで必ず自分の命とケジメをつける。
――悪神、いるんだろ。
出てこいよ。
(刹那、風が吹く。揺れる青髪、なびくそれに隠された双眸が、風が止んだ瞬間に深紅に染まっていた。)
…
……――
…あはは、困り者ですね。
勝手に契りを交わされては。
完全受肉だけは程遠い。…ですが、この器は間違いなく私に近付いている。
一歩ずつ、一歩ずつ。罪を重ねるように。
いいでしょう。今ここであなたを殺戮します。
(ぽう。足元に砂時計が形成される。砂が落ち切るのは『10分』。
着実に顕現時間が増えている。しかし、制限時間は『5分』だ。)
「 ......“想像以上”に“想像以下”、それでいて面倒。成る程、貴方達は深く強く食らいつく必要があるみたい。ただ、貴方は罪人、罪を受ける餌。私は執行人、罰を与える捕食者。約束通り5分は見てる、手は出さない。だからと言って、殺れば終わる...なんて、思うな 」
( 無反応。恐るべしと言われるその姿を見ても、驚きもビビリもしない。寧ろ呆れた視線と溜め息。
がさがさと骨山に手を突っ込み何かを取り出す。 ....鋼の一斗缶の被り物。 口元付近だけ綺麗に歯形が着き、食べられている )
「 罪人にはまだだったね、自己紹介。ア・スフクター。呼び方は自由。『 アクター(役者) 』でも 『 アスター(花) 』でも『 アフター(未来) 』でも何でも良い。種族は 【 屍食鬼 (グール) 】。さぁ、遺り少ない時間で自身の罪と言うものを深く深く、理解するが良いよ 」
「 足掻いた所で、罰は与えられるのだから 」
そうですか、ならばアフター。
私が創る『未来』への礎となってもらいましょう。
…この器で魔力を消費するほど、よく馴染む。
完全顕現までの道のりは近いように思えるのですよ。
あなたはその為の轍にしかすぎません。
使役、弐。
『ラインの黄金』。
あなたの罪過を見せて頂きましょうか。
(小さな背から広がった六本の翼。その内二本は鍵で施錠されている。
弐と呼ばれた翼は、前に出ると魔力を生成する。
黄金の槍が無数に連なってアフターに放たれた。)
「 ....貴方達に未来は存在しない、有るのは死、ただ今残り少ない命の時を噛み締めると良い。
私は執行人、罪人よりも、咎人よりも、強く無ければいけない。そんな玩具、喰らい尽く必要も無い 」
( 飛来してくる黄金の槍達。全て見切り必要最低限の動きで躱し続ける。首を曲げる、腰を降ろす、たったそれだけ。
龍の様な牙を大きく見せつけながら、鼻で笑った )
ふふふ、なんとも小賢しい。
完全顕現すれば私と比肩できるでしょう。
今ここで殺戮するには時間が足りませんね。
せめてあと5分、顕現に足る時間が15分であれば。
少ない力ではありますが、あなたの命を消し去ることは可能でしょう。
…未来の話ですが――
――おや?
(くるり。交わされた黄金の槍がこちらに向かった。
蒼く光る右目。空を移して輝く。)
…ぉれは、おれはクラズマだ。
お前みたいなゲス野郎に、くれてやるモンはねえんだよ!!
(『罪過を燃やす』黄金の槍。それが己の喉元に届く瞬間。
左目が、深紅に光った。槍を握りしめた手からポタポタと血が垂れる。)
……私の顕現を妨害した?
(落ちる砂時計。)
「 残念ながら私は“1人”に過ぎない、私より強い子、奴等なんて他にも沢山居る。だからと言って、今の貴方に負ける程私は弱くないけれど 」
( 被り物を外してジッと罪人を見詰め続ける、罪人に対して手出しはしない。どう動くか、どう足掻くかなんて興味は無い...訂正。少しだけ興味が湧いて来た )
「 今しっかり聞いたけれど、もう一度聞こうか。罪人、お前の名前は? 」
( 骨山に腰を掛けて、血の垂れる少年を静かに見る。其の目に何かを感じる、強く生きようとする意志を )
「 罪人に変わりは無い、罰を与えるのに変わりは無い。期待はするな 」
私はロキ、ちがう、ワたシ、……おれ、おれは――
(槍を握る手が緩められる。ゆっくりと赤い瞳に突き刺さる黄金の槍。
ゴオオオ…
燃えていく半身。脳内で響く悪神の叫び声を消すように、クラズマは天まで声を伸ばす。)
…クラズマ。
家名もなにもない、貧民街で生まれた鉄足の人間。
それがおれだ。
(青い空に赤い炎が静かに燃える。澄んだ空と同じ色をした右目で少女をしっかりと見つめ、そう告げた。もうそこに悪神の気配はない。)
「 ....罪人クラズマ、私は貴方について興味が湧いた。ですが平等に罪を与えるのが私の役目。そして貴方は宣言通りに自身の罪を認めて、その罪をしっかりと消した。よって________
今は罪人、貴方の臓器一つを喰らう。その代わりに1々月の猶予を与える。」
臓器を捧げるだけならいくらでも構わない。
だが、猶予…?
猶予とは、なんだ。
「 臓器は何でも構わない。ここで心臓を捧げて終わるのも許す。猶予はそのまま、執行猶予。ただ先延ばしにしただけ、と言ったらそれで終わりだけれど。
貴方の罪がそれで消えるなんて事はない。罰は与えなければ終わらない。 」
( 冷たく告げる。それでも未来は変わらない。待つのは死のみ。 )
…分かった。そうだな、おれの罪は確かに消えない。
だからアフター、『その時』にアンタがおれを裁いてくれ。
――胃を差し出す。
この名に誓って。
(ようやく炎が鎮火した。残り火の隙間に見えるのは燃えるような赤い髪。
まさに半分を現しているその容貌で、クラズマは己の鳩尾辺りを指差した。)
「 ....初めてだよ、罪人から執行人に罰の執行を依頼されたのは。享受した、時が来たら[ 問答無用 ]で貴方に対しての罰を遂行する。その覚悟しっかりと受け取った 」
どさっ、ぐりぐり _______ごくん
( 一旦降りては鳩尾に顔を埋める ....少女が喉を鳴らせば身体が軽くなる感覚。相手に対して痛みも与えずに “胃”を喰らった。熱々で程良い肉付き ....不味くて、美味しい )
「 ご馳走様、取り敢えず“仮釈放”的な感じになるよ、罪人クラズマ 」
…あぁ、ありがとう。
礼を言ったのはアンタで二人目だな。
いつかおれを殺しにきてくれ。
アンタが執行人なら文句は言わない。
…じゃあ、おれは行くよ。
(踵を返し、骸が作る乱雑な階段を降りていく。どこか軽くなった体に少しの違和感を覚えつつも、更に足取りの方が軽かった。)
「 ....1月後を楽しみにしています、罪人。礼など言われる立場では無いです。貴方が思うよりも、私は________ 」
( そこから先は何も言わない、これ以上この罪人に心を許すのは贔屓になる。階段を降りて元の世界へと戻る少年に向かい、黒く染まり始めた空を見ながら呟く )
「 幸運を、死にゆく者に敬礼を。全てに等しい罰を罪人に。獄で幸を掴み、またこの世で聖人として生き長らえる様に祈ります 」
( …一部始終を …骨の影にて眺める者___)
...罪 断罪… 青の復讐者のようなモノ、か…?
何にせよ 都合の悪い吹き溜まりに迷い混んだ…らしい
( …神を宿した少年、骸に座す断罪者…
その光景には 宗教絵画のような荘厳さすら
感じられるような"空気"が漂い …観察者は唸る )
ああ、これで…もう一度あの店に行こう。
ちゃんと制御もできるようになった。
だから、みんなと――
(ドクン!)
(ドクン)
(ドク…――)
【契約を忘れましたか?】
(ふと、声が響いた。赤い目の横を冷や汗が滑り落ちる。)
【ずっと待っていましたよ。あなたが『契約を破る』ことを。
一ヶ月もあれば事足りる。契約を破った場合、どうなるかご存知ですか?】
【それは――】
(その瞬間、髪と双眸は燃えるような赤色に染め上げられた。
ただそれだけの話。)
「 新たな罪人、今晩は。生物は必ず罪を持つ、大小関係無しに、一つは必ず。勿論貴方も、罪を持つ、そして罰を与えるのが私の役目 」
( 無機質な首の動き、分かっていたぞと言わんばかりに観察者の方へ視線を送る。光の無い赤い目は生の気を感じ難い )
「 第二幕の開始、と行く?貴方もどうせ罪人だからね 」
>>28
(これはエピローグみたいなものなんでスルーしといてください)
( …反射的に身を隠すも… …仕方は、無い と )
「 …さて 白に近いグレー …と、いうのを希望したいね 」
( …裁判を通り越して処刑場へと辿り着く
奇妙なまでに落ち着いた風が通り抜ける… )
「 …ScullFase・レイチェル。…して、そちらは? 」
「 其れは貴方による、最も天秤は必ず片方に傾き、罰は平等に死という結末が訪れる 」
( 続いての罪人は女性、それも大人。側から見たら親子に見えるだろう身長差。しかし視線は冷たい )
「 執行人の名はア・スフクター。役者にして花にして未来。喰人鬼(グール)の種族。組織の1人、だよ。 何か質問は? 」
「 ふむ、…まぁ 長々とは問わせて貰うとしようか 」
( 普段の目線から下に見下ろせる存在
…しかし、風圧に感じる個の重みはまるで違う )
「 さて …まぁ、幾人も同じことを聞いたのだろうが…
一先ずは同じ轍を踏むとしようか、…私の天秤は…
どう傾いているのかな? 」
「 ...時間稼ぎでは無いならば質問には答える。返答が不要と判断した場合、即罰を与える事にする。 」
( 冷たく淡々と、骨山の上から見下ろす。軽く口を開き牙を見せた後に、下を指す )
「 当然有罪。貴女も何か罪を犯しているのに変わりは無い。嘘、暴言、暴力、軽くても重くても、罪は罪。そして与えられる罰は同じ、私が喰らう 」
「 成る程、古く見なくなった食人風習…いや
…生態系的浄化を司る高位捕食者、といった所か 」
( 背筋を伝うような ___見定める"野獣"の視線
…そして 少なからず抱いた疑問を確信にする…
___獣。…懐かしさすら覚えるような"人獣"が持つ眼 )
( 何を間違っても… 人が持てない声色が奏でる恐怖は
"人の形を取る獣"に他ならなかった。…所々、違いはあるが)
「 … …死、即ち断罪か… それが私の罪が量かね? 」
「 少し違う、私達の組織は様々な種族で構成された物。そして私は執行人、罰は私の食事にもなる。罪人は骨を残して消える。世界は平和に近付く、一食三環 」
( 抑揚は一切無い、先程まで少年に湧いていた情は簡単に消えて、ただ冷淡に彼女を見る。いつでも罰を与える事が可能な様に骨山の上にて膝を曲げて腰を軽く降ろす )
( 飢えは無い。しかし腹が満たされる事も無い。執行人を続けると言う事も少女の仕事にして罪 )
「 当然、例外は少年 ...1人のみ。其れ以外皆死という罰を与えた。軽くても重くても、死は平等に訪れて、与えられるもの 」
「 …聞けば聞く程… いや、少し形は違うか 」
( 抱く感情は… 何なのであろうか 恐怖ではない
…懐かしさが混じるも、愉しくも思えてくる
案外 この地が持つ雰囲気は私向けでは無いだろうか? )
「 …見ることが無かったネズミも居ないらしいね
ふむ… 餓鬼道に住まう、…獣… いや、"狩人"か
それでいて … あぁ、とても良い眼をしている … 」
( 僅かに腐れた屍肉の 鼻を突き刺すような匂い )
「 ......さて、質問は終わりかな。ならば私はただ罰を与えるだけだよ 」
( 褒められても何も出ない、何も出せない。頭蓋骨だけでも大きく山が出来る、最近のハマりは背骨のジェンガ。後は骨粉にする事が多い。それをする事で“喜ぶ者”が組織にいるから
そして彼女も変わらない、何も変わらない。同じように死を与えるだけな筈。なのに先程から感じる圧は何だと言うのか )
「 罪人レイチェル、貴女は一体何者。少なくとも人ではないと、私は感じた。 」
「 多少の時を挟むだけだ、まぁ 彩りの少しは
気にしても罪はあるまい。…最も、それ即ち
結果的に罪に問われない事とは言えど…だがね 」
( 濃密な屍肉の ___"気配" 物言わずとも僅かな風に
音にもならぬ僅かな音 "気配" …漂うモノ、このような
……私たちが好む地に満遍なく溢れる ……____ )
「 …難しい事だよ、それは … ……だが、伺い知れる
諸々には答えとなりうる部分はあった …含めるモノは」
「 恐らく 私は… 君と見えるものが同じだろう
…濃密な…"死"の、香りに炙り出される殆どが
血を嗅ぎとり 鋭く 素早い…"獣"、それが一部 」
「 そう、今更何かをした所で過去は消えない。犯した罪を無かった事には出来ない、そして罪人に未来は無い。此処で終わりを告げるのみ 」
( 罪人の事を哀れと思ったり馬鹿だと思った事は沢山ある、不思議だと思った事も、弱いと思った事も。しかし彼女、また不思議な罪人。情を沸かせてはいけない。なのに----- )
「 私と罪人とでは見る世界が違う、罪人は世界を広く見て、罪を知り犯した。私は組織の皆んなと一緒に狭いけれど色んな場所を見た。何方が良いかなんてのは価値観の違い、だけど私は此方が良い。罪人にも怖い奴はいる、物騒な奴もいる ....私と同じ様な罪人も過去に何人か居た、罪人レイチェル、貴女もそう。その台詞も良く似てる 」
「 ...駄目、話が逸れてる。 罰を執行しなくちゃ 」
[ガチャン]
( しゃれこうべの一つが地面に転がり …足元で止まる
風は吹かず …また、動かす術もない ___死の香り )
「 …そうだな、…私は優秀であり有望でもあった
__悪いこと、良いこと 複数の意味を以て…だから
…"狩人"として全てを暴き 探し求め… "世界"
へと駆り出された… "獣狩りの狩人"私のもうひとつ 」
「 …いつか 人は変じて"獣"となるのだと知った
…だが、血溜まりの故郷はそれを迎え入れ
永遠の…"血と骨"、それらが含める繁栄を極めた 」
( ___おぞましい記憶の羅列 …しかし語らう声の
…懐かしさ ___血に濡れた記憶の数々 )
「 その中で… 獣を喰らって血を静めた
…忌みたる"異端の人獣" …私の最後に賜った
血と骨の"証"にして ___"人を喰った"罪 」
( _______今一度 眼を合わせる
互いも 互いの "野獣"の眼。
赤黒い空気の溢れる吹き溜まり …その 底で )
「 …君が懐かしい ___会ったことがない …
しかし 嗅ぎ続けたこの匂い… "血肉の証"を
全身に纏う …故郷の"狩人"が持つ香り 」
「 ...罪人レイチェル、とても惜しかった。もう少し出会うのが早ければ私と貴女は友達として、執行人として隣に立っていたかもしれない。 だから、残念に思う、そこまで重くて深くて私と同じ罪、食べて終わらせなければいけない事を。本当に残念に思う。貴女の髑髏は特別に、此の罪人の山の頂上に置こう 」
( 言っている事全て理解出来る、納得出来る、だからこそ辛い。分からない方が幸せだったろうに。同じ狩人、同じ人食い、同じ“獣” 年齢、経験、体格、全てにおいて差はあるものの、何故か肩を並べて話し合う存在しない未来が脳裏に映る。此処で今初めて会った筈なのに、幼馴染や親友と再会したような気がする。...するだけだ )
「 私は執行人、貴女は罪人。でもお互いに獣。血と肉を欲して、骨に貪り付き、死を与えた者同士。 同じ罪を背負う者。.......でも、分かるよね 」
それが私の仕事にして ....罰 そしてそれが貴女の罰。
「 ……立場、気の持ち方 …狩人も獣も、在り方は違った
しかし互いについての理解は深くあるのが常…… あぁ
…やはり酷く、懐かしい… 君も私も同じ …そう、最後は
……殆ど こうなると決まってしまっている。
______そうだろう? …血と 骨の世界ならば 」
( 右手に …大型の鉈 …染み付いた血の痕 欠けた刃
"木を前に掴むモノではない凶器"。…しかし その意味は
……命への執着ではない 相手を恨むでも決してない )
「 ……聞こう これが…私の意志では最後だ
こんな姿を 何回見たか覚えているか? 」
( …恐らくは 互いに… "同じモノ"を握り締め
心を圧し殺しながら挑んだ姿 ……そう、2人には…
見えずとも … 共ずると分かってしまう )
「 .....無謀にも私に挑んで来た罪人は多数居る、勿論全員敗北した。しかし初めてだよ、レイチェル。貴女の様様な姿を見たのは。あぁ、本当に残念だ。納得して貴女も罰を受けてくれないと言うのなら、私は本気で貴女をやるしか無い。こうして何方かが死ぬまで、と言うのは久しぶりだよ。レイチェル 」
( 少女の手には何も持っていない。しかし幻想が向かい合った彼女と同じ得物を構えている様に見えた、血に濡れて、ボロボロで、それでいて懐かしい。
本気を出そう。いつもの被り物、鋼の一斗缶。口元は綺麗に食い荒らされて鋭く尖った牙のお目見え )
「 どんなに足掻いても、苦しんでも、逃げても、罰は与えられる、それが罪人の_______私達の罪だから 」
( 可能ならば殺し合いたくない、しかし駄目なのだろう。これは逃げられない運命、覚悟を決めなければ、待つのは相手を侮辱したと言う結果のみが残る。そんなのは駄目だ...全力で、敬意を払い、彼女を討つ )
「 遺言は、選んだ。レイチェルも選んだね 」
「 ……"死"に忌避を唱えた事はない … 罪も 罰も…
自分がそうだった、相手も… だから、避ける事は
……決して、無かった ……そうだね? ……最後に…
こう …なった時… …あの感覚を覚えているかな? 」
( …共に歩んだ 共に戦った ……されど最後には ……
___走馬灯のように 鮮明な幻影 …血飛沫の記憶
抵抗ではない …しかし 最後に互いを…深く知るために。
…同じを、歩んだからこそ … 血を 相手の、それを
浴びる度に ___脳裏へ焼き付く"血肉の旅路"…
……知って貰い… 何より 知るために 激しく牙を
剥き出し続けた ……それだけが 互いの救いだった )
( … ……其処からはもう 互いに慣れたモノだったろう
私は右手の鉈を握り 左の手に… "銀のナイフ"を備える
… 生きるも死ぬも 一寸先は誰にも見えることはない
……だから どちらでもいいように …私達は"狩り"あう )
( ______理解は最初からしていた ……恐らくは…
私は此処へ導かれたのだろう …罪 それ以外のモノに )
「 ……安心したよ… …それを聞くのは 1人だからね… 」
"スフクター"
( …静かに 唾の広い黒帽子を被る )
「 とても悲しい、とても悔しい、深く深く、凄く大きな罪だよ、これは。私とレイチェル、とても深くて重い罪。だからお互いに忘れないように焼き付けてしまおうか、脳の底に、もう一度。
今まで私が執行人を続けて来たのは、レイチェルが生きていたのは、全てこの時の為だったんだろうね。
そして今思うよ、情の一言では表せないだろう関係。生まれて来る場所が違うだけで、同じ血が流れるであろうレイチェル。今ここで、罰を与えて終わらせる 」
幸運を、死にゆく者に敬礼を。全てに等しい罰を
“ワタシタチ ”
“ 罪人”に。獄で幸を掴み、またこの世で聖人として生き長らえるように祈ります。....この悲劇が、決して二度と訪れない様に。深くて辛い絶望が消え去るように_______
( 瞳を閉じて向き合う、喰らい終わらせよう。私達の罪を、罰を。血も肉も魂も決してもう残さない。骨も燃やしてしまえ、この山に彼女は相応しくない。全てにおいてこれが......赤い糸はほどけない、絡み合った運命 )
( その名で呼ぶのはもう、彼女しか居ない )
さぁレイチェル、罰の時間だ。悔い無き終わりを、互いにね。
( .......鋭利な牙、少女に似つかわしく無い、剣や槍よりも貫けて、ただ狩る、食う事に特化した得物。両手はガラ空きだが ....まやかしに過ぎない、相手と同じ武器。せめて最期は“楽しもう” その決意が身体を流れる )
「 ………………あぁ 始めよう 」
懐かしき …… 不浄の地 ___救いの僅かな時間を
…通じ合うまま 互いに狙いを定める
振るう言葉は 鈍い得物へ姿を変え
__決まった結果を 僅かに変え合う
( "獣"と"獣"であり "狩人"と"狩人"であり
"友"と"友"であり "罪"と"罪" )
_____全ての清算は 血によってのみ……
( 静かな音を最後… いよいよ以て鈍い鉈は
嘗ての"凶器"へと変貌する …血肉の気配が
骨の山を覆っていく… …私達は… そう )
"呪い"
( 音も無く眼前へ跳躍し
また躊躇いも無く鉈を振り下ろす )
「 私達の罰はこうしてしか拭き合えない、嫌だよね、同じ存在だから全てが分かるよね。だからこそ .....レイチェル、とても嬉しいよ、最期がこれになるのなら 」
ガキィッ!!!
( 鉈を受け止めるのは鉄の一斗缶、被ったそれはしっかりと急所を守るのに適しており、簡単には打ち破れない )
ギギギギ......
( 力任せに踏ん張り押し続ける、牙を剣の様に振っては首筋から切り裂こうと得物を振る )
.....ガサガサガサガサ
( 骨山から探る、彼女を打ち破れるものを、牙だけでは貫けないだろうし、そして本気でやらなければ、彼女に侮辱になってしまうだろう )
[チィンッ][ギィ ギギギギギ]
( 唾是り合いは 空いた手の応酬を以て力任せに続く
…襲い来る牙の得物をナイフで防ぎ、肩目掛け振り下ろす )
( …不安定な骨の山 足場に掛けるは最悪なそれ
だが 静止でさえあれば姿勢も安定する )
ガラガラガラ .... シュピギィンッ!!
( 骨山から取り出したのは本気の牙、赤く血濡れて鎌の様に反りを見せた、ただレイチェルの為に使う。初めて使う付け歯。しかし防御が疎かになり..... )
ザシュッ!!!! ドクッ..ドクッ....
( ナイフにより肩が切り裂かれては赤い滝が滴り落ちる、それでも退く様子など見せずに付け歯とは別の手で奥歯を引き抜き、ナイフを払いながら脚に突き刺そうと振り下ろす。喰人鬼の牙は竜にも匹敵する。そして再生が速く、5秒で乳歯になり15秒で元通り )
( 根比べはまだまだ続く、少女は折れるという事を知らない )
[ズッ] ……………
( 脛を貫く牙の得物 人体を容易に貫通せしめる威力は
誠、衰えずして 肉を掻き分け 骨を欠かせた。 )
[ヒュッ]
( やにわに鉄の被り物を蹴り付け 骨山の下へ飛び降りる
……距離を取った … 数秒だけでも 代償は高く付いた )
「 ……………… 」
( 短期に… 攻めなくてはならない )
ゴォォォォォォンッ
( 鉄の被り物を蹴り付ければ鐘のように響く、重い音色。頭の中まで深く深く、聴こえる痛み。罪人の悲痛な叫び。)
.............
( 今までの罪人よりも深く身体に残る突き刺した血と肉の感覚。重く残り続ける )
カチャカチャ....チャキンッ
( 装着する赤い血塗れの本気の牙。先程の牙よりも痛みが強く、当たればただでは済まない。芯もしっかりとしていて折れない愛用....いや、一番最初の歯にして、一番初めの罪人を捌いた代物 )
「 ……………………… 」
( …僅かな間 僅かな時間が空く すると …血が …
ほんの少し 浴びただけのモノが… 意志と 悲痛な
想いとなって … 己に押し寄せてくる …… )
____"生きている" …それを踏み締めた
嘗ての血に濡れた __あの日々が …
( …… 初めてで 懐かしい。 … 分かり合い
… そして こうするしかない。 … その事実が
血と共に伝わる意志が …今になって 重く…
___数分の以前を 恋しく思わせる )
………もう 終わらせよう
( …心が引き裂かれる前に __もう 結末を得るしか ない
そう 鉈を"両手"で持ち 一瞬の殺傷力を高めるのだ。
__思い切り …両手 それで用いるモノには… 大概、
深く 思い切った意味を含める。… …それでも…
"狩り"に用いるのは ……久し振りだと、そう感じる )
(もし 先があるとしても… …"両手の狩り鉈"は …
… 彼女で 終わるのだろう… ___それを願い)
(震える手を圧し殺し__) 鉈を 握り締める
( 肩から血は垂れ続ける。普通ならば安静にしていた方が良い、深い傷。でももう、治療意味なんか無い。その傷の時点で罪が決まって、罰が来る )
「 ねぇ、レイチェル 」
( そもそも止血なんてものは出来ない、教わっていない。ただ狩る事を、罰を与える事を、それだけが生き甲斐で、自身の罪を払えると信じていた。
なのにもう、終わらせなければいけない。罪人を捌くのに悲しむのは初めてだ、それ程彼女は________ )
.....辛くて、ありがとう
( 一斗缶の中で目から垂れる液体など知らない、もう視界は要らない。位置は気配で感じ取れる。これで終わるのだろう )
_______________トンッ
( 軽々とした足音、翔んで大きく、口を開く。血に濡れて、沢山の罰を与えて、命を奪って....どうしようもなく、汚らわしい口を。
赤い牙を立てて...首筋から噛みちぎろうと飛び込む )
......ガパァッ
( 吐き出す 血。関係無しに、彼女に.... 親友に、ライバルに、噛み付く )
..ギルティ・バイト..
【 罪 喰 ら い 】
( …… それでも 冷静に …… )
___込み上げるモノは数えることなどできない
その暇もない …握る両手…
「 ………… …………君も ………人の子だ 」
手放す
[グゥッ]( 両手を開き …飛び込んで来る"獣"を… )
____肩 … 首 近くを引き裂く牙を受け
小柄な体を抱き締めた
(_________鉈に染みた 血の痕は色褪せ )
心の___ 弱きに …
"負けた"
「 .......私は、私は、喰人鬼だよ、人なんてそんな、愚かで美しくて、高位な“人”にはなれない 」
( ゆっくりと牙を引き抜く、赤さが更に色味を増して、垂れる液体は ....透明と赤色 )
ポタ、ポタ....
( 垂れ続ける、二つの液体、静かに落ち続ける、罰の現れ )
「 でも、そう言ってくれて嬉しい 」
....ごめんなさい、そしてレイチェル、ありがとう
( 執行人失格、これが罰、“獣”の罰。最悪の結末...それが、罰
治す術なんか知らない、人を殺める事しか知らない、だからもう、何も出来ない )
( …手を 離し… 片手で抱き上げたまま …起き上がる )
「 …… …だが …… "獣"の… ___人でなしの心には…
… …染まりきってはいなかった … スフクター…
… 謝るのは… 私だよ。 …意志を鈍らせ… …… 」
…君を …引き摺り下ろしてしまった
( …上がらない腕 骨を貫かれた傷痕… 故__
"狩人" を棄て 残る腕で抱き締める… …
…一瞬 それだけかもしれなくても… "人の心"。
___"獣"が持てるモノではないものを… 得たのだ)
「 …けれど …何故だろう… …それが、酷く…誇らしい 」
「 ....レイチェル、レイチェルの罪は重い、凄く重いよ、こんな所まで降ろして。とても堕落してしまう、此処までの道のりに、感謝を。そして、謝罪を ........此処に罰は、罪人に与えられた 」
( 一斗缶がからんころん、音を立てて転がり落ちる。見られたくないのに顔が見られる。止めたいのに、何でか涙が止まらない。えずきも出て来る。
本当に、本当に、感謝と謝罪しか、降りて来ない。執行者が罪人に与えられるのは“言葉”と“罰”のみ )
「 本当に、史上最低の、罪人だよ、レイチェル......もう、罰は与えられた。平等な罰は与えられた。だから_________生きて?生きて、罪を償う罰を、死ぬまで続けて、ずっと、ずっと 」
( 我を貫き通してしまう、強く抱き締め返す。とても辛い、初めてこの仕事を続けて来て、涙が出た、嫌になった )
.....酷いよ、罪人レイチェル ...本当、酷いよ
( 無言の時間が …辺りを包む …肩の傷は …塞がっても…
…冷たいものが 全て流れ出て行くようで )
「 …これは大いなる"罪"だ
君のものとは違う… "無二の大罪" 」
「 ……その …初めの償いと 罰には… …
スフクター… …君を連れ出さなくてはならない 」
( … …体を通じて …やっと やっと、わかる… そんな
___温かみ…。"獣"を… "狩人"を… 棄ててでしか
…感じることの出来ないもの … …この風は… …
君には 似合わなくなってしまった。… 嘗ての…
… …私と …同じように____ )
「 … … それだけではないな …私は… …
それを… 願っている、望んでいる… 」
「 ......好きにして良いよ、罪人レイチェル。ただし罰を与えるには執行人が居なければ駄目。ずっと隣に、それが私の罰だから
駄目ならば、一週間に一回来て、私と話をする。懺悔でも良いし何でも良い。だからレイチェル 」
________________どうか、死なないで。
( 執行人として言っては駄目な一言。禁句。それを破り、願いを告げる。望みを託す。新しいその未来を掴んで欲しい。もう自由だ、この罪は終わったんだ )
( …肩の痛みは… もう無くなった
__冷たさも感じない … )
「 … 行く宛も… まだ、探しはしていなかった身だ…
だが それで… 君と …君との罪をあがなうのなら
… 何と、可愛らしい罰だろうね … …血も 骨も…
この間には存在しない … それが… 君と、私に__ 」
( 再び上がる両方の腕 …だからこそ 抱き締め )
「 ___"人"にとって… なんと喜ばしいことか!
… …… だから、私は… "人"として産まれて…
良かった。 …そう、いつも思っているよ 」
( … …去る気配も何処か 遠くへ見ゆるような…
______大きな運命の …到達する事のない結末。 )
「 ......初めてだよ、こんな出会いは、こんな罪人 ....いや、“友達”は。組織の誰とも違う。
だからねレイチェル、レイチェルと私は同じ罪。同じ罰を受けなくちゃいけない。
_________これからも宜しくね 」
( 小さく頷く、泣くのはもう止めた。唾を飲んで辛いのも耐えた。獣には出来ない、しない事 )
「 ここまで長かったね、レイチェル 」
( … 小さくも 大いなる気質を感じ … 長く 抱いていた
小柄な体を …離す… ___己から… 狩りの"術"ではない…
醜く凝り固まった …冷たいものが失われた様に感じた )
「 … … 先ほども言ったけれど… 私は居着く場所を
探してはいない__ …ゆえに、此処は… 今、唯一
腰を下ろせる場所とするだろう… …スフクター… 」
( …"人"として ___柔らかく 笑み… 血濡れの失せた
華奢にすら見える左の手のひらで… 彼女の頬を撫でる )
「 … …少し、休もうか … 君も、私も… 」
「 .....良いけれど、此処は私が上じゃない、私も立場的には、執行人はまだまだ下位の位。上には上がいる。此処に滞在する事は別に良い。でも....多分、私の罰は終わらないし、他の位の者達も沢山来る 」
( いつの間にか傷跡も綺麗さっぱりと消え去り、残るのは年相応の、瞳に小さな光を灯した少女。見せる....『 笑み 』 嬉しい、楽しいと言った、少女らしい笑み。人らしい笑み )
「 うん、お疲れ様、レイチェル 」
( ピリピリと張り詰めていた気も消える、少し楽になった。気も軽くなった。彼女にとっての救いとなるならば、罪の償いとなるならば、執行人はいくらでも____甘いと思うかもしれないけれど、平気 )
特別な罪人は二人いる、一人は自身の罪を自覚して抗い続ける少年。
もう一人は似ていて、似ていて、似ている。でも違う彼女。
多分私は__________そんな馬鹿な人が大好きだ。どれだけの罪を犯しても、どれだけ自信が駄目と分かっていても、生きる人達が。
[カチン]
「 良いさ 気長にしているよ… …僅かな可能性さえあるなら…
人は楽観を持てるものなのだからね… ついでに、希望と
自ら変える少しの力を。… 多分、君でも信じられるかな 」
( 鉈を開けた場所の中心へ突き立て …骨の山へ
ゆっくりと背を預け、傷の手当てに取り掛かる
…消毒、補修、包帯… 心得がなければ辛いが
私は人なりの再生と言うものを嗜んでいた… )
「 …いい顔だ 似合っているよ 」
_____僅かな光を受けて …突き立てられた鉈は静かに輝く
血肉のささやきはもう ___聞こえなかった
「 .....レイチェル、レイチェルも気を付けてね。私が付けたとはいえ、傷、とても痛いだろうし。もう治るとは言っても、心の傷は、罪は消えないから 」
カラン、コロン
( 骨山から落ちる髑髏。心が軽くなると同時に、落ちていく。彼女と話しているだけで、少しずつ、少しずつ、静かにこころが安らぐ。
其れでも矢張りまだまだ、足りない、足りない、色々と )
「 ありがとう、レイチェル。色々と、分かった気がする。人について。人が変われるって。罪も罰も、もう少し軽くしても許される、かな。 」
( 脚と 肩に包帯を巻き終わり… 注意深く 後を片付ける )
「 お気遣いどうも。… こう見えても、私は…
結構、頑丈だからね… …すぐに回復するよ 」
[コツンッ]「 うっ 」
( …頭にしゃれこうべが落ち __軽い音が鳴って
状況を理解しながら 私は自分の頭を撫でる… )
「 … … それは難しい問題だよ …スフクター。
在り方に良し悪しが少なからずあるように、
あの在り方にも、何処かで良いものをもたらす
事はあっただろう… …しかし、柔軟に考えるのも
決して悪くはない。… …人、個人では判断しかねるが… ね 」
「 .....私はまだ、78の中。22にも入れない、弱い者の中。組織の中では中の下ぐらい。ねぇ、レイチェル。気を付けてね?私はまだまだ、下だから 」
( 片付けの手伝い。ずっと此処から離れていない。処刑場もとい、遺骨の墓。だから何処に置いてあったかも覚えてるし、誰の骨だったのかも ...覚えてる )
( 少女が突然言い出すのは自分の立場。組織の中には良くあるのだ。まだまだ下位の存在。上にはいけない____そして強さも )
「 極端な事は罪に入るのかな、あれが正義っていう人もいれば、やり過ぎだって言う人もいる。難しいね、考え方って。でも私はね、あれでも良かったって思ってる、老若男女、全てに平等に与えられるものだったから 」
「 …… 心配ない、…とは 言いたい所ではあるが …むぅ
…それが冗談であることを祈る心もまた… …否定…
出来ないね。… …君も、素早かったのだがなぁ__ 」
( …耐える精神、俊敏な牙、野獣の気迫… …少女の
強さたるや 本格的に暴をぶつけ合った事は無くとも
故郷の者共であっても一筋縄では行かぬ事など
初めて見た…あの時より推し量れた。…なのに… )
「 …自然の理、説明には時間を要するので言わないが
喰らい、土に還す事そのものは人間が現れる以前の
当然であって正しいことではあるだろう… …だが
…人とてその内に入るとは言えど… … "人の心"を
持つ、私達にとっては辛いものでもあっただろう… 」
( 姿勢を崩し …片足を投げ出す、
心情に富んだ少女を前に…気が緩んだ )
「 …スフクター … 努力が何であれ… 君を間違っていると
面と向かって言えるものは居ない。…それは確かだ 」
「 ....私はこの場が一番慣れてる、だから一番早く感じた、それだけの事だよ。とても強い、とても凄い人ばかり、私以上の化け物はまだまだ上にいる。其れと、私はただ種族としてのパワーとスピードを引き出してるだけ、まだ成長は多分、出来ると思うよ 」
( 心を許したのは彼女だけでなく、少女もらしい。骨山の上で楽な体勢を取り、話を続ける。
自身も組織の全員に会った事は無いが、其れでも、狂っている様な強さを持つ者が多い。だから不安。もしかしたらなんて言う、嫌な未来、自身が罰を与えるに等しい、最悪の未来 )
「 ただ、平等という店においては私は正しいと思っている、男も女も、少年少女、老人、病人、化物、誰にでも罰は等しく。その教えられた信念はとても正しい気はする、かな。
....ありがとう、レイチェル。私の道が、今まで歩いていた道が間違ってたなら、新しく道を開いて、走って、取り返す。だから、正しさって言うものを考えてみる 」
「 ……イヌと オオカミの差という事か 」
( …少々の羨望を含んだ声… 医と 狩の素養と経験を
積んだとしても人は人。…獣、怪物のフィジカルに
勝利することは ……難しい、そう、証明された )
「 … …長い、長い思案となるだろうね… スフクター…
あぁ、物事というものには… 必ず、側面というものが
存在する… …それによっての …正しい、正しくないも
視点によってはまた違う… ……君が、考ずるのは
そういった物事の中でも、かなり …難しい部類なのだよ 」
「 ......後はやっぱり、組織の上の人は変な力を持ってる事が厄介だと、思った。私達の身体能力とはまた別の、超能力。摩訶不思議極まりない、未だに謎の多い力 」
( でも多分、技術などを含めたら彼女の方が強いと思える。だって動き的には単純、でも其れが速くて攻撃力も高いから対処がしにくいだけ。慣れたら獣は獣でももう牙も無い。狩人に狩られるだけ。)
「 うん、難しい。だから色んな人と関わって、考えてみる。私の見た事の無い、知らない世界を見て、新しく思考、してみるね。でもレイチェル、一番参考になって、一番考えたのは、レイチェルが初めてだよ?だからレイチェルは特別な人、罪人は罪人でも、特別...だと、思う 」
「 …能力? … ふぅむ、…摩訶不思議は色々と見てきたが…
果たして。…その経験が通じるか否か … それに、…君が
…思案するような時が… 来た、として … …その あれだ…
スフクター。…君は … どうするのかね? 」
( … …何度も、その事についての思案に … 或いは
不安に。… 気にし続ける、少女の様子には…
何とも、答えにくい物の聞き方をしてしまった。 )
「 …その言葉は… まぁ、嬉しいが 」
「 ....少なくとも私じゃ手も足も出せない程、謎が多くて変な能力ばっかり。でも多分、レイチェルなら勝てると思う。レイチェル達なら。
.........分からない。考えた事も無かった。決めようとも思ってなかった。組織を裏切るなんて、今の私が裏切った所で、居場所なんて無いし。それに.....その時は私が、死んでるだろうし 」
( 雲一つない晴天を見上げながら呟く。自分の未来なんて、今で精一杯で頭の片隅にも無かった。それにもしこの罰をやめたら存在価値と言うものが消えて、どう生きたら良いかも分からなくなる。でも、少女的には、悔いは全く無い )
「 だって、レイチェルと会えた。クラズマと会えた。特別な、私と言うものを変えてくれる人達に会えた。だから、もう幸せ、だよ 」
「 … …なるようになれ、とは言うが… 限度もある。
… 折角、出来た数少ない友達なのだ…決して、必ず…
… 君をやらせはせんよ。… そう、必ず… 」
( … 少女は まだ… …"外"を知らない。
…殆どが"闇"だとしても それ以外の…
"楽しさ"を少しも、味わっていない。
… … … させるものか …連れ出すのだ。と
空を見上げる少女から目を逸らし …突き立てられた…
陽光に輝く鉈を眺める。… 血濡れの乾いた鉈を )
「 …… 」
「 ....所で、私のこんな何も無い場所に、ずっと居て平気なのかな。レイチェル、暇人か無職じゃないと、何で此処まで滞在しているのか不思議だと思う、よ。そもそも...此処で生活、難しいと思う 」
( 彼女の決意に気付く様子全く無く、今更ながら小首傾げながらどうするのか、と言うのが気になり。此処は骨と微かに残った肉ぐらいで其れ以外は何も無い、骨山の中に少女の仕舞った赤い牙が隠されてるだけ。
ただの断罪の跡、それしか無い )
「 あ、私の食事に関しては心配しないでね。喰人鬼だから、罰を与える事は私の食事にもなるから。基本的に最低でも1人は此処に投降されるし 」
( …"夕焼け"… その、美しさを見上げながら…
鴉の鳴き声に 腰を上げ、突き立てた鉈を眺める )
「 …… そうだね、スフクター… …私も 少しはやるべき
事も… ある。… …ただ …鉈は、置いてて…良いかな? 」
( …脚も、肩も今や問題なく動かせる )
( 完璧に治り始めた傷を見て安心、と言っても罰を与えた事実が消える事は無い。...少し心残りはあるが、それでも心の穴は塞がれていく )
「 勿論、此処にレイチェルがいた証としてこの鉈は置いておこう。でも、無茶だけはしないでね。誰にでもそうだけれど、死んで悲しむ人がいる。私は、貴女を待っている 」
( 何故か残る寂しさを我慢して、また罪と罰を与える生活に戻る )
「 …言いたい事、全てを言わずとも… ふふ。
万感に至る思いだよ… …やはり、私達は…
…いや、長引く話は最後にするべきではないな 」
( …出入り口、なのであろう… 開けた場所から
空が遠く… しかし、よく見える道へ… … )
「 …きっと、戻って来よう。… 君の言葉を、
確かに覚えたよ… …それでは、ね …スフクター。 」
「 ご達者でね、レイチェル。無事で帰る罪人なんか初めてだから他にはどんな言葉を掛ければ良いのか分からないけれど、ちゃんと、また帰って来てね 」
( 左右に隻手をひらひら、長い話の次は、罪の告白は、また次に持ち越しだ )
「 さようなら、またいつかね、レイチェル。大丈夫、必ずまた会えるからね 」
「 今日の罰、終了 .....暇だな、なんだか、寂しいな 」
82:アルスター◆.s:2021/03/01(月) 16:41
_______月光を背 生々しい風を受け
( 再び … 迷い混む者、小さな背丈の… )
__"探求"を胸に歩むもの。
「(…ぅーん、おっかしいなぁ?…地図に…載って、ない…?)」
___今日はその限りではないらしい。
( 入り口の広場、…其処に至り 小娘は首をかしげる )
からん ころん
( 少し不気味に、小娘の目の前に落ちる、髑髏。その髑髏は警告の様にも見える。此処から先、進むべきでは無い、と。)
( 無謀な冒険はお勧めしない、何故なら此れより先に待つのは断罪という名の死のみ。
.......つい“最近”までは、死のみが罰として与えられていた。しかし、執行人は.... )
( ....そもそも、そこに辿り着く迄が面倒なのだが、他の組織のメンバーや下級員もいるし )
( …物事の受けとり方、…意志疎通に於いて最も厄介な部分
例え、落ちる髑髏の意味が"警告の喚起"だとしても
…愚かで しかし聡明な人間には… 疎いものなのだ )
[カコン…]
「(遺骨…? …墓所、にしては… 血肉の臭いが濃い…)」
( 足元へ転がるしゃれこうべに怯むこともなく。
上等な大きい鞄を揺らし、血肉の臭いが先を眺める…)
_______人の… 神の 秘める 『何か』
神秘と呼ばれるモノ ___それらは血肉と
遺骨にまみれた墓所へと身を隠す事を好む
________…
「("偉大な死 ミーダ"、あなたの深みは
…果たして、ここにもあるのかな…)」
( …胸に秘める探求の心と警戒
しかし…求める眼は血肉の門を越えた )
( 入って来た、分かりやすい気配と雰囲気。でも何だろう。この似たような気配と雰囲気。しかし、来るのならば容赦はしない、ただ罰を与えるのみ。処刑を実行するのみ )
「 また一人、咎人が、罪人が来た。誰であろうと、罰は平等...に。いや、罪人によっては執行猶予を...。違う、それじゃあ不公平だ。執行人は誰にでも等しく罪の大きさに関わらず罰を与えるのが仕事、なのに 」
( 何故だろう、やめたいと思い始めている。これをするのが私の罰なのに、逃げたいと感じている。食糧はどうすれば良いの。分からない、分からない。迷いが出来ている )
___________来ないで、近寄らないで
( 今の執行人には考える事で、精一杯 )
_________悩める声 …血肉より響く怨嗟の声
(執行の声を掻き消すように …響き始める)
「(…ここは…違う、…何かが…ある。…けど… … …
死よ"偉大な死 ミーダ"。…あなたとは違う…)」
____視線は… _________怨嗟の声が 覆う一つの遺骸へ
( …怨嗟 血肉より叫ばれる有象無象の声の群れは…
その場所から溢れるように 墓所へ拡がるように見える )
「(……………"殉教者"……"偉大な死 ミーダ"…あなたではない
けれど…… …司るは……… "遺"……遺すもの……残すもの。 )」
______かり かりり
( 軽く掻きむしる、頬、胸、足。分からない、どうすれば良いのか、分からない。どんどん沼に嵌り、今まで捌いて来た罪人達が手招き、足を引っ張って来ているように感じる。少女の精神はもう、限界を迎えていた )
「 会いたいよ、レイチェル 」
( この寂しさが紛らわせるのなら、消えるのなら、もう一度、彼女に逢いたい。我儘で傲慢なのは分かっている。其れでも-------- )
( 押し潰される、今までの罪に、怨みに、全てに。とても重くて痛い、辛い )
「(……………"死の徒"…"マコ=ジャ"…
それは、ダメ。…これは……違う)」
_____…怨嗟は濁流へと 濁流は禍へと
( … 受け付けない 怨嗟を解き放つ"遺骸"…
歩み 寄り、… …在り方を よくないものを… )
変える ために
______糾弾を放ち続ける遺骸を眼下
「("死の徒"…"マコ=ジャ"… …あなたは……もう 見ていない…
………"偉大な死 ミーダ"……此処に 為すべき事を為す……)」
[ィィィィ]
______柄を両手に 眼下の遺骸へ向け… 淡く 剛い …光
( ……英雄がそうして 歴史に残ったように… …淡い光の剣。
遺骸へ光刃を下に 柄を両手に持ち …"神秘"を 其処に顕す )
____…淡い光 …溶けるように 怨嗟は弱まる
「 レイ、チェル .....レイチェル、寂しいよ、会いたい、よぉ 」
( 縋り付く闇が消えれば消える程、少女の想いはより強く、それでいて鮮明にはっきりと。
残る怨みが、消えて溶けて、身体が、心が、軽くなる ...其れでも、その渇きは潤せない )
( 何故だろう、ここまで深く深く、考えるのは。彼女と話してから、罪を与えてから、心のモヤが晴れないでいる
.....そこにいる、罪人の少女。罰を与えなければと、思うも、身体が動かない )
( 当然それを組織の者達は良く思わない )
“ 執行人、しっかりと罰を遂行しなさい。それが貴女の罪でしょう?無理ならば貴女には“地獄”を味わって貰いますから、ね”
空から見下ろす、黒ローブ。
深く被られ目元は隠れていて見えない。
その圧は強い。声も低い。
入って来た少女にもチラリと視線を送るも、直ぐにまた悶え苦しむ哀れな“罪人”を見下ろす
“ スペリオール ”
【 組織の上の者 】執行人の言う “22” 執行人は58の中。合わせて78。 ....トップは2。
“ これが貴女の罪なのです、自覚しているのならばその罪を清めなさい、払いなさい。 私が其れを審査しました ”
( 更に執行人を追い詰める。その言葉は呪いになり、重く重く、心を更に深く閉ざさせる
決して彼女に余計な、無駄な心を持たさせない様に )
「 ん。」
( …声に 僅かな反応 …遺骸へ視線を戻す
…… ……崩れ ___…今にも破裂せんとする 濁流 )
__________… 伏せ
コォォォン________
…鐘の音… ___透き通った音色が空へと響き渡る
光に打たれた遺骸の欠片は …その怨嗟を 手離す
[ピィィィンッ]
( 突如、出し抜けに光刃の衝撃波は黒衣を掠めるように飛ぶ )
「 … ……だれか、呼びました? 」
「 レイ、チェル。 ...辛い、よぉ 」
_________________どてっ
( 最後の最後まで泣き言を、自身の想いを、呪いを吐きながら、ただ鐘の音が鳴れば、一瞬で意識が落ちる。
別に悪い事じゃない、何故なら安心感に身を包まれたまま寝る事になったから。瞼の裏に二人の罪人を思い浮かべて、骨山から転がり落ちる )
___________.....ジュウゥゥゥ
( 掠めた、と言ってもその熱さから少し焦げて、煙も出る。其れを当然良く思わない、22の強者の一人 )
“ 何故貴女は邪魔をする?何故貴女は執行者の邪魔をする?これは丁度良いものでしょう?其れを認めているからこそ、罪と罰が程良く味合う事が出来て、とても清々しく平穏な日常を、生活を送る事が出来るのです。『 度を越さない 』 それが全て綺麗で、調整されているのです。執行者の罰は調整してからですから....困ったものですが、ね ”
( 丁寧な口調が何処か不気味に響き、支離滅裂な発言を繰り返す。管理と言う物はそんなもの。適当で、雑。面倒そうに溜め息を吐き、執行者とそう変わらないであろう見た目の少女を見下ろす )
“ 今引き返せば、先程の無礼を許しましょう ”
(___衝撃を放ち 光を僅かに弱めた剣(あっ 落ちた…)…を
肩に乗せ、小娘は人間的に… 視線を、空へ飛ぶ者に向ける)
「 えぇと。…その、人__ 多分、ねえ様の、処置を受けた…方?
…ですから、ねえ様に出来ない事を あたしがやるんです。」
…そう 小娘は…"この事"の多くを知らない
( …地の考察 別の地より持ち込む"神秘"と "知識"。…
だが 初めて訪れる場所には… … 殆ど、学はないのだ )
「 な の で 、此処は退けません! 」
_______朧気な …"意思" を除いて。
“ ___________ふぅぅうううう ”
( 大きく吐く息、とても嫌そうに見下ろす。面倒極まりない、それもこれも、全てはあの2人のせい。そのせいで歯車が狂ったと、黒衣の者は思う )
“ 私が直々にお相手、してもよいのですが面倒ですし私は忙しいのです。無知と言うものは本当に残酷で、それでいて残念極まり有りません。それが貴女の罰、と言う事にしましょうか ”
( 片手を空に上げれば、小娘に向かい急降下してくる大きな影 )
“ 頼みましたよ、貴女の働きによっては昇格も考えますからね。そこの執行人...いえ、“四之聖杯 ”。執行人についての処罰は後程考えましょう。ですから、此処は貴女の働きに掛かっています。ねぇ?“三之剣 ” ”
( 飛び降りて来たその女性、薄い赤のぼさぼさ短髪。金色の瞳をぎらり、輝かせて獲物を捉えた。腕は鳥の羽となっている。下半身も鳥に近く足には鋭い鉤爪。半人半鳥の怪物(ハーピー) )
「 たまには本名で呼んでくれても良いと思うんスけど〜〜...そこんところどうスか? “ 節制 ” さん。ま、言われたからにはがんばるっスけどね、悪いっスねお嬢ちゃん 」
骨も残らないと思って下さいっス、加減下手なので!
( 既に黒衣の姿は無い )
「(…言うだけ言って去っちゃいましたか。…しかしッ
あえて今、お言葉を否定させて頂きます!)」
("無知とは、それだけで罪とはなりません!")
__不穏が空気を満たしていく… 僅かな間、小娘は眼を閉じる
「(触れぬモノへの知見は無くて当然、共有が生き物の
特徴であれど、"初めて"への知見とは… 直接、誰かが
見て、触れなくては始まらないのです!…其処に…)」
("始めから定められたモノなどが入り込む余地は無い!")
「("未知"が!!触れれば害と為す"暗黒"であるからこそ!
人はそれに触れ!"知り"!越えていかねばならないのです!
……そして この恐ろしき未知の暗闇に___
後へ続く道を切り開く者は!)」
(確たる覚悟を持つものだけですッ!)
________未知、その停滞… それは何よりも恐ろしい
"毒"が "知れば"治すことも出来る様に…
可能を恐怖で潰すのは "人の死"も同意。
故に 小娘は"挑戦"の目付きを以て笑う!
「 …争い事は苦手です…が! 壁を越えるは人の証!
あなたが強く、恐ろしくあろうとも…勝って見せます!
人ゆえに! 」
「 好戦的 ....若いって良いッスね〜〜〜!!だから人って嫌いになれないんスよね、馬鹿ッスけれど挑戦してくる、無謀だけれど頑張ろうとする 素敵ッスねぇ 」
バサッ バサッ バサッ
( 空中で両翼を動かして留まり続ける半人半鳥、少女の宝石の様に光る瞳や、その目付きに何か惹かれる物があったのか ...大きな口から喰人鬼には劣る物のしっかりとした“狩る側の牙”。ソレを少し見せながら舌舐めずりし無謀な勝負に挑む少女を認めた )
「 お嬢さん、名前はなんて言うんスか?最期に聞いてあげるッスよ 骨は残さないッスけど ...その名前、空の墓に刻んでやるッス!
....あ、でも自己紹介はまず自分からッスね、“アンゲスト・エウロス・ロイ” 長いッスけれど覚える必要は無いッスよ? .....恐らくお嬢さんはもう終わりなので 」
(名乗られた"空気を冠する名"の羅列
…刻み込め、せいぜいを越えて闘うために)
「 お名乗りに応じ、あたしもお名乗りいたします! 」
我が名っ!
(____此処で …小娘は一瞬、口上に悩んだ)
「 ………… 探求の徒!"神秘のレイチェル・アルスター!" 」
( 淡い光りの剣を振り上げ 高らかに名乗りを挙げ )
「 ………ですっ 」
( 思わず溢れる笑み )
「 見た目らしく子供らしく、ッスね!名乗り感謝するッスよ、アルスターちゃん!あ、先に言うと自分は初級〜中級レベルの風魔法を使えるッス!!.....まぁ“姉貴達”には全然及ばないッスけれどね、だから何方かと言うなら自分は肉弾戦に優れてるッス! 」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥ
( 剣には劣るものの其れでも優れた鉤爪と牙、軽く髪が揺れる程度の風が吹きながら、正直に情報を告げた。これで全然卑怯ではない、だろう )
「 さぁて、遺言は決めたッスか?本当ならばゆっくりお茶会でもしたい所ッスけれど、命令は命令、なんで 悪いッスね、これも生きる為ッスから 」
チャキッ シャキィンッ!
鉤爪に装着される鉄の防護武装
茜色の空に赤髪揺らす半人半鳥の影 憐れみの眼で少女を見詰める
( まだ話は通じる方かもしれない )
( 戦うかどうかは貴女の自由 )
( 風を纏い… 空を舞う 人を喰らうと
高らかに叫び われを見下ろす骨墓場 )
「 残念ながら! あたしは此処で終わる訳には
ぜぇっっっったいにぃっ! 出来ませんっ!! 」
_____されど怯まぬ小娘の瞳
さぁ___今こそ!
「 宣告いたしましょうわが"奇跡"を!
墓場に舞うは死肉いざなう空気の影!
__何処へと消えし人の幸楽を掴めぬ方へ! 」
( 遂に小娘は淡き光の剣を両手で持ち 構える! )
「 あなたの"縁"を!眼の光を曇らせる"運命"を!
…今より 【レイチェル・アルスター】の名のもと! 」
幸福!得て頂くためにっ!
「 われ 淡き"月光"を手に!___断ち切りましょう!
さぁ いざっ! 」
断りの時にございますっ!
( 骨山を軽々と登り 空気を纏う者へと接近! )
「 ....かっこいいッスねぇ....でも、そんな台詞は誰でも言えるッス、重要なのは其れを成し遂げれるか、ッスよ?分かってるッスよね?それに 」
( 小娘とは思えない気迫、ごくりと飲み込む生唾。確かに執行人がああも毒されたのも納得出来る、要注意人物 )
「 アルスターちゃん達の求める“幸福”と自分の求める“幸福”は多少違うッスね!! ...多分ッスけれど!
でも自分はッ!今幸せッス!!!立場的にはまだまだ下ッスけれど、でも!!それでも!邪魔をするんなら.....喰うか喰われるか、ッス-----------よっ!!!! 」
バサッ ______ヒュゥウウウ
( 接近してくる小娘に対して向かい風を送りながら、両翼を動かして、逃げるように後退り。何処かその瞳に“太陽”“月”矛盾した二つの輝きと重さを感じて、思わず垂れる冷や汗。早急にけりをつけなければその光に呑まれる______其れが、良い事か?
_____違う。今の幸せ、其れを壊す者は、敵なのだ )
ガキィンッ! _____ゴォォォッ!!
( そして相手の向かい風は、此方の追い風。鉤爪を立てながら、丁度腹部ど真ん中に突き立てる様に、勢いに乗せて加速した蹴りを入れようと突っ込んだ )
( 逆風にかち合い 小娘は空に姿勢を崩す! )
「 わっ わッ… たァッ!![ヂィンッ!]」
( 咄嗟、一瞬の攻防! 迫って来た鍵爪の前に
小娘は剣を構えて盾とし 防ぐもっ… 此処は空! )
_____今は無防備っ……❗
( 早速喋る余裕も無いのか
小娘はただ剣へと力を込め続ける! )
( そんな隙だらけの獲物を、チャンスを、“狩る側”は逃がさない )
________ヒュォォォォォォォオオオオッ!
空中に留め続けようと、小娘を浮かす程強い風が地から吹き荒れ続ける!
そして、その空気に潜るように降下して行ったハーピー。剣では防ぎ辛い、下からの投石。骨も空気に乗せて、攻撃に使用する。
「 使える物なら、何でも使うッスよ。其れぐらいには本気ッスから!! 」
_____風の刃差し迫る中 小娘は念じ …唱える
:"死の徒 マコ=ジャ":われが至りて沈むモノ:
__来たれ して 見せよ!__
(瞬間 光りの剣に吹き荒れるような紫の業炎が纏わり__
更に激しき起爆の衝撃を以て小娘を斜め下に着地させる❗)
[ボォワァッ] [ガキャッ]
「 っ とぉっ! …成る程!"ネクロパムダー"の力でしたか! 」
(__若干、姿勢を崩しながらも回避し 小娘はまじまじと
紫の業炎を発して煌めく光りの剣を掲げ 眺める… )
「 ...ちょこまかと、良く動くッスね?器用な物ッス。......さっきから変な専門用語ばっか、一体なんッスか!?......ぐッ! 」
[ バサッバサッ ][ ....ドゴッ ]
( 激しく翼を動かし、“大袈裟な程”、剣から発された紫色の業火を躱す。強めの起爆により小石は弾け飛び、軽く羽根に当たる。...幸い打撲程度で済み流血はしていないが、其れでも痛い事に変わらず顔が歪む )
「 ......厄介ッスね、その剣。先程から属性とか転々としてるッス .....便利で羨ましいッスねぇっ!! 」
( 徐々に眼は鋭利さを増し、放つ光も派手に強く。口調も其れでいて荒く。
崩した所、隙を逃さずに羽根を放つ。怪我した場も含めて。 )
[ ヒュンッヒュンッヒュンッ .....ピシッ! ]
( 紙の様に切る程度なので切れ味は弱いが、数が多い。常人は既に羽根の雨に飲まれて体中至る所が小さな切り傷で一杯になる...だろう )
「 (…避け…?)…わぅっ …だだ弾幕っ!? 」
( 対する小娘も打たれた1手を見るや慌て
急ぎ返しの手を叩き出す___ )
( 二の足しっかりと踏み 撫でるように左右へ
紫炎に輝く剣を振り回しては "その業炎"を…
扇の形に散らして己の前方に夜行の鬼火が群れを為す!)
「(……読みが正しければっ)」
___その瞬間 小娘は凝視する…
________ヒィッ!!
( 的中したかの様に、開口一番情けない声。繰り広げられ、開花を始めた紫火の蕾。此方だけにのみ飛来を見せる炎の弾幕を躱す、躱す、飛び躱す、必死の形相 )
( 炎に触れた羽根は勢い良く燃えて、その場で炭となる。風は吹いても吹いても、炎を消せる程の風圧では無い )
「 ....ッ!こっ のッ、ふざけんじゃねぇッスぅっ..!!
一体何なんスかその剣はぁ!? 」
【 エアロスター 】
[ ビュオンッ! ]
( 彼女の今打てる威力が一番高い技。翼で纏めて風を打ち出しても、消せるは炎一塊のみ。全てが消せる訳じゃない。高低の有利は掴んでいる、.....だが 武器 、獲物の弱さ ....其れらが少女と、圧倒的な差を生んでいた )
____読みどおりっ!
「 ふふんっ! 終わった後でなら幾らでもっ 」
( 光りの剣を地面に突き刺し、 …一部の焔を
背中に擦り付け… 弾幕が消えるのを見越し!)
「教えてあげますよぉーーーぅわぁ〰️〰️ぁっ!!!」
[シュドォッ][ドゥンッ!]
( 紫炎の炸裂推力と悲鳴を並びにぶっ飛び突撃ぃっ、
脚を半ばに開いて両手を前に… 鳥を馬乗りにせんと
接敵を強要する押し倒し攻撃ーーーーーっ!!! )
「 ...ッ、馬鹿正直に突っ込んでっ 来るな...ッスゥッ...!!! 」
( 少女の情けない声に呆気を取られた隙に、羽ばたき躱せず、少女の身体が堂々と身体にぶつかる。急に重さが増えた事により、空中での待機もままならず....ふらふらと落ちては、地面に背を打つ )
[ ドゴォッ ]
「 ぅっ..ぐぅぅぅ...ッ!降りろッスこのっ 燃えるっ、燃えるッスから離れろぉっ!! 」
( 軽く内臓に衝撃が伝わり、軽く唸り声を出す。翼に紫焔が燃え移らない様に咄嗟に縮めては、牙を立てて、逆にこの状況をチャンスに噛みつこうと、肩に向かい大きく口を開ける )
「 うっ …ど、どうですか…ひぇっ!?
わ…わぁっ わぁーーーーーっっ!!!?」
[すぅっ][ばっ]
( 想定外の反撃に突撃成功の余韻に浸る間もなく
必死のマウント防戦開始!牙が迫れば悲鳴と回避!
顔を上げられないよう… 腕の付け根を捕りに掛かる!)
「 も、もっ も、も燃えてませんっ、消えましたよぉっ!
ほらっ 背中!ほらっ!?ひいぃーーーっっ!!! 」
( …起爆推力、その時に使い果たしたであろう
紫炎の残り香が僅かに散るのみ… 小娘は必死に伝える )
「 ひっ、燃えるっ、“また”燃えるっ!やめろっ、やめろっスぅっ!ぐっ、離れ───ッス? .......あ、れ?燃えてな..幻覚?いや、違うッスよね、アレは 確かに
...ッうが 分かったから ...は な せ ッス !!! 」
( 気付けば金色の瞳は潤いを持つ..つまり、軽く涙目になっている、それ程炎は怖い。一つの“トラウマ”でも有るのだから
付け根を抑えられ苦しそうに、低い呻き声を上げながら強目に睨みを効かせる。全て手が塞がれたのに対して、もう何も出来ない。今は何も出来ない )
「 ...取り敢えず話ぐらいは聞くッス か、らぁ!!降りろッスっ、重いんスよぉ!!! 」
( 牙を仕舞い不服そうだが、もう戦えない状況にある中生死は相手の掌の中にある事を理解....無理矢理降ろしてもあの紫の炎に焼かれるだけ。
ただ鉤爪を服に食い込ませ引っ張る、降ろそうとする )
「ひぃぃ… … ぁっ!? ごめっ ごめんなっ ごめんなさ… 」
( 間近に怒る声と顔、小娘は怖じ気に腰を抜かし
…情けない様子を晒しながら、鳥人より降りて
地面にぺたと座り込む… )
____んんっ
「 っ… [どやぁっ]ふふーん! 」
( 息つく途端に胸を張り すっと立ち上がる )
「 わたしの勝ちですねっ!…ねっ? 」
「 ....訳が分からないッスね、どうにも。私なんか本当に最弱候補ッスよ?地位的にも、強さ的にも、生かすメリットが少ないッス。
それに私は、一応アルスターちゃんの命を奪おうとしたッス。大抵許される行為では無いッス、よね?話、しても良いッスけれど有益な情報は全く無いッスよ? 」
( 情緒不安定、其れは互いに言えるだろう。今こうして見れば、普通の小娘。不意をついて息の根を止める事等、鳥人と言う種族の瞬発力と筋力からしたら簡単に出来る。其れをしないのは...少し“重なる”から、かもしれない )
「 勝ちで良いッスよ?...謝らなくても良いッス、私も女の子に対して失礼な言い方をしたッスね、つい 」
( 立ち上がり目線的に見上げる形。鉤爪を地面に立ててから腰を下ろして座る形。...先程まで気力に満ち溢れて居た目も少しばかり、彩が薄くなっている様に見える。ボサボサ髪と合わさり、見た目的に宜しく無い様な... )
「 えっあ、…ぁえ… っ! へ、ヘンな事とかは聞きませんっ
ただちょっと!… ロイ、さんの魔法とか教えて貰ったり…
じゃなくて❗えと!…お お話聞いて貰って…でもなくて❗」
( 急に色々喋られてぐるりと頭を回して… )
「そうだっ❗」「 そうだっそうだそうだっ… 」
_____んんんっ!
「 患者さん❗ …そう、患者さん❗…ねえ様の患者さん…
と!ロイさんはこれで落ち着いて… えぇっと、…そう❗
知り合いになれるんですよねっ!? ねっ! 」
( ぴょんと飛び上がって 希望に満ちた…
いや期待に満ちた双眼が鳥人へ向けられる。 )
______あれ____命を奪…う____?
「(……ぁれ ? 今の… ほ、ほんとに コロ… シ ア イ __)」
ぞわっ
[プルプルプルプル]
( …今さらに、青い顔と体の震え )
「 .....こんなちっぽけで、小さな魔法ッスか?ハッ....はは、そッスかぁ。正直そんなの...もっと適任者が居るッスよ、姉貴達とか...ね。勿論何でも聞くッス...よ? 」
( 話を続けようとして違和感に気付く、先程迄の強い心とは本当に違う。何処にでもある一般人の様な弱々しい心と表情。一か八かで、最低限の助言。 )
「 ...アルスターちゃん、悪い事は言わないッス。逃げた方が、良いッスよ。私はまぁ、それらしい骨を見付ける事にするッス。だから、今すぐにでも此処から、離れて下さいッス。そしてもう...来ない事を、オススメするッス 」
( 純粋無垢な眼差し、それ以上に汚れを知ろうとしない...昔の__の様な、その眼差し。向けられたその眼を潰す事は、出来ない )
「 逃す手助けは可能な限りするッス。だから、速く逃げて下さいッス...お願い、ッスから 」
「 (ひぃ!)……っ…はいっ!小さな魔法に… そのっ… 」
( 若干笑顔にひきつりが入る、だがギリで笑顔を保ち
…強まる関心と、探求と 繋がりを求める欲の方向に
とても忠実に!…鳥人へ向ける眼差しは変わらない )
「 …ロイ、さんの個性が乗った独特なあの風っ…!
その"技術"がとっても気になるんですっ!…あ
でもゆくゆくはその"ねえさま"さんにも…っ!」
[チリチリ] [チリチリ]
「へ?」
(「…アルスターちゃん」…と、来たところで…
妙に強く感じる"熱気" "紫火の粉"。
…その後の話を聞かずに振り向けば… )
[ボウゥゥーーーーッ][カチカチカチカチ]
( わやくちゃで拾い忘れた"紫炎の光剣"より広がる
___大炎上❗マッチ一本火事の元❗❗既に火事❗❗)
……わ
「わあぁあぁああああぁああぁぁ❗❗❓️」
「 ...あ〜、もしかしてッスけど私の事、怖 ...いッスよね、そりゃそうッス。さっきまでしっかりと命を賭けた戦闘をしてたッスからね。本当申し訳ないッス。...口先だけなら何とでも言えるし、難しいッスよねぇ 」
( 怯えてない様に振る舞い続ける小娘に、無茶はしなくて良い、という様な優しい笑みを見せる。
変わらない眼差しに緊張感は解れて...やはり、こんな所にいて良い何か思わない )
「 私のなんか平凡極まりないッスよ、まだまだ落ちこぼれッス。....鳥人の恥晒しッス。
姉様達とは住む世界が違うッスよ、本当に ....でも。私はアルスターちゃんを助けたいッス。だから、可能な限 [ メラ メラ ] [ パチ パチ ] り? 」
( 小娘の背後、燃え盛る紫炎。次々と骨を火葬しては広がり広がり、火の海に )
___________っあ
( 落ち着いていた精神も逆戻り )
-------あぁぁぁああああああああああぁぁあッ❗❗❗❗❗
( 重なる大絶叫、汚い悲鳴、頭を抑えてうずくまる )
やめろ、やめろッ、来るな来るな来るなッ❗❗❗燃える、燃える、燃えてしまうッスからぁあああああああ゛ッ❗❗❗❗❗
「 ろろろろっ… ろっ ろぃっ!さ…んんっ!? 」
( 無責任にも思わず助けを求めようとする小娘、は…
鳥人、かの人が 不思議な風を操るアンゲストが。)
_______怯え 恐れ ……叫ぶ姿
…"血筋"は その僅かな時間で。決して多くない情報で
__"今"… 助けを必要としている者を 己のすべき事を示す
「 んんっ…(そもそも…わたしの不始末ッ…)…えぇーーいっ❗」
[バッ]
( 怯えを捨て、恐れを捨て! …蛮勇ならざる、抱くは
"勇気"!
其れを以ち 燃え拡がる紫炎の中心へと… )
「 突っっかぁぁぁぁぁぁーーーーーーんッ❗❗ 」
「 .......は 」
ーーーーーーーーーーはぁああああああああっ❗❗❓
「 何 してるッスかっ、この馬鹿ぁッ❗❗おかしいッスよ❗イカれてるッスよ⁉アルスターちゃんっ、だ、大丈夫ッスかぁ...!? 」
( 炎の中に飛び込む小娘。馬鹿にして、臆病な者には絶対に出来ない...自身と勇気を持った行動に、昔の自分が振り払われる様な、そんな“幻覚”。過去の何も出来なかった鳥人とは違い、未だ年齢は幼い筈なのに...なのに。
心の底から思うは、“守りたい”気持ち。重なる自分とは違う道を歩んで欲しいと思い、ただ、危険から守りたい )
「 ....まっったくもぉ〜〜〜っ、仕方ないッスね!? 」
( 恐怖。トラウマを刺激する炎。未だに身体は震えているが、其れでも小娘の無事と言う物を心配すれば、そんな物はちっぽけだ。 )
[ バサッ ]
( 翼を広げては風を上へ、上へと吹かせる。炎を飛ばす、可能な限り、踏ん張り、力を込めて。...出せる限りの突風で )
「 っ あちっ …っー あち…ッ! 」
( 弱まる炎を突き進む…! しかし熱い!
構わず拡がる紫炎は"人魂"のように骨塚の
山へと漂い初めた…! 小娘は悲鳴と共に急ぐ❗ )
[カィンッ!] とっ… 「 たぁッ! 」
( やっと火事の中心へたどり着き…
手に持ち、掲げるは光りの剣! )
[カチカチ] [パチッ] [ボボボ…]
__だが 既に拡がった紫炎は収まらない…
「 ひッ…! …! ロイっ…さんっ! 」
離れてッ!
___小娘の表情 …再びきりりと結ぶ
「 んなの言われなくても分かってるッス...よぉッ! 」
( 羽ばたく、空高くへ逃げる、飛ぶ、飛ぶ....飛ぶ )
しかし それでも
[ ジュッ ] 「 〜〜〜〜〜〜ッ...!!! 」
( 拡がった紫炎はそれこそ執着するかの様に、軽くだがしっかりと羽根を焼き焦がす。苦痛に顔を歪めては、バランスを崩して______墜ちる )
[ ガラガラガラ.... ] [ ガシッ ]
( 骨山が崩れ落ち始める。辺りにもう何も残らない。ただ燃えて焼けて、灰となる。そんな中....小娘の襟を少し強引に掴む小さな手。
体格はそこまで小娘と変わらないし ....寧ろ脆弱に見える、が ....小娘をお姫様抱っこして .....其の“一斗缶”は跳ねる! )
「 皆んな無茶し過ぎ、だよっ。此処はわたしのテリトリーなのに 」
( 意識を失っていた筈の少女の声今はまさしく一等星 ...
そのまま一度小娘を背中に回させ鳥人を捕まえては ....優しく受け止める )
「 …… ? ? ?… ぅえっ 高っ!? 」
( 早すぎる二人の動きについてゆけない
気づけば抱えられて宙ぶらり… で )
「 ぁっ 此所って患者さん… うん!患者さんの場所
だったんですか!… ぁ、…じゃー …ぇ…えっと… 」
_______燃え盛り続ける紫炎の墓地
( いやな 予感に冷や汗をたらりと流す )
「 私は気にして無いから平気、だよ。此処に残ってた骨達は、罪人達の生きた証。死んだ人達が作った、片道切符だから。... 気にしなくて良いよ、レイチェルの妹さん。で、合ってるよね、間違いじゃ無かったら 」
( 鳥人は軽く気絶に落ちる、火傷の痛みや急激な高低の移動に、身体が少し耐えれてない。精神を消耗していた所に追い討ちで来た為、休息も出来ておらず ...
...結果として、鳥人より小柄な少女に抱えられたまま、地に着く事となる )
「 それより心配なのはレイチェルの妹さんの方だよ、一応ロイは、これでも組織の記号付きだし、傷も浅い ....でも、貴女は違う。炎の中に飛び込んだ みたいだったから 」
( 背後にて燃え盛り灰に還る骨と怨念。何処か鬼火の様に紫に耀き、それでいて無い筈なのに力強い意志を感じる....。
冷や汗を拭いながら顔色を伺う 果たして平気なのか )
( トリップミスだよ )
123:アルスター◆.s:2021/04/22(木) 23:54
( …驚きの連続が小娘をただ 襲って回る )
「(何故分かる!?.此所そういう所!?.罪人!?.高い高い❗)」
__________..
はっ
「[ばっ]はっ はいっ❗…んんっ…そそそそうですっ、
"レイチェル"っ 同じ名を持つねえ様の妹がわたしッ!
…っ… れれ、れ"レイチェル・アルスター"ッ❗…です…っ 」
( 持つ光りの剣を落とさぬようにしっかりと抱え
…溢れんばかりに拡がる紫炎に息を呑み、助かった今に感謝)
________そして木製の"左義足"に燃え移る炎
「 あっ "アルスター"で結構ですっ! …それにしてもっ
やっぱりねえ様の患者さんだったんですねっ、って
患者さんこそ大丈夫ですかっ?お体丈夫そうでは
ありますけどっ… 」
_____..."死に骸は土へと還る"
"火となり燃ゆるを霊と呼ふ"
「 何だか似てないね、レイチェルの妹。テンション、戦闘方法、声色、目の色、他にも沢山。ただ、不思議と罪人って感じがしない、寧ろ此れは何方かと言うなら、聖人に近い様な 」
( ....どうにも、あの姉と同一人物とは思えない、確かに強い、強いがそのベクトルが違う。そして何より感の鋭さ ...現に今も。
三角跳びの要領で勢い良く地面に降りて行く、安全性もへったくれもない )
「 罪人に罰を与える、その分、残りの命は私に加算される。生命力が上がる、つまりは回復力も上がる。だから多少は無茶しても大丈夫。こんな風に 」
[ ジュウゥゥゥウ.... ]
( 左足の義足、燃える火をそのまま手の中に握り締めては酸素を取り込めなくさせて、無理矢理の鎮火。当然火傷はするし痛みも来る、が、傷はみるみるうちに回復をする )
「私が喰人鬼だからって言うのもあるけれど、此の与えられた力って凄く便利。患者って言うのは良く分からないけれど、大丈夫。アルスターがレイチェルの妹なら、私は手助けをする。この力 ...【カーニバル(食人)を、レイチェル達の為に活用して」
亡骸は遂に還る
身が消える、魂は安堵をする
執行人の長い時は ...終わりを告げようとしていた
( /遅くなってごめんなさい、だね。やっと顔を出せたよ )
んなっ___
「 にっ…似てない…とかっ❗ ひャぁ!? 」
( 似てないとか聞くいなや 頬を風船のように膨らませ
__しかし着地の激しさにころりと眼の色を変えて )
「 … … 待って下さい ちょっといろいろ整理しますっ 」
( __小娘は… 知っているようで 知らない。
関係性 詳細 …近くに知るが まるで、今は… )
「(……っ というか…) …あ あのぅ…患者さんの…お名前は? 」
(/遅れに遅れはわたしだって同じですっ!お気に留めず!)
「 ....うん、似てない。レイチェルならいつも...平常って言うか、落ち着いてる。アルスターは良くも悪くも感性が豊かって感じで、見ていて面白い人種に入ると、私は思う 」
( 一喜一憂の激しさ、本当に同じ血が繋がっているのかと疑問に思える様な。....いつかは知るんだろうけど、そのいつかって、本当にいつになるんだろう
.....巡り会える其の時まで、サポートが出来れば良いけれど )
「 ア・スフクター。其れが私の名前。星、花、未来、役者、そんな多い意味が込められたらしい、よ? .....結構、組織の事は知ってる。色んな人と会った事があるから 」
(/そう言ってくれると、此方も助かるよ。今月からはゆっくり出来るから早めに返していく、ね? )
「(っ…っ… ーーーーーーーっ)」
( 図星図星と当てられ尽くして脳内は沸騰
…表情を見れば分かること、子供が怒ってる感情!
に、近いけれどそれが過ぎて判断が出来ない顔。)
「 すっ …スフクター…さんっ…!
聞きようによっては今の失礼ですっ!失礼っ!
ホントに似てないってよく言われますけどぉっ!
堂々と言われたら怒りにくいですっ…ですっっ!! 」
( ___睨んでるのだろうか )
( 光りの剣を抱き締めながら威圧不足の怒り顔 )
「 名前っ… 素敵ですけどっ…素敵ですけどっ…❗ 」
「 あぁ、ごめんね?気分を害したならば、遠慮無く沢山怒って良いよ。私こんな見た目だけれど、多分アルスターより年上だから。
私は正直に思って言ってみたからね、似てない様な気がしたから。でも、似てる所も結構有るよ 」
( その場に座り片膝に肘をつく、じっと見上げる形になり、怒る相手に対し眉一つ動かさない。....ゆっくり、褒める時だけゆっくりと、声を上げる )
「 勇気 」「 優しさ 」「 この辺はとても似てるなって思うよ 」
( 誰でも持てる物かもしれない、だけれど簡単には持てない。
そんな物をこの姉妹は持っていた、其れで、救われた )
「 質問、あれば答えるよ。組織についてとか、色々 」
っ …… ぅ__
( 色々、… 怒りづらい。と 小娘は強く思った )
「 むぅー 、何だかずるいです スフクターさん…
よく分かりませんけど …ねえ様とおんなじくらい… 」
( 渋々、といったようすでその場に正座して
不服な表情 隠せずそのまま、光りの薄れた剣を背負う )
____質問は 考えてる途中
「 それは褒めてるの、かな。良く分からないけれど。まぁレイチェルと一緒って言うのはお世辞だったら、凄く嬉しいけれど、ね 」
( やはり見ていて分かりやすいと感じる小娘の表情、話がしやすく助かる。
先程より薄く輝く剣には警戒を怠らない、不慮の事故が起きた場合一番危険なのは此の子だから )
「 大丈夫、ゆっくり悩んで、もし無ければ無理に聞かなくても平気 」
( 鳥人を降ろしては軽く寝かせつつ、胡座を掻きながらゆっくり待つ。時間はいくらでもある )
(_____小娘思案中)
「 …… うぅーん。… 色々、お伺いしたいことって
たくさんあるんですけど… …その前に、スフクターさん 」
( 焼け野原に近しい周囲の惨状__
…しかし何処か誇らしげに吹く風、
多くを知らぬ小娘には図りかねない… そんな風。)
( 不安げに 辺りを見渡す小娘、…鈍い光りの剣 )
「 此処、って… あの、…お話できる、場所…ですか?
いぇっ、雰囲気とかではなくてっ!寧ろ雰囲気は
好きな方ですけどっ… 」
「 ....大丈夫、確かに盗聴されら心配は有るかもしれないけれど、この場は凄惨だしね。余り見ようともしないよ。監視もさっき来たあの人みたいに三日に一回の頻度で、見にくる位だから、話せるよ 」
( 改めて骨が灰に変われば中々広い事が分かる場、家具や収納棚も何も無い。
燃えずに残ったのは黄金の牙のストック。そして一つの大きな頭蓋骨。....何故か其れには傷が付いていないし、瞳には二色の宝石が嵌っている )
「 家具とかは基本的に無いから、お話はし辛いかも。其の辺は御免ね、私も必要としてないから 」
( 其の鈍い光にも感じるのは、明るい未来。....自身が手に入れられない様な )
(再び小娘、思案中____)
( ___悩む顔に汗は浮かばない )
( …思案、思案に重ねて思うものは楽しいことばかり。
荒れ地 古き遺体の積まれし場所 薄暗き場所___
…それだけで 一体どれほど小娘は心踊ることか! )
「 ……んー、…じゃぁ、心配ないんですね! 」
( 言葉に甘える事を決めた小娘、…それ。
今にその瞳は …淡い光の剣を追い越す光に煌めく )
[すちゃっ]___手元に持たれる ぶ厚い紙束
「 あのっ … なんでも、
…なんでも聞いていいんですか!? 」
( 数百年も前の遺体も全部消えてしまったが、其の名を忘れるという罪を執行人は犯さない。見え難いが薄暗い空の下、壁には刻まれた多量の名前。脳内には顔と声と、血肉の味が残り続ける。永遠に忘れる事は出来ない。それでも慣れたもので、見た目は何も変わらない、分からない )
「 うん、何でも良いよ、アルスター。答えられる事なら何でも答えるから、遠慮無くね。
私も、こうしてじっくり話すのは、余りした事が無いから好きだし、ね 」
( その明るさが、羨ましい。光が羨ましい。綺麗で、とても、憧れる )
「 さぁ、沢山話そうか、アルスター 」
( 聞くなり…___[シャカカッ]っ と始めに書き込むのは
『規模-それなり の墓地?』… 自らそれに頷いて )
「 はいっ ではではっ…
今やそう呼ぶものか分かりませんがこの墓地?らしき
場所に名称となる場所はあるのでしょうかっ??__ 」
( …まわりを見渡す… 広々さが増しただけ
…何かしら、見えるものでも無いかな… )
( 残った大きな頭蓋骨を撫でながら思い出す )
「 名称、か。私はシンプルに『処刑場』と呼んでいたけれど、噂に聞くのはこんな名称 」
ムクロノ 【 無情の骸夢 】 トガユメ
「 と、言われてるらしいよ。意味は良く知らないけれど、其の儘なんじゃないかな。
でも逆にスッキリしたね、夢は夢でも吉夢だね。そこまで悲観する程の場所じゃ無くなったよ、ちょっと暗いけれど 」
( 何も無いと言いたいけれど、有る物が一つだけ。それは[ 塔 ] 避雷針の立った、薄茶色のローマにある感じの塔。
塔の中は機械だらけ。発電だったり、地図だったり )
「 むくろ… …ふむふむっ![するする]
言葉の羅列には "棄て墓地" の意を感じますね…!」
( メモを取りながら …或いは予想や考察を
書き足しながら わくわくする話を前にして
…一言、それも聞き逃さないよう ぎゅうと耳を傾けて )
「 で、はっ!… 」
( と …出たところで口をつぐむ。
…先程から、自分のペースで押しすぎだ… )
「 … … … ……良ければ …
スフクター、さんの… お話でも
お聞かせしてくれませんか?__昔のお話とかを… 」
「 ....... 」
「 ( 言えない、そんな事。夢を壊す一言だから。この場にある名称としてメジャーなのは『ゴミ捨て場』
でも、自我を保つ為には演じなくちゃいけない。何より、壊したくない、から ) 」
( 静かに眺め続ける、気が高揚しスラスラと書き進められて白から黒へ染まっていくメモ用紙。
楽しんでくれるのなら、それで良いと考えるは執行人 )
「 私の昔話、か。聞いてもつまらないし、長いよ。それでも良いのなら、話すけれどね
あ、楽な姿勢で聞いてね。胡座とか 」
( 望まれたのならば話そう___古い古い、自分の原初を )
「 齢四歳_____その頃から、この組織にいたんだ 」
「 あぁ、今の私の年齢だけれど、分からないよ.... ....多分16、7位、かな 」
[ピコンッ] 「 … … … 」
( …小娘の驚いた眼 )
( 脚を両方下に敷く、所謂は正座の姿勢
明るみにすら見えるスフクターを視界一点に絞って )
「 … … ろい、さんとお仕事が同じなら…
ちょっとばかり …年齢の噛み合いがあんまり
良くないように感じます… 」
「 ん... .....まぁ、続けるね 」
「 6歳まではちゃんと“教育”がされたの、だから簡単な。其れこそ生きる為に必要な事は、教えられた。簡単な数の数え方、方角、とかそんな程度だけれど 」
「 でも7歳になったら、そこからは組織の雑用、もとい下っ端。鉄砲玉と言っても過言じゃない生活を送られる。
与えられる部屋も、豚小屋みたいな感じで、狭くて小汚いの。....今の此処の方が暗いし汚いかもしれないけれど、ね 」
( 改めて辺りを見渡し、数年間の住処となった“庭”を懐かしく感じる。...一息吐いてから今でも忘れられない ....××を話す )
「 齢9歳 _________初めて人を殺したんだ、組織の同僚だった人達を 」
「 ………… 」
( …予想はしていた事。…けれど
いざ、聞けば… 流石に眼には
強張りが浮かんでは 慌てて隠す )
「 …… そんな… … そんなの…子供が生きられる環境じゃ… 」
( はっ …と 口を塞ぐ )
大鉄でキソポンズのオーナーにあった。メンチが異様に恐い。
143:アヒル hoge:2021/06/04(金) 18:18大鉄でキソポンズのオーナーにあった。メンチが異様に恐い。
144:ア・スフクター◆5U:2021/06/06(日) 11:09
「 大丈夫、そんな事聞き慣れた、言われ慣れた。だからアルスターが気にする必要は無いよ 」
( 同年代...年下?に聞かせるにしては酷な内容だったかと今更ながら反省。
暫しの気まずい空気の中、何事も無かったかの様に首を傾ける )
「 続き、まだ話した方が良さそう、かな?...山場を越えた、とは思ってないけど 」
「 …… 兎も角、続きも聞かせて下さい。
…これ以降の知見なくしてはこの場への
考察も中途半端に止まってしまいます… 」
( 目に映る光を曇らせつつ__ グッと真剣に
…言葉遣いの裏側に光るものをつらぬく鋭いまなざし )
「 …(思っていた以上… とは言えません…) 」
(忘れてはいたい。…けれど、慕うからこそ見ることになる)
(___姉 …尊敬する"月の尾"__)
____その筆跡には常に不安が付き纏う
「 初めての殺しはね ...同僚。つまりは同年代で、同じ時期に組織に入って、同じ釜の飯を食べて、沢山笑って、泣いて、怒ってを繰り返した、そんな人。
その次に、その子の親を殺して、祖父母を殺して、兎に角関係のある血の繋がった者は全員殺したよ。
理由は私にも詳しくは分かってない。有力なのは組織の歯車を壊す大事な中枢、情報を掴んだらしいんだ。今ではそれを確認するのはとても難しいけれども、ね 」
ポ タ ..... ポタッ ....ポタ
( 再び垂れ始めた涙。仕事をして来て ...訂正。やめて、初めての涙。過去は、人の原初であり、痛みの象徴。そして罰の現れ。だから、話すのは止めない。止めてしまえばもう二度と話せない。今ここで、楽に )
「 次の誕生日、食べたのはその一族。.......残さず綺麗に食べて、飲んで、一人で全部、罪を果たしたよ。
その後ね、皮肉にも目覚めたんだ。私の能力が。...ヒトを食べれば食べる程強くなれた。強い人を、種族を食べれば、とても強くなれた。喰人種にピッタリの、力だったんだ。
お陰で、その能力はね。【節制】が目を付けて、今の立場に居れるんだ。此処まで上がれたのは、本当、あの人のお陰なんだ
......逆にいうなら、此れが今の私の限界なんだろうね。無意味に罪人を、人を食べ続けて、食欲を満たして、チカラを伸ばす努力をしてなかった、今の私の限界だよ。でもね、私は ....もっと、強くなれる様に頑張りたい。それはレイチェルと、アルスターが気付かせてくれた。」
私はレイチェルに着いていって外の世界を見たい。
私はアルスターを守りたい。
其れが今の生きる目的だよ、私はもう、“執行人”をしたくない。この肩書きを...捨てたいんだ。
( 次々と口に出した本音。喰人種は一斗缶を膝の上に乗せて撫でながら、向き合い話をする )
「 こんな所かな、ご静聴有難うね。過去話じゃ無くなっちゃったけど、途中から 」
「 …………… 」
______ペンを走らせる …言葉 紡がれるたびに
(___姉は ねぇ様はやっぱり … "人"の心を
救おうとしているのだ …哀しく 濡れた言葉は
その一言が胸に 重くのし掛かる。…小娘は
…重圧の中で、負ける事はなく …ゆっくりと
時間を掛けてでも… ___メモの上に文字を走らせる )
______浄化槽 …その考えについての疑問を浮かべる
( … 罪の浄化 死体の浄化 …骨の風化…
__土壌生物が行う、それを大規模にしたような
活動には、…何処か 綺麗さを感じたモノだが… )
_____明らかな浄化"以外"の殺害行動に眼を向ける
……前、に
[パタン] 「 ……此方こそ、詳しくありがとうございます! 」
( メモを 閉じ… 深く、頭を下げてから )
「 …… ……スフクター、さんも…
ねぇ様の事、大好きなんですね…!」
(______心の底から 笑顔が浮かんだ)
........................................................
「 ...そう、考えるんだ、アルスターの場合 」
( メモを取り終わった様子の相手から 放たれた言葉に一度時が止まった様な長い時間 空白が作られる。当たり前だけれどこんな事を話して、軽蔑の眼差しを受けると思っていた。なのに、此の子は─── )
「 アルスター、貴女はやっぱりレイチェルと同じ血が流れてる。とても優しいんだ 優しすぎるんだ
その優しさは、多分...『一つの罪』だよ。必ず何処かで、その優しさで .....『足元が掬われてしまう』そう思ってしまうんだ 」
( 沢山の人を見てきた者からの 一つの助言。いつかはその優しさを捨てた方が、良いと思う 合理的にもっと、生きた方が...幸せになれるんじゃないか、って )
( 咎を気にせず、善意を信じてくれる。そんな純粋無垢な子に対して、無邪気に 何も隠さずに ただ本能的な____告白を )
「 大好きだよ、レイチェルの事は 」
( 想いは沢山詰められた そんな好意。心の底からの笑顔に対して、微笑みを越えて ....とっても嬉しそうに、笑顔が浮かんだ )
「 他に聞きたい事は無いのかな。有れば、答えてみるよ 」
( ....可能な限り喋りたい 有利な情報を、教えたい )
__________
(とん、…メモをかばんに仕舞えば軽い音
…お話に耳を傾け 小娘に浮かぶ普段の晴れ心)
「 … ねえ様は …それを、誇りと言ってくれました
なによりも 抱き、棄てないことが誠に貴きこと と… 」
胸に手を当てる…__ 暖かで、途切れぬ小さな鼓動
「 __大事なことを教えてくれる時、大好きなねえ様は
いつも優しい声で… わたしの頭を撫でてくれながら
…一言、一言… 丁寧に __分かるまで 教えてくれました 」
「 誰かの "明るみ" であれ …底抜けに "明るくあれ"!
__ずっと、ずっとこの胸に抱いていたこの言葉、この心…
ねえ様から教わった とっても、とっても大切な "心"! 」
______欠けた眼帯… 義足、それらを見つめ
「 …その過程として、…結果として傷付く事があったとしても…
わたしは諦めません!___今まで さんざそうしたように! 」
(__喪うモノ 纏わる暗がり…
"何もかも吹き飛ばす満面の笑み"
___ネバー、ギブアップ。…諦めぬ希望の物語)
「 っと! …すみませんっ💦
ね、ねえ様の話になるといっつもこうでっ… 」
( 慌てて頭を下げ )
「 ううん、大丈夫。聞けば聞くほど、アルスターがレイチェルの事好きなんだって分かるし、血が同じって事が改めて分かるから。レイチェルもそんな人だった。とっても....良い人だから 」
「 アルスターは強いね、とても明るい 」
( 進むべき先に闇は少ししか無い様に見える。義足の理由。歳下にも関わらず壮絶な生き様を送って来たのは一目瞭然。なのに....辛さを感じさせない、強い笑み。
其れは私達に足りない“心”。足りない明るい勇気 )
「 私はもう、諦めてたんだ。心は折れていたんだ。日の光も、広い世界も、知る事無く、朽ち果てるまで此処で過ごすんだろうなって 」
「 そんな絶望って、とても小さかったんだなって、今のアルスターを見てると思えるんだ。
私もまだ、生きて頑張れるんだな、って 」
( 笑みの真似。無理矢理頬肉を上げ牙を露出させ、綺麗な笑みの真似。まだまだ醜く、自然には出来ない )
「 貴女達の血に、感謝を。レイチェル、有難う 」
___今はこれだけの事しか出来ない。本当の謝礼は必ず、払わなくちゃ。
( /待たせたね、昨日一昨日と返せたのだけど...“お楽しみ中”そうだったから )
( …口かどがへの字に曲がる程には恥ずかしがり )
[つ つ つー] (話が終わる頃に 視線は何処か 横目__)
「 ぇ、ぇ… えへへ、… べ、べたべたに褒められる…のって
やっぱり結構はずかしいです… す、スフクターさん 」
( …視線は 右往左往と誤魔化すものを求め…
二度、三度辺りを放浪する僅かな旅は、未だに
音沙汰のない鳥人の横たわる姿を見つける )
「 …っ[💦]… ろいさん、ろいさん?
い、今… …えーと [7時30分]…です 」
(/…アルスターさんのいじわる )
153:ア・スフクター◆5U:2021/07/08(木) 03:27 ( そんな照れる、恥ずかしがる姿を見てはつい喰人鬼に笑みが溢れる。ちょっとだけ、友達みたいな事が出来た..と思う、から )
「 私は悪い気はしなかった、かな。人の良い所を見つけて沢山褒めるのって、ある意味善を成してると思うし 」
( 誤魔化す為に歩く姿も年相応。さっきまで見せてた覚悟とはまた別に愛おしい、と思い易かった。
何より不思議...ゆっくりと一緒に鳥人の元へ向かう )
すぅ〜〜〜〜〜 .........
( 静かに寝息を立てて、近づいて来た子供は見事その翼に呑まれて包まれる餌食となる。
..起きてはいるのか、震えている )
「 ....まじっスか、私そんな寝てたッスか? .....なんか久々に幸せな夢見たんッスよね。だから ...アルスターちゃんも寝るッスか? 一旦 」
( さっきまでの乱暴な風とは違う、心地よくて優しい風が吹く )
( /ふふ、ごめんね?..楽しいんだ )
[ふぁさっ] ぴゃっ
____備えもない小娘、あっという間に羽の中
「 わっ ……んーーーっ …やーです!やーですっ!
もっとこの辺り調べ回るんですっ!疲れてないですっ!」
( 頬をいっぱいに膨らませて …僅かにばたばたしても
力強い鳥人の腕を動かすことも出来なくて___
…だけれど __肌触りの良い羽毛に包まれ続ければ )
「 ん…… [ふぁ〜]… [はっ]… ……やーーっ 」
( __籠る元気も 残りわずかなじたじたばたばた )
(/ ……むーっ 新手の悪戯スフクターさん…! )
「 …………ハァ 」
( 溜め息、鳥人は子供の言う事が聞こえない様に羽の中に閉じ込める。もがく子供に無意味だと教えるように、徐々に羽は閉じていく。…檻みたいに )
「 ...嘘は駄目だよアルスター、貴女はとても疲れている 一度休むべきだよ 」
「 そうッスよ …ほら、リラックスリラックス〜…寝たら忘れられるッスよ…体力も回復するッス…だから休むッスよ〜〜… 」
( 喰人鬼は母が子にする様に頭を撫でて、鳥人もあやす様な優しい声 …ゆっくりと眠りの世界へ誘う )
「 ……起きた後、探検を続けるッスよ …ね? 」
「 むぅー 嘘なんて…て……はぉ… 」
[すぴー]「 んん… …… … … 」
( 抵抗したら、返ってきた。…小娘を眠りへ誘う波状攻撃!
…あくびをしちゃえば逃げられない。羽のふかふか 優しい声)
[すぴー][ころころころ][…ふーっ]
( __時間もそうは立たずに )
[ぎゅー]
( …鳥人に抱き付き 聞こえる小さな寝息__ )
("それは僅かな安息…"
"しかし何より尊き人の育む時間")
("__僅かなそれは 時折命を救うのだ")
………寝たッスか?、 うん、寝たみたいだよ
( 子供の眠った後、起こさない様に刺激しながら、鳥人と喰人鬼は相談を始める )
「 さて、此処からどうするッスかね 」
「 起きてから、で良いと思う。アルスターを逃すか、この子達に私達の命運を託すか、其れはこの子の返答次第だよ。少なくとも今は、休むべきだと思うし。
アルスターも、私達も 」
( 隠してはいたが、ズキズキ痛む頭。ヒリヒリと軽い火傷が今になって地味なダメージとして襲う。と言っても寝れば済む物。
喰人鬼も羽根に軽く頭を押し付けながら、ゆっくりと目を閉じる。警戒だけは、しっかりとしながら )
「 …助けられたのは、私達も同じッスからね。守るべき、子ッスね 」
___うへへへぇ… ろい…ひゃん… ふかふかぁ…
( 肌から伝わってくるふっかふかのもっふもふ
___ロクにベッドを用いない小娘には尊すぎる代物、
けれど気兼ねなく包まれる心地よさ … 思わず寝言を誘う )
____________
_____…どこかに 置き忘れた聖剣
…沈むような 重い風が墓場へとやってくる
暖かな鳥人たちを避けて … 誰かの忘れ物を
____無造作に地面に刺さる光りの剣を
羽虫が群がるように覆い 光りを呑み込む…
…………
( …誰かが 近寄る___ 忘れられた光りの剣に。 )
________数分後、寝息は三つに増える
すぅ、すぅ________
すや、すや_________ ぐっすりと、眠る子等
( 見た目だけで言えば全員未成年も良い所。静かに寝息を立てて、肉体や精神の疲労を癒す。
羽根のトラップのみが辺りにばら撒かれてはいるが、それでもかなり 無防備 )
聖剣に近寄る者に、気付かないまま。
休睡の時を安らかに 過ごすのみ。
不穏な事を 忘れたまま___
____………
〖黒い影は __光りの剣を前に溜め息を吐き〗
___〖遠く 見える幼きものたちを眺め〗
(____ …)
_____________________静寂 …夜の長き
____…………
[チリチリ …チリチリ]
( ___朝か __夜中か …微かに聞こえる火の音 )
______僅かに生臭さが漂う……
(__…朝か夜か 何れか
…少し離れた所に焚かれる
無造作な焚き火、木枝で刺し置かれた
肉付きの悪くない川魚が幾つか。)
_____…小娘は眠っていた … 近くには誰も居なかった
_________________________ん、ん?
( 先に目覚めるは鳥人、喰人鬼は久方振りにぐっすりと睡眠不足に悩む事無く、静かに眠り続ける。
焚き火で捻れた風の向きに反応をして、瞳を開けて…眠る2人を起こさない様に、慎重に身を起こす )
「 …一体これは、誰……、ッスか? 」
( 焼いた魚の場に残る痕跡、感じた事の無い気配。組織に居た時に、姉について行き、微かに上の者達、スペリオールとはまた違う、様な…。
警戒だけは怠らず、恐る恐る…小魚へと近付く )
罠の可能性、有り…しかし何故か、小娘や喰人鬼から何処か感じた事のある様な____気も、した。
__まるで ゆめ、まぼろし。…墓場と呼ばれる場所に、
眠る三人の元へ … 突然、現れる焚き火に 食物。
…誰かのもの?誰かが置いたもの?…分からなくても
しっかりと消えずに、暖かさと 魚の匂いがそこにある
[___ふるっ]
( 小娘は、…いざ知らず。柔らかさと、暖かさが
自分から離れては …少しばかり身を震わせて。)
(けれど近くに… 手が、喰人鬼を見付けてしまえば
喜んで抱き締める… __あとは小さく寝息が響くだけ )
__丁度、手頃な魚が焼け… 皮の下からパチパチと脂を散らす
「 …敵にしては親切過ぎるッスよね、姉貴達がこんな事するとは到底思えないッス…つまり 」
( 未だに安らかに眠り続ける、小娘を見る。とても良い寝顔。其れと似た…気もする、しかし少なくとも、私の知る者では無い。………第三勢力?それのメリットは?考えていても何も解決には進まないので、鳥人は恐る恐る焼けた魚を手に取って、直ぐに焚き火から離れる )
すん、すん ……ぐぅうう ______ぱくり
( 怪しい匂いも特にしない、疑う必要は無い。匂いを嗅げば、忘れていた食欲が戻って来て、一口で頭から腹まで頬張る。
しっかりと鋭い歯で身をほぐし、塩味を舌で確かめて味わい、微かに香る…魚らしい匂いを楽しむ )
打って変わって、鳥人は今一人。
改めて、冷静になって、考える。寝た事で少し、落ち着いた。
( 落ち着いて、と言う事を体現するかの様に優しく手を握り、暖かさを忘れない様に身体を擦り付ける。
少しだけ眠気が覚めたけれど…再び、夢の中へ )
此処は墓場。何者も夢のあと。
執行人[元敵]のテリトリー。鳥人[良い奴]が始末する筈だった二人を見逃して、助ける事に。
___それに納得、する者ばかり?
当然の疑問 しかし、無毒と余計な危険のない焚き火が
そこに存在するのだから、勘繰る必要性や考えは
魚の脂に舌を打つなかでも 増していくばかり__?
…そう 考えていればその最中には注意の穴が。
______いつの間にか すぐ近くに足音と色々な香り
……___束ねた金髪のなびく … 長身の白衣を着た女性
( …まず、目が行くのは 背中の魚。__鮭らしいが
背負う程大きい。… ほぼ下準備済みの野菜を入れた
布袋、抱える橙色のカボチャ、ホールチーズに加え
木の容器に納められた各種の調味料の香り。……大鍋。)
「 ……ふむ、アルスターとなら…
もう少し眠っていると思ったのだがな 」
[すぴぃ __くー]
( … 呑気な眠りが、未だにそこにある
身近の暖かさもあるけれど… …来訪する、白衣との
奇妙な運命が 小娘の目覚めを少し、…先延ばしにしたから )
_____喰人鬼を抱き締めて …当分目覚めそうにない
[ ざっ …はむ、むぐ……じぃ ]
( 足音が聞こえた方向から距離を取る。魚は咥えたまま、少し苦味のある内臓も食べて、栄養を摂取する。
疑う目、何処となくあの娘に似ている気配。親と似ている気も、遠からずとも近からずな気配。…恐らく敵では無い )
「 ……アンタ、あ〜いや…貴女が、こうして焚き火や魚を用意してくれた人ッスか?そして多分、私達と同じ目的を持った味方ッスよね…?
…あぁ、鳥人は夜行性な奴も居るッス。私は単に睡眠時間が少ない方が落ち着くッすけど 」
( …多様な食料に調味料。健康的で栄養も豊富に含まれた野菜や魚。髪の毛を少し退かし、金の目が合う様に…少し何か手伝おうかと思えば、近寄る )
[ すぅ、すぅ…ん … ]
( 何か、来た気配に夢から醒めようと…したけれど、誰かに抱かれてて起き上がれない…。動けないから、身体を起こすのも面倒だから、寝続ける。
その人が、とても会いたい人だったとは知らずに………ゆっくりと )
__焚き火の火力を調節し、回りに石を積み上げて
焚き火の上に鍋を置く … 水を注いで あ、という間に
下準備を行う… 喋る前に、素早く手が動く
「 まぁ、… 目的の程は分からないが …君はあの子と
一緒に眠っていたね?… 少なくとも、友達以下の
存在、というわけでは無いだろう。ならば私には
君たちの助けとなる必要があるのだよ 」
( … しばし、鳥人に目を向け
雄大とすら言える翼の羽根、一枚を撫でる )
「 手を私はそもそも、鳥人という生き物に
会った事が少ないものでね… …そういった
知識には欠けるが、美しく 逞しい翼を持つ
種である事は重々承知している。…しかし、これ程とは 」
「 …ま、それもそうッスね。…正確に言うならこれ以上巻き込みたくは無いッスけど。少し、忘れていた 心 って物を、アルスターちゃんは思い出させてくれたッス。スフクターの奴も喜んでると思うッスよ 」
( 手際良く進む調理。ただ眺めているしか出来ないが、とても面白く感じる )
( 羽根の一枚は皮膚の様に柔らかくも固くも有り、大きさは10cmとなっている )
「 …姉貴達はもっと立派な翼を持っているッスよ。
それでいて頑丈で強靭で、羽根の一枚一枚がナイフと同じみたいなもんッス。
私は…少しの時間しか集中して固くするのが出来ないッスから。
………組織は面白い所ッスよ、色んな種族が集まってるッス。個性溢れる奴等が 」
「 …………… 」
( 撫でる羽根から手を離し、処理を済ませた巨大なサケを
煮え湯に突っ込み 各種調味料やオニオン、鶏肉を放っては
火力を上げてグツグツとベースの味を極めて行く… )
「 ……個性がある … つまりは自分の持ち味や欲求がある 」
_______
「 …スフクター、… そしてきみ … 私にはどうにも…
君達が生きるにはこの環境は… 強いずとも、不適切なように
度々思えてならない …あぁ、聞き忘れていた … 君、名前は?」
_____煮えた魚の香りが漂う
( 刻んだ野菜を投入し、落ち着いた色合いのスープが
…一旦 出来上がる。…__小皿に掬うと 鳥人に )
「 ……ふむ まだダメだな 」
(…味見後、丸々と置いてあるカボチャに手を伸ばす)
「 …そう捉える事も出来るんスか〜〜、多方面から見てて面白いッスねぇ〜… 」
( 適当に腰掛けながら、静かに見守る。香りに食欲を誘われて、理性を忘れて齧り付きたくなるものの、しっかりと我慢だけは忘れずに自制して )
─────
「 …ん〜〜、まぁ、言われてみればって感じッスよね。
御二方が来るまで少なくとも私は違和感とか、全く感じ無かったし、寧ろ住みやすいと思ってたスから。
其れに自分的には…幸せだったッス。確かに立場的には下でいつ切り捨てられてもおかしく無いッスけれど………姉貴達が、居たから 」
( …手渡されたスープを啜りながら、話を続ける。落ち着いて、安心する味わい。調味料の匂いが魚の匂いに混じり微かに香りながら、栄養的にも過不足無い事に満足する )
「 …………美味しいッス。あ、名前は…長くなるッスけれど、 [ アンゲスト・エウロス・ロイ ]…末っ子ッスね、所謂。…立場的には 【 三之剣 】 ッス 」
( …しっかりとした食事を取ったのは、久方振りかもしれない )
「 エウロス・ロイ ロイ君か … 」
( カボチャを皮ごとスイカのように6つに割り
乱雑にスープへと放り込む… __まろやかさが
増したように思える、事実ほろ甘い香り… )
_________
「 …明日も分からぬ身を自他に強いる生き方、ね
……悪くは、無いのかもしれないな …だが 」
「 ロイ君、…君もスフクターも… 出会ってしまった。
……アルスターというライトサイドに、不屈の純粋に
…私にはできぬ、"アルスター"という生きざまに 」
( …スープを味見し、喰人鬼に抱き付く小娘を眺め… )
________目覚めの前触れを遅れて気付く。
[!!!]
「 …ろ ロイ君、悪いが話は中断だ …ち、ちょっと
これを混ぜては貰えないだろうか… 」
( 大きめのお玉を差し出し、お椀を幾つか置けば
ホール・チーズを抱えて… )
[チョポンっ] 「 た、頼んだっ! 」
( スープが跳ねない程度の勢いで
香りの良い、ホール・チーズを
鍋の中へと放り込んだっ! )
__________
「 ……… 」
( 此処まで手間を掛けた料理。さぞ味が凝縮され、食べるだけで幸福感が満たされるのでは無いかと勝手に鳥人は考える。…味の想像は出来ない。だからこそ楽しみ )
「 …其れは、そうッスけれど。彼処まで心が綺麗で濁ってない子を見たのは、始めてッス。裏社会に自分達は慣れ過ぎたから、とても新鮮に感じたッスね。
でも、それを言う貴女も、まだ綺麗だと思うッスよ?そりゃあの子程とは言わないッスけれど、綺麗な方ッス。言うならば自分達は黒、アルスターちゃんは白、貴女は…あ〜、グレーッスかね? 」
( そんな雑談に身を馳せていたのも少しの間。急に慌て出した彼女について行く事が出来ず )
ポチャン ホールチーズの落ちる音で意識を戻す。
「 …する事は一つッスね 」
( 渡されたお玉でゆっくり、飛び散らない様に、しかししっかりと混ざる様念入りにかき混ぜる )
(去り際に…)
「 ……… 」
(目覚める兆しを見せつつも …安らかな顔の小娘と
中の良い姉妹のように眠る、… 一人の"女の子"を眺め)
__微かに 何かを呟き
( …笑みを溢して、その場を後にした。
__消える幻のように しかし煮えたスープを残して )
________
… ん__ …
( …てんや、わんやの少し後
小娘が目を軽く擦り、頭を上げる… )
「 ……あれ 」
( 消えた瞬間、変な違和感が頭に走る。まるで掛かっていた靄が消えた様な…。
自分は一体、何をしていたのかと鳥人は考える。無意識の内にスープでも作っていたのか、と。…こんな良質なスープを? )
「 …まぁいいや 」
__何となく、混ぜ続ける。その方が美味しくなると思うから。
__________
すぅ …ん…んん……
( 隣で未だ寝続ける、喰人鬼。しかし眠りは浅くなっているのか、軽いいびき。
開放感と喪失感が身体に来る。…不思議な事に )
___[ぐるるるるるっ]
( あきれる程食欲という甘い誘惑に正直なお腹の音… )
〜〜〜〜っ
______大鍋の隣でよだれを垂らして目を輝かせる小娘
……
____ 雪山風ミネストローネだぁ…!
( … 抱き締めていた喰人鬼を手放して
いつの間にか隣に来ていた小娘が一匹
視線はじぃっと溶けたチーズの色合い、
香り豊かなチーズ・スープを眺めて…! )
「 こっ …これ、ろいさん…っ 食べても良いですかっ!?」
…! ( 腹の音は鳥人の耳にまで )
「 ……うおっ、お、おはようッスアルスターちゃ、ん?…あぁ、腹減ってるんスね、いやまぁ 良いと思うッスよ?少なくとも毒は入ってないッス 」
( …本当、悪い人に騙されないか不安になる程の純真な性格。ましてや自分が作った物でも無いから少しだけ食べさせるのに不安になる )
「 …そんな目で見ないで欲しいッスね、断れないんで …食べるッスか? 」
( 混ぜて混ぜて、程良く混ざり合った。熱でチーズも溶けて充分染み込んだだろう。逆にこれ以上混ぜようものなら風味を損ねてしまう可能性有り。なので、此処ぞと言うタイミングで食べさせる…其れが鳥人にとっても、子にとっても、調理者の彼女も…幸せだろう、多分 )
( …喰人鬼、未だ眠る。然し少し熱を失い、眠りは浅くなる。何処か逆に解放された… )
「 こう言った何気ない幸せ、続けば良いッスねぇ 」
___笑顔はぽぁっと急かす
( 許可を得た、と見るや あっつあつのスープを
お腹が求めるままに勢いよく空きビンに入れて… )
「 いっただっきっ… まぁす! 」
______… その半分を飲み干し…
ッッ…!!!
__ (瓶を落として口を抑えてその場にうずくまる)
…………………………は?
「 ッッッッ、あ、アルスターちゃんっ!?だいじょ…しっかりするッスッ!!! 」
( あんなに優しそうな人が毒を盛った?まさかそんな…でも、こんなにうずくまるなんて。
…地に落ちる前に、空き瓶を翼で受け止めて、改めてスープの中身を確認する )
「 (何か…何か間違えた?でも、なんで) 」
( …ある可能性は鳥人の頭から抜け落ちる )
「 ぁ… __ぁ… ! 」
( 細かく 震え上がりながら小娘は__
舌を出し、苦しむ素振りの元を明らかにする )
(ヒリヒリとじわじわ痛む舌、__ぼろりと涙を溢して…)
「 あ… っ…つ…い … ぅ〜っ… 」
( ___白衣の女が去ってから 未だ2分と経ってはいない )
____飲み干した瓶すらとっても熱い 出来立てスープ
( …甘い誘惑を勝手に手繰り寄せ
小娘はそんなモノを一気に飲み干すバカをやったのだ )
「 ぁひゅぃ…ぃぇふ…ぅ… __ろ、い…ひゃぁ…ん 」
( __漫画表現的な涙目と顔で見上げる小娘 )
「 ………えぇ …まぁ、安心したッスけれど 」
( 安堵の溜め息、子供らしい悩み。確かに痛いけれど、命に別状は無い為…鳥人は安心する )
「 …ちゃんとふーふー、しないッスからぁ …まぁ、こう言うのは熱い方が美味しいッスけれども 」
( 涙を羽根で拭い、熱々スープの瓶を翼で包み、少しずつ冷ましながら…出された舌に吐息を吹き掛け )
「 …これで、本当に少しだけッスけれどマシじゃないスか? 」
「 ぁぅー、…ぅ〜… 」
( やけどしそうな舌の熱い感覚は中々取れない
…ひり、ひり 単に痛むだけでなく、じわりじわりと
響く感覚には… むず痒さを覚える それも心から )
( そんな感覚が辛くて …自分だけで耐えられそうも
無いから 鳥人の胴を抱き締めて何とか … グッと堪える )
[ぎゅむぅ]「 早く… このぁたり…調べたい…のひぃ… 」
( 痛くて 色々考えられない...
少なくとも 此処が元々、危険なことを忘れる程度には )
「 …アルスターちゃん、焦らなくても良いんスよ? 時間は有限とは言えたっぷりあるッス。そんなに焦っても良い事は余り無いッスよ 」
( 翼で頭を軽く撫でて落ち着かせながら、痛みを抑える為 そよ風程度の風を吹かせる。涼しさが少しでもその、痛みの熱を冷まさられたのならと思って )
「 ……因みにッスけれど、アルスターちゃんはどうするつもりッスか?この辺りを調べて何をするつもりッスか? 」
( …今はもう、鳥人や喰人鬼が子供を襲う事は無いが…元々はやはり、凶暴で残虐。此処はそう言った所。だからこそ…身を案じる )
( ………辛い運命を歩もうとしているのなら 少しでも助けに … )
「 (……) …えっと… 」
( 舌に残る …痛みも引いては来るけれど__)
「(…… 元々、は調べるだけの予定で…)」
「(でもっ、でもねえ様にも会いたいし
ろいさんたちも…えっと、解決しなきゃだし…)」
「(でも…ここ、あの危ない人が来るかもしれないし)」
______重量のある目的が3つで弧を描く…
[…ぐるんぐるんぐるん]
___小娘は勝手に眼を回した
「 と …り、あえずぅ…
んんっ!とりあえずはここで
しばらく暮らすつもりですっ!」
「 ……暮らす ………暮らす!?
…なんて言うか、アルスターちゃん ぶっ飛んでるッスね、結構… 」
( …口ではそう言いながらも、心の中、満たされていく安心感。…此の儘居なくなって欲しく無かったと言うのが恥ずかしながらも事実 )
「 じゃあ、先ずは住ッスね。流石にこの近辺に家が建てられたら不自然ッスし …何処かに匿って貰えたり 地下とかならバレにくいと思うんスけれどねぇ〜 …
…一応、最終手段もあるにはあるッスけれどちょっとリスキーなんスよ 」
( …翼を戻して、自身の身体を軽く扇ぐ …肘から上から翼が生えて、そこから下は人間らしい 細い腕。戦闘中は飛ぶ為に補助する翼膜へと変化するもの。
…何度か軽く手を開いて閉じてを繰り返してから、優しく頭に手を乗せる )
「 そんなに悩む必要は無いッス、アルスターちゃん! …自分の好きな様に生きれば良いッスよ! 」
( … 少し、冷めてきたスープ。抜け目なく小娘は
ビン詰めに… しちゃえば、食料はしばらく大丈夫! )
___舌の痛みも引いてきた
「 やっぱり …あの、ヘンなひと達って
わたしのことキライなんですか?…ぁっ
ろ、ろいさんとかスフクターさんじゃなくて! 」
[あたふた]__[あわあわ]
___!
( …見たら、よく見たら… 不思議、と不思議な腕翼
__力強さと美しさだけじゃない …生物らしい
ムダの感じられない機能面もある ちょっと羨まし……)
[ぽふっ] にゃッ!
___頭はふかふか …笑って上目と楽しい表情!
( 冷めても香りは衰える事無く、丁度飲み易い。味はコクが少し深まった様な気がする )
「 …ヘンな人達 …ん〜〜〜ッとスね?アルスターちゃんだけに言うッスよ?
私らん所の最終的な目標は …私の知る中で一つッス 」
『組織に属さない全人類の根絶』
「 …分かるッスか?だから、嫌いと言うよりかは基本的に、アルスターちゃん達は命を狙われる身にあるんス。
…無論、此れを拒む者や良く無いと思ってる奴も居るッスけれど 」
( 身体を羽で包みながら優しく人間の手で頭を抑えて …静かに告げる。若しかしたらもっと別の目標が有るかもしれないから。
楽しい表情に安心をして、出来る限り。___出来る限り明るく顔色を良くする )
「 でも、アルスターちゃんなら大丈夫ッス。何故か死なないって感じがとてもするッス 」
「 … ぇ〜と … とりあえず気を付けますッ 」
( 嬉しくなるやら恐れるやらがこんがらこんがる
…今、どう行動すべきか… その基準は自分にはない
どーしたところで鳥人と 喰人鬼に頼らざるを得なそうだ )
[〜〜] ___でも撫でてくれるのは嬉しい
「 ・・・ ーー〜〜〜っ はぁっ!
とっ …とりあえず… スフクター、さんも起こしませんか? 」
( リュックを背負って )
「 ………だから 」
ぎゅっ って …腕を回して軽く抱く
「 生きてくださいッス …一つお願いをするならば 」
( その後、再び撫で続ける。喜んでいるのが分かったからにはその喜ぶ事を飽きるまで )
「 あ、そッスね …取り敢えずスフクターを起こしてk
「 ------その心配は無いよ 」
…大丈夫みたいッスね 」
( とっくにどうやら起きていたらしい喰人鬼。片目だけ半開きで少し眠そうではあるが、一斗缶を脇に抱えて犬の様に座る。足首に付け牙を装着し、いつでも行けると言うのが見て分かる )
「 それで、アルスターは何処へ行きたいのか聞いておきたい 」
「 あ〜〜…ま、そッスね。此処からだと〜〜… 」
危険度低:蒼月の入江、アルカナ大橋
危険度中:祭り囃子の響く山、百目の屋敷
危険度高:永久降雨の森、天の競技場
______危険度MAX:本拠地【ニュー・アスガルディア】
「(…心配してた筈が、されちゃいました)」
( … よく、こう…調査地、現地の人々に
なんだか 気遣われてしまう …、きまずい )
「 ぁの〜 …ろい、さん? …ちょっぴり
…恥ずかしい… っていうか! むーっ!
子供扱いしないでくださいったら〜っ!
…あ、…おはようございます 」
( 骨塚は去り 只、広がり荒涼とした無縁墓地__
… 似つかわしくないものだ、… スープの香りも
元気いっぱいの子供も 溢れる希望も… )
____だから小娘は"目"を付けられる …
( 一旦、…小暴れるのを止めて
思案にふけ、羽の感覚に気を休め )
「 うーん…文明が存在してるんですから流石に…首長さんに
アポイントメントを取って探索許可を得たいですね!…
えっと …その "百目の屋敷" に、首長(町長)に通ずる
方はいらっしゃいませんか? 」
「 … 」
( アルスターは、私のもう一つの …こうならなかった道。正しい道に進んでいる方の、私。だからこそ、応援したくなる。…だって )
━━━━私を助けたのは貴女で、貴女を助けたのは…私だから。
( 羽でアルスターを捉えたまま胡座を掻いて座り、小娘も座らせる。口元についたスープの艶を羽で拭きながら、話を進める )
「 いるよ、とっても変な人。…タロット付きでは無いけれど、私達よりも圧倒的に強い人 。
と言うか別に要らないと思うけれどね、そんな探索許可なんか。組織がある時点で手が回っている所は無法地帯になっているから、ね 」
( ただそれでも、危険度的には低い方だろう。取って人を食おうなんて人では無い。其の屋敷の長は違うのだ。…まぁ、小娘の選択についていくのみ。喰人鬼と、鳥人は…小娘の助けになる事をする )
「 …そうッスね …危険は余り及び難いッスから、探索許可位ならば簡単に取れるはずッスよ 」
「 それでもまぁ、一つ気を付けなければいけない事はあるけれど 」
____
「 "交渉時のごたごたが予想される"…と 」
( … 姉に、抱かれてるような恥ずかしさ
けれども 慣れてみたらやっぱり、羽毛の厚みは
座るにしても心地よく …そのままメモを取り始める )
( …今の所には小娘に"助けた"と、感じてはいない
自分はここに勝手に来て、ごたごたを起こして
…けれども、優しい姉さんたちと知り合えた。…その程度 )
_____だから心の中では…
「 ……( … 恥じない自分、目指さなきゃ…! ) 」
______
「 …… えっと、…お金が必要 とか…ですか?」
( 気を付けること、と聞けばポーチを探り )
( …もし自分に妹が出来ていたなら 私以降も産まれていたなら、こんな感じだったんだろうなと密かに思いながら…ただ 抱き、締める )
____________
「 其れなら逆ッスね、そこならお金を少し位なら稼げるッス。…気に入られたらの話ッスけれど 」
「 そうだね、嘘はいけないから。…あの人の前では全てが見透かされてる、そう思った方が良いよ。
下手に嘘をつくと辛くなるのは自分、首を絞めてしまうからね 」
まぁでも
「「 アルスター(ちゃん)なら心配は無い(ッス!) 」」
( 信頼はかなり高い、少なくとも無駄な嘘をつくとは思えないから )
「 …と言うかお金位私が出す、どうせ使ってなかったから 」
( 地面に埋めていた隠し貯金、今までの給料全部 )
___
( …2人のお姉さんが出来た気分。… 浮かれながらにも
心に強く根付いた"職"の性分が、一部で冷静に… 思考…)
「 …いえ "わたし" が此処でやっかいになるんですから
…えぇっと、できるだけわたしの事はわたしでやります!」
(___少なくとも、今まで見てきた調査地の中でも…)
比較的高い "文明" が存在する珍しいケース。
( …それに終わらない
___わたしたち、処かあらゆる人種と敵対する存在
人外、としても物珍しい種族たち …広さ )
____…わくわくは収まらない …けど
( …だからこそ瞳に映る陽炎の光りはきりりと引き締まる)
「 …そろそろ、出発しませんかっ!
… えっと 道案内、とか… お願いします! 」
___
( …でも、自分から2人と離れる事は出来なかった
___そんなことを思いもしない。…だって大好きになったから )
この先 どれだけ辛い運命が待っていようが
鳥人は天風として彼女を導き、喰人鬼は地業として彼女を支える。
先は長く、終わらないかもしれない調査の地。
其れでも同じく灯火は点いて、数多の喜怒哀楽が来れる事は間違い無し。
「 其れじゃあ、いくッスよ! 」
「 …急いで怪我はしないようにね、アルスター 」
( ボロボロに空いた穴だらけの服を喰人鬼は着直して、金銭を貯めて詰めた箱を脇に抱えながら、リュック的な役目の鞄を背負う。
鳥人は爪で傷付けない様な安全靴を履いては、ポーチやバッグの中身を確認して、大丈夫と確信しては振り向いて小娘に明るく元気な笑顔。
何が起こるかは分からない、だからこそ )
_______________ぎょ…ろんっ…________
目は覗き、期待に胸を弾ませながら
…"歓迎"の準備をして
_________………そして____
"骸場の塔"から"塔"へ
叛逆の意思を持つ者と
__???____へとなり得る子達を
組織指定の リストへ_________
____けれどしばらくして…
( …そこは道半ば、… 目的を得た3人の
ただ 半歩、半分に満ちるかどうかも分からぬ場所… )
「 …………………… 」
(___………瓶詰めスープを溢して … 不貞腐れる体育座り )
「 ………………幸先……悪いですよぉ… 」
「 …………う、うぅん…まぁ、ほら、き、切り替えていくッスよ、ね? 」
( 慰める鳥人。零したスープには余り目を向けず、体育座りで凹む子に近付いては、少し本人も焦りながら優しい言葉を向ける。…スープ自体は鳥人も少量確保済み )
「 そんな些細な事で一々躓いていられると、此方も困る。早く立ち直って 」
( 毒舌に立ち止まる子を無視し、道を進む喰人鬼。溜め息も堂々と放って、先へ先へ )
( 冷たい様に見えるけれど、それも一つの……… 接し方 )
(__…鈍りを自覚 …再起は早く )
[とんっ]__よぉしっ
「 えぇーいっ … 」
(___確かに幸先は悪い …だがそれは今までも同じこと )
___運命はいつでも重い …苦難は多く、奪い去る
(__… そんなもの …吹き飛ばせずして何が "自分"か)
…それに
___己に道は見えず …だが先行く者へと付いていく
…先立つものもない過去の道とはまるで違う
( …だから、いままで以上に )
「 元気良く! 」
「 脚は軽くっ! 」
「 心晴れやかにっ ___いざっ! 」
____ しゅっ ぱつっ …でぇっ 〜す!!
(…道を行こう __おわりのない道だとしても
… 誰かがいる …心くじけず ずっと __ずっと…)
───── 百目の屋敷 ─────
( 長い、長い道を進んで辿り着いたのは )
( ...少しばかり、古い屋敷
森林の奥にポツンとある様な ...一つの町から少し離れた、大きな屋敷 )
「 此処、此処がそう。百目の屋敷。多分大丈夫だとは思う。
此処の主人、あの人は基本的に、優しいから 」
( 喰人鬼も、少しの間は世話になった点から見ても
...此処以外に頼れて、近い所は数少ないと感じている )
「 ( だから、気紛れに負けない事を祈っているから ) 」
___ルスターちゃん、アルスターちゃん、起きるッスよ〜〜! ...着いたッス!!
( 疲労が溜まっているであろう勇子を羽根で覆い ...この場所まで運んで来た鳥人
....軽く揺さぶり、起床の合図 )
___信じている、運命が味方する事を。
( 積まれた遺骸は成り果て、地となる場は喰人の住みか
…離れ 渡ればまた先を渡る道の最中にこそ見えた森で )
( __目にする事になろう館もやはり隠れて血は匂う )
「 …森の中とは言っても1つ前にひらけた立地ですね 」
「 遂に来ました…か! それにしても大きな館…!
…実力主義の地で築いた寝ぐらがこれと言うなら
並みを外れた力の持ち主であることも納得の証…!」
______
(__否、小娘は既に眼を見開いて場を意識した)
__攻め込み易い平坦かつひらけた立地に
深い森の中は敵が潜むに事を欠かない…
だが、目の前に建っている館は…
俄然と生き残る歴史とその理由を誇示していた
…守り続ける、力を持った 主人 が我にはあると
( 感じた歴史に心を震わせ …小娘は降り立つ
まだ、楽しめる内に軽率と感覚を制御する )
「 …案内に留まらず、色々ありがとうございます!」
「 そりゃあね、此処の主人は中々に曲者。それでいて確かな実績と実力があるから正直来客は少ない。
でも、人間を喰う事は無いから、私達みたいにね 」
( 事実のみを述べる、それでも僅かに香る血は、獣の一匹や二匹程度では済まない事がハッキリと分かる。
…屋敷は森林の中に大きく目立ち、塀は何度も白で上塗りされた、らしい様子 )
「 兎に角頑張ってね、歓迎されると良いけど 」
______________________
( …鳥人は、子供の背中を撫でて押す、更に元気を出させようと )
「 でも、案内出来るのは此処までッスね…その、中には一人でいってくれるッスか?…アタシ、痛い目見たく無いんスよね
まぁ、アルスターちゃんは何も攻撃されるとは思わないッスけどね?組織の者じゃ無いッスし 」
( …感謝される程の事をしていないのは、事実
…そして、何故か不安を煽る一言を残し続ける、二人 )
「 ( 外に出ようと思えた、場所。此処に来たから、長く長く、あの場所で待ったんだ。
だから、頼むよアルスター ) 」
──私に、世界を教えて。
( 目の前に聳えるのはやはり …気圧す事を知る館
感じる威圧はまるで…眠る竜の眼前を通るように )
「 …… 」
__二人の話と 感じ続ける無形の威風
疑いようもない【山場】を肌に感じて
小さな小娘は …奮った勇気にニスを塗る
_______
[くるり]___小娘はふたりに振り向き
[ ぎゅーっ ]
:…元気に二人に抱き付き、抱き締める
___果たして意味はあるだろうか
…それでも、小娘はこれを選ぶ
言葉より …伝わりやすい行為だから
___心配、させませんから!
・さぁ リュックを閉めろ
・荷物は万全
・刃のない聖剣片手に握り
「 行ってきまぁ〜っ すっ 」
____手を振り …門へ駆けていく
・ 百目の館 1F
[ガチャン] ______
「 おぉ …! 」
駆けていく子を見送り
_____門が閉まったその後で。
「 ねぇ、ロイ 」
「 ん、何スか? 」
「 多分アルスターは無自覚だよね、抱き締めたりしてるの 」
「 …あぁ、そうッスね、でも…だからこそこう、もっと肩入れとかしたくならないッスか? 」
「 ペースが狂わされるのは事実、かな
正直に言うと、本当にあの子なら、"なれる"と思ってる 」
「 …そこまで絆されるもんとは、面白いッスね?私はただ単にあの子について行く事が家族間でのごちゃごちゃ解消にも…繋がると思った事と…、まぁ、やっぱり希望だからッスかね! 」
「 魔性の子供だよ、あの子は。でも嫌いって気持ちが湧き上がらないのが不思議、だよ。
一応アルスターの為に、色々準備しようかな 」
旅は道連れ 世は情け
...ひっそりと手を振り見送る喰人鬼に、大きく手を振り頑張っての声をあげた鳥人。
心配はもうしていない、だってあの子は
【楽しもうとしている】んだから
────百目の屋敷───
一言で表すのならば、ボロ屋敷と言っても良い。
( 見た目に似合った内装 …木製の床は一歩進む度に
[ギシギシ]と音を立て軋み、[ヒュウゥゥ]と隙間風の吹く音は
入って来た侵入者の不安を煽る )
襖で分けられた部屋は沢山 ... ...照らす灯りは所々に置かれた行燈のみ ... 掛け軸には瞼付きの一つ目。壁画も飾られてはいるがどれもこれも"和"を意識したもの。
__目の前には階段とこの屋敷を支えてるであろう大きな木の柱が聳え立つ。
恐らく屋敷の主は、3Fに。
コロン コロン コロン
( 階段の上から、小さなビー玉サイズの"何か"が一つ転がり落ちて来る ... ...それだけならまだしも、追い討ちをかける様に )
____ギシ、ギシ、ギシ ....
上の階から、足音が聞こえ ...
ゆっくり、ゆっくり、下へ向かって来る
歓迎ムード、とは行かないらしい。
百目の屋敷1F アルスター/HP99:🥩100/100 [正常]
予てより怖じ気と困難の先触れに浸る場は
__過去を思えど良く感ずを避けて寄り来た
しかし生意気なる小娘は折れず_寧ろ
「 ( 気の引き締めは得意ですっ! ) 」
___叩き付けられた挑戦に燃え、
先を照らすランタンの中に火を入れた
______
「 …(さてっ …言葉が通じるといいんですが…っ) 」
( 近く、…遠くあるのに近く感じる何たるかの気配を
…感じ取れば、すぐさま頭を下げる用意と… __
聖剣のツカに手を伸ばせる心構えを整える )
「 …えぇーっ …
へろーっ! ないす、とぅーみーちゅーっ!
___っです!」
__さて 小娘に対する反応は…
____誰だ、貴様?____
( ..返答、あり )
一段 また一段 丁寧に階段を降りて気配は近付く
( ...その気配はまた、"別"。屋敷全体から漂う気配とは別の、大きくて ……小娘に対する警戒心が、よりはっきりと分かる )
___プチュンッ。
( ビー玉サイズの転がっていた ...何かを踏み潰し
降り立つは_____ )
「 ...ないす、とぅ ... ...ど、どこの言葉なんだ?
...と言うか貴様は一体何者だ?何の用 ...いや
______"剣"の遣いか?、小娘 」
口調には似合わぬ、身丈と声色。目が隠れる程長い黒髪のおかっぱ頭を携え、菊と桜の模様が入った和服を着用した_______小娘とそう年齢的に変わらなさそうな、子。
そして、質問の返答を求める前に
パチンッ 指を鳴らせば …"敵意"はハッキリ
更に闇は濃く広がる
「 何の目的にせよ、帰って貰おうか、もし直ぐに出て行くのならば痛い目は見ないで済む ...それでも 」
[ガラララッ] ...襖は開かれて
小娘を見詰める 監視する 睨む
巨大な目玉(球体)が十数、アルスターを向く。
屋敷は3Fと言う短い階層、しかし
...初手から全力で行くが吉と、言わんばかり。
___来るのならば容赦はしない。
( その一言を合図に静かに戦火は切られる ...屋敷の主人を、置いて
....ころころ転がり、突撃する目玉達! ...意外と速い! )
「あっ はいっ あのっ …あの…?」
( しゃべる前の、…考える段階で 既に言葉は奔流に。
とんとん拍子で悪い方向に進むことだけが分かり… )
__「違う」と口に含めた時、目の前にあるのは…
"攻撃"!
「…答を示す時間ありましたかっ?
こんなのっ 問答になってませんっ!」
( 応ずるを既にかばんから"張"とある本を抜き… )
『 止・ま・れーッ! 』
[張り付けの本]___ 接近する目玉を停止させ!
( 更に、"速倍"とある薬をがぶ飲み …少し蒸せ
その上でより素早い動きで"惑"とある本を抜き…! )
『 "あす"と"あした"は違う意味ーっ! 』
[惑わしの怪書]___ 停止した目玉を混乱させ…
(その上で目玉の文字通り目の前に進み…
大盤振る舞いの三冊目!…"飛"とある本!)
『 かっとばせーッ! 』
[シャウトショットの本]
(__快声が目玉を逆向きに… 停止を解除し
混乱オマケつきのお返しが吹き飛んでいく!)
____ぜぇっ ぜぇっ…っ!
( …大声出しすぎて、息を整えて )
[ばっ]・挙手を行う!
「 話せますよねっ!?…えぇとこんにちは!
話しましょう!…諦めません!敵じゃないです! 」
__伝えたいことがめちゃめちゃ
____ …早い、そして、強い、..とても変な異能を使っているな....
[ドグシャァァァッ...]
( 妖子を通り過ぎて壁に目玉が激突する音 ...
...墨のような液体が飛び散る音が少なからず響いて ...思わず表情を濁す )
「 話せるのは認める、しかし話す理由が無い
...そもそもだ、貴様は何故こんな辺境に来たんだ?敵じゃないと言ってはい、そうですかと“主人”の元へと案内すると思うか? ....なぁ
敵じゃ無いと言うのならば
抵抗せずに大人しくやられるか? 」
( 不可思議な術を堪能するのも悪くは無いが
何にせよ 何の許可もなく
侵入して来た事には変わらない )
そこで、私の答えは一つだ ……
「 貴様みたいな小娘と!問答する義理は無い!💢 」
( メカクレおかっぱ髪の隙間から、血走る黄眼
...ご機嫌斜めで、小娘が何かを伝えたりしようとする前に )
いざ、覚悟ぉっ!!
( 両手を広げて、飛び掛か_______ )
こてっ
古臭い屋敷,先程の飛ばされた目玉の衝撃で
床から飛び出た木片に、気付かず ...
___こける体勢で小娘の方へっ!
___はぁ… はぁ… …っ!!?
( 相も変わらず悪ぅいとんとん拍子が来るっ。
…息つく間も僅か2秒、その間に答える暇も
余裕も与えられずに敵意は膨れ上がって…!
__その割に色々言われるから余計に戸惑う )
「 …っ 答えっ …させたいんですかっ!
追い出したいんで…っ[ぜぇ]__『覚悟ぉっ!!』
もぉどっちですかぁっ!!?」
___使った本をかばんに戻して[眠]とある本を___っ
「 『ひつじが…っ』…[こてっ] 」
_____へぇっ?
(__それは "転倒" __それは"事故"
"予想外"の出来事に小娘は素頓狂に驚き__)
…[ はっ ] っ『ひつ[ガブッ]』「!"!!"」
_____挙げ句慌てて舌噛んだ
_________________________
[ ゴ"イィィ"ィィィ"ン!!"! ]
_____ブぅっ ヘェっッ!?
___目が火花と化しておでこの痛みが爆発。
…真っ赤になっちゃったおでこ、__頭突き。
__衝撃で本を放り出して小娘は仰向けに倒れ…
ぅ … …ぅ …!!
[う"えぇ"ぇぇん"っッ!!!!"!!]
___悲鳴と混ぜこんで泣きだした
_____敵が、…危険がそばにあるというのに。
___自分がこけたと気付いたのは
小娘と激突する1秒前で ...
「 ………[ あっ ] かわっっッ 」
______ [ ゴ"イィィ"ィィィ"ン!!"! ]
( ………Critical hit!!! )
______[ シュゥウウウウウウウ... ]
( 髪の毛は捲れて、小さく綺麗な橙に近い目がハッキリと見える ..ただし、ぐるぐる目で、かの妖はうつ伏せになって身体を震わせている ...
....煙もおでこから出ている、漫画みたいに )
....泣き出す声に、隙だらけの小娘に
...ぴくりとも反応しない
____何故なら
ひぐっッ ....えぐッ ..ぃ、ぃだい、いッだい!
うェ ..ぅうううう ...ぬし、しゃまぁあ ...!!
( 小娘と同じ様に、泣きじゃくっているから )
..なんだかすっかり、戦闘は考えられないムードがその場に漂う。
やれやれ、視てたけれど
………何をしてるのかねぇ、本当
( ...一つの目玉から、スピーカーの様に
中から外へと、その倒れた妖とは違う ...
大人びた声が響いては、どうにも呆れたらしい様子 )
___パンッッ!!!
( 両手が大きく叩かれる音が響き ...屋敷全体に
広がる 『主人』の声 ... ... )
瞼の裏は暗闇で 目を見開けば光ばかり
あんなに眩しい太陽も 閉じて遮りゃ薄明るく
万物平等に信じられるは ただ自身の眼なり
闇を視るか光を視るかは 自らの判断へ委ねて
しかし今はただ ___凱旋しよう、夢の中へ
【 百目・眠透眼夢 】
( ___小娘や妖の周りに集った目玉 ...
...見てるだけで、頭は働かなくなるし ...何やら煙の様な物も撒かれて ...吸えば吸う程、身体から力は抜かれる ....
次第に瞼が重くなる ...眠気に誘われて )
[ とす、とす ] ( 倒れた妖とそう変わらぬ足音
...小娘へと近付く )
大丈夫、今は寝てくれて良いよ
襲いはしない、ただ ...詫びをするだけだよ
( 嘘偽り無い声、今はただ ...任せて良い )
___え"ぇぇ"んッ … …ずぅっ…
( 泣く、…けど 小娘の復帰は 嘘泣き疑うほど早くて
涙眼拭って もう、戦意が出なさそうなお目眼さん…?
…を 前に一旦、…ティッシュで顔を拭いて、…ハンケチ
とりあえず挨拶代わりに差し出して __色々 考える… )
「 (ぃぅ… ひ"りひり"するっ…!… じゃなくて!
…この、人? …方?通さない、だとか ヌシサマだとか…
お目眼ってこの人 … っぽく、見えましたけど…) 」
(思案は素早く …また、没頭も深い
___気付けば寄るのが危険であると忘れ)
____肌身に"迫って"迂闊にも …気付く。
「 ?… …[スン] ❗ ❗ ❗っっ… 」
(小娘は鼻を抑え 眼を見開いてバッグを探る)
「(ゼボフルラン!?イソフルラン!?クロロホルム!?
…ハロタン エンフルラン …なんなの…っ!?)ッッ」
__煙から抜け出そうともがいても …大分吸ってしまった
「っ… …(ほ、…ん …き つ…けっ…)」
( 鞄から取り出す __[醒]とある本と、薬
…煙の種類がなにかも分からない だが今は…
__薬の蓋を開いて飲み込もうと口を開き… )
「 (あ) 」 __煙が口に入り込む
[カチャンッ] … … … くぅ…
___割れた瓶が液体をぶちまける
アルスター/HP.95:🥩100/96 [ねむい]
______________________
______館の前
「 [ぽん][ぽん] 」
__二人の肩へ同時に手を置き
( 何者かと振り向けば… )
[ いない ]
___不思議に思う数秒内…
[ ガチャン ]
___館の扉が開き …閉まる
( 小娘が眠りについた後___ )
百目の屋敷 ?F
( ...どうやら寝かせられて ...掛け布団に包まれつつ
柔らかいクッションが頭を包んでいる様子 )
.......
“....て、反省はしたのかい? ... 『サイ』”
「 ...すみません主様、一生の不覚 ...
侵入者を撃退するのに、主様の手を煩わせ “サイ”
...っ 」
“ ...聞くけれど、この子が何か敵意を持って来た?
...何も無かったろ?無害だったろ? ...それに組織の者がちゃんと二人ついてたじゃないか ...何をそんなに”
「 で、ですけれども ...敵意を隠すのが上手だったかもしれません!ましてや奇妙な術を ...! 」
“ 本だとか薬だろう? ...大丈夫、それなら今少し《視た》けれども ... ...これはあの子の力じゃ無い
サイは知らないかもだけれど ... ...『図書館』には良くある妖力だとかが込められた本さ 薬も化学物質がただ練り合わされた物 ...何も心配する必要はないんだ ”
「 ぐ、ぅ ...ですが ...! 」
____何やら、話し合って(?)いる様子。
“ ...兎に角この子は、私が視ていて気に入った
だからこうしてるんだ ... ...それに関しての異議は唱えさせないよ ”
「 ...っ、ぐ、ぅぐぐぐ ..かし、こまり ..です 」
( ...あからさまに不満そう .... ...嫌そうに歯軋りする音迄聞こえる )
[ ...ぴと ]( ...額の上に乗せられる氷水の入った袋 ...
...舌もいつの間にか、怪我は無い )
“ あぁ、ご苦労だね ... ...多分そろそろ目、覚ますだろうね ...良いかい?暴れても此方に加入はしない事 ..
...啖呵を切って来ても、見逃す事 ...
...話し合いが出来そうならば、出て来ると良い ”
「 ...わか、りました ...っ ...何故此奴なんかに... 」
( ....気配は、一際大きい 屋敷の主人のみ )
____館の前
「 ───出来たッス!『五月雨』と『浮波降八』
どうッスか、これで負けッ ....
「 ……『七刺九突』 」
…うぐぐッ、なんでそんなに強いンスか〜!? 」
( ……なんか遊んでる )
「 それにしても、アルスターちゃんは大丈夫ッスかね、結構長いッスけど 」
「 多分アレに付き合わされてる、だからだいじょ… 」
( 気楽な談義中
不意に肩に置かれた手、気配、いつの間にか消えて
中へと入ったのが、分かれば )
「 へ、い、今のは一体なんス … 」
「 ロイは此処で待ってる。私が行く 」
「 なら私もいく[ ヒュンッ!!! ] ...ッス? 」
( 鳥人が言い終える前に、消えた喰人鬼 )
「( ...明らかに数字詐欺してるッスよね、アルスターちゃん。...貴女は、一体 )」
まだ何を、隠してるンスか___?
アルスター/HP99:🥩100/67 [ぽわぽわ]
____ピク
……ふぁ __助けてくれてありがとう …ございます
「 でも… 戦闘そのものを見逃したのは
…わたしに興味あってのことなんですか?」
( 小妖が離れる気配を感じて __小娘は起き上がる )
「 はじめまして、お屋敷の… 主人さん!
急に来てごめんなさい!…レイチェル・アルスターって言います!」
___礼儀正しく正座で軽く頭を下げる
「 月の姉妹 __探求の小徒です! 」
....なァに、理由としては単純な事
「 “もし”見るのならば直接な方が ...鮮明に残るからね
最も、戦闘をする気は全く無いけれど .... 」
ほら、頭は上げて良いよ ...探求者
“声”は上部から聞こえる ...見上げれば
2mはあろうと言う ..."主人"がそこに胡座をかいてる
顔の下はヴェールで隠されており ...晒されるは赤眼(右)と何も無い、見れば見るほど吸い込まれそうな眼(左)
...和装ではあるが、肩や肘等所々は出ている ...
___首や腕に結ばれた数珠の様に連ねられた目玉が、小娘を見て離さない
「 ...よし、それじゃあ私も自己紹介!
_____百目の屋敷、当主!!
アイチョウ・フクフマ
藍蝶 福負廻 ....私は歓迎しよう、来訪を! 」
______さて、何から話す?
「 聞くより見るに勝ることなし。一理あります!」
___[ひょん]と面を上げれば眼前に巨体
…経験がなければ卒倒しちゃいそう
__和装に、…"眼"。
( …さっきの妖怪?さんとの強い関係を予測して
けれど、血縁が無さそうな呼び方には少し考察
…そういう"種族"なのかもしれない。…思考は3秒 )
「 まぁまぁ!… お急かししなくても。
これでもお近づきの印に… [ごそごそ]」
___バッグの中身を"わざと"探る
"本" "薬" "小道具"。…戦闘力になり得る
そんな物が、没収されて、いるか…どうか…?
( 漁られた痕跡は残っているものの …結果で見れば
減った物、と言うのは一才無かった )
興味が無いか、実力に自信があるか … 。
「 …ふふふ、色々話したい事があるのさ!
あの子は元気かい? …あの"飢えたる子"は! 」
( …悪や闇と言った気配が今の所微塵も感じられない
驚く位有効的で、見下している視線とは言え……
立場を悪用している訳でも無さそう
…くつくつと笑う姿は何処か不気味だけど )
指の間で綺麗な青い義眼を転がしながら
…顔が近付く
やめときなよ、戦うのなんて …
身体を傷物になんかしたく、無いだろう?
[ 話す: 選択肢 ]
【 ア・スフクターとの関係 】 __解禁。
___威圧を乗り越え …思索、__小娘のターン
(伺って分かったのは"要素"が少し。
途切れ途切れでもこれで充分だ!)
___思索
___まず…
「(…さっきの子があたしを警戒する理由と正当性は…ある。
武力行為に及んで失敗したけど、…"危険度"はこの人に
…伝わってる筈。__聞く前にあたしの事を幾らかは
知ってるみたいだし … 証拠から来る判断は、こう)」
___"100%[フルコンディション]のあたしに勝てる自信がある"
「(…理知的な風だし、__知った上で危険となれば
何も手を打たない筈がなさそう __もしくは他に…?
___でも、…話はできそう … さて…っ)」
( ごそごそとバッグの中から …"ラム酒"を出して!
差し出し、…警戒の度合いを眼で見て探る__)
「 いえいえ! お近づきに、っと思いましてっ
あ、お酒 大丈夫でした? … 」
__少々ラベルは古いが 質の良いコルクに色味…
…コレクションのようなものだけど、"価値"はある
___話をまずは、…伸ばそうとして
ぎょろり
( 酒を差し出された瞬間に瞳は小娘からラベルへ
...年代的には多少古いが その方が好む
ゆっくりと、口角が上がり ....転がす目玉を一度置く )
「 くふふ、酒を飲みながら賽子を転がすのは楽しいからねぇ ...嗜む程度とは言えない位には、大好きなのだから ..喜んで!
ツマミは?香り付けは?私は何方でも構わない 」
( ...掴み所がいまだ見えない しかし次の瞬間
徐に何個かの目玉に指を突っ込み、一ノ目が青い目玉な賽子二つ、続けて壺を二つ取り出して___ )
「 もっとも、コレが無ければ
_____何も始まらないけれどね 」
( 髪をかきあげて、後ろで結び ...
にたりと笑う ...不気味な、位 _____ )
ころんっ
( 壺に落とされた、賽子
...もう一つにも入れられて 小娘の前へ )
___さぁ、酒を注いでくれ
......( 飴細工賽子と言っても、恐らく気付かない )
[?]
( 疑問 …小娘には"酒の嗜み"を解す歳がない
双六に用いる賽子を、いかに用いるのか 又は
手に持った酒の行き先について …わかる筈の
詳しい答えがわからず、少なくとも迷う )
__困惑のはて…言われた通りに壷の中へ酒を注ぐ
[こぽこぽこぽ ___]
「 …スフクター、さんにはお世話になっています
此処に行き着くまで 結構、迷惑も掛けちゃいました 」
(…)
「 …知ってたんですね。あたしとスフクター、さんのこと 」
[ ごくんっ ]
( 注がれた直後、一気に全部飲み干し …少々赤らむ顔。口内にて賽子を転がしながら…頬杖を膝の上につき、見下ろしながらゆっくりと口は弧を描く )
「 あぁ、知っていた …いや、見ていたさ。
昔からずっと、ね …何せあの子は、格が違うんだ ..今は抑えがついているけれど、それでも数字詐欺には違いないしねぇ ... 」
酒で口は進む。べらべらと饒舌に。
「 まぁでも、探求者な妹と …その姉によって、あの子は人の心を取り戻した…それって何気に凄い事だからねぇ、誇りなよ?(…まぁ、まだ“あれ”になる可能性は充分あるんだけど …) 」
不意に、片手を上げて …鋭い五指を上へと振る
[ ぴしゃんっ ] ──閉じられていた襖が開けられる音
注ぐは尽きぬ陽光、壺に落ちるは梅の花弁
枯れる事を知らぬ、屋敷の中からしか見えない樹
「 私がここにいる理由は、この景色と
─ある子達を見守る為 」
「 まま ま …待ってくだ…しゃ、いろ…いろ!」
( 頭がこんがらがる。"見てる"の意味はなんとなく
分かるけど 飲んだ賽子はどういう意味を持っているか
姉のことをどれくらい知ってて姉妹だと言い切ったのか
____いや そんなことよりも… )
「 すっ …すふくたー …さんが __格が違うって
なんです… 抑え… って…!? ま、前…っ
スフクター さんが言ってた事と違うじゃ…ないですか…!!」
______それに…
「 …景色…? 」
「 はいはい、慌てなくともゆっくり言うからさ?
...取り敢えずほら、落ち着きなよ
焦ってたら聞きたい情報も聞き流しちまうかもねぇ
...ん、美味美味、ふふふ[ガリッ] 」
( 何かを歯で磨り潰し砕く音を響かせた後、一息吐いてから精神を静寂にさせる時間を少し作る
こう言う所は子供らしさが溢れていて可愛く感じる、最も度胸はイカれてるの一言に尽きるが ..簡単に済む話は後回しにして、一番気になってそうなそれを話す )
「 そりゃあ普通、あの子って下から数えた方が良い数字を与えられてるのさ ...でもねぇ、四が付く奴等はとある伝説の生まれ変わりと称されている ...それが、あの子。
『飢餓』の呪いがあの子、ア・スフクター ... 恐らく、無意識に封じられているリミッターって奴が無ければ、上の奴等の首を一人二人は取れると思うよ?あぁ、勿論私も勝てないし ... ...ま、リミッターしてる状態でもそんじょそこらの奴よりは強いんだけどねぇ
アンタは体験してないだろうけれど、その姉は体験したはずさ ...その速さを、ね 」
───もっと詳しく聞くかい?と言っても全部は知らないよ。
「 ッ ん… …ふぅ…[ばんっ]… はい 聞きますっ 」
([__予想外には焦り。慣れる以上は、短く済ます]
…命の管理、情報の収集 集約… 冒険家としては
基本となるそれを小娘は心の核心に置いてある
_すぐにメモとペンを取り… 煌の眼を"話"へと )
_____
「 …わたしが産まれ育った土地でも、特定の数字に
畏怖.強者の意味を持たせ …それを個人へ与える…
という習慣 …もしくはジンクスがありました
ぁ、これはあんまり関係ない …ですね 」
(__意味はある、…少し時間が欲しかったから。
…本人から聞いた話、事情を知る方からの話
この方の話にウソは …無いと、思える
…これらを組み合わせ 小娘は何らかを…
ひとつの"関連"を考察し、掴み …口にはしない )
_____
「 …持ち合わせ程度、って口ぶりですね…
"見た"だけで"当事者"じゃないってこと …ですか?
___はい、まだまだ聞きたいです 」
「 りょ〜かい ...それじゃあ少し長くなるよ? 」
( 注がれていた酒を一気に全部飲み干して、口内を潤してから ...饒舌に語り出す )
「 自分の手で仲間を喰らった事や死者達の呪い
それ等の悲しみがあの子を更に強くさせたの ...
恨み、憎しみ、絶望 ...込められた唸り、叫び、遺言
でも、それらもあの子 ...いいや
グ ー ル
喰人鬼にとっては餌にしか過ぎなかったのさ ...
今まで少なくとも、万は食べたその命が ...余計にあの子を強くして ...更に飢えを覚える 」
食べれば食べる程強くなり そしてそれ以上に
上物を探して ..見つからなければ狂いを始める
それが、『飢餓』の呪い
「 ...私は本当に“見た”だけさ
ただ本当に、遠くから ...出来る限り離れて
獣と呼ぶには可愛い位に ...恐ろしいよ ..
私がよく知ってるのは普段 ...つまり、今のあの子さ
...良く見てきたし、最初は世話をしたからね 」
( ...しんみりとした空気は嫌いだ、だから
区切りがついた?所で )
________ぱんっ!
大きく両手を叩いたっ
「 ま、こんな所かね ... っと 」
「 ……… 」 [スラスラ__]
( ぱん、山彦を帰すようにメモを閉じ …眼を凝らす
恐怖的反応、驚愕的反応 …何れにも属さなかった
…何かへの確信を 食べた味のように理解する )
「 大体、分かりました。ありがとうございます
…ただ あとちょっとだけ …続けさせてください 」
…非礼 __違和感に相対した、だから忘れた
だから知っておくために …聞かされた話に
手垢を付ける事で掴める答えを …確信する
「 それって …あなたの見て聞かない"印象と憶測"か
或いは伝え聞いた話でメイクを施したものと言うか…
…えぇっと つまり …間違った答じゃありませんか?」
「 スフクター、さんが持ってるその…
"呪い"についてなんですけど。
…抱えているものが、"飢え"なら
ちょっと違和感があるんです
それにしては少し…マトモ過ぎて 」
(…笑顔、応対に感性を思い出す…
感情的な感想を封じて冷ややかな思考を。)
「 この私が間違ってる、と ...へぇえ、興味深い
なら、じっくり聞かせて貰おうじゃないか ...なぁ、小娘? ...出した答、私の見ていた事実の矛盾を反論する様な答! ..存分に聞かせて貰おうじゃないか! 」
( 対する眼鬼は興味津々とばかりに、覗き込み ...思わず体中の隠されていた百眼 ... ...掌や肩や臍など、至る所に現れる ...それは、衣服等の布で遮られていても感じる視線 )
( 久し振りに面白い新情報が入ったと言わんばかりに、子供じみて、何処か不気味さを感じる様な笑みがヴェールの下でゆっくりと___ )
「 ほら、もっと聞かせてみなよ!私の答えを打ち破ってみてくれよ! ...ねぇ! 」
( 怒る様子は全く無く、苛立った気も感じず ...ただ早く、その理由を知りたがる ...自身の言った事なんかは、とっくに頭の片隅に置かれて )
_____もし、もし ...小娘の答が良いものならば
もっと面白い物を ...見せるのも良い
_____[ギィ …ギィ]
( 無造作に踏み入る屋敷の中 …空気は何処も薄暗く
僅かに響く床の軋みも不気味な音へと帰属する…
…慣れた話と、新たな"客"は屋敷のまた 奥
小娘のふたりが一戦交えた痕の残る …階段の前へと )
[…剥げた木屑を手に取り 辺りの様子を伺う]
「… (随分と手の掛かる歓迎らしい…
さて、"気憶"はここで途切れた か)」
(「困った」、…様子を露にする程度には
辺りに気配を感じない __痕跡を求め 辺りを歩く)
__________
「 …… ・・・・!? 」
____驚愕する。…発見したモノは…__
_____:波乱の…気配、それをいざ知らず…
小娘は思考と考察 …それにのみ意識を。
_____ぞわっ…
「 ………… (ぃ…いち、…ろく…、じゅういち…) 」
( 数のあらましをも掴むに難い、…十八番を封じ
思案する以上を圧し潰す不気味で多数な瞳の光り
__促されても口が閉じる …冷や汗が滝のように流る )
[「あの えっと」…濁す事すら出来ずににらめっこ]
「(ま まだある… じゅうなな…__)… …
ぁ。…__えっ …と、…ごめんなさい 」
( しどろもどろに瞳から目を逸らす
不気味が言葉へ待ったを掛けるのだ )
「 "目" …隠して いただけ、…ません、か…? 」
____年相応の怖がる …声
「 ………あぁ、悪いね 」
( 怖がる反応、声から…思わず開眼してしまっていた事を詫びつ、十数にも及ぶ瞳を閉じ、顔に着く両眼のみを改めて開き )
「 いかんせん面白そうな事だったからね、酒を飲んでたってのもあるんだけれどさ…これは私の悪い癖かもね、周りが見えなくなってる事 … 」
でも、それ位さ、期待しているんだよ?
…………もっと言えば───
あ な た を ず っ と
見 て い た い
「 なんて、ねぇ 」
( …しかし驚いた、こう見えても矢張り精神性はまだまだ子供だと言う事を含めても…しっかりと自身の意見が言える事 )
この姉妹は、何処かイカれていると判断させるには
尚早だろうか?…否だと、百目は思う。
( __身を撫でる恐怖感から…解放されて尚、言葉が続けて
若干の恐怖を煽ってくる 身が縮みそうな思いだ )
「 ぁ …あはは… 読本とか、観察に便利そう…
(…き、期待が重い風でもないけど __怖い…っ)) )」
________
(…「ふぅ」と息を吐くと、小娘の顔色は並みに戻り)
「 …食人鬼(オーガ)、スフクター さんの種族名でしたね
牙は鋭く、身は固く、素早く。…そして人型生物を…
"機会と気分と、状況によっては食べる種族"。
…行動で名を作る事例は意外と間違いが多いんです
普段の食生は別に人が食べてる物と変わらなくたって
生存、健康面に悪影響を及ぼす訳でもありませんし 」
(メモを開く …これまでの"彼女"の行動)
「 …ちょっと話が逸れちゃいました。えぇと、…つまり
食人鬼が持つ人食いの特徴も …食糧の不足が続いた際の
緊急的な手段、…常用する手段じゃなかった筈です
__食糧を普通に摂取できる状況、スフクターさんから
聞いた話です… 昔はあの人も別に変わった環境とか
不足が起こる出来事がなかった所で暮らしていたと。
…貴女や、この辺りの生活規模 …自然環境からして
飢えたとしても "人を食べ過ぎる" 状況…ましてや
あの人の性格です …そんな状況、例えば大火災とか
__"予想外"の出来事が起こったとしても…
…あなたが言った"万人規模"での人食いなんて
スフクター さんが自ら選んだ行動じゃ無いんです 」
______じゃあ
「 …"意にそぐわない"残酷な出来事を
無理やり体験させられたとして …
当然、人格形成には難が発生しますけど
…スフクター、さん それにしてはマトモ過ぎるんです
社交性 論理感 価値観 …全部、話を聞いたら
すんなり …理解できるくらいに __マトモなんです
…違和感があったのは、そこでした
此処から …ちょっと、仮説になりますけど 」
(…一呼吸 ___目も閉じ開けを繰り返す)
「 …呪いというものがもたらした"飢え"…って
"空腹" じゃ無かったんじゃないでしょうか 」
(__"飢え"、という種類には変わりませんけど…
…と 小娘はふぅと一呼吸をして 一旦話を切る
答えるには …丁度いい位の間が空いて ___)
___小娘の説明に ...悲しきかな 屋敷の主 ...訂正
“百目の妖”は 静かに涙を零す
...自身の方が長い付き合いなのに勘違いしていた事に対する 悲しみや 自身への憎しみ ...等では無く。
心の底から理解をしてくれている ...彼女への友情 優しさ ... ...それが、嬉しくて仕方無かった
「 ...はは、やっぱり直接見る方が分かる事の方が多いんだねぇ ... ...ううん その仮説の方が全然正しいかもしれない ...あぁ 賢いんだねぇ ...なんだかうれしいよ 」
....ねぇ、私は親でも何でも無いんだけれども
「 これからも 仲良くしてやってくれないかい?
...連絡先 教えてあげるからさ ...それに最悪 此処に帰って ...住んで貰っても 」
「 …まってください …
…本当に "呪い" のこと… 知らないんですか? 」
( 言論、予想をばら蒔いて …息つく小娘
返ってきた言葉に "驚愕" を示すと、
信じられないといった様子へ変わる )
「 … スフクター…さん、… …あの、… アイチョウさん
… ホントに、…あの人のこと それだけしか…? 」
______
「 あっ。… も 勿論! スフクター、さんとは
ずっと仲良くしますっ!… っ… 」
「 …あはは、力不足で御免よぉ…本当に見る事しか
出来なくて…いわば、私のも一種の推測…
…観察眼って奴を光らせて今迄のあの子を見ただけ 」
…逆に言えば、見ても分からない事は多いし…
其れ以上に “不思議”“謎”って物が多いのさ
「 …私はこの屋敷の主だけどねぇ…王では無い
其処の差がデカくてね…もし私が王ならもっと情報を与えられたんだろうけれど … 」
___済まないね、力不足で
( 先程迄の態度とは一転し、情け無さを実感するや否や … …頭を下げて苦笑い )
________________
「 ………ずっと、か …ふふ、なら、安心だよ 」
( …其れでも、この娘ならば…鎖縛を解いて 自由と幸福を教えてくれると信じて…上を向き …熱くなる目頭を抑える )
…良い友を持てた様で、安心したよ
[ … 💦 ]___小娘は迷った。
「( 思えばこの"地"は何処から何処までが"土地"…
"領域"であるか、未だ把握出来て無かったん
でした…っ__もし 想像より何倍も此処が広く
…"少数管理"では追い付かないと判断出来る位…
最低限の情報さえ集めておけば…っ…もーーっ!)」
___後悔。…地図さえ無い、のに此の地を
知るは少々…酷が、過ぎると自責の念。
「 いっ… いえいえっ!突然やってきて
管轄外の事ばかり質問して申し訳ありま…
… (管轄…?)…[はっ]__せんでしたっ! 」
( ばっ、と頭を下げ返して非礼を詫びれば
… 新たに、浮かんだ疑問 __質問の種… )
「 …(💦) あ…あのぅ …は、恥かきついでに…
まだ…! お聞きしたい事があるんです
[ボコ"ォ__ム"!!]__[ギャォーン!]
… け…ど? 」
____下層より …怪獣のような、鳴き声
「 ………その浮かんだ新たな質問に答える前に どうやら来客が来たみたいだねぇ …やれやれ、困ったモノさね 」
( 立ち上がる屋敷の主人 …改めてその体躯が巨大で有る事が分かる …何せ脚が文字通り丸太の様に太く 大きいのだから …とても面倒そうに体を起こして …目が妖しく光り始める )
「 推測に過ぎない まだ視ていないけれども
目的は恐らく …アルスターになるんだろうね、厄介な事に 」
( …それこそ 気付いては居ないがその頭脳と才能は … 羨む者だろう
単に、腹が減っただけの荒くれた怪物かもしれないが … 何にせよ 挨拶も無しに土足で上がって来る様な奴へ出す話も茶も無い )
___“サイ”ッ! ...裏口への案内、頼んだよ
『 ...し、しかし主様 ...っ!? ...っ! 』
___小娘と戦闘をした小柄なおかっぱ頭 ...戸惑いの色を見せながらも強引に、小娘の手を引っ張る
…最も 振り払って加勢に行くのも __また自由
「 …さぁて 行くかねぇっ 」
__屋敷の主人、下層へと歩み寄り …恐竜の様な謎の乱入者へ___
: 壊れる静寂、口にしない疑問 目先の事すら忘れている
__ パンクで安っぽい映画染みた混沌(カオス)が潜り込む
イカれた現実は迫って 窓なんてぶち破り
飛び出したバケモノは戻る絵本も知らない
( 無理に引っ張られた腕の痛みでそれが現実だと思い知る
…いや、今は痛みなんてどうでも良い …"あの声"...
___屋敷ノ者、…否 この地は未知との遭遇に震え
しかし小娘にとっては〖腐る程〗聴いた"鳴声"。
… 恐る恐る 早急に己のバッグを探り… )
____ それは確信に変わった ____
[ゾワァッ__!!]「(た…ッ "たまご" が、無いっ…❗)」
「と __っ 止まって…停まって!…とまってくださいぃっ!
あの声…鳴き声…ッ!____"あたしのカイブツ"です…ッ!
あたしが連れてきた…っ "モンスター" なんですッ!!」
____________
: 静寂 不気味、…イヤな予感に滾らせる雰囲気こそあり
だが… ちょッとした平穏律を保った空間であった一階は
火 カ 爆
の イ 音
海 ブ 祭
ツ 。
____… 本当にその通り。
お伽噺に囚われた怪物が
飛び出したようにしか…
想えぬような "ドラゴン"
〖 ガ"ゥォーーン!! 〗
"レッド・ドラゴン"、カイブツは燃える叫び声を辺りに撒き
床を踏み砕き ___その様は明らかに"正常な生物"が見せる
範疇ではなく …無計画にして〖理性〗のない破壊があった。
____ドラゴン以外に …その場で留まる者は居なかった
おかっぱ頭の幼子従者に無理矢理連れられて、謎の侵入した怪物から距離を取る…しかし小娘の発言に────どうにも不機嫌極まりない顔で…視線は分かり辛いが、髪の下から…睨み上げる視線が注がれる
『 …ハァ〜ッ!!?ふ、ふざけているのか貴様!あんな怪物を引き連れて一体何が目的なんだ!?…やっぱり貴様は主様の敵…この屋敷を破壊しに来た敵なんじゃないか…!?…いや、待て、少し冷静になろう…!
…そもそもなんでそんなの持ってるんだ!!? やっぱり貴様は組織とはまた別に刺客として…ぐぅう、主様が迎え入れたからといって貴様が怪しいのに変わりは無いぞ…! 』
───熱くなりやすい性格、頬を大きく膨らませる姿は子供らしいとも言える。質問責めにしながら件のモンスターへは、屋敷の主人が対面す…。
「 ほぉ〜〜、驚いた…竜の怪物なんて滅多に見ないからねぇ、派手に色々とやってくれるじゃないか…
でも流石においたが過ぎるね、───屋敷は兎も角、『あれ』に傷は絶対入れさせないよ 」
( 見た目は確かに人に近い …屋敷の主
しかしその身長と体躯は───人では無いモノの現れである…身長は5m、ドラゴンと向かい合っても怯えた様子が無い …
首に掛けた数珠繋ぎに繋げた目玉へ軽く手を通し、静かにその巨きな目が開かれる )
誘え、払え、転がる賽の目の赴くまま
膨らんだ欲望と共に沈み 閉ざせ
( 主人の身体から目玉がボコボコッと音を立てて産み出され…片手に集める たっぷりと )
【 百目・誅蔭群眼夢 】
────ドラゴンの頭に目玉が拳骨の様に振り落とされて …それが、連続で続く、続く …ジャブとしてはまずまず……?
「 い"っい…いえ!自衛用に持ってる古代遺物でして!
戦闘用途は否定しませんが決して友好はやぶさかとか
では一切ないんですけどええっとええっと!!」
____パニック だ、押しには弱いしすぐ焦る。
〖 グルルルルルルルル … 〗
拳状の目玉が振るわれ 右頬を打たれたは紅い竜
酷くおかしな唸りを上げ __剥いた白眼で"主"を見た。
〖 кто ты ? где мой хозяин 〗
〖 ты враг без ошибок ❗❗ 〗
〖 ゴアアアァァァァァ!!! 〗
( … 完璧にして根幹を間違えた敵視が確立された
疑問や答えを待つ間も無く、赤い竜は明確に
[屋敷の主]を攻撃する!!)
【 フライングストーム 】
__翼を大きく広げ …竜はその場で何度も羽ばたく!
巻き起こる強風が"主"に向かい、逆巻くように
襲い掛かった! ___恐らくは[カマイタチ]…!
〖 выиграть у тебя !!! 〗
( 巨大な翼が 圧し出すように繰り出す風は ___
"剃刀"じみて鋭い空気の塊、…濁流の如く押し寄せて
引き裂き 床を剥がし 尚も迫り来る"カマイタチ"。)
__風が切り裂く。…群塊の目玉が拳を作って殴りかかる
浮き世あれど 此処まではあるまい、遥か離れた現実に
沸き立つ煮え湯を飲ませるような。…眼を覆いたくなる
__それほど迄のグロテスク。…それほど迄の荒唐無稽!
( だからこそ沸き立ち… __収まりはつかぬまま
"化け物"どもが、狂宴の …猛ル …猛々しき
"血祭り"え向かうま、ま__燃える …燃えてしまう )
[グォォッ!!] 〖 я раздавлю тебя ❗ 〗
( 逆巻く風刃の被害を厭わぬ、…ましてや
待たぬ赤き狂竜。豪腕を振るって風に並び
__破壊の渦へと暴れ込む…!!
… 風の刃と __暴れる竜が押し寄せる! )
____あぁもうなんだって良い!さっさと行くぞっ! ... 主様なら大丈夫だろうがそれよりも先に此の儘だと屋敷が崩れる可能性があるっ!
貴様の静止の言葉が効くのならそれに限るし ... ほら さっさと行くのが吉だっ!
( 小娘の手を繋いで 引いて 足早に現場へと向かう
苛立ちは抑えられず 口調は強く 全ては主様の為に
先程から聞こえる轟音からも …激しい戦闘が繰り広げられているのが良く分かる )
カマイタチを浴びて 風刃が全身無差別に襲って来るも 主人たる大目玉はとても楽しそうだ ...
[ ゴォォオオオオ ッ ! ]
( 風渦の中囚われて 赤き竜へと一対一
巨体全てに吹かれる風が切り傷をつけていくも ...それが効いた様子は何も無くて ...寧ろ嬉々として、舌舐めずり ...!
暴れる竜に対して 主人の体中についた【百眼】がロックオン ...! )
「 良い風を吹かせるじゃあないかい ...良いねぇ、とっても気に入ったさ!あっははは!
でもだからと言ってちょっと強風が過ぎるんじゃないか!? そぉら ...落ち着きなよぉっ! 」
バブルガム
【 泡眼夢 】 沸き立ち上がる獣らしさに ...目玉もどんどん溢れて、溢れて、増えて ...!
拳のメリケンサックの様な群塊の目玉の量が増えて ...更に殴る威力も 重さも ...!
体躯を活かした、圧倒的な物理的攻撃 ...!
[ ドッゴゴゴゴゴゴッ ...! ]
連打 連打 連打連打連打連打 ...!
弾けるかのような撃を何発何発と!!