「強さのインフレ」への対処法
――高橋留美子『らんま1/2』――
https://imadegawa.exblog.jp/33222118/
■「格闘技A→B→C……」と転戦
「戦い」を描く少年漫画に付きまとうのが
「強さのインフレ」だ。
これに対する答えの一つが
高橋留美子の『らんま1/2』だったのではないか。
主人公・早乙女乱馬は様々な敵と戦っていく。
だが敵は、
格闘新体操や格闘茶道・格闘羽根つき・格闘スケートと、
様々な「異種格闘技」で挑んでくるのだ。
「格闘新体操」を極めても、
その強さは「格闘茶道」には直接 生かせない。
「格闘技A」で強くなっても、
それは そのまま「格闘技B」には持ち越せない。
これなら「強さのインフレ」には陥りにくい。
だが、
この『らんま1/2』方式が少年漫画に定着することは
無かった。
『らんま1/2』も後には、
この「異なる格闘技に次々と挑む」という方式が
崩れていき、
「強さのインフレ」も起こっていった。
だが、
「格闘技A→格闘技B→格闘技C……」と転戦することで
単純な「強さのインフレ」を抑えた「らんま1/2方式」は
今でも有効な やり方ではないかと思うのだ。