友情&恋愛小説っぽいの書きます!
よろしくお願いします。
登場人物
篠原真穂
中学校1年B組。バスケと恋を頑張る女の子。バスケをするときはちょっとおっちょこちょい。バスケ部のある男の子に恋をする。バスケ部の先輩や顧問には心を開いているが、顧問には怖がっている。バスケはできないけど身長が高い。
檜山舞
中学校1年A組。バスケ部。ちょっと天然。真穂とは幼なじみ。
西山真莉
中学校1年B組。バスケ部。小学校1年の時からバスケをしている。学年トップの成績で運動も勉強もできる。
花咲舞
中学校1年A組。バスケ部。その日習ったことはその日覚える天才型。とてもモテる。美恵乃の妹。
天野美姫乃
中学校2年B組。バスケ部キャプテン。とてもバスケが上手。時々バカになる。
谷口美々乃
中学校2年A組。バスケ部副キャプテン。お嬢様。
花咲美恵乃
中学校2年B組。バスケ部。花咲舞の姉。面白い。
西田美久乃
中学校2年A組。バスケ部。真莉のご近所。
安藤美羅乃
中学校2年B組。バスケ部。背が低い事を気にしている。
華原美穂乃
中学校2年A組。バスケ部。50メートル平泳ぎで県1位。
登場人物
梨香、凛、梨亜、梨菜、梨沙、梨真、梨恵、梨里
中学校3年B組。バスケ部。梨香は元キャプテン。凛は元副キャプテン。総体で負けて引退した。全員心優しい。
恋出智世子
バスケ部顧問。見た目もとても怖いし実際にも怖い。でも本当は心優しい。チョコ先生と言われている。怖い時と優しい時のギャップが激しすぎる。3年A組担任。
岸野裕太
中学校1年B組。バスケ部。モテる。バスケがうまい。
岸本亮
中学校1年B組。バスケ部。とてもモテる。バスケはまあまあ上手。
私は篠原真穂。中学生になって約1ヵ月。一週間後には総体がある。私のせいで先輩に迷惑をかけていることが最近の悩み。この1ヶ月間とても大変だった。
そして今から部活。中間テストもあり、もうくたくた。恋出先生はチョー怖い。吹奏楽に入れば良かったのかな?タイマーの時間覚えてないからすぐにうまくうごけない。
「ハァー」
「どうしたの?真穂ちゃん。」
「真莉ちゃんいたの?最近疲れるなぁと思って。総体近いし、でも私迷惑かけてばかりだし。」
「私もだから大丈夫。テストの結果どうだった?」
「うーん。ビミョーかな。ギリギリ400点いったけど…真莉ちゃんは?」
「私も400点はいったよ。あと20点で500点だったのに。」
「すごいね!私、本当だめ。ハァー部活か〜」
「頑張ろうね!」
「うん…」
私たちは体育館へ向かった。
体育館の更衣室にはもう舞ちゃんとひま(檜山舞)がいた。
「ひまたち来るの早くない?」
「だって、うちらの担任帰り学活終わるの早いもん。」
「確かにあの先生は終わるの早すぎだわ。今日も部活だね。」
「うん!フッタワークとかめっちゃ嫌だよね。」
「ひま、フッタワークじゃなくてフットワーク。」
「アハハ。間違えちゃった。テヘ。」
「………テヘ。じゃないわー!もう…」
「まあまあ、いいじゃん。同じようなもんじゃないの。」
「全然違うわ!もういいや…早くいこ……」
これから部活と思うとえらくなる。なんでバスケ部とか入ってんだろ。
私たちは部活の準備をして、部員が全員集まるとフットワークを始めた。
あぁ……足痛い。明日も筋肉痛だわ。
先生来ないよね…あの先生嫌い…
「舞〜!檜山舞!ちょっとおいで。」
「は〜い!」
先生いつの間に来てたの!?
ひま、大丈夫かな?
〜1分後〜
「1年生は隅でハンドリングとかしてて何でもいいから。」
私たちは梨香さんの指示でいつも通りハンドリングをした。
「花咲舞〜!」
先生はこっちに来いと手招きをした。
「はい。」
そして普通に帰って来たひまに私すぐさま声をかけた。
「ひま。怖くなかった?」
ひまはふんわり笑いながら。
「全然!ただお前は勉強が足らなさすぎるって怒れただけ。あとは、もう少しどうしたらいいかとか教えてもらった。」
「うそ!そんなわけ…」
ゴンッ!
私の頭にボールが思いっきり当たった。そして派手にずっこけた。
「ごめん!大丈夫?」
「大丈夫ですから、練習に戻ってくださいっ!」
「分かった。本当にごめんね!」
「真穂、大丈夫?」
「真穂ちゃん。本当に大丈夫?」
真莉ちゃんも私に気遣って話しかけてくれた。
「うん。慣れてるから…」
「真穂ー!大丈夫か〜」
「は、はい!だ、大丈夫ですっ!」
先生の声にびっくりしてしまった。
「そうか〜ならいいわ。真莉〜!おいで!」
「はい!じゃあね真穂ちゃん。」
「うん。じゃあね。」
うそー!次絶対私じゃん怖いよー!
「真穂ちゃん!前見て練習して。」
「はい!」
そうよ。そんなことより頑張んなきゃ。
そして少しすると…
私にとって恐ろしいことが起きた。
「真穂〜!ちょっとおいで〜!」
「は、はいっ!」
ひゃあー怖いよー!
私は恐る恐る先生の方へ行った。
「まぁ座りんさいな。」
「はい。」
私は先生の隣に座った。
先生の隣になんか座りたくないー!
「真穂。お前なんでバスケ部入ろうと思ったん?お前だけバスケ出来んのに。」
グサッ
私の気にしてることを……
「私は3年生の時に真莉ちゃんのいるミニバスの練習に行ったんです。そこでバスケを体験したときに楽しかったし、皆さんがとても優しくしてくださってそれでバスケが好きになったからです。やったことのないことをするよりはいいなぁと思ったからです。」
何言われるんだろう?怒られたらどうしよう?
すると先生はにっこり笑った。
「おまえきちんと話し出来るんだな。いつも先生が話しかけてもまともに話をせんから、話は出来んと思ったわ。」
ほえ?
「はい…」
「まぁいいわ。お前、なんで真莉たちがバスケ部に入ったか知っとるか?」
「知りません。」
「真莉はミニバスやっとったから。檜山舞は部活体験に来たときどの部活よりもバスケが楽しかったから。花咲舞はお姉ちゃんがバスケしてたから。人それぞれ入った理由は違うんだ。真穂は誰と一緒だったか?」
「違いました。」
「だろ?だから真穂は出来ることをしろ!お前は行動が遅い!いちばん早く気づいてもすぐ行動せんから、すぐみんなにとられる。だから気づいたら走れ!真穂以外のみんなはすぐには気づけん。だから頑張れ!」
先生は優しく笑った。今まで見たことのない優しい顔だった。
「はい!」
「真穂は檜山舞とは違ってまぁまぁ勉強も出来とるしな。勉強困ってないだろ?」
「えっ?」
「あくまでまぁまぁな。」
「あぁ、はい。」
「じゃあ、かえってよし!」
「はいっ!」
恋出先生って私のことよく見てくれてる。案外優しいし。
顧問が恋出先生でよかった。
誰か感想くださいね!
お願いします!
よし!頑張ろう!
私たちは場所を変えてタイマーの近くでドリブル練習を始めた。
すると真莉ちゃんが私の隣にきた。
「真穂ちゃんどうだった?」
「うん。まぁまぁかな。怖くなかったし。」
「良かったね!私も全然大丈夫だったし。」
そういえばみんな先生と話してからは表情が明るくなった気がする。
先生は魔法が使えるのかもしれない。
私たちは練習後掃除をした。
私は誰よりも早くモップを取りに行った。
「今日も疲れたね〜」
「でも舞ちゃん出来るじゃん。」
「ひまちゃんだってできてるじゃん。」
舞ちゃんとひまが隣ではなしている。
舞ちゃんとひまは仲が良いんだよね〜
「真穂ちゃん、最後頼んでもいい?」
「うんいいよ。真莉ちゃんたちは最初に行ってて。」
私は最後にごみをとって更衣室に向かおうとしたときだった。
「危ない!」
「えっ?キャアア!」
ボールを踏んでしまい足をくじいてしまった。
「いったー」
「ごめん!大丈夫?」
声をかけたのは同じクラスの裕太くんだった。
「う、うん。私が見てなかっただけだから。」
「いやいや。見てなくてもボールが転がっていったんだから。ずっとボールがその場にあった訳じゃないから。ごめん!立てる?」
立ってみたものの足が痛くてたっていられない。
「立てることは立てる。でも……」
「歩けないよね。待って先生呼んでくる。顧問の先生名前何だっけ?」
「恋出先生。」
「じゃあ。座って待ってて。」
「う、うん。」
裕太くんは体育館からでていった。
優しい〜
裕太くんってめっちゃ優しいんだ。
やばい。恋しちゃった……
その時の胸の鼓動はとても速かった。
すぐに恋出先生が来てくれた。
「真穂〜大丈夫か?」
「あ、はい。」
「ちょっと足見せてな。」
そう言うと先生は私のバッシュを脱がし、靴下も脱がした。
足は内出血していた。
「青くなっとるか。保健室行こうか。」
「はい。」
先生は肩をかしてくれた。
「大丈夫か?」
「はい。」
「あっ真穂って汽車だっけ?間に合うか?今6時35分だけど。」
「汽車、57分なんでちょっと間に合わないかもしれないです。着替えてないので。」
「そうか。あっ梨香〜!」
先生は、後ろを向いて梨香さんをよんだ。
「はーい!」
「悪いけど、真穂の荷物保健室まで持ってきてくれんか?」
「分かりました!」
そして保健室に入った。
「まぁ座っとけ。」
私は椅子に座った。
先生は引き出しを開けてなにかを探している。
「どこかいな?園香先生は帰ったしな〜あっあったあった。」
先生は湿布を出してきて私の足に貼った。
「冷たっ!」
「明日は部活するなよ。」
「えっ?何でですか?」
「何でですか?って足痛いのに当たり前だろ!そんなに迷惑かけたいんか!」
先生が怒ったー
怖いよ〜
「まぁまぁ先生。真穂ちゃんだって部活に来たいんですよ。」
「そうですよ。部活に来てすこしでもバスケが上手になりたいんですよ。」
「部活を見てるだけでも練習なんですから。」
そこには、梨香さんと凛さんと梨亜さんがいた。
「ま、まぁ。そうだな。真穂、明日してもいいぞ。激しいのはするなよ!」
「はい。」
梨香さんたち優しい〜
「真穂ちゃん大丈夫。荷物は持ってあげるから。汽車間に合わんから急ぐよ!」
「私は汽車じゃないけど途中までは行くから。」
「ありがとうございます。」
「肩かしてあげるね。歩ける?」
「はい。本当にすみません。」
「いいって。気にしないで。」
本当に皆さん優しい。
さんざん迷惑かけてるのに…
廊下を歩いていると美姫乃さんたちがいた。
「凛さん、汽車じゃないですよね?私が持ちますから。私汽車ですから。」
「ああ、ありがとう。」
「凛さん、ありがとうございました。美姫乃さんありがとうございます。」
「いいよ、いいよ!気にしない、気にしない。」
「梨香さん。持ちますから!」
「あーありがとう。」
「いえいえ。」
「梨香さん、ありがとうございました。美々乃さんありがとうございます!」
「いいの。気にしない!」
「莉亜さん、私が真穂ちゃんに肩かしますから。」
「いいよ。3年じゃないと危ないし。」
「すみませんお手伝い出来なくて。」
「気にしないで。」
美恵乃さんも優しい〜
皆さんは汽車まで荷物を運んでくださった。
莉亜さんには汽車までつれてきてもらった。
「皆さん、本当にありがとうございます!」
「いいってば。」
「そうだよ!」
皆さん優しすぎて泣けそう。
優しい先輩で良かった。
私が汽車の椅子に座って居ると裕太くんが来た。
どうしたんだろう?あっ私、お礼言わなきゃ。
「裕太くん、先生呼んできてくれてありがとう。」
「いやいや、俺が悪いんだしごめんね!」
「ううん。別にいいから。ていうか裕太くん汽車だったんだね。」
「うん。気づかなかったんだ。」
「ごめん。」
私たちは話をしているとひまが来た。
「真穂!大丈夫?美姫乃さんたちからボール踏んで足くじいたって聞いてびっくりしたよ。」
「うん。一応ね!」
「じゃあ俺はこれで。本当にごめんね!」
「いいよ。気にしないで。」
そう言うと裕太くんは風のようにさっていった。
「さっきの子誰?」
「同じクラスの岸野裕太くん。私をこかした人。わざとじゃないんだけどね。」
「当たり前だね。それはまぁけががなくて良かったよ。」
「いいや、けがしたから。」
「うそ!だから先輩と一緒に来たんだね。」
「そうだよ!」
ひまも心配してくれてるんだな。
嬉しい。
汽車が駅に着こうとしていた。
あっどうして降りよう?
足痛いしなぁ。でもまた、先輩に頼むわけには行かないし。
あっひまに頼もうかな。
私は隣にいるひまに声をかけた。
「ひま。私足痛いからさ降りるの助けてくれない?」
「うん。いいよ!でも、私真穂に肩かす自身がないわ。」
私たちが困っていると美姫乃さんと美々乃さんがやって来た。
「真穂ちゃん。美姫乃さんと美々乃さんが居れば大丈夫だよ!」
「美姫乃変なこと言うのやめてくれる。」
「ごめん!でも真穂ちゃん本当に私たちが居れば大丈夫。」
「えっでも迷惑かけますし。」
「何を言っているの。困っている人を見たら助けるのが当たり前でしょ。」
「もう駅着いたんだから。」
そう言うと美姫乃さんと美々乃さんは片方ずつの肩をかしてくださった。
そして私を持ち上げるようにして駅に降ろしてくれた。
「すみません!重たいのに。」
「いいや、全然軽かったよ。ねっ美々乃?」
「うん。でも、どうやって帰るの?」
「あっ……」
少し気まずい雰囲気になった。
「大丈夫よ。私の者に送ってもらいましょ。ね。」
「えっでも。」
「いいから。」
私は結局美々乃さんにお世話になった。
「すみません!ご迷惑をかけて。」
「気にしないで。私も1人で帰るの嫌なのよ。今日はわざわざ市内まで行かなきゃいけなかったの。帰り道が同じ方で良かったわ。」
美々乃さんってこんな大きな車にいつも1人なんだ…
「美々乃さんの家はこの辺だった気がするんですが?」
「この辺のは別荘なのよ。本当の家は市内よ。」
べ、別荘!?
さすがお嬢様…
「ならなんで田舎におられるんですか?」
少し遠い方を見ると美々乃さんは話し始めた。
「母がね…恋出先生に助けてもらったの。母もお嬢様だったからさ学校でうまく馴染めかったの。1人だけ違うからビミョーにいじめられたんだって。それを見かけた恋出先生がさ、学校のみんなに言ったんだって。お嬢様だろうがみんなと同じ人間なんだから、人間がみんなと同じ顔で性格だったら怖いだろ、だから美々香がいじめられる必要ないって。凄いよね。」
「そんなことがあったんですね。……っていうか美々乃さんのお母さんと恋出先生って同級生何ですか?」
「みたいね。さぁ着いたわ。」
いつの間にか家の前に着いていた。
「ありがとうございました!」
「じゃあね。」
「さようなら!」
じゃあ、恋出先生のいる学校に通わせるためにわざわざここに住んでいるんだ。
すごいな…
恋出先生っていい先生なのかもしれないな……
……怖いけど
私はいろんな事を考えていた。
「ただいま〜」
「おかえりー」
お母さんの声が台所の方からした。
私は台所へと向かった。
「お母さん、足けがした。」
「はぁ?何して。」
「部活で。」
「ふーん。」
それだけ?たったの。ひどっ!もういいよ!二階あがる!
私は自分の部屋に入った。
今日も部活疲れたなぁ。明日も頑張らないとね。
私は夕食を食べ、お風呂に入りさっさと寝てしまった。
〜次の日〜
「ファー眠たい〜でも、学校行かなきゃ!」
支度をして私は家を出た。
大きな木のある場所へ急いで向かった。
そこにはひまがいた。
「ごめん!遅くなって。」
「ううん。私も今来たとこだから。ていうか、足は大丈夫なの?」
「大丈夫じゃない。チョーー痛い。」
「なのに自転車で来たの?」
「歩くよりはましだよ。それより早く行こ。」
「うん!」
今日も部活かぁ〜嫌だな……でも頑張ろ!
私たちは駅へ向かった。
駅に着いて10分後ぐらいすると汽車が来た。
「はやく乗ろっ!」
「え、うん。」
そして、椅子に座った。
「真穂ちゃん。」
誰だろう?声のすり方に顔を向けるとそこには裕太くんがいた。
裕太くんだと知った瞬間胸がドキドキした。
「ゆ、ゆ、裕太くん。お、おはよう。どうしたの。」
「足、大丈夫かなって思って。大丈夫?」
「だ、大丈夫だけど……」
自分で顔が赤くなるのがわかった。
「本当に大丈夫?顔赤いよ。」
裕太くんの声に反応してひまが私を見た。
「真穂!顔赤いよ。熱があるんじゃない?」
そう言って、ひまはおでこを触った。
「ひま、大丈夫。大丈夫なはずだから…」
「熱いよ!熱絶対あるよ。駅に着いたら急いで学校行こ!」
「真穂ちゃん、大丈夫?」
「うん。」
そして駅に着いた。
「さっ行こ!」
汽車から降りて数歩歩くとフラッとした。
そのあとの記憶はなかった。
「ん…」
目を開けると、知らない女の子がいた。長い髪をポニーテールにしていて、とてもかわいいって感じの子だった。
「大丈夫?園香先生、篠原さん起きました。」
「本当?あら、良かった。大丈夫?」
「はい。でも、何があったんですか?なんで私保健室に居るんですか?それに彼女は?」
「この子は今日転校してきた、月影光さん。篠原さん、なにも覚えてないの?」
「先生、覚えてないのも無理ないですよ。私は月影光。よろしくね、篠原さん。」
「私は、篠原真穂。月影さん、よろしくね。名字じゃなくていいから、それにさんじゃなくていいから。」
「分かった。私も光でいいよ。」
「うん。なんで光ちゃんは保健室に居るの?」
「私も倒れたの。みんなの前であいさつしきゃいけなくて緊張しちゃってさ。」
「そうなんだ。って私”も”ってことは私倒れたの?」
「そうだよ。詳しいことは園香先生に。」
「篠原さんはね……」
追加登場人物
月影光
1年B組。転校生。美術部。真穂にだけ心を開いている。
園香百合
保健の先生。優しいけどぶちぎれると誰にも止めれない。
回想
バタッ
「真穂!大丈夫?」
ひまが叫んだ。体を揺すっても目覚めない。
「真穂ちゃん!待ってて先生呼んでくるから!」
美姫乃さんがすぐに気づいてくれて先生を呼びに走った。
美々乃さんがおでこを触った。
「すごい熱。あっそうだわ。」
自分のハンカチを濡らしておでこの上においた。
「真穂、大丈夫かな?」
「大丈夫よ。美姫乃が先生呼んできてくれるから。それにしてもひどいわね。」
「何がですか?」
「ほとんどの人が真穂ちゃんをほって何もなかったように学校に行っている。」
回想続き
「真穂ー!大丈夫か?」
恋出先生が来てくれた。
小さい声で美々乃さんが美姫乃さんに話しかけた。
「なんで恋出先生なのよ。」
「近くにいたから。大丈夫だって、こういう時は優しいから。」
恋出先生もおでこを触った。
「熱があるか。仕方ない。悪いけど、誰か真穂の荷物持ってくれんか?」
「先生!私が持ちます。」
「お、俺も持ちます!」
「じゃあ頼むよ!」
恋出先生はおんぶして保健室に行った。
「園香先生!真穂を頼みます。」
「恋出先生!どうしたんですか?」
「かくかくしかじかで……」
「分かりました。朝の職員会議に早く行ってください。」
「出来たら、昨日足けがしてるんで見てやってください。お願いします。」
回想終了
「…ってことなの。」
「分かりました。すみません。ご迷惑かけて。」
「いいのよ。先輩や友達や恋出先生にお礼言っときなさいね。熱は下がったかしらね。計ってみて。」
体温計を渡された。
「はい。」
ピピピッ
37.7度
「まだあるわね。もう少し休んでいなさい。先生は月影さんに学校案内してくるから。」
「はい。分かりました。」
「きちんと休んでてね。真穂ちゃん。」
「うん。」
「光ちゃんか〜仲良くなれるといいなぁ〜」
私は小さくつぶやいていた。
〜♪〜♪
少しするとチャイムが鳴った。
1校時目が終わったチャイムかな?
体がだるいし足が痛い。
学校来るんじゃなかった。
コンコンッ
ドアをノックする音が聞こえた。
そのあと、ドアが開いた音がし、誰かが入って来た。
誰だろう?園香先生かな?
「真穂、大丈夫か?」
そこには、恋出先生がいた。
「な、なんでおられるんですか?」
「真穂が大丈夫か見に来てやったってことが分からないか?」
「いいえ。分かります。あっ先生。今日はありがとうございました!」
「どういたしまして。熱はあるんか?」
「少し前まではありました。」
「そうか。ならまだあるかもな。足は?」
「一応大丈夫ですけど…あっ先生授業行かなくていいんですか?」
「次、3年両方とも国語ないから大丈夫だ。」
「そうなんですか。」
「まぁ今日はゆっくり休んどけ。部活も来んでいいから。」
そう言って先生は保健室から出た。
あの先生優しいのか怖いのか分からない!
あんまり無理すると良くないからってことで、私は1日中保健室にいることになった。
光ちゃんも調子良くないってことで保健室にいることになった。
「光ちゃんはなんで転校して来たの?」
「前の学校でいじめられてたの。」
光ちゃんはそのとき悲しい顔をした。
「ごめん!辛いこと思い出させちゃって。でもそうなら、光ちゃんはまた転校しなきゃいけなくなるかも。結構、この学校いじめられてる人いるの。」
「そうなの?お母さんがあんまりそういうのないからって来たのに。」
「先生とかは気づいてないだけなの。この学校ね、東、西、南小学校の卒業生の子達が通ってるんだけどね、西小学校の子達がすごいらしくてさ。ちなみに私は南なんだけどね。」
「そうなんだ……でも、真穂ちゃんがいるから大丈夫。見たときから仲良くなれる気がしたの。」
「ありがとう。そんなこと言ってくれる人初めて。私ことは呼び捨てでいいよ。」
「私も、呼び捨てで呼んで。これから仲良くしようね。」
「うん!光はなに部入るの?」
「美術部。小学校のとき絵を描くのだけは得意だったの。賞もたくさん取ったんだ。」
「すごいね。」
私たちはたくさん話をした。とても楽しかった。
給食の時間になった。
「給食ってどうなってるんだろう?」
「私は、お弁当だよ。明日からは給食だけど。」
「いいなぁ〜お弁当。」
「真穂ちゃん!」
そこには給食を持った裕太くんがいた。
「裕太くん。あっ給食持ってきてくれたんだ。ありがとう。」
「いや、俺保体係だから先生が持って行ってて言ったから。」
「そっか。あと、今日はありがとう。」
「ううん、別にいいから。今日はゆっくり休んで。」
「ありがとう。じゃあね。」
裕太くんが出て行ったと同時に顔が赤くなった。
「真穂、どうしたの?」
「な、何でもないから。ご飯たべよっ。」
「うん。」
光に気づかれちゃったかな?なんで恋ってこんなに苦しいんだろう?
「いただきます。」
「いただきます。」
私と光はご飯を食べ始めた。
すると、園香先生が来られた。
「あら、良かったわ。ご飯食べてたのね。」
「あっ、はい。すみません。勝手に食べてて。」
「別に、いいのよ。給食時間になってるし。」
「そうですか。」
「午後からは3人で自己紹介ゲームしましょう。」
「先生、自己紹介ゲームって何ですか?」
「月影さんは知らないんだったわね。すごろくして、止まった所の質問にみんなが答えるってゲームよ。」
「そんなのがあるんですか?でも、終わったらどうするんですか?」
「たくさん質問があるから、大丈夫よ。給食時間終わったらまた来るからじゃあ。」
園香先生は出て行った。
「そんなゲームがあるんだね。初めて知ったよ。」
「そうなんだ。私は中学入ってすぐにクラスのみんなとしたんだよね。」
「そうなんだ。楽しみだな〜」
私たちは楽しく話をした。
「あのさ、話変わるけどいい?」
「うん。いいよ。」
「隠さなくて、いいよ。もうわかってるから、教えて。」
「何が?」
「好きな人。」
私は飲んでいた牛乳を吹き出しそうになった。
「な、な、な、なんでそうなるの!」
「だって全然話してくれないんだもん。裕太くんでしょ?」
「そうだけど…そのことはほっといて!」
「ほっとけないよ。裕太くんモテてるっぽいから。」
「そうだろうね。結構カッコいいし、優しいしね。」
「そうそう。だから困ってることあったら相談して。こう見えても私、彼氏いるんだから。」
「ええーー!」
私は大声を出してしまった。
「真穂、声大きい。」
「ごめん。びっくりしちゃって。彼氏優しい?」
「うん。前の学校にいたときにできたの。」
「いいなぁ。でも、前の学校にいい人もいたんだね。」
「うん。私のことすごく大切にしてくれたの。両想いだって知った時は嬉しかったよ。」
そのときの光は楽しそうだった。
とても好きなんだな彼のこと。
「いじめられてても、彼のおかげで頑張って学校に行ってたよ。でも、やっぱり辛かった。彼がね、だったら転校したらって言ってくれたから転校したんだ。離れててもずっと好きでいるから大丈夫って言ってくれたしね。」
「とってもいい人だね。」
「でしょ。だから頑張らなきゃ転校して来た意味が無くなるのは嫌だから。」
「そうだね。でも、本当にすごいよ、この学校。だって階段から落としたとか、骨折させたとか。」
「怖いね。あわないといいけど。」
「大丈夫。私できる限りは助けるから。」
「ありがとう。」
光は微笑んだ。
怖いけど、光を助けることができるといいな。だって友達だもん。
私は心の中でつぶやいた。
私は時計を見た。すると、給食時間があと5分しかなかった。
「光、急がないと給食時間終わっちゃう。」
「本当?じゃあ急がないとね。」
私と光は急いで食べ終わった。
「ごちそうさま。」
「ごちそうさまでした。」
すると園香先生が入って来た。
「ご飯は食べ終わった?」
「はい。」
「じゃあ、先生が持って行っておくわね。月影さんのはロッカーの中に入れておくわね。」
「すみません。ありがとうございます。」
「あ、ありがとうございます。」
「いいのよ。それが仕事だから。休憩時間もゆっくりしてなさい。」
そう言って先生は出ていった。
「いい先生だね。園香先生って。」
「うん。私もそう思う。」
私たちは休憩時間もゆっくり過ごしていた。
休憩時間は騒がしかった。
コンコンッ
ドアをノックした音がした。
誰だろう?保健室にはほとんど人来ないのに。
「失礼しまーす。」
そこにはひまと真莉ちゃんと舞ちゃんがいた。
「みんな!どうしたの?」
「もちろん真穂のお見舞いと光ちゃんに自己紹介しに来たの。はじめまして!私は檜山舞。クラス違うけどよろしくね。」
「私は、西田真莉です。私はクラス一緒だから。よろしくね。」
「私は花咲舞です。私はクラス違うけどよろぴくね。」
「私は月影光。よ、よろしく。」
「でも、休憩時間少ないから帰るね。バイバーイ!」
「バイバイ。」
ひまたちは保健室から出た。
「みんな明るい子たちでしょ。全員バスケ部なんだ。」
「そうなんだ。また新しく友達出来て良かった。」
「そうだね。」
訂正します。
×西田真莉
○西山真莉
です。
すみません!
続き書きます。
休憩時間も終わり、私と光と園香先生ですごろくを始めた。
「月影さんから時計回りでしていきましょう。月影さん始めて。」
「はい!えっと、好きな動物はリスです。」
「えっと、私か〜私の趣味は音楽を聞くことと本を読むことです。」
「わたしも!楽しいよね!」
「うん!次、園香先生お願いします。」
「はい。えっと、好きなは色は紫です。」
順番にやっていくと終わってしまった。
「先生、終わりましたけどどうしますか?」
「No.2があるから大丈夫。でも、先生は職員室に行かなきゃいけないから2人でやっていて。」
「はい。分かりました。じゃあ光やろ!」
「うん!」
わたしたちはまたすごろくを始めた。
「また、光からでいい?」
「うん!いいよ。じゃあ始めるね。」
光はサイコロを転がした。
「家では何をして過ごす時間が多いですか?だって。」
「うーん?読書かな。次、真穂ね。」
「うん!」
サイコロを転がし、6が出た。6つ進んだ所には私にとって恥ずかしくて悲しい質問が書いてあった。
私は少し間黙ってしまった。
「どうしたの?初恋の人は誰ですかって、そういうことね。で、誰なの?」
光は興味津々で聞いてきた。
顔が赤くなるのをこらえながら答えた。
「……旭。広瀬旭。」
「って誰?」
「幼なじみ。行きたい高校が県外だから中学もその高校のある県に転校したの。」
「告ったの?」
私は静かに首を横振った。
「告ろうと思ったけど止めた。遠距離恋愛って寂しいし、あっち行ったら彼女できると思ったから。」
「今も好きなの?」
光のその言葉にはっとした。
私は旭への気持ちを心の奥にしまい込んでいたことに今気づいた。
「うん…多分好きなんだと思う。心の奥にしまい込んでいたから忘れてただけで。」
「でも、裕太くんも好きなんだ?」
「うん。旭に恋したときと同じような気持ちになったから。」
その時の私の心は張り裂けそうだった。
私って、2人も好きな人できるって、嫌な子だな。1人だけを一番愛せないんだから。
私は心の中でそう思った。
「でも、別にいいんじゃないかな?2人好きな人いっていう人たくさんいるし、毎日を過ごしているうちに1人に絞られてくるよ。恋って難しいから少しずつ勉強していけばいいよ。」
光は私を気遣って優しい言葉をかけてくれた。
嬉しい……
たった1日でこんないい友達ができたんだもん。
何より私のこととても分かってくれる。
「ありがとう。ありがとう、光。私の気持ち分かってくれて。」
「当たり前でしょ!真穂は大事な友達なんだから!」
「ありがとう。私も光になんかあったら助けるから。」
「ありがとう。」
光は優しく微笑んだ。
こんにちは、ちえりさん。猫又です。
エントリーがあったので見させてもらいました。
率直に感想から述べますと、文章が特徴的で面白かったです。
近畿周辺にお住まいなのかどうかは分かりませんが、(違ってたらスミマセン)
九州圏の私には「え?」っと思ってしまう文章があって、なんかとっても新鮮でしたw
とはいってもクセがなく比較的読みやすい文ですし、物語のテンポも良いので、
何でこんなにコメントが少ないのかな? と不思議になるくらいです。が、
やっぱりちょっと、友情・恋愛小説にしてはテンポが良すぎ……いえ、
薄っぺらすぎる気はしますね……。
ストーリーがほぼ会話で進んでいることや、今行われている自己紹介すごろくで、
色々な暴露イベント(実は私……的なアレ)を一気にやっちゃったことから分かるように、
全体的に恋愛ものとしては内容が薄くなりがちだなと感じました。
あ、もちろんストーリーが全く分からないようなレベルではないので、
ギャグ系、日常系としては全く言うこと無いです。ですが、
この流れで感動できるかと言われると、微妙ですね。
そこで駄作者ながら、私にできるアドバイスをいくつか書きたいと思います。
まず、「」の最後にマルは付けない「〜。」✕ ことや、?や!マークの後はひとマス空ける(だよ! でも)ことは、ちえり様の判断に任せるとして、
文の掘り下げ方を、分かる範囲でお教えいたします。
文はセリフとそれ以外(地の文)に分かれていますが、描写的も3つに分けられます。
すなわち、行動(言ったり動いたり) 受動(五感、特に見聞きが一般的) 感情(心の流れ)の3つです。
この3つの要素はそれだけでも文として成り立ちますが、互いに連動させれば連動させるほどそのシーンを重く、深いモノにしてゆきます。
もちろんどうでも良いシーンを重く深くする必要はありません。テンポが悪くなりますし、「え? 何が言いたいの?」と、途中でワケが分からなくなる可能性もありますから。
ただし、【行動】照れて立てなくなった【感情】私、恋しちゃったんだ【受動】彼の声(行動)は素敵だった。
それだけしか書いてないと「あ、そう」で終わってしまって読者の印象に残らないんです。
例えば、この物語のスレッド21。
電車内で裕太くんと鉢合わせした主人公が照れてますよね。
でも、この照れるというシーンを『胸がドキドキした』『顔が赤い』だけで終わらせてしまうと『へー』で終わってしまいます。
しかし、こうしてみるとどうでしょう。
――そこには裕太くんがいた。
「ぅ、うぇ……ぇ?」
隣にいるのが裕太くんだと知った瞬間、私は妙な声を上げながら跳ねるように距離を取った。
同時に汽車に乗っていた人達から怪訝な目を向けられる。
私はその視線に向けて小さな声で「ご、ごめんなさい」とつぶやくと、そのままどうしたらいいか分からなくなって、うつむいた。
走って来たわけじゃないのに、やけに顔が熱い。いつもこんな感じだっけと胸に手を当てると、それだけでわかるほど心臓が高鳴っていた。
なんだか頭がぼーっとする。頭がよく回らない。
でも……いつまでも黙っているわけにもいかない。
そう決心して、私は言うことを聞かない口を必死に動かしながら、やっとのことで言葉を紡いだ。 「ゆ、裕太くん――」
と、ここまでやる必要は全くありませんがw
裕太くんを【見る】→変な【声】跳ねるように【移動】→乗客の【目線】→心の【動揺】→
顔が熱い、鼓動が早い、頭が回らないと【感じる】→混乱を【静める】→【話し始める】
といった感じで連動させてゆくと、このシーンに臨場感が生まれてきませんか?
きませんか? うっとうしいだけですか? そうですかw
ま、私は偉そうなことは言えませんので、あとはちえりさんの判断に任せます。
では長文、失礼しました。
>猫又さん
とても分かりやすいく、いいアドバイスありがとうございます。
教えてくださったことをその通りに直すことは難しいとは思いますが、頑張ります。
本当にありがとうございました。
「じゃあ、進もっか。えっと、私の長所は……うーん?なんだと思う?」
光は私に聞いてきた。
自分の長所とか自分では分かんないもんね。
「光はね、相手の事を気遣う優しい所が長所かな。」
「ありがとう。なんか嬉しいな。初めて言われたよ。」
「そうなの?」
「うん。」
「そっかぁ。じゃあ私やるね。えっと、好きな女性歌手は西野○ナとm○waと倉木○衣かな?」
「そうなんだ。私も好きだよ! ちなみに好きな曲は? 」
「西野カナはS○KURA、Iloveyou?とか会いたくて会い○くてで。miwaはNapaやサヨナラや君に出会えたからで、倉木麻衣は恋に恋してかな?」
「理由は?」
光は興味津々だった。
光は楽しそうだし、私も楽しいからいっか。
「長くなるけどいい?」
「もちろん。」
「SAKU○Aは、”もう好きじゃない本当はまだわからない”ってところが旭が居なくなって好きって気持ちを抑えきれなかったときに共感したから。会い○くて会いたくても旭が居なくなって寂しいから会いたいって気持ちが共感した。」
「旭くんのこと本当に好きだったんだね。」
「うん。」
そう。あの頃の私は旭のことで頭がいっぱいだった。
「miwaの曲は?」
「Napaは、"寂しくて泣いた事もあるよ"ってとこが旭が遠くに行って寂しくて泣いた事私があったから共感した。それに友達が遠くに行ったって曲だからね。」
「なるほどね。でも君に出○えたからはどうなの?」
「君に出○えたからは部活とフェスをテーマにした曲らしいから、まだ部活始めたばかりだったから好きになった。」
「いいねぇ〜なんか。でも長くなってるからもうやめよう。」
「分かった。」
私はこうやって光と過ごすことが好きになった。
私たちは、時間いっぱいすごろくをして楽しんだ。
すごろくをして、光のいろんなことが分かった。
光とは親友になりたいそう思った。
そして部活の時間になった。
どうしよう?足、痛いし、でも部活に行きたい。光は部活見学行くんだっけ?
そう思っていると真莉ちゃんが保健室に来た。
「真穂ちゃん部活どうする?今日は休む?」
休みたくはないしなぁ。見るだけにしようかな。先輩も言ってたし。
「行くだけいって見とくよ。」
「そっか。じゃあ行こうか。」
「うん。あっでも荷物……ってないいやある?」
周りを見ると荷物が置いてあった。きっと園香先生が置いてくれたんだろう。
そして私たちは部活に行った。
私は、着替えを済ませて部活の準備を始めた。
すると、梨香さんと凛さんが来た。
「真穂ちゃん大丈夫なの?休んでいいんだよ。」
「梨香の言うとおりだよ。無理しなくていいんだからね。」
総体近いし迷惑かけてるのに、私のことを心配してくれていると思うと嬉しかった。
「大丈夫です。でも、今日は見るだけにしてもらいたいんですけどいいですか?」
「いいよ、当たり前だよ。」
梨香さんはそう言ってくれた。
本当にいい先輩をもったな。
私は私にできることだけしよう。
そう思った。
フットワークだけは1年も一緒に参加させてもらってたから私は体育館の隅で見ていた。
「あっ!真穂が来とるし〜なんで来たんよ。」
声がした方を見ると恋出先生がいた。
「あっ、え、えっと部活休みたくなかったからです。」
怒られるかも、と思った。
でも、
「その気持ちだけは褒めてやる。でもな、えらいのに来たらいけん。熱は下がったんか?」
「わからないけど大丈夫だと思います。」
「まぁいいわ。無理するなよ。」
そう言って、恋出先生は頭を優しく、ポンッと叩いた。
優しい〜
私は先生が優しくしてくれたという気持ちで嬉しくてたまらなかった。
全部読みました。
面白いけど描写がダメですね
>友里さん
見てくださってありがとうございます。
描写よくなるよう頑張ります。
良かったら、これからも読んでくださると嬉しいです。
私は、部活の様子を見ていた。
真莉ちゃんたちは、隅でハンドリングやドリブル練習などをしていた。
「真穂ちゃん。大丈夫?顔色悪いよ。熱あるんじゃないの?」
真莉ちゃんは私に心配そうに話し掛けてくれた。
私の顔色は、とても悪かったらしい。
確かにちょっとえらかも。頭がフラフラする。
でも、きっと大丈夫だよね…
「大丈夫、大丈夫。熱は下がったはずだから。」
「本当に?えらかったら先生に言った方がいいよ。」
「うん。ありがとう。でも、大丈夫だから。私と話してたら先生に怒られるよ。」
「そうだね。」
真莉ちゃんはそう言うとひまたちの方に戻った。
先輩たちすごいなぁ〜
私もいつかはあれくらい上手になるかな?
と、そんなことなどを考えた。
こんにちは、お久しぶりですね。猫又です。
あれから数回更新されていたようなので、勝手ながら読ませていただきました。
私は人の小説が作品的にどうか(面白い、面白くない等々)を言えるほど小説を読んできませんが、
相変わらず、ちえりさんの作品は面白いです。
小説的な、というよりエッセイ的な、日常風景をそのまま切り出したような展開に読んでいて魅了されました。
(好きな曲の話とか斬新で面白かったです)
ただ、友里さんが仰っていたように、地の文が 心の声→ 〜った → 〜だった → 〜た →心の声。
と少し単調な気もしました。
もし『〜戻った』等々の過去形(その瞬間には終わっている描写)ばかりになっているなと思ったら、
〜『戻る』『考える』『する』等々の現在形を混ぜてみるのもいいんじゃないかなと思いました。
勝手にペラペラすみません。では、
>猫又さん
読んでくださってありがとうございます。
頑張ってよくなるよう努力します。
また時間があれば読んでください。
その日の練習は終わり、私は片付けの手伝いをした。
出来るだけのことはしないと…
そう思いながら片付けのを終わらせた。
「真穂。今日は私が送ってあげるから、準備しておいで。」
こ、恋出先生!?
恋出先生と2人なんて絶対無理〜
「お、お気持ちは嬉しいですがいいです。」
「お前ってめっちゃ言葉遣い丁寧だな。でも、今日熱あったし、足も痛いだろ?」
「そうですけど…」
「真穂ちゃん、今日は先生に送ってもらいな。私たちだって1回は恋出先生に送ってもらってるから。素直に甘えればいいんだよ。」
梨香さん…
そうだよね…
先生の機嫌のいい今日なら…
でもなぁ〜
「梨香、お前が1番私に送ってもらってからな。じゃあ、真穂は先生と一緒に帰る!決定。」
えぇー!そんなぁ〜
「はい……」
結局、先生に送ってもらうことになった。
「じゃあ、真穂は準備出来たら来てな。体育館出てすぐのとこいるから。」
そう言って先生はその場から去った。
たぶん私はひどい顔してる。
「真穂ちゃん。大丈夫だから。恋出先生怖くないから。」
梨香さんは優しいから話しかけてくれた。
「ほ、本当ですか?」
「大丈夫、大丈夫。早く行かないと先生待ってるよ。」
ヤバい!待たせたら怒られる。
「はい!それでは、お先です。さようなら。」
「バイバーイ。」
そんでもなんか怖い…なんか緊張する。
ほかにもいろんなことを思ってしまった。
私はビクビクしながら、先生のもとへ行った。
「あ、あのっ恋出先生。」
「あー真穂。準備出来た?」
「は、はい!」
「そっか。じゃあ車置いてあるとこちょっと遠いけど歩くから。あっ荷物持ってあげるわ。」
「そ、そんなだ、大丈夫です。」
「そうか?でもいいよ、持ってあげるよ。」
恋出先生は荷物を持った。
「あ、ありがとうございます。」
「どーいたしまして。……真穂。」
「はっはい。」
「部活毎日来てえらいな。」
「え?あ、ありがとうございます。」
「私が真穂だったら絶対部活行かんわ。」
私は首をかしげた。
まぁ私も行きたくない日あるけど……
「なんでですか?」
「三年生居るから私がいたら迷惑かけるし、隅で練習っていっても、失敗したらボールが転がっていくから先輩に迷惑かけるし……」
恋出先生って私と全く同じこと考えてるんだ。
「って思うだろ?"真穂"は。私、ちゃんと私が真穂ならって言ったから。」
えぇー真穂ならって恋出先生が私の立場になったらって意味じゃないの?
っていうか恋出先生って私の思ってることわかるのー!?
「………」
私は黙り込んでしまった。
「フフフフッ。でさ〜なんで真穂は部活来れる?」
「下手だから少しでも上手になるためにいかないと後から困るし、迷惑かけるし。あと、先輩が優しいからです。」
「そっか。じゃあ乗って。」
「あ、はい。お願いします。」
私は車の後ろに乗ろうとした。
「なんで後ろ行くんよ。前おいで。」
「はい…」
私はためらいながら助手席に座った。
あぁ〜なんか緊張する。
「真穂って、南小校区か?」
「は、はい。」
「どこで下ろしたらいい?駅がいいか?でも、足痛いし、家にしようか。家どこ?」
「どういう風に説明したらいいですか?」
「誰かの家の近くとかかな?」
「えーっと。梨亜さんの家の近くですかね。わかりますか?」
「うん。わかるわかる。去年担任したから。もうちょい詳しく教えてくれるか?」
「はい。梨亜さんの家に行くには、曲がりますけどの私の家は真っ直ぐいけばOKです。」
「そっか。分かった。それなら行けそうだわ。あのさ、真穂。」
「はい…」
「お前ってすぐいろんなことに気づくなぁ。」
「え?」
「すごいと思うわ。気づいたらすぐ行動するよう頑張れよ。」
そのときだけ私の方を見て笑いかけた。
なんだかんだいっても、いい先生だな。
こんにちは(^^)
バスケ部のことや主人公のリアルな情景を読み取ることができました!
昔バスケ部だったりします?
>柚子さん
見に来てくださってありがとうございます。
昔ではなく今、バスケ部なんです。
「はい!頑張りますっ。」
恋出先生にほめられたり期待されてると思うと嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
「そうだ!その意気だ。三日坊主になるなよ。」
「はい。」
「真穂、どの辺だ?」
いつの間にか、私の家の近くに来ていた。
「ここの家から三つ先の家の前の辺でお願いします。」
「分かった。真穂の家ってそこの家か?」
「いいえ。私の家はそこの家の横の細い道を入っていった所にあります。」
「そうか。じゃあここでな。さようなら〜」
「ありがとうございました。さようなら!」
先生は帰って行った。
意外と楽しくて良かった。いい先生だな〜恋出先生って。
バスケ…もっと頑張んなきゃ。
迷惑かけないようにしなきゃ。
私の心の中はその思いでいっぱいだった。
〜一週間後〜
私たち一年生も、少しだけ先輩方の練習に参加させてもらえるようになった。
でも、明後日はいよいよ三年生にとっては最後の試合、中総体がせまっていた。
私は一緒に練習させてもらえて嬉しいという気持ちはもちろんあったけれど、大事な試合前に一緒に練習して迷惑かけるのなんて嫌だった。
何なんだろう?この気持ち……
いろいろ思いながらドリブル練習をしていた。
「真穂ちゃん!腰上がってるよ!」
「はい!すみません!」
駄目だな…部活中に余計なこと考えたら。
ん?余計じゃないか?
でも、今はドリブル練習だから余計なこと?
余計なことだろうが余計じゃないことだろうが考えない!
はぁ〜でもなぁ〜
「真穂ちゃん!ボール見すぎ!」
「はい!すみません!気をつけます!」
あーダメだ!考えないようにしたくても考えちゃうよー!
あーヤバい。
もう明後日なのにー
後輩らしいこと何も出来てない。
「真穂〜お前なぁ〜余計なこと考えすぎ。」
恋出先生はあきれた顔で私に言った。
「すみません…」
恋出先生は大きなため息をついた。
「ハァーーお前はさ、何も出来てないって思ってるんだろうけどさ、頑張ってると思うよ。だってタイマー頑張ってくれてるじゃん。それにモップも。」
え……
恋出先生がほめてくれた。
確かにタイマーは頑張った。
モップも速く取りに行って掃除した。
「あ、ありがとうございます。」
「うん。あと3日だ。出来ることを頑張りな。」
「はい!」
そう…そうよ!
出来ることをただひたすら頑張ろう!
ていうかなんで私の気持ち分かるんだろう?
私のことをよく分かってるって証拠か。
〜次の日〜
今日は壮行会の日。
私はステージに出ることは出来ないけど、下で応援するんだ!
そして壮行会は始まり、女子バスケ部の挨拶の番になった。
「お願いします!」
女子バスケが一番声が大きいな。
お願いしますを聞いただけで感動した。
「私たちは、明日、北野中と試合をします。私たち3年にとっては最後の試合になります。今まで私たちが頑張ってこれたのは、バスケ部の仲間、顧問の先生、友達のおかげです。3年の仲間がいたから、辛いとき支え合ったり、協力したりしてここまで頑張ってこれました。2年は年上にアドバイスはしづらいのにアドバイスもしてくれたから、みんなが成長出来ました。1年が、みんなより早くきて準備をしてくれたし、タイマーやモップをしてくれたから私たちはバスケの練習がたくさん出来ました。顧問の先生のおかげで私たちは上手になり、強くなり、頑張って来ることが出来ました。本当にありがとうございました。明日は全力で戦って来ます!応援よろしくお願いします!ありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
涙が溢れてきた。
聞いただけで、涙が止まらなかった。
私は思いっきり拍手をした。
まわりの拍手の音もすごかった。
私たち一年生の事も言ってくれて本当に嬉しかった。
ステージに上がってる3年生もボロボロだった。
しかも、あいさつをした梨香さんまで泣き出した。
隣を見ると、バスケ部の2年生も泣いていた。
1年生もみんな泣いていた。
恋出先生までもが泣いていた。
誰より泣いていたかもしれない。
そのなか、空気を汚す言葉を発した人がいた。
「何泣いてんだよ。バッカじゃねーの。」
私は声をする方を睨んだ。
「お前ら黙っとけ。あのあいさつがバスケ部の人にとってはとてつもなく嬉しかったということがわかんないのかよ。」
「悪い…」
うざい男子をだまらせたのは同じ小学校だった大地だった。
いい奴だよ大地って。
そう思った。
壮行会は終わり、3年生が着替え終わるのを待った。
1、2年生もみんな泣きじゃくっていた。
私はハンカチで涙を拭くけれど、ハンカチはビシャビシャになってしまった。
「私の事っ言ってくれっるなんて…ヒック…先生も…」
2年生の声がかすかに聴こえた。
私も泣いていると、ふいに、恋出先生と真莉ちゃんが話している声がかすかにした。
何話してるんだろう?
そういや、他の人とも話してた気がするな。
さっき3年生の方に行ってた気もする。
恋出先生優しいから話してあげてるんだろうな。
先生って心は優しいからな〜
いや、本当は全部なんだろうけど。
「真穂。」
下げていた頭を上げ声をする方を見た。
「恋出先生……」
「頑張ってきて良かったな。梨香たちが言ってたよ、一年生の中で真穂が一番頑張ってたって。」
恋出先生……
私の所にも来てくれるなんて…
その言葉を聞いて、また涙が溢れてきた。
でも、その反面昔の私を思い出し、その思いに対しての悔しい涙も溢れて来た。
「うっ…でも、最初の頃はっ…何にも出来なくって…迷惑かけてばっかりでっ…何にも出来なくって…」
泣きすぎて言葉が上手に話せなかった。
「でも、その分あとから誰よりも頑張ったじゃん。泣くなって。ハンカチビシャビシャだし。私も人こと言えないけど。」
そう言って自分のハンカチで私の涙を拭いてくれた。
そういや私より先生の方が泣いてるかも。
当たり前よね。
ハンカチは湿っていた気がした。
きっとみんなの涙を拭いてあげてきたんだろうな。
なんていい先生なんだろう。
「でも…」
「でもじゃない。あんまり泣くなよ。ハンカチ三枚目なんだから。また濡れてきたし。」
三枚目なの!?
あんま泣いたら駄目だな。
でも、嬉しくって悲しくって、悔しくって涙は止まらなかった。
「ごめんなさい…」
「いいや、いいんだけどさ。でも、もう泣くな。見てるこっちが泣けてくるんだから。」
「私だってっみんな見てたらっ泣けてくるんです。」
「そっか、そっか。分かった。じゃあ、私行くから。」
そう言って私の頭を撫でて私から離れた。
「先生っ!私のとこにも来てくれてありがとうございました。」
恋出先生はニコッと笑い行ってしまった。
迷惑をかけてばっかなのに文句の一つも言わないし、優しく見守ってくれるし、練習中も声をかけてくれる、何もかもが暖かい3年生。
全然バスケができない私に優しく丁寧に教えてくれるし、困ったとき助けてくれる、心明るい2年生。
こんな私でも、優しく接してくれるし、アドバイスくれる頼れる1年生。
こんな私でも、見守り、助け、暖かい言葉をかけてくれる先生の中では一番怖くて、一番大好きな恋出先生。
こんな大切なかけがえのないバスケ部員、そして先生。
私はなんて幸せ者なんだろう。
何度も思った。
みんなには、感謝してもしきれない。
壮行会が終わり、教室に戻ったが、教室の中はガヤガヤしていた。
私は、少しイラ立っていた。
私はこうやっていろんなこと考えてるのに、なんで、気にせずガヤガヤ騒いでるんだろ。
そう思うと腹が立つ。
でも、バスケ部員のことを考え、腹立たしい気持ちを惑わせていた。
「なぁ。真穂。」
誰かと思い声のする方を見ると、大地だった。
「大地。さっきは、ありがとう。」
「いいや、いいんだ。明日は頑張ってな。」
「うん。試合には絶対出られないから、私に出来ることをするよ。大地も頑張ってね。」
「あぁ。ありがたいことに、3年生も2年生も少ないからな。俺が出ないと試合にならないんだよ。自分で言うのもなんだけど1年生の中では俺が1番上手だからな。」
少し嬉しそうに大地は話した。
「そっか。私、部活行くね。じゃあね。」
「あぁ。じゃなー」
大地は他の1年と違っていい奴だ。
南小の卒業生はいい子だ。
そういや、今日も光、休みだな。
大丈夫かな?
光は調子を崩してここ数日学校を休んでいる。
先生に電話の番号聞いてかけてみようかな?
それもだけどまずは、部活。
さっきあんだけ泣いたんだから、今からは部活を頑張る!
そして家に帰って泣く!
よし!今日も部活をがんばるぞーー!
私は真莉ちゃんの元へ駆け寄った。
「真〜莉ちゃん。部活行こっ。」
「うん!」
私と真莉ちゃんは1年A組に行った。
「ひまー舞ちゃん。部活行こー」
「うん!待ってー」
2人が声を合わせて言った。
そして、1年女子バスケ部員は集まり、体育館へ急いで向かった。
たぶんここにいる誰もが分かってるはず。
今日で…3年生との練習は最後……
私たちの中で微妙な空気が流れていた。
「分かってるよね?」
舞ちゃんがその空気を突き破るように、ポツリとしゃべった。
「うん…」
ひまは囁くようにしゃべった。
「今日はいつもより頑張んなきゃね。」
真莉ちゃんも囁くようにしゃべった。
「私たちに出来ること全てやろう。」
1年の1人1人の一言で空気が切り替わった。
今日はいつもより早く準備をしていつ先輩方が来てもいいようにした。
今日は早帰りかな?
明日総体だから、早く帰るって言ってたし。
すると先輩方が来た。
梨香さんはみんなに聞こえるように大きな声を出した。
「今日は、早帰りじゃなくていつも通りだから。」
早帰りじゃないんだ。
やった!嬉しい。
私は3年生と最後の練習がたくさん出来ると思うと嬉しかった。
周りのみんなの顔も柔らかな感じだった。
いつもは総体近くてピリピリしてたのに。
良かった。
今日だけでも暖かい雰囲気で練習が出来る。
いい意味で。
私は最近みんながピリピリしていたのが嫌だった。
「よし!頑張ろ。」
私は気合いを入れた。
「じゃあ。フットワーク!」
「フットワーク!」
いつもに増して梨香さんの声も大きく、みんなの声も大きかった。
〜5分後〜
恋出先生が来たから、集合した。
「明日は総体ですね。大事な時間だから練習しまくって明日出よう!勝てなくても、私たちにとっていい試合だったらそれでいいんだから。」
「はい!」
恋出先生の言葉でみんなの空気が変わった。
今日はいろんなメニューに参加させてもらった。
そして最後にたくさん試合をした。
私たちはタイマーをする事になった。
先輩方は優しいから、わからなかったら教えてくれた。
おかげで私でも、ほとんど出来るようになった。
私は先輩方との練習をいつも以上に頑張り、楽しみ、真剣に、真面目にした。
先輩方も私にいつも以上によくしてくれた。
練習後の恋出先生の言葉は素晴らかった。
明日頑張ろうという気持ちになる。
練習後みんなが明日頑張ろうという気持ちで帰った。
今日は私にとって輝く1ページとなった。
顧問に心開いてて怖がってるて矛盾に思えるのは私だけでしょうか……
70:ちえり:2014/11/03(月) 12:36 ID:Gso 矛盾してますね。
怖い先生なんだけど、それよりも私のことをみんなのことを分かってくれるあたたかい先生ということです。
そんな先生が好きで、心を開いているけれど、起こられたりするとやっぱり怖いという感じです。
〜総体当日〜
私は、今、体育館の二階にいる。
なぜか、とても緊張している。
自分で心臓がどこにあるかはっきりと分かる。
別に、試合に出るわけでもない、ベンチに入れるわけでもない。
でも、この試合で負けてしまったら、3年生とは、部活ができない。
そう思うと、自分も緊張せずにはいられなかった。
でも……
私は、今日何も出来ていない。
荷物を運ぶのも、ボールを出すのも、出来ていない。
2年生の先輩にやってもらってしまった。
初めての総体で何も変わらなくて、でも、時間は進んでいってしまって何も出来なかった。
だから、これから応援を頑張るってもう一度心に誓った。
応援は、私に出来る最高のこと。
さっきの失敗を取り返さないといけない。
先輩は、コートにもう入ってる。
緊張感がチーム全体に走っているのが私にも分かる。
二階には、1年しかいない。
二階での私たちのすることは真莉ちゃんに教えてもらうことになっている。
真莉ちゃんはミニバスしてたから、いろんなことが分かる。
本当にすごいと思う。
でも、私はさっき何も出来なかったことを思い出しては悔やんでいた。暗い雰囲気が私の周りを取り囲んでいた。
「まだ、ひこずってるの?いい加減立ち直りなよっ。」
ひま…
ひまは明るく話しかけてきたけれど、私は反対に暗かった。
「立ち直れるわけないよ。最後なのに…迷惑かけてばっかでさ。きっと恋出先生も怒ってる。」
「まぁ真穂はそうだろうね。舞ちゃん、言ってやってよ。」
「そうだよ。っていうかそんなんだから、恋出先生に怒られるんだよ。」
ひまも舞ちゃんも明るいな〜
「確かにそうなんだけど……応援はきちんと頑張るから、今は反省させて…」
「ハーイ。」
ひまも舞ちゃんもいつでも明るくポジティブって本当にすごいと思う。
私にはなんの取り得もない。
とうとう、試合は始まってしまった。
コート内はすごい緊張感やプレッシャーなどいろんな空気が漂っていた。
私はちゃんと、立ち直り、応援を頑張った。
「ファイトー!」
1ピリ目。
まだ始まって20秒、両チームには、点が入っていない。
お願い!
私たちに点数入って!
ひたすらそう願った。
スタメンは、梨香さん、凛さん、梨亜さん、梨菜さん、美姫乃さん。
きっと、美姫乃さんは3年生の先輩を差し置いて出るってプレッシャーがすごいんだろうな。
そう思った。
恋出先生の声は果てしなく響き続けている。
試合開始から30秒たった時、私たちのチームがシュートを決めた。
嬉しくて、嬉しくて仕方なかった。
お願い!
勝利への風は私たちに!
1ピリ目終了
18対12
私たちが勝っている。
嬉しくて仕方なかった。
私たちのチームは本当に弱くて一度も勝てたことはない。
でも、私たちは毎日必死に練習している。
何度負けてもあきらめずにやってきた。
どのチームよりも本当は強い。
実力だけの強いチームは強いなんて言わない。
美姫乃さんは緊張に耐えて、2回もシュートを入れた。
梨香さんはフリースローを3回入れた。
凛さんもシュートを2回入れた。
梨亜さんはシュートを1回入れた。
梨菜さんはスリーポイントシュートを1回入れた。
その後、美姫乃さんと梨沙さんが交代して、梨沙さんが1回シュートを決めた。
梨菜さんと梨真さんが交代し梨真さんもシュートを1回入れた。
みんながシュートを決めるなんてなんてすごいんだろうなって思った。
その時のみんなの思いは同じだった。
勝てるかも。
奇跡が起こってくれるかも。
ベンチでは、みんなが集まって恋出先生の話を聞いている。
きっといいこと言ってんだろうな。
私は応援しないとね。
「みんな、応援頑張ろ!」
私は、3人を見て言った。
「うん!」
みんなだってそう思ってくれてる。
ピーッ
ブザーがなると、みんながコートに入っていった。
私は祈るように手を握った。
「お願い、お願いだから、私たちにとっていい試合となって。さっきの調子でうまくいって。」
私は小さくつぶやいた。
2ピリ目
43対50
3ピリ目
56対68
4ピリ目
68対82
私たちは、負けた。
応援頑張ったし、先輩も、頑張ってた。
なのに負けた。
私たちは、試合終了1分前に下に降り、入口で待っていた。
終わるとコートの中に入って、ボールなどを持ってコートから出た。
1年生は、隅に固まって、立ち尽くしていた。
2、3年生が泣いているのがわかる。
私も涙がこぼれそうになった。
私は、泣いたらいけない気がして必死にこらえた。
舞ちゃんは泣いていた。
真莉ちゃんとひまも、我慢していた。
「泣いていいんだよ。真穂ちゃんも私たちの仲間なんだから。壮行会の挨拶聞いててくれたでしょ?」
梨恵さんは、大粒の涙をこぼしながら、私に言った。
舞ちゃんには、梨真さん。
真莉ちゃんには、梨里さん。
ひまには、梨沙さんが話していた。
お…おもしろ…((感動
ファンになるべっ♪
>ソノコさん
ありがとうございます!
これからも読んでいただけると嬉しいです。
梨恵さんに優しい言葉をかけられ、こらえていた涙が溢れ出した。
「ごめんなさい。でも、いつも迷惑かけてばかりでした。本当にごめんなさい。すみませんでした。」
梨恵さんは優しく微笑んだ。
「なに言ってるの?真穂ちゃんは本当によくやってくれたよ。」
「でもっ、今日だって、何も出来ませんでした。入部して最初の頃も何も出来なかったし、たくさん迷惑かけてしまいました。駄目な後輩ですみません。」
「そうかな?私は真穂ちゃんが一番頑張ってたと思うよ。今日、応援してくれて嬉しかった。今泣いてくれてることも本当に嬉しい。私たち3年生のために、今までありがとう。」
梨恵さんはそう言うと、私を抱きしめてくれた。
梨恵さんは、いつも私が、フットワークするときに後ろにいて、声をかけてくれた。
「こちらこそ、ありがとうございました。梨恵さんが私にいつも声かけてくれて本当に嬉しかったです。」
「よかった。私、先輩らしいこと出来てたんだね。多分、恋出先生来たっぽいから、集合しよ。」
「はい。」
梨恵さんの言った通り、恋出先生が来た。
私たちは、小さな円になって集合した。
「よく、頑張ったね。びっくりしたよ。1ピリ目お前たち勝ったんだもん。でも、2ピリ目、声が出てなかったことだけが、残念だったな。でも、いい引退試合だった。負けた理由が2、3年生全員出したからだったとしても私は、後悔しない。でしょ?」
「はいっ!」
全員が声を合わせて言った。
当たり前だよ。
私、全員が試合に出てたこと、嬉しかった。
私は出なかったけど、嬉しかった。
ここにいる誰もが、負けたのはとてつもなく、悔しいし悲しいけど、最高の試合だった。
ここで試合出来て良かった。
この仲間がいてくれて本当に良かった。
そう思った。
恋出先生は微笑んだ。
「良かった。私の選択は、間違っていなかったのね。」
みんなが、その言葉に頷いた。
「3年間、よく頑張ってきたね。梨香は、キャプテンとして、よくみんなを引っ張ってくれた。1年の時から、よく声出して、2年の時は、周りを見る力もつけて、キャプテンにふさわしかった。でも、よく無理して怪我ばっかしてたけど。梨香がいたからこそ、みんなも頑張ってこれたと思ってる。今日も、シュート決めてくれたし、声もよく出してくれたね。」
恋出先生は、さっきまでは、我慢してたかのように、目から涙を溢れさせた。
「っ……」
梨香さんも、涙を溢れさせた。
「梨香おいで。」
恋出先生は、梨香が近くに来ると、抱きしめた。
「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
「こちらこそ、あ、ありがとうございました。恋出先生が顧問で、本当に良かったです。」
みんなが泣いた。
恋出先生ってなんて優しいんだろう。
3年生全員にするんだろうな。
先生からすれば、みんな娘のようなものなんだろうな。
「凛は、よく、仲間がつらいとき支えてくれた。梨香が壊れそうなとき、支えてきたのは、凛だったと思う。1年の時はあんま声出さんかったしなんか駄目だったけど、2年の時は、声出すようになったな。仲間を支えて、気遣ってたし。凛がいたから、みんながいまここにいるんだと思う。凛は、すっごいディフェンスが上手で、今日もよく頑張ってくれたね。凛おいで。」
恋出先生は、凛さんを抱きしめた。
「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
恋出先生は、相変わらず、泣いていた。
「あ、ありがとう、ございましあ。」
凛さんは、泣きじゃくっていた。
「梨亜は、元気いっぱい天真爛漫だった。いつでも、チームを明るく照らしてた。1年の時は、大きな声出してくれた。2年の時も、元気に部活してた。怪我は多かったけど。今日も、負けてたのに、暗くならず、ずっと明るく楽しそうに試合してた。みんなも、明るく楽しく楽しく出来たんじゃないかな?いつも、めげず、いたと思うよ。梨亜、おいで。」
梨亜さんは泣きながら、恋出先生が言い終わる前に恋出先生に近づいた。
恋出先生は、梨亜さんを抱きしめた。
「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
「今の私は恋出先生のおかげです。ありがとうございました。」
泣きながらも、明るく梨亜さんは言った。
梨亜さんは、恋出先生にしっかりと抱きついていた。
「梨菜はなぁ〜本当に、性格が暗かった。今でこそ、よくなってるけど、1年の時は本当に暗かったこと。バスケしてても全然楽しくなさそうだった。でも、仲間と今まで過ごしてきて、友情に触れて、2年の時からは明るく、楽しそうに部活してた。シュート苦手なのに今日は、シュート決めたな。いや〜びっくりしたし、嬉しかったわ。梨菜、おいで。」
梨菜さんは、涙を拭うと、恋出先生に近づいた。
恋出先生は梨菜さんを抱きしめた。
「今までよく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
「あ、ありがとう、ございました。」
梨菜さんは、少し恥ずかしそうに、でも、嬉しそう言った。
「梨沙は、訳分からん。シュート決めても喜ばん。1年の時からただ淡々と練習をこなしていった。でも、2年の頃からか、みんなも喜んでくれたら、自分もつられて喜ぶようになった。自分のより人がシュート決めた時に誰よりも、喜んだ。すごああったかかった。なんにしても、みんなにあったかい。今日も誰かがシュート決めたら自分よりも喜んでた。もちろん、自分の時も喜んだけどね。シュート決めてくれたし、嬉しかったわ。梨沙、おいで。」
梨沙さんは、涙を流し、無表情で、恋出先生に近づいた。
「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
恋出先生が抱きしめると、梨沙さんは泣き顔になった。
「私の事あったかいって言ってくれた先生は恋出先生だけでした。ありがとうございました。」
梨沙さんは、嬉しそうだった。
>85
×すごああったかかった。
○すごいあったかかった。
>82
×ありがとうごさいましあ。
○ありがとうございました。
です。
すみませんでした。
「梨真は、真面目によく頑張ってくれた。1年の時は1回しか休んでないし、2年の時は2回でしょ。今回はまだ、休んでないしね。どんな時でも、腐らず、部活に来てたよ。来るだけじゃなくていつも真面目に部活をしてたよ。本当にえらいと思うよ。今日も、オフェンスもディフェンス真面目してくれたね。梨真、おいで。」
梨真さんは、涙を拭くと恋出先生に近づいた。
「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
「こちらこそ、本当にありがとうございました。」
梨真さんは涙を拭いていたが、涙が流れていた。
「梨恵は、バスケスッゴい下手くそなんよ。ごめんなこんなこと言って。1年の時、バスケ初心者で始めて、下手なのにずっと頑張って来たんよ。2年の時は、だいぶ上手になったな。でも、みんなほどは上手じゃなかった。でも、あの頃から始めたって考えたら、誰よりも上達したと思う。今日も、自分の中での一番の力で頑張ってくれてたね。梨恵、おいで。」
梨恵さんは、恋出先生に近づいた。
「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
恋出先生は、梨恵さんを抱きしめた。
「ありがとうございました。私が上達したのは、恋出先生のおかげです。」
梨恵さんは、私と話した時よりも泣いていた。
>87
×「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
「こちらこそ、本当にありがとうございました。」
○「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
恋出先生は梨真さんを抱きしめた。
「こちらこそ、本当にありがとうございました。」
です。
すみませんでした。
「梨里は、思いついたら、すぐに行動しとった。1年の時は、分からないことがあったら、すぐ先輩に聞いてたし、2年の時は、作戦を考えついたらすぐ試してみたりしてた。いろんなこと考えて行動に移してくれてた。今日も、勝つための糸口がつかめそうだったら、すぐ行動してくれた。梨里、おいで。」
梨里さんは、恋出先生に近づいた。
「よく頑張ったね。ありがとう、お疲れ様。」
恋出先生はそう言うと梨里さんを抱きしめた。
「ありがとうございました。」
梨里さんは泣きなからも明るい笑顔でそう言った。
「みんな、よく頑張ったね。1、2年も頑張ってくれた。ありがとう。最後にみんなで写真撮ろっか。」
恋出先生は私たちにそう言った。
「3年は前にしゃがんで、並んでね。その後ろ2年、1年って並んで〜」
梨香さんは、みんなに指示を出した。
私は後ろの1番端に並んだ。
私の隣は真莉ちゃんが並んだ。
「真穂、私が隣におったら悲しむか?」
恋出先生は私の隣に来て言った。
「いいえ。でも、3年生の隣がいいんじゃないですか?」
「そうだな。でも、入れんのに。だからいいか?」
「別に構いませんよ。」
「そっか。いや、先生の隣は嫌かなって思ってさ。そんなら良かったわ。」
写真は、保護者の方に撮ってもらった。
その後、みんなが、2階に上がって試合を見ることになった。
そして1、2年生は1人ずつ恋出先生に呼び出された。
2年生はみんな話し終わって終わって、ひま、舞ちゃんが終わり、真莉ちゃんが呼び出された。私は最後に呼び出されることになる。
恋出先生との話を終え、帰ってきたみんなの目からは、涙が溢れていた。
そんなみんなと3年生の先輩方は暖かく囲んで、話していた。
恋出先生は何を言ったんだろう?
まさか、怒られないよね?
私は、少し気になった。
「舞ちゃん、何話したの?」
「内緒。行ってみてのお楽しみ。」
舞ちゃんは優しく微笑んだ。
きっと、優しい言葉をかけてくれるに違いないと思った。
すると、真莉ちゃんが帰ってきた。
真莉ちゃんの目からも涙が溢れていた。
すぐさま3年生が来て真莉ちゃんに優しく接していた。
真莉ちゃんは、私に気づくと、頷きながら微笑んだ。
きっと、真穂ちゃんの番だよ。恋出先生の所へ行って。って言っている。
私は、うん。行ってくるね。と、同じように、頷きながら微笑んだ。
少しの不安と緊張と期待を胸に恋出先生の元へ向かった。
私はゆっくりと階段を降りた。
恋出先生はどこにいるんだろう?
私は真莉ちゃんから行く所を聞いていない。
階段を降り終わるとすぐそこには、恋出先生がいた。
「真穂で最後か。おいで。」
恋出先生は、つぶやくように私に言った。
いつもは明るく言うのに今日は、静かだった。
でも、暗くはなかった。
私は恋出先生についていった。
「まぁ座ろうか。」
「あ、はい。」
ベンチに私は腰掛けた。
「今日はなにが出来た?」
私は少し間をおいてから話し始めた。
「…何も出来ませんでした。荷物も運べなかったし、気づいたら、すぐ行動出来なかったし、ほかにもいろいろ出来ませんでした。すみませんでした。」
私の目からは自然と涙がこぼれていた。
「みんな、何も出来ませんでしたって言うな。みんな、出来てない事は無いのに。真穂だって応援は出来たでしょ?」
「でも、応援だけじゃ駄目です。出来たって言えないです。」
恋出先生は優しく微笑んだ。
「自覚があるなら、それでいい。出来なかったことは誰だってある。次は応援以外の事を頑張りなさい。」
「次はもう無いんです。3年生のいる総体は終わってしまったんです。」
私は悲しげに言った。
「確かに終わってしまった。でも、3年生は、真穂の事よく頑張ってくれたと思ってるよ。梨香のあいさつ聞いたでしょ?」
「はい…」
「みんなが真穂は頑張ってたって言ってる。今日出来なくても、入部して最初の頃出来なくても、その時の失敗を取り戻せるくらい真穂は頑張った。どんなに、迷惑かけようと出来る事をひたすら頑張ってくれた。ちょっとしたことかもしれないけど、みんなの役に立ってるんだよ。」
私の目からは涙が溢れていた。
恋出先生の言葉が嬉しくて、迷惑かけっぱなしなのにみんなの役に立てる事が嬉しくて仕方がなかった。
恋出先生は私を優しく抱きしめた。
「よく頑張ってくれたね。ありがとう。みんなも私も真穂に感謝してるんだよ。」
私は涙が止まらなかった。
止まる訳もない。
私なんかに優しく微笑みかけ、言葉をかけてくれる先生がいるのだから。
私に感謝をしてくれる、仲間がいるのだから。
「ありがとうございます。私、頑張ります。絶対に今日の失敗取り戻してみせます。毎日の迷惑も。」
「うん。頑張れ。」
恋出先生は、優しく明るく言った。
私は恋出先生に腕の中で泣き続けた。
「よしよし。真穂って身長高いし、大人っぽいし、結構しっかりしてるのに、こういう時とかは、可愛い子どもみたいになるな。」
恋出先生は私の頭をなでながら言った。
「私は、身長高いけど、大人っぽくもないし、全然しっかりしてないです。」
「私からすればそうなの。さぁ、みんなのとこ行っておいで。」
恋出先生と話が出来たこと、みんなの私に対する思いが聞けたこと、私に優しく微笑みかけてくれたこと、本当に嬉しい。
私こそ、感謝の気持ちでいっぱい。
恋出先生がいてくれて、先輩がいてくれて、みんながいてくれて本当に良かった。
「はい。ありがとうございました。」
私は、恋出先生にありがとうの意味が分からないかもしれないと思いながらも言った。
「うん。」
恋出先生は、私のありがとうの意味を分かったように微笑んだ。
恋出先生は、私から離れた。
「また、荷物運ぶ時に呼ぶから、それまでは上にいて。」
「はい。」
私は明るく答えたが、目からはいまだに涙が溢れていた。
悔しいから。
みんなが今までの失敗を取り戻せるくらい私は頑張ったって言ってる。
けど、私自身が失敗を許せない。
悔しい…
私はその思いで悔し涙が流れた。
でも、嬉しい。
そんな風に私を思ってくれる仲間がこんなに近くにいるなんて。
私はなんて幸せ者なんだろう。
その思いで嬉し涙も流れていた。
「真穂は泣き虫だな。まぁ、みんな何言っても泣いてたけど。先輩に慰めてもらいな。さぁ、早く行きな。」
恋出先生は軽く私を押した。
「はい。」
私は、その場から離れ、階段を上がった。
私は1人ゆっくりと階段を上がった。
周りの声と足音だけが聞こえていた。
私は1人になり、また涙が溢れ出した。
もう、なんで流れるのよ!
だめだよ泣いちゃ。
ポジティブになんなきゃ。
涙を拭っても、また涙が溢れた。
いつの間にか階段を上がっていたらしく、梨香さんが駆け寄ってきた。
「おいで真穂ちゃん。みんな待ってるよ。」
梨香さんは明るく微笑み言った。
「はい。」
私は急いで涙を拭き、ついて行った。
私は3年生の輪の中に入った。
3年生の顔からは笑顔が見られた。
「お帰り真穂ちゃん。」
凛さんは笑顔で言った。
「真穂ちゃん、私たちのためにありがとう。」
梨亜さんは凛さんに続いて言った。
「そんな、私は何も出来なかったです。迷惑かけた方が多かったです。本当にすみませんでした。」
私は申し訳ない気持ちで頭を下げた。
すると、梨菜さんが私を優しく抱きしめた。
「そんな事ないよ。頑張ってくれた。恋出先生からも聞いたんでしょ?3年生の思いはありがとうって気持ちなんだよ。」
梨菜さんは優しく言った。
私は梨菜さんから離れた。
「こちらこそ、本当にありがとうございました。私は先輩方のおかげで成長することが出来ました。感謝してもしきれません。」
「これからも、バスケ頑張ってね。」
「このチームの唯一の長身の選手だから、期待してるよ。頑張ってね。」
「その調子でこれからも頑張ってね。」
「みんなが応援してるからね。」
先輩から、声をかけられて私は涙が溢れていた。
「はい。頑張ります。」
「頑張って!」
3年生が声を合わせて言ってくれた。
私は涙を溢れさせていた。
「ありがとう。真穂ちゃん。」
3年生全員が私を抱きしめてくれた。
「さぁ。新女子バスケ部のみんなのとこ行きな。」
梨恵さんが軽く私を押した。
「はい!」
3年生の皆さん、本当にありがとうございました。
私は幸せな時間を過ごすことが出来ました。
3年生と出会えたことは、私にとって一生宝物となります。
私は1、2年生 のところに行った。
「真穂ちゃーん。ここ、ここ。」
美姫乃さんが隣に座ってという風に私を呼んだ。
私は美姫乃さんの隣に座った。
「それでは、ミーティングを開きます。」
美姫乃さんが突然真面目な雰囲気になった。
「はい!」
みんなが声を合わせて言った。
「来週、毎年恒例3年生を送る会を行いたいと思います。」
3年生を送る会?
1年生がよく分からずポカンとしてしまった。
すると、美々乃さんがしゃべり始めた。
「3年生を送る会っていうのは、3年生今までありがとうございました、お疲れ様でした、これからは新女子バスケ部のメンバーで頑張りますって会。簡単に言うとね。」
「あ〜」
みんなが分かった様子になった。
美々乃さんに続き今度は美恵乃さんがしゃべり始めた。
「話によると、女子バスケ部ができた年から、女子バスケ部だけは、総体が終わると絶対に3年生を送る会をするんだって。恋出先生情報によるとここ7年間してるのは確かだよ。」
「いいですよね?」
美姫乃さんがみんなに聞いた。
「はい!」
「決まりー!」
3年生を送る会か〜
楽しみだな。
私は胸を弾ませた。
総体1日目は終わり、私は帰ることになった。
私たちは、荷物も運んだ。
「じゃあ、バス停でおろしてもらってね。さよなら。あと今週部活休みね。」
恋出先生が見送りをしてくれた。
「はい!さよなら。」
バスが動きだした。
恋出先生は手を振ってくれた。
私たちも、手を振った。
「普段は、絶対手なんて振らないのにね。」
3年生が話している声が聞こえた。
恋出先生って本当優しい。
私の顔から思わず、笑顔がこぼれた。
私たちの総体は終わり私は緊張から解き放たれた。
最初ずっと体がガチゴチだったが、体がほぐれている。
みんなも、緊張がほぐれて、楽しそうに話している。
中には疲れて寝てしまっている人もいた。
今日は試合出た訳じゃないけど疲れたな。
これからは10人。
迷惑かけないようにしなきゃ。
今日みたいに、後悔しないようにしなきゃ。
頑張らなきゃ。
私、ひま、梨亜さん、梨里さんは同じバス停でおろしてもらった。
私は、家に帰ると、すぐに寝てしまった。
私は、次の日学校に行った。
朝から、日が照りつけて暑かった。
勝ってたら、今頃体育館に居たんだろうな。
勝ちたかったな。
私は試合に出てないしえらそうなこといえないけど…
先輩たちのためにも、勝ちたかった。
何も出来なかったが、最後は嫌だ。
私がもっと動いてたら、良かったのにな。
ひまとの待ち合わせ場所にはもうひまが来ていた。
「ごめん。待った?」
「ううん!全然。今来たとこ。行こ!」
「そっか、ならよかった。行こ。」
ひまは、落ち込んでないだ。
私はこんなに落ち込んでるのに…
私たちは、駅に行き、汽車に乗った。
「舞ちゃーん!」
ひまとクラス一緒の亜美ちゃんが呼んでいた。
ひまは、少し戸惑っていた。
「ひま、亜美ちゃんと座りなよ。私あっち行くから。」
ひまはビックリした表情で私を見た。
「いいの?ありがとう!」
そう言ってひまは、亜美ちゃんと同じ席に座った。
私は、あっちいこうかな。
私は、ひまと逆方向に向かって歩いた。
「真穂。ここ、一緒に座ろ。」
子猫みたいなかわいい小さな声が私を呼んだ。
私は、その方を見た。
私は目をまるくして驚いた。
「光。良かった〜元気になったんだ。って汽車だったんだ。」
私は光の隣に座った。
光に会えて、さっきまでの暗い気持ちが少し吹き飛んだ。
「元気じゃないけどね。昨日も学校行ったんだけど、総体で運動部誰もいなかった。真穂たちはどうだったの?」
私は表情を少し曇らせた。
「負けちゃった……私は、最後迷惑かけて3年生の最後を締めくくっちゃった。ダメダメな後輩になっちゃった。昨日負けたから、私たちは今日学校来てるんだよ。勝ってたら、試合出来たのにな…」
「そっか…なんかごめんね。」
光まで悲しそうになった。
私は、少し慌てた。
「なんかごめんね。」
「ううん。大丈夫。でも、負けちゃったんだ…」
「でもさ、この学校ってすごいと思うんだ。」
「どういうとこが?」
光は不思議そうに私を見た。
「この学校って小さいでしょ。全校生徒、確か160人しかいないんだ。3年生合わせたら、女子バスケ部18人、男子バスケ部30人、男子バレー部23人、女子卓球部26人、男子卓球部21人、吹奏楽部、20人美術部22人しかいないんだよ。しかも、部活行かない人が多い。一応、水泳部と駅伝部もあるけど。野球はないし、テニスはないし、バレー部には女子入れないしさ。」
光は私を尊敬するような目で見た。
「す、すごい。よく覚えてるね。で、何がすごいの?」
私は少し悲しい顔になった。
「女子バスケ部は、毎年負けっぱなしなんだ…でも、私はどこの学校よりも強いと思うんだ。仲間が本当にいい人で、練習も毎日真面目にこなしてて、一人一人が頑張ってる。実力だけのチームなんて強くないよ。女子バスケ部だけじゃない。バレー部だって来てない人多いのに頑張ってる。男子バスケ部も、練習とか真面目にやってる。他の部だってそうだよ。小さな学校でも、少ない人数でも、どんなに弱くても、一生懸命頑張ってる。最近は、男子バスケ部強くなってきたし、卓球部もいい感じらしいよ。」
「そうなんだ。本当にすごいね。私、そんなすごい学校に通ってるってことが誇りに思えるよ。」
「私もだよ。だから、どんなにつらいことがあっても、そんなすごい学校に通ってるってことはすごいなと思って、来るように頑張って。」
光はなんでわかるの?というふうにびっくりして私を見た。
「な…んで知って…」
「分かるよ。そんなこと。光の元気じゃないって言葉を聞いて絶対そうだなぁと思ってさ。」
「そっか…真穂には隠し事できないね。」
光は少し悲しそうで嬉しそうな顔をした。
私は、光が少しでも学校にくる時間が増えてほしい。
光がまた転校する日が近くなる前に…
私は光がまた転校するんじゃないかと薄々感じていた。
学校になかなか来れてない人は目をつけられる。
転校してきたから、注目も浴びる。
いじめられる可能性は大きい。
それだけはどうしても避けたかった。
駅につき、私たちは汽車から降り、学校へ向かった。
今日は教室がやけにうるさかった。
普段は、廊下まで聞こえてくる声は、階段まで聞こえていた。
その声は、笑い声と共に耳を塞ぎたくなる言葉が聞こえていた。
私と光は、階段で立ち止まってしまった。
光はうつむいたまま動こうとしなかった。
「待ってて、できる限りの事はする。」
私はそれだけ言って、光をおいて教室に入った。
「あのさー階段まで声聞こえてる。うるさいよ。先生に聞かれたらどうするの?」
私は、みんなの注目をあびた。
その中の、紗由が口を開いた。
なんか私言い方悪かったかな?
いい感じにまとめたと思うんだけど。
もしも失敗してたら私は、終わり…
「えっまじ?階段まで聞こえてた?まじかーはやく気づいて良かったわーありがと」
私は少しほっとした。
ふるえる唇を私は、私は静かに開いた。
「気をつけなよね。あと光のことあんまそんな風に言わない方がいいと思うよ。」
私は怖かったけど言った。
何も言わないのは弱いまま。
あいつらと同じだから。
「はぁ?何言ってんの?あんたさぁ〜いじめられたいの?」
紗由の目が私を切りつけるように睨みつけている。
私はあわてて言い訳をした。
「そういう意味じゃなくて、本人に聞かれたらまずいし、女子のこと言ってると男子が怖いよ。」
紗由はハハッと笑った。
「そっかそっか。ごめんごめん。でも、大丈夫。あんなこの子と誰も見ちゃいないよ。」
そういうと紗由は自分の席に座った。
廊下を覗くと光が心配そうにこちらを見ていた。
私は大丈夫だよっという風に頷いた。
そして私が席に座ると同時に光が教室に入った。
登場人物追加
西沢大地
1年A組。南小出身。真穂とは仲がいい方。3年と2年は部員が少ないし、来ない人が多いためレギュラー選手。バレー部。
斎藤亜美
1年B組。明るく元気な性格。天真爛漫。
崎島紗由
1年A組。いじめ班リーダー的存在。ほとんどの人が逆らえない。先生が居るときはいい子ぶる。
牧田沙由哩
1年B組。いじめ班副リーダー的存在。ぶりっこ。先生に嘘をつくのが得意。
伊坂晃
1年A組担任。明るい性格。怒ると黒板を叩く。めちゃくちゃ怖い。一部分の髪の毛がよくはねている。
小谷亜子
1年B組担任。すべてをさっさと終わらす先生。怒るとうざがられる。
休憩時間、私は机に顔を伏せていた。
「真穂ちゃん。」
聞き覚えのある声がした。
「何?」
私はそっちに顔を向けた。
「話があるんだけど大丈夫?」
そこには裕太くんがいた。
「えっあっうん!い、い、いいよ。」
私は慌てて言葉を噛んだ。
裕太くんは私の耳に顔を近づけた。
「紗由ちゃんのこと気にしない方がいいよ。すごいね真穂ちゃんはあんな風に言えて。」
「あ、ありがとう。ひ、光のことかばえないなら、わ、私も紗由ちゃんと同じだと思ったから。」
「そっか。じゃあ僕はこれで。」
そう言うと裕太くんは教室から出ていった。
優しいな。裕太くんは。
私の心は熱くなっていた。
今日は午前中で終わり、給食も食べずに帰った。
私は帰る前に恋出先生を一瞬だけ見た。
いつも通り、明るく振る舞っていたように見えた。
すごいな。あんなに明るく振る舞えるなんて。
私は、試合に出たわけでもないのに、こんなに心が沈んでいるなんて。
私は一人とぼとぼと歩いていた。
私が職員室の前を通った時だった。
聞き覚えのある、時には嫌な時には大好きな人の声がした。
「真ー穂ちゃん。どーしたんですか?そんな暗い顔して。まだ、昨日のこと気にしてるんですか?」
ふと、後ろを向くと恋出先生がいた。
「こ、恋出先生。」
恋出先生は微笑むと私の頭を撫でた。
「よしよし。真穂の事だろうから、今日も落ち込んでると思ったよ。」
「すみません…」
「いや、別にいーけど。まぁ土日は部活休みだし、ゆっくり休みな。じゃあ、さようなら。」
「さようなら。」
ありがとう。恋出先生。
私は、その気持ちでいっぱいだった。
面白いです!
112:ちえり:2015/02/21(土) 17:28 ID:hSo >姫莉さん
ありがとうございます!
これからも読んでくださると嬉しいです。
私は、下駄箱から、靴を取り、スリッパを入れた。
靴を履くと、1人駅へと向かった。
「待って、真穂ちゃん!」
私は、後ろを向くと、裕太くんがいた。
「おー裕太くん。どうしたの?」
「真莉ちゃんが、真穂ちゃんの事探しててたよ。」
「えっ!うそ!」
私は、思わず大きな声を出してしまった。
周りから嫌な視線がおくられてきた。
「声大きいよ。」
裕太くんにも指摘されてしまった。
「ごめん…で、どうしてた真莉ちゃん。」
「多分大丈夫だよ。一緒に探そうとしてたんだけど、恋出先生に捕まってた。」
「恋出先生に!?あ…でも大丈夫だ。きっと、先生は、真莉ちゃんに優しくしてあげてる。本当は優しいから…」
私にだけじゃなくってみんなに優しくしてあげてるんだな。
きっと……
裕太くんは、あっと何かを思い出したような表情になった。
「あっそうだ。それでさ、僕遊園地に、家族4人で行こうと思ってたんだけどお父さん仕事になってさ、行けなくなったからさ、一緒に行かない?亮しか一緒に行く人いなくてさ。さっき真莉ちゃんに聞いたら、土日部活休みだし、真穂ちゃんがいいなら良いって言ってくれてさ。4人で行かない?ダメかな?」
私の胸は有り得ないほどに、ドキドキしてた。
「もちろんいいよっ!ありがとー誘ってくれて。」
「ううん。こちらこそありがとう。真穂ちゃんだったから、行こうと思えたんだ。真穂ちゃんって真莉ちゃんと仲良いし、同じクラスだったし、ちょうど良かったよ。」
「そだね。で、どうする?」
「あ、真穂ちゃんってケータイ持ってる?メアド交換しない?」
「うん一応。でも、あんま使うと怒られるけど、裕太くんとならいいよ。」
「そっか。じゃあ、これ。」
裕太くんは、メアドを書いた紙をくれた。
「真莉ちゃんにも、連絡してくれるかな?」
「うん。」
私たちは、駅についてからも、汽車が来てからも、話した。
ひまは、亜美ちゃんと話していたからちょうど良かった。
緊張するのに、なぜかとても心地よかった。
裕太くんは、私より先に汽車から降りた。
「じゃあね、裕太くん。また、日曜日。」
私はそう言って手を振った。
「うん。バイバイ!」
裕太くんは笑顔で手を振ってくれた。
日曜日に、8時の汽車で行くことにした。
各駅からみんなが乗って行くことになった。
帰りは、3時の汽車。
私は、お弁当持って行くって約束した。
明日、真莉ちゃんと買い物行けないかな?
新しい服買って、新しいアクセ買って、お弁当の材料買ったりしたいな。
私は、胸を弾ませていた。
私は、家に急いで帰った。
そして、真莉ちゃんに電話した。
「もしもし?真莉ちゃん?遊園地は日曜日になったよ。それに…」
私は、日曜日の事とか明日についての事とかいろいろ聞いた。
「うん。いいよ!明日、お母さんに連れて行ってもらうよう頼んどくね。また、明日電話するね。」
真莉ちゃんも、喜んで、了承してくれた。
「ありがとう!じゃあ、明日ね。」
ピッ
私は電話を切った。
「やったー真莉ちゃんとデート。楽しみだなぁ。明日なに着てこうかな?」
私は、うきうきしながら、明日の準備をした。
私は、明日着ていく服選びをした。
「うーん?どれにしようかな?」
私は、たくさんの服を前にして、悩んでいた。
水色のカーディガン、白のニット、ブルーのカーディガン、白黒のギンガムチェックのシャツ、水色とグレーのチェックシャツワンピ……服だけでもたくさんある。
「うーん?水色好きだし、これにしよ!」
私は悩んだ末水色のカーディガンに白のスカートに決めた。
水色のカーディガンは上の方がレースになっていて、かわいい。
半袖を着るにはまだ寒いけど、長袖を着るには、少し暑い。
そういう時は、このカーディガンが良い。
私は、明日の準備を始めた。
明日買うもののメモを書いたり、ハンカチ、ティッシュを探したりと明日楽しく過ごせるように、準備をした。
準備が終わると、明日のために早く寝た。