小説

小説の批評・創作用掲示板☆

  1. 1:  ENDING  (207)
  2. 2:殺戮、裏切り、ときどき人情(7)
  3. 3:貴女に沈丁花を(160)
  4. 4:ピースフルエブリデイ(14)
  5. 5:と め ど な い(10)

  ENDING  (207)

1 ちゅ:2020/12/10(木) 18:55


十数年前の掲示板で、ひと夏だけ流行った都市伝説があった。

三十人分の魂を売れば、魔法の力を売ってくれる人(?)が居るらしい。



1-Bは、クラスの誰かに売られた。

206 るるの:2021/10/15(金) 20:08


憂鬱な気持ちのまま学校に着いた。私は下駄箱で上履きを履きながら、首をぐるりと回した。
「あ、おはよ、こころ」
すると、背後から誰かに挨拶された。その声に思わず肩がびくりと跳ね上がった。
私はゆっくりと振り返って、愛想笑いを顔に貼り付けた。
「おはよー、暁美」
「ん」
私が挨拶し返すと、暁美は満足そうに口元に笑みを浮かべた。そしてスニーカーを脱ぎ、それを靴箱に放り込む。
「こころさぁ」
暁美は上履きをすのこに投げ捨てる。ひっくり返ったそれを足で表に戻しながら、ちらりと私を見上げてくる。
「舞宵のことウザイって思ってるでしょ、ぶっちゃけ」
そう言われた途端、私の視線は魚のように泳ぎ出した。それを悟られないように、壁の上の方に取り付けられた時計を見る。
「あー、あはは」
誤魔化すように笑ってみたけど、暁美は騙されてくれなかった。
「ウザイっしょ、毎日絡まれてんじゃん」
あー、見てたんだ。めんどくさいなぁ。暁美は上履きに足を突っ込んで爪先をとんとんとする。その足元を眺めながら、私は口元だけにさっきの愛想笑いを浮かべる。
「空気読めないよねー。あーいう脳天気なタイプ一番嫌い。見ててイライラするもん。」
暁美はそう言うと、歩いて校舎の中へ入っていく。私は無言でそれを追い掛けた。
「こころもさー、ウザかったら無視しちゃいなよ。」
暁美は振り返ってにこりと笑ってきた。
「……うん」
私はそんな暁美の胸元に視線を固定して、笑顔が張り付いたままの唇を噛んだ。

暁美から数歩遅れて教室に入ると、教室はいつも通りだった。今日も入場無料の動物園だ。馬鹿みたいに手を叩いて笑う声や、大声で何かを叫ぶ声。何だかよく分からない奇声も聞こえてくる。
「あー、こころん、おはよぉ」
自分の席に座ろうとすると、また今日も舞宵が話し掛けてきた。いつものように机に寝転びながら、口を猫みたいにして私を見上げている。
「あー、……」
私はちらりと暁美の方を見た。椅子の背もたれを脇に挟みながら、こちらをじっと見詰めている。
「……」
私はすぐに暁美から視線を逸らして、舞宵を無視した。椅子に座って、机に頬杖をつく。
別に、暁美が怖いわけじゃないけど。ただ、暁美が不機嫌になるのが怖いだけだし。
強がって自分にそう言い聞かせながら、私は指で机を叩いた。

207 るるの:2021/10/15(金) 20:08


「お前ら、ちゃんと宿題やってきたか?」
一時間目が始まり、教師が教室に入ってきてそう訊いてきた。
「お前ふざけんなよー!」
「あ、そっち飛んでった!」
「きしょ!こっちに飛ばすなって!」
が、誰もそんな教師に見向きもしない。教室には誰かが作った大きなホコリの塊が舞っている。
「宿題、出したの覚えてるか?」
そう言った教師の声は、女子の甲高い叫び声と男子の低い笑い声に掻き消されてしまった。
「宿題やんないと進路に響くぞ……」
教師の声からはどんどん覇気がなくなっていく。
「……前回の続きやるぞー」
どうせ誰も聞いてなかった授業の続きを始め出した。誰もノートを広げてなんかいないのに。誰も机に向かってなんかいないのに。
「ここはこの公式を当てはめて……」
そう説明する教師の顔には明らかな疲労が見えた。くまが浮かび上がった虚ろな目元も、だらしなく開きっぱなしの口元も、見るに堪えない。
「美沢さん」
そんな教師をぼーっと眺めながらクラスメイト達の奇声をBGMに放心していたら、視界の右側からにゅっと腕が伸びてきて、とんとんと机を叩かれた。
「……?」
私は右側を見た。すると、隣に座っていたクラスメイトが同じようにこちらを見ていた。
「あれ、掛け算と足し算っていうのをちゃんと意識すれば理解しやすいよ」
少し恥ずかしそうに微笑みながら、その人はそう言ってきた。私はどうしていきなりこんなことを言われたのか理解出来ずに、頭に大量のはてなマークを浮かべた。
「あ、ごめん。ずっと熱心に黒板の方見てたから、授業ちゃんと受けたいのかと思って」
そう言って苦笑いしながら頬を掻くその子を見詰める。
彼は葉山賢人(はやまけんと)。マッシュヘアーの、黒くて太い縁のメガネを掛けたクラスメイトだ。いつも文庫本を読んでいて、一人で行動することが多い印象だけど、だからと言って友達が居ないわけではないらしい。少し変わった子だけど、彼の陰口は一度も聞いたことがないし、読書している時以外は常に周りに人が居る。
葉山くんから話し掛けてくるなんて珍しい。入学してからずっと隣の席だったけど、会話なんてしたことなかったのに。
「いや、別に」
私がぶっきらぼうにそう言うと、葉山くんは嫌な顔一つせずに、
「そっかぁ。僕と同じなのかと思ったんだけど違ったね。」
「葉山……くんは授業受けたいの?」
私が尋ねると、葉山くんはにこにこしながら恥ずかしそうに小さく頷いた。
「うん。実はね。」
「ふーん……」
まぁ、確かに見るからに勉強好きそうだし。
「まぁ、今習ってるところは小学生の時に塾で習ってるし、そこまで困らないんだけどね」
「やっぱ頭いいんだ、いつも難しそうな本読んでるもんね」
「そんなことないよ。ただ親が医者になれってうるさいだけでさ」
どこか寂しそうな表情になる葉山くんを横目で見る。
「まぁ、僕もなれたらいいなって思ってるから別にいいんだけどね!」
「すごいじゃん、親の期待に答えようとして、それが自分の夢でもあるって。」
何の気なしににそう言うと、葉山くんは目を輝かせて私をじっと見詰めてきた。
「……何?」
「いや、美沢さんって素敵なこと言うなって……」
「は?何それ」
「そういう風に考えられるの、素敵だと思うよ」
そう言う葉山くんの視線から逃れるように私は彼から視線を逸らした。
「……別に、思ったこと言っただけだよ」
何だか恥ずかしくなって、私は黒板を見ながら頬杖をついた。

名前 メモ

全部読む/最新50

殺戮、裏切り、ときどき人情(7)

1 匿名:2021/10/12(火) 20:45

かつて、齢15にして各国の諜報機関を荒らした伝説の殺し屋"ヨルナ"。
機密情報を持ち出し要人を殺し、裏社会から恐れられた伝説の少女。
そんな彼女は突如行方を眩ませ、現在――

「ほーい、ヤサイマシマシニンニクカラメ一丁あがりィ!」

寂れたラーメン屋のアルバイトをしている。

6 匿名:2021/10/13(水) 20:21


side莉月


ラーメン屋と殺し屋っていうのは、割と通ずるものがある……というのが師匠であるおやっさんの教え。
どちらも"仕込み"が肝心。

放課後、リムジンで送迎されるお嬢ちゃん坊ちゃんを横目に、私は徒歩で実家の白竜軒に帰宅した。

「たーだいまんぼ〜さくらんぼ〜」

"開店準備中"の札が下げられた引き戸を開けると、予想通り中華包丁が三本顔面をめがけてきたのでスクールバッグを盾に防いだ。
これは鞄の中の教科書までグッサリやな……とぼんやり思った。

「おう、おけぇり」
「おやっさん……このカバン高かいんだよ、勘弁してくれ」

厨房からひょっこり顔を出したねじり鉢巻きの初老の男。
パイプ椅子にどっかり座り、何事も無かったかのように豆の皮をちびちび剥いて下ごしらえをしている。
まさかそんな彼が数々の戦争の裏で暗躍した諜報員"M"だとはジェームズ・ボンドも思わないだろう。
わたしも現役時代の彼を見たことがないものだから、未だに真偽を疑っていたりする。

「ふん、お前も"掃除屋"なら自慢の相棒で撃ち落とすくらいしたらええやろ」
「こんな店で拳銃バンバンぶっぱなせるか! それに今はもう普通の女子高校生なんだよ……普通の……」

そういえば最近、相棒を握っていなかった。
こんな職業だったもんで、護身のために太腿のホルスターにはワルサーppkを一応忍ばせているが、ドイツから帰国して以来……もう5ヶ月は触れていない。
感覚を鈍らせない為にも少しくらいは触っておいた方がいいのだろうかとも思ったが、もう殺し屋に戻るつもりもないしなぁ。……なんて、エプロンを身につけながら思案を巡らせている。

「んじゃあお前、これ佐藤さンとこ出前だ。絶対崩すなや」
「へーい……て、また餃子かよ……ほんとにうちラーメン屋なの?」
「るせぇっ!」

ラーメンはイマイチだけど、それ以外の中華料理は絶品という、ラーメン屋としては致命的な店だ。
今日も餃子の配達が入る。
まぁ確かにうちの餃子はおいしいけど毎日食べればどんな美味いものでも飽きが来るもので、そろそろ牛丼ってやつが食いたい。

7 匿名:2021/10/14(木) 18:52


今まで私は殺し屋はもちろん、スパイだったこともあればマフィアの抗争に引き出されたりと色々な仕事を根性でなんとかしてきたわけだが、ラーメン屋の出前だけは未だに慣れない。
バイクの免許あるからバイク使わせろとか、ウーバーミーツに加盟しろとか言いたいことは色々あったが、結局金がないので未だに出前箱を引っさげて走り回る、一昔前の映画のおじさんみたいな配達だ。

微妙に遠いんだよなぁ、佐藤さんち。
しかも今は治安が悪くゴーストタウンになりつつある商店街を抜けなければならず、何かと面倒だ。
別にチンピラ十数人くらい素手で倒すのは余裕だけど、出前の品を守りながら戦うのは難しい。
餃子を崩したらまたおやっさんにどやされる。

「あれは……」

こんなシャッター街に珍しく人がいるなと思ったら、うちの学校の制服を着た生徒……確か隣の席の光原なんとか、が右往左往していた。
しかも派手なアロハシャツを着たガラの悪い男共に壁際へ追い詰められ、囲まれている。

「その制服っつーことはオメェ……お坊ちゃんなんだろ? 金出せや」
「無礼にも程がある。金ならくれてやっても構わんが、相応の態度があるだろ。土下座だ土下座!」
「ちょっと金あるからって調子こいてんなクソガキ!」

なんと光原、カツアゲに土下座を強要していた。
つーかカツアゲを乞食のようなものだと思っているらしい。
リムジンから一歩も出たことの無いようなやつがこんな治安の悪い地区をうろつくなんて、サファリパークのバスから降りてライオンに近寄るようなものだ。
校内でゾロゾロ引き連れていたSPはどうしたんだろうか。

「土下座したら金くらい好きなだけやるってんだ乞食共」
「乞食だとォ!」
「金をせびってんだろ、乞食以外のなんだよ」

名前 メモ

全部読む/最新50

貴女に沈丁花を(160)

1 水色瞳◆hJgorQc:2020/05/14(木) 21:11

>見切り発車の小説<
>わずかな百合<
>表現能力の欠如<
>失踪しないようにがんばる<
>感想だけなら乱入どうぞ<



私より皆、儚い。
儚いから、美しい。
人って、そういうもの。
なら、私はーー、人じゃないね。

私はいつから存在していたんだろう。
老いもせず、死にもしない、存在。
あの人を見送ったのは、大体20億年前だったかな。
ーーーー最後の、人。

本当に、儚いね。
ああ、
良いな。

また、愛に触れられたらな。
なんて。私より長生きする人は、居ないのに。



少女は誰も居ない広野を歩く。
誰も居ない大陸を走る。
誰も居ない地球を眺める。
誰も居ない、この星系を。

そのまま、何年も、何年も。

159 水色◆Fase/Q:2021/09/25(土) 11:16

『······おい。おい、リーベライヒ!聞いてるのか?』
「うっせえ。そんなに大声出さなくても聞こえてるわ。念話魔法だぞ?」
『すまん。······いや、それより······凄い物を発見したぞ!』
「どうせつまらないものだろ?こないだなんか市場の安売りに反応してたしな」
『······いや、今度のはこれまでとは格が違う。とにかく裏山に来い、今すぐに』
「あ?おい······クソが」




商店街の建物の屋根に座っていたリーベライヒは念話魔法による通信を受けた。······反応すると言った以上彼にはどんなつまらないことでもその場所に行かなければならないのだ。

「裏山に一体何があるんだよ······」

そう言いつつも、認識阻害魔法を自分にかけるところを見るとまだ期待を捨てていないらしい。そのまま立ち上がり、屋根を伝って走り出す。
魔法と王子誕生間近の二重奏によって誰も彼に気付く者は居ない。易々と商店街を脱出し、そのまま裏山へ駆けてゆく。




「これだ、これ······いや、あれだと言った方がいいのか?」

仲間によって裏山に呼び出されたリーベライヒは、確かに期待感を擽るものを見た。どう考えても中にいる何かを封印しているとしか思えない厳重な結界である。試しにレイピアで一突きしてみたが、傷すらつかなかった。

「マジか······よくやったな。さっさとずらかるぞ」
「逃げるのか?」
嘲笑うような口調でそう言われたが、リーベライヒにはまったく応えなかった。
「いやそうじゃない。こうまでして封印したい物が中にあるんだ······おそらくこれ以上ここに居たら殺られるぞ」
と言って仲間を待たずに走り出す。


「······チキン野郎め」
残された者はその場でいくつかの魔法を構築して結界へと一斉に放つ。
光が飛散した。まるで金属を加工する時に出る火花のようである。
······金属加工。その名の通り――――むしろ傷は付かない。むしろ結界の輝きが増していくように思えた。
「······」
流石に気味が悪くなった彼は攻撃を諦めて戻ることにした。――――その直後、彼の背中めがけて、灰色の少女が出現する。








『あらら、一人取り逃がしちゃったかぁ······』
もはや赤い塊となった煙の弾を見つめるグレーベルの耳に、アクアベルからの通信が入る。
『······うん、私のミスだね······明後日あたりにでもオレンジベル送るよ』


通信を切ったグレーベルは煙の弾を地面に打ちつけた。
······瞬く間に、周囲が血の海になった。

160 水色◆Fase/Q:2021/10/12(火) 23:49

「「············」」


スミレとネアは息を殺していた。······と言っても別にどこかに潜入した訳では無い。······現在の状況が彼女達を緊張させていた。
ここは王城······二人の目の前にはとても建物の中とは思えないほど重厚な扉がある。その扉に付与されている結界魔法は、今や王国屈指の結界魔法使いであり王妃のアリシアによって創られたものである。もはや扉ではなく壁に近い。
······そして、その扉の内部には······アリシアがいる。スミレの予想では、本日が出産予定日の。


「······時間が経つのって早いね」
「だねー。······歳を取ると体感時間が早くなるって聞いてたけど······もうアリシアさんもかー」
スミレがしみじみと言うのに対してネアも相槌をうつ。そして感慨深そうな様子を見て、スミレはやや興味をそそられたようである。
「ねぇネア、アリシアさんって、ユノグさんの侍女だったんだよね?」
「そうだねー。まあ今もだけど······王妃兼侍女、って言ってたよ」
「あはは。······アリシアさんの出自って何か知ってない?」
それを聞いて、ネアは少しだけ考え込んだ。······やがて、昔話をするような調子で語る。


「······アリシアさんは、産まれてすぐの頃、路地裏に捨てられてたんだって。そこをユノグが見つけて拾ってきたんだよー。······私も勇者のメンバーになる前だったからよく覚えてる。まあ、その時は王国が混乱してたから······『魔王』のせいで。もしかしたら、アリシアさんもそのせいで捨てられたのかもしれない」
「············」
スミレは唇を噛んだ。蘇生に成功したとはいえ、ネアを殺した魔王に良い思い出は全く無い。しかし、その思考を察してか無意識かどうかは知れないが、ネアはこんなことを言った。
「······もしあの『魔王』が生きてたらさ、今の状況をどう思うんだろうねー?」
「今の······?」
「絶望に叩き落とした筈の人々が生き延びて、恋をして、結ばれて······子供を作った人もいる。『魔王』には理解できないことだと思うよー」
「······!······」
「······だからね、」


その時である。今まで沈黙を保っていた扉が突如として開いた。······ユノグが立っていた。
彼は一瞬面食らったようだが、2人に向けてとても嬉しそうに手招きをする。······口元に人差し指を当てた。
彼の大きな背中の横から二人は部屋に入る。······すると、






【ちょっとあとがき】
あと数話でS3に突入します

名前 メモ

全部読む/最新50

ピースフルエブリデイ(14)

1 匿名:2021/10/02(土) 17:13

息抜きに書きます。自己満、ギャグです
なんでも許せる方はお読みくださると嬉しいです
(注意!)すごくカオス

13 匿名:2021/10/08(金) 23:01

「遅れてすみませんッ!!」
焦りすぎてバーンッッ!とドアを勢いよく開けてしまった。教室の中の人達が目を丸くしてこちらを見ている。驚かせてしまって申し訳ない…。どうやら今はHR後の10分休みのようだ。授業がまだ始まっていなかったことにほっとした。
「Aちゃああぁん、どしたの心配したよ!」
私を見るなり飛んでくるEちゃん。話してたCぶっ飛ばしたけど大丈夫?
昨日友達になったばかりなのに、こんなに心配してくれるなんて。
「大荷物運んでるお婆さんがいたから見てたら遅れちゃったんだよね」
「もっとマシな嘘をつきなよ…。でもとにかく間に合ってよかったね」
散々だったよ…と途中銀髪さんと黒髪に会った事などを話していると、Cがこっちをじーっと見つめてきた。黒髪の事だろうな、と思い「どうしたの?」と声をかける。
「羨ましい…朝からあの人に会えるなんて…クソ羨ましい、ガチ羨ましい」
「分かったから、とりあえずBのワイシャツ千切ろうとするのやめて」
「こうでもしなきゃやってらんねぇーよ!!」
「C、落ち着け」
私の忠告を無視して、CはビリビリビリィッとBのワイシャツを破いた。めっちゃ簡単に破くじゃん…全く抵抗しないBもおかしいけどね。するとBは千切られたワイシャツを脱いだ。
「こんな事もあろうかと2枚重ねをした俺を誰か褒めろ、ハッハハハ」
お願いだから口にご飯を含んで笑わないでください。Dくんのあの嫌そうな顔を見てください。

「あ、そういえばHRで、カレー作りの班決まったんだよ!ちなみにAちゃんは私と一緒だよ」
「最早普通の合宿じゃん…」
勉強合宿って何だっけ。詳しいスケジュールは分からないけど聞いた感じだとほぼお楽しみ会なんだけど。そもそも南都下学園との合同とか人数多すぎて爆発するでしょ。
「あと一緒なのはCちゃんと、あと…」
Eちゃんがそう言いかけた時、チャイムがそれを遮った。あと、誰だろ。また後で聞こう。

時間はあっという間に過ぎ、今はCとEちゃんと私の3人で昼食を食べている。…のだが。
「南都下学園と合同とか神すぎる、黒髪さんに会えるなんてェェ」
「ねえCちゃんほんとさっきからうるさい、嫌われるよ?」
さっきからずっとこの状態。Cは黒髪の話しかしないし、Eちゃんも段々苛ついている様子。そしてその光景を眺めることしかできない私。3人で食べようと提案した私に責任はあるのかもしれない。そう思い、無理矢理にでも話を変える作戦を決行してみる。
「朝食こぼしてチョーショック」
「…は?」
「Aちゃん流石につまんないよ」
2人の対応が酷すぎて辛い。Eちゃんは普段あんな優しいのに…何でこんな事に…!居た堪れず目を逸らすと、Dくんと目が合った。助けてくれ、と視線で訴えたが逸らされた。そうだ君はそんな奴だったわ。

14 匿名:2021/10/08(金) 23:02

「それはともかく、Eってば黒髪イケメンさんのときめきポイント聞いてよ!」
「やだよ、どっちかと言うと銀髪の人派だし」
おお、Eちゃんとは気が合いそうだ。黒髪はちょっと、先輩に関する時に暴走するのが怖い。
「なら尚更聞いてよ!魅力をもっと知ってほしいし」
「うるさいなぁ、しょうがないから聞いてあげるよ」
「ヤッタァ」
目をキラキラさせながら黒髪の人の魅力を語るCに気怠そうにしながらも相槌をうっているEちゃん。なんだかんだ言って噛み合ってるじゃん。あれ、私いる意味ある?なんか寂しいな…。
寂しさを紛らわすためにしょうもないダジャレを言っていたら、たまたま側を通りかかったクラスメートに二度見されたので三度見仕返しておいた。

「はい、皆さん大体のスケジュールは分かりましたね?この後16時半から南都下学園が来るのでそれに備えて荷物をB棟の視聴覚室に持ってって下さい。こっちのA棟には食事、入浴などの際にしか戻ってこないので忘れ物はないように!」
夕方。担任の説明を受けながら、荷物をまとめる。今は15時半だからあと1時間で勉強合宿が始まる。みんないつもよりテンションが高い。Bはバイキング合宿だ!とか騒いでるし、Cに関してはもう黒髪の事しか頭にない。けど実はちょっとCの恋愛の行方が気になってるから楽しみ。
「この学校無駄に面積広いので忘れ物したら結構大変ですよ。だから荷物の確認はこまめにしてくださいね」
担任の言葉に各々が返事をする。荷物確認5回はしたから流石に大丈夫だろう。荷物を置きに行ったら、南都下学園が来るまで自由行動してて良いらしい。
その間何しようかな、と考えていると、
「え、雨降ってきた」
Eちゃんが窓の外を見て呟いた。その証拠に、窓ガラスにポツポツと水滴。
「ファッ!?雨!?ふざけるなぁァァ、キャンプファイヤーできないだろおお!」
貴重な恋愛イベントがァァ!と膝から崩れ落ちるC。何となく雲行きが怪しいなとは思ってたけど…残念だなぁ。

「じゃあ皆さん、16時になったので荷物を持って移動しますよー」
「はーい」
担任の言葉を合図に、みんながリュックやらを背負ってぞろぞろとB棟へ向かっていく。ちなみに私はこの学校の構造が未だによく分かっていないので、みんなについて行かないとはぐれてしまう。
5分ほどして、B棟の視聴覚室に到着した。私たちのクラス、2年α組はここが荷物置き場になっているそうだ。
「一旦ここに荷物を置いて、大広間で南都下学園の人たちと合流して勉強会を行います。その後は各班分かれて教室に移動します」
移動いっぱいするんだな、もっと効率的に出来ないのかな…。
そう思いながら荷物を下ろす。中々重かったので解放されて体が浮かぶような感覚がした。みんな荷物を下ろしてくつろいでいる。すると、Eちゃんに肩をとんとんと叩かれた。
「AちゃんCちゃんトランプしない?」
「あー、いいね」
「私もいいよ〜ん」
近くにいたBも巻き込んで、暇潰しの定番、トランプが始まった。

名前 メモ

全部読む/最新50

と め ど な い(10)

1 乳酸菌0号:2021/05/15(土) 16:54




超短め短編集です!

気まぐれ更新です〜〜

ハッピーエンド、バッドエンド、その他もろもろエンドです!
登場人物は基本男女で1人ずつが多いです!
それぞれの話が同じ世界線かはご想像にお任せします。

文才ほぼ0&展開グダグダですがどうか温かい目で見ていただけると嬉しいです(^-^)

ですです言い過ぎですみません

9 乳酸菌0号:2021/08/28(土) 11:57



-8- enthusiasm


扇風機の風が、髪の毛を揺らす。
真夏の暑さが、身体をむしばんでいく。
蝉の声が聞こえる。

机の上には、食べかけのカップアイス、読みかけの文庫本、そして書きかけのメッセージカード。

カップアイスが溶け始めているけど、その前に私が溶けてしまいそうだ。
寝転がりながら、さっき放り投げたスマホを手に取る。

暗転した画面に、何もかも失ったような自分の顔が映った。脱力しきっていて、今にも消えそうだ。

鉛のように重い指で、友達とのトーク画面を開く。
返信はしていない、したくない。

私の彼氏である八木と、誰だか知らない女子が手を繋いでいる写真。とともに、『これ、八木くんだよね…?』というメッセージ。

見た瞬間、また頭に血が昇って、スマホを叩きつけた。
幸い、カーペットのおかげで画面は割れることはなかったが、私の心は崩壊寸前。

「最低」

言葉と共に涙もこぼれる。
お節介な友達も、移り気な八木も、大嫌いだ。

彼が好きだと言ったアイス、彼のお気に入りの小説。
好きな人の好きなものを、私も好きになりたかった。

執着してくる私にうんざりしたのだろうか。
私は無意識のうちに彼に嫌われることをしてしまったのかもしれない。

明日は彼の誕生日で、メッセージカードを渡すつもりだったけど、それももう叶いそうにない。

涙か汗が、ひょっとしたら両方が、カーペットにじわりと広がっていくのが見えた。
きっともうアイスもドロドロに溶けていて、原形を失っているだろう。

頭がくらくらして、気持ち悪い。喉が必死に水分を求めている。
身体は動かない。
もっと早く冷房をつけておくべきだった。
暑い、熱い、あつい。

そればかりが頭を埋め尽くして、どうしようもできない。声も出ない。
視界もぼんやりしていて、焦点が合わない。

かろうじて目に映ったのは、自分の手のひら。
指は、弱々しく行き先を求めている。
今思えば、彼と手を繋いだことはなかった。
哀しくて、悔しい。


瞼のせいで、目の前が暗くなった。
蝉の声が遠く聞こえた。

10 乳酸菌0号:2021/09/30(木) 19:30


-9- sham sleep


「早く起きなよ、もうそろそろ当てられるよ」

居眠りをしている前の席の男子、九条の背中をシャーペンでつつく。
つついても一向に起きないので、先生が黒板の方を向いているうちにノートでぺしっと軽く頭を叩いた。

流石に目が覚めたのか、目をこすりながらこっちに振り返ってきた。

「なんだよいい夢見てたのに…」

「知らないよ。内申下がる方が嫌でしょ」

小声で話す私たちに周りの人が『またお前らか』というような視線を送ってくる。
やばい、先生にバレる。

「とにかく、ちゃんと毎日早く寝ること。じゃないとまじで痛い目見るよ」

「毎日寝てんじゃんここで」

「家でだってば!」

思わず声のボリュームが上がってしまった。ちらりと先生の方を見るが、気づいてない様子。
数学の先生は年配で耳が遠いことと、私たちの席が窓際の後方であることが救いだった。

ただ、怒るとものすごく怖い。だからこそ九条に注意してるのに呑気に居眠りなんてして。

「順番で行くと九条問六が当たるよ。そこの答えはマイナス3だからね、わかった?」

「ん、マイナス1じゃねーの?」

え、私が間違ってるのかも。九条は居眠りしてても頭はいいタイプだから、と思い消しゴムでマイナス3を消した。

「ねぇねぇ、問六の答えって何になった?」

「マイナス1だと思うよ」

念のため隣の席の子に答えを尋ねると、九条と同じ答えだった。
やっぱ私が間違ってたんだ、合ってると思って偉そうに教えたことがちょっと恥ずかしい。

「横井くんありがと。九条、やっぱマイナス1で合ってるらしい」

「了解。さんきゅー」

「うん」と返事をして、問六の答えをマイナス1に書きかえた。なんだろ、九条に感謝されると他の人に感謝されるより嬉しい。軽い一言だけなのに。

ぼんやりと前の背中を見つめていると、先生がこちらに視線を向けてきて、目が合った。
…あれ。

「じゃあ荻野さん、問六答えてもらおうかな」

「え、あ、はい!えっと…マイナス1…?」

正解、と先生。
てっきり九条が当たるとばっかり思ってた。たまにこういう変化球が来るから、気が抜けない。
「じゃあ次は九条くん、問七答えてもらおうかな」という先生の言葉にハッとする。

あ、九条寝てたから分かんないかも。私がもっと早く起こしてたら…。

「4分の1ー」

「はい、正解」

どうやらただの気にしすぎだったみたいだ。
8分の2、と書かれた自分のプリントを見つめた。恥ずかしい、約分し忘れるとか。
赤ペンで正答を書いていると、チャイムが鳴って授業が終わった。

「九条ごめんね」

「え、なにが」

なんか、色々と。
そう言いながら、前に友達から、九条のお母さんみたいだねと言われたことを思い出す。
たしかに、九条がお弁当を忘れたりした時は私のおかずをあげたり、さっきみたいに寝てる時は私が起こしたり。

構いたくなるというかちょっとした独占欲、みたいなものかもしれない。

「まぁ、これからずっと俺のこと起こしてくれればいいよ」

「寝る前提なのね」

ふ、と口元に笑みが浮かぶ。
自分が必要とされてるならそれでいっか、と思えてしまう。

「もしかしてプロポーズ…?」

と周りから聞こえたが、何のことだか分からなかった。

名前 メモ

全部読む/最新50

次のページ>>

スレ立てフォーム

題名:
名前: メモ:

スレッド一覧フォローサイトマップ▲上へ

最近のスレッド / 掲示板一覧
  1. 【助けて】マンホールの裏蓋で悪魔を召喚してしまった【死ぬかも】(30)
  2. 登下校小説(5)
  3. 憂え、新時代の日の出を(20)
  4. 年下と。(4)
  5. 動画小説「優曇華の居る生活」YouTubeの評価(1)
  6. 君がおはようと言ってくれるその時まで(3)
  7.  創作(3)
  8. 川上奈緒の事件簿 リターンズ <お嬢様学園のいじめ>(239)
  9. 来年も、君と(2)
  10. 自作小説宣伝スレ(175)
  11. 小説のタイトル考えてくれ(1)
  12. 葉っぱ小説 大憲章(19)
  13. 葉っぱ天国で好き&おすすめな小説教えて下さい!(22)
  14. 全部失くなったあの日に(7)
  15. 夏休み中、毎日ひとつ書けたらいいなのスレ(4)
  16. 先生、私は貴方を潰します(141)
  17. 性癖短編(40)
  18. ばかちゃんの日常(51)
  19. 執筆の合間の休憩時間(16)
  20. 私はヤクザの組長の妹になったらしい。(30)
  21.  First (91)
  22. 千歳奏の戦国桃山☆転生日記物語!(11)
  23. この小さな国で。(3)
  24. 小説創作スレ(1)
  25. 作った小説読んで(5)
  26. >>スレッド一覧

[サイトマップ]

★新しくスレッド(話題)を作る