小説
小説の批評・創作用掲示板☆
Regentale (16)
むかしむかし ちきゅうには
ニンゲンと モンスターという
ふたつの種族がいました。
しかし ある時 2つの種の間にあらそいがおき
長い戦いのすえ 勝利したニンゲンたちは
すべてのモンスターを 地下に閉じ込めてしまいました。
何百年も雨の降り続ける、狭い狭い地下に。
そうして長い時が経ち―――
20xx年 xx山
その山は 一度足を運んだものは
二度と戻ってこれないという 伝説の山でした。
―――と宙ぶらりんになったまま考える。
「兄さん、これ何?」
ジャムが弟に見つかった。
生憎こいつは言い訳が通じない骨だ。言い訳したら多分即刻ジャムをロイヤルガードのあの魚人に
引き渡すだろう。ならどうするか―――
―――正直に話すまでだ。
「あー、悪いなウォルケ。そいつをおろしてやってくれないか?そいつはニンゲンでな。
オイラの友達なんだ。」
そう言うと弟...ウォルケはゆるゆると目を見開き、
「.....うそでしょ?兄さんにトモダチができたなんて.....!」
.....は?
「あの晩年やる気のないぐうたら愚兄がついに家から出始めたと思えば....!!」
おい、実の弟にこんな事言われて泣かないのは無理があると思うんだ、僕。
「あー....あいつに渡さないのか?あっと...なんだっけ、シェーンに」
「んにゃ?兄さんのトモダチなんでしょ?渡さないけど。」
あー良かった。神様仏様トリエルジャムウォルケ全世界の神々に感謝.....なんて。
ようやく降ろされたジャムの顔は真っ赤だった。
「あーくらくらする...」
「大丈夫?ごめんね、オレはウォルケ。ロイヤルガード見習いのスケルトン。あ、ご飯食べてく?丁度マカロニが茹で上がったんだけど」
拝啓お母さん、死の危機はひとまず回避しました。
青い七月(26)
2027年──7月
「……もしもし、佐藤です」
受話器を手に取り、何回か相槌をうつ青年。右手ではメモを取っている。
「はい、分かりました…では、また」
通話を終えると、青年──佐藤那由多は長い息をつき、メモを見つめながら掠れた声で呟いた。
「やっと、だ……」
あれ…そのあと私、なんて答えたんだっけ。大事な部分が思い出せないなんて…
ただ、私があの時なんと答えていようが、彼が未だに目を覚まさない事実は変わらない。
彼は私のこと、どう思ってたんだろう。聞いとけばよかったな……
──彼が持っていたものはたくさんあった。人を惹きつけるカリスマ性。陽だまりのような微笑み。晴天のような爽やかさ。みんなから好かれる性格。
全部、私にはないもの…欲しくてたまらないもの。どうやったって手に入れられないものを彼は持っていて、憧れの中に嫉妬も混じっていた。
それが徐々に、特別な感情に変わっていった。
私が話しかけると、彼は必ず目を見て応えてくれる。
どれだけつまらない話でも、嫌な顔せずに聞いてくれる。
そんな些細なことでも、私の心が溶かされていくには十分だった。
例え“優等生”を演じるために貼り付けられた笑顔でも、取り繕っただけの偽りの優しさだとしても、私は彼のことが好きだ。
彼は私の初恋だった。生まれてからの15年間は、彼のために取っておいたと言ってもおかしくないくらいだ。
そんな彼の『殺してくれ』という頼み。私にだけ弱さを見せて頼んだということは、私のことが特別だったからなんじゃないか…なんて都合よく解釈した。
彼がいらないものは、私が欲しいものだ。彼が飽きてしまった“みんなから好かれる優等生”という存在は、私が求めていたものであり、憧れの存在だったのだ。
彼が持つ優しさも、カリスマ性も、人に好かれる才能も、私が欲した全てだった。
それを全て捨ててしまおうというのなら、いっそのこと私がもらってしまいたい。強くそう思った。
──ああ、思い出した。確かあの時、私はこう言ったんだ。
『……殺…すなんて、無理。でも、それでも本当に死にたいって思ったら…二階堂くんは私に、意識を渡して欲しい』
『…どういうこと?』
『そのままの意味だよ。私の中で生きればいい。ずっと、私と一緒にいてよ』
私は彼に死んで欲しくなかった。
だって、話してると楽しいから。
優しく応えてくれるから。
朝、おはようって微笑んで挨拶してくれるから。
難しい問題の解き方を教えてくれるから。
好きな漫画の話ができるから。
凛とした横顔が格好良いから。
見惚れてしまうほど綺麗な瞳をしてるから。
手を繋ぎたいと、触れたいと思わせてくれる人だったから。
好きでたまらないから。
無色だった私の人生に、色をくれた人だから。
『ねえ…二階堂くん』
その時も、彼はいつものように私の目を見てくれた。綺麗な瞳に私を映してくれた。
──君が死んだら、もう君の瞳に私は映らない。私と君の視線が交わることもない。
教室を見渡しても、君の姿を見つけることはできない。ただぽっかりと空いた君の席だけがそこにあるだけ。
帰り道に、二人で影を並べることもない。君の隣を歩くこともできない……
そんな思いが溢れ、目の前の彼が涙でぼやけた。
『…死なないで………』
頬を伝う涙は止まらず、砂浜へと落ちていった。
自分の中で彼がこんなにも大事な存在になっていたんだと気づいた。
涙を拭おうとしたその時、
『…ごめん』
彼はそう言って、私を抱きしめた。
一瞬、時が止まったように感じた。体温が一気に上がっていくような気がした。心臓が壊れそうなほど速く動いて、どうにかなりそうだった。
遠慮がちに背中に回された腕。彼の匂い。鼓動。
全てが私をくらくらさせた。
あと数秒抱きしめられていたら、きっと私は倒れていただろう。
私から離れた彼は、もう一度『ごめん』と言った。
『あんなこと言って、本当にごめん。あと…ありがとう』
そして頭を下げた。
『約束するよ。死なない、絶対に』
『…本当に?』
私が訊ねると、彼はしっかりと首を縦に振った。
真っ直ぐに、私を見つめたまま。
なのに、どうして────
約束、したじゃん。
──2027年5月22日午後7時45分ごろ、十関(とぜき)海岸波打ち際にて、制服を着た男子高校生が倒れているのが通行人によって発見された。男子高校生は溺水したと見られ、病院に搬送されたが、意識不明の重体である。
あの事故が地元のニュース番組で流れたのは、その翌朝の一度きりだ。
たまたまそれを目にした私は、ものすごく嫌な予感がして、すぐに二階堂優斗に電話をかけた。
だけど、その電話は何度かけても繋がることはなく、ただ無機質なコール音が響くだけだった。
──きっと、彼はまだ寝てるんだ。だから電話に出ないんだ。
しかも彼は、学校のない土曜日にわざわざ制服を着て夜の海に行くような人じゃない。
そう自分に言い聞かせて、なんとかして目の前が真っ暗になってしまわないように必死だった。
お願い、どうか、二階堂優斗じゃありませんように…そう祈りながら。
私は、それまで生きてきた中で一番大きな不安に囚われたまま一日を過ごした。
思い詰めた様子の私に、母は何があったのかと訊ねてきたけど、私はそれに上手く答えることができなかった。
そしてついに、夜になっても二階堂優斗から連絡が来ることはなかった。
何度彼に電話をかけても、聞こえるのは無機質なコール音と、生気を纏っていないロボットのアナウンスだけ。
私が聞きたいのは二階堂優斗の声だというのに。
一瞬、彼の家を訪ねようかと迷ったけどそれはできなかった。
もしそこに彼がいなかったとしたら……そう考えただけで恐ろしかった。そして何より、彼の家族に迷惑をかけるわけにはいかない、と。
明日だ。明日は月曜日。学校に行って、彼に会おう。彼の顔を一目見れば安心できる。きっと大丈夫だ。
私は不安を取り去るように、そう信じて眠りについた。
しかし翌日、二階堂優斗が登校することはなかった。
先生への恋!?(5)
これから「先生への恋!?」の小説を書くので、ぜひ見てください!
(本当の話ではありません…)
今更なんだすけど、登場人物紹介を行います。
主人公 松原 萌奈(まつばら もな)
小学6年3組。勉強はよくできて、A中学を受験する。小栗先生のことが好き。
小栗 圭(おぐり けい)
萌奈の行っている塾の算数の先生。けっこうなイケメンで、優しく、生徒から人気がある。30歳の独身。
坂口 健(さかぐち けん)
萌奈のクラスの担任の先生。実は、小栗先生と…?
永島 由紀(ながしま ゆき)
萌奈の行っている塾の国語の先生。小栗先生のことが好き。萌奈の受験を応援する。
浅井 結衣(あさい ゆい)
萌奈と同じクラスで、とても仲良し。けっこう勉強もできる子。
先生への恋ですか。
やっぱ先生に恋するものなんですか?
貴女に沈丁花を(216)
>見切り発車の小説<
>わずかな百合<
>表現能力の欠如<
>失踪しないようにがんばる<
>感想だけなら乱入どうぞ<
私より皆、儚い。
儚いから、美しい。
人って、そういうもの。
なら、私はーー、人じゃないね。
私はいつから存在していたんだろう。
老いもせず、死にもしない、存在。
あの人を見送ったのは、大体20億年前だったかな。
ーーーー最後の、人。
本当に、儚いね。
ああ、
良いな。
また、愛に触れられたらな。
なんて。私より長生きする人は、居ないのに。
少女は誰も居ない広野を歩く。
誰も居ない大陸を走る。
誰も居ない地球を眺める。
誰も居ない、この星系を。
そのまま、何年も、何年も。
>>213
蒼の城。······の、跡地。
心なしか、スミレ達が来た時より足場が狭くなっている。────たった半日のうちに。とはいえアクアベル1人ではまだまだ持て余しそうな程である。そんな歪な円形をした足場の端の方に、瓦礫を椅子にして、アクアベルは座っていた。
手にはいつもの杖。嵌められている碧色の鈴が、宵闇の中で微かに音を奏でている。
────彼女の目は閉じられている。だから海を見ているのか、それとも別の何かを何処か見ているのかは分からない。そもそも何も見ていないのかもしれない。無限に続く、暗闇以外は。
「······無限だった方が良かったかもね」
アクアベルが立ち上がる。その時杖が瓦礫の一つに当たり、微かな不協和音を奏でた。
「······その方が、諦めもつくから」
それでも、独語は止まらない。
全てを諦めたかのような静かな声調からは、表面上は何も感じられない。しかし、裏を返せば虚無なのである。希望も絶望もない、平坦な────平淡な、未来が······彼女には見えるのだろう。
しかし彼女にはまだ仕事が残っている。それは、その未来を破壊するための芽を育むこと。即ち────
「あった!······蒼の城!」
「······っ!」
今朝語ったばかりの事を、こんな早いうちに実行してくれた、4人を迎え入れ────
「······来たね。待ちくたびれたよ······っ!」
────予め作っておいた然るべき手段で、反撃の狼煙を上げることである。
およそ1時間強かけて大陸から戻ってきた4人は、今や大量の機械兵に捕捉され、全力の逃走劇を繰り広げていた。アクアベルからしたら、もはや蒼の城が殲滅済みと看做されなくなるので文句の1つでも言っていいところだが、そんな場合では無い。
計画の第2段階の時点に至っては、実行されたら後は比較的どうにかなるのである。それこそ、この後アクアベルが捕まりでもしない限りは。
杖を床に打ち付け、4人を瞬時に足場へと転送する。ネアに抱えられていたスミレを除き全員が走っている姿勢のままだったので、転送した後にすごい音がしたが気にしない。
そして、猛スピードで迫ってくる機械兵を引き付け────下からの一撃を食らわせた。
「あれは······蒼の城の構造物······!?」
あんな使い方もできたのか、といち早く現状を把握したスミレが目を瞬かせる。
彼女の目には、およそ5cm程に分割された構造物が、物理法則を無視した速さで下から機械兵を襲い、その装甲を次々と打ち破っていく光景が映っていた。
無人の機械兵が辿る運命はバランスを崩したことにより海の底に沈むか、核を撃ち抜かれ動きを止めて海の底に沈むか、その2つに限定されていた。しかしごく一部ではあるが、中に人が入った機械兵もいる。遠目でも、そして薄暗い中でも、肉が裂け血が噴き出す様がぼんやりと目視できる。
4人はどうしても陰鬱にならざるを得なかった。
途中からネアが魔法で参戦したこともあり、無数に居た機械は次第に数を減らしていった。ただし、
「そろそろ残弾も打ち止めだよ。まあ結構減らしたから後は何とかなると思うけど」
とのアクアベルの警告が入る。「必死にかき集めてた構造物の欠片が······」とのぼやきも併せて。
「······このために?」
「どうだろうね?······でもここで役に立ったのは事実だし······」
城を復旧させずに土台や足場を野ざらしにしていたのはこの為だったのか、と言わんばかりにスミレはアクアベルの方を見て質問する。若干躱される形にはなったが。
······元の城の大きさを考えると、構造物の破片はもっと多くなる筈である。更に遠くへ吹き飛ばされたか、粒子レベルまで粉々になったか。それはなかなか頭が痛い疑問であった。
出し惜しみか本当に無いのかは分からないが、途中から途切れがちであった欠片が途絶えた。それと同時に、ネアが放った氷魔法が最後の敵の腕を凍りつかせ、バランスを崩した機械兵が海の底へと消えていく。
「お疲れ様ー。みんな怪我は無い?」
「こっちの台詞だよ。······大丈夫、だよね?」
「2人ともそこまで。まずやることを終わさないと······」
早速2人の世界に突入しそうになったスミレとネアをアクアベルが引き戻す。······相手が相手なら叩き直すという表現が使われていたかも知れないが、それはともかく。
懐に仕舞っておいた2つの宝玉が、スミレからアクアベルに手渡される。
「暴発······しなかったみたいだね。よかった」
渡された側がそんな軽口を叩く。しかしスミレはやや本気にしてしまったらしく、不安そうに、
「······4つ一緒に置いておくと暴発、って言ってませんでしたっけ······?」
「実は4つ未満でも稀に暴発するんだよ。勿論確率は結構低いけど」
2つだったら無いに等しいから大丈夫、とアクアベルが付け足す。······果たしてそれは本当なのか、不安を払拭させる為の嘘なのか。
────ともかく、無事に運べたのである。スミレはそれ以上考えないことにした。
「じゃあいくよ。ちょっとだけ離れてて────」
気付けば、アクアベルは宝玉を並べ終わっていた。四角形か、円形か······等間隔に、それぞれ違う光を放つ玉が鎮座している。
······奇妙なものである。白、黄色、緑は勿論、灰色でも、光としか言い表せない光景が目の前にあるのだから。
ふと目線を逸らすと、シルバーベルとオレンジベルがいつの間にかアクアベルの傍に寄ってきていた。何かしらの力でもやり取りしているのだろうか、後者2人は触れ合いそうなほど近付いたきり、動きを止めてしまった。呼吸で僅かに動く胸のみが、彼女らが動いている証拠だった。
幻のような時間は終わる。
「······さぁ!起きて!もう一度······勇者達よ!!」
敵に居場所が悟られていることなど気にされなかった。
大袈裟な程の身振りと共に、呼び声が海の彼方まで響いていく。
【作者】東角和平【考察】(1)
この手の逆産が得意な作家は歴史もの、大河もの戦記ものが得意だ。
刀物語はその辺以外だった。
完全にヘビィノベルである。
これが私の意表を突いた!
この時、思い浮かべたキャラは戯れ言シリーズのヒロイン、赤い方である。
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