発端は本当に些細な事で
運命は常に終わらない*repeat
漫画やアニメでよく見るような冴えない主人公
取り柄なし、可愛くない、根暗とか言われ続けてきた
そんなこと、そんな事わかってる――……
運命は常に終わらない*D.C……
彼らのくだらないプライドが歯車の原動力となった
*repeat リピート 繰り返し
*D.C ダ・カーポ 始めに戻る
>>02 character data
>>03 作者より
character file
大津 乃流 Ootu Nairu ♀
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理条学園中等部2-R
成績不良、音痴+運動音痴、可愛くないと自分で言っている自信のない性格
病弱で倒れる事もよくあり、喘息など持病を持つ。
人生のどん底に陥り、今年両親を事故で亡くし、学園の寮へ引き取られた。
容姿は焦げ茶色のツインテール 身長155cm
水無月 颯 Minazuki Hayate ♂
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乃流のクラスメートで幼馴染
同じく寮に住んでいる
成績は中くらいで、運動全般が得意
喜瀬 凪木 Kise Naiki ♂
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乃流のクラスメート
成績はトップ、運動神経も良く、イケメンで、節火と人気を二分する
プライドが高く、節火と張り合っている
冷静でクールだが、よく笑ったりするので決して無表情ではない
小林 節火 Kobayashi sekka ♂
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乃流のクラスメート
頭脳明晰、スポーツ万能、整った顔立ちで、凪木と人気を二分する
凪木同様プライドが高い
明るく気さくな性格で、初対面でも親しみやすい
digest
成績不良、可愛くない、人生どん底の乃流。
そんな時、凪木と節火はどちらが人気か決着をつけようとしていた。
時計の針が差した出席番号の女子をどちらが先に惚れさせられるか。
それをよく思わない幼馴染の颯が邪魔をする……というありがちストーリー!
sakusha message
自称天使の事件手帳を執筆している(現在進行形)のレモンπです
多少魔法のiらんどなどで経験はあるものの、まだまだ未熟
正直、乃流は自分自身をモデルにしたので、少し実話っぽいです
ちなみに
大津 乃流 → 酸素(O2)
水無月 颯 → 水素(H)
喜瀬 凪木→ キセノン(Xe)
小林 節火→ コバルト(Co)と石灰水
このように名前を科学関係に基づいてつけています
テーマは禁断の恋...ではなく禁断の化学反応のつもりでした
コメント、感想宜しくお願いします!
成績は惨敗、運動音痴、可愛くないしスタイルだって――……
絵を描くのが得意だとか、歌が上手いとか、手先が器用とかは一切無し。
私は何の取り柄も……魅力も……金も家族も希望も夢も!
とにかく私に『特別』なモノなんてないんだ!
「この事を不完全燃焼と言い、有機物は……」
理科室から漂う薬品の臭いと、耳に入っては抜けてく先生の声。
ピカピカに洗練されて棚に並べられたフラスコに、自分の姿が歪んで映る。
ぼんやり頬杖をついて、虚ろな目で黒板を見据えた。
雑なシャーペンの字が並べられたやる気のないノート。
情報処理不可、思考回路麻痺、脳内爆裂、疲労炸裂。
「では大津さん、砂糖は有機物ですか?無機物ですか?」
唐突に自分が指名され、ハッとした。
有機物?無機物?
新種のハムスターとかシマリスとかですか?
確率は二分の一……ここは自分の直感を信じるしか――……
「……有機物……?」
自身なく、情けなく掠れた小声。
「ですね、砂糖は有機物です。まぁこれは初歩の初歩ですね」
そう言われると、こっちもかなりプレッシャーがかかる。
本当にそういうの、やめて欲しい――……
授業が終了し、次々と理科室から吐き出されて行く生徒。
入口、通路は女子が封鎖し、井戸端会議の会議場にされいた。
「あの……ちょっとそこ通りたいんだけど……」
別に怒るでもなく、迷惑そうにしてるでもなく、気弱な声で言った。
「あーすみませんねぇー。つか何その目、イラつくー」
何その目――……
昔から言われてきた言葉
私の目はいつも虚ろで、焦点の定まらない目だった
濁った瞳――……
みんなみたいに透き通ったビー玉の様な目は無くて
私の目はいつも蒸気を当てたような、曇って濁った汚い目
「うん……ありがとう」
私は少しだけ開いた通路を横切り、溜息をついた。
丁度その頃、中庭に二人の美少年がベンチに腰掛けていた。
バラ園の噴水の前で2人は女子達から逃亡し、まいたところで一息つく。
「凪木とまだ、決着つけてねぇよな。どっちがモテるか」
節火が空を見上げながら、さりげなく言った。
「じゃあこういうのはどうだ……?今時計の短針が差した時間の出席番号の
奴をどちらが先に落とせるか」
「おっいいね!もう即に落としてるかもしれないけどねっ」
節火は袖口を軽くたくし上げ、腕時計を見た。
「19……か」
「出席番号19つったら確か……大津じゃなかったか?」
「あぁ、楽勝ー!」
節火は口角を釣り上げ、不敵な笑みを浮かべた。
「僕に惚れない子はこの世にいないよっ」
「お前にはぜってー落とせねぇ」
今にも火花が見えそうな勢いで2人は睨み合った。
昼休み、2人は乃流を見つけると彼女に向かって走り出した。
彼女は噴水前のカフェテラスでランチボックスを片付けている。
周りでは女子が黄色い悲鳴をあげている。
「あのさ、大津さん」
凪木が一足先に乃流に声をかけた。
(ちっ、先を越されたか)
「は……っ!?はいなんでしょう!?」
乃流は冷や汗をかき、かなり動揺した様子だ。
「実はさ……前からずっと大津さんの事気になってて……付き合って下さい」
凪木はもうこれ以上ないというくらいに格好よく微笑んでみせた。
「あの……言っている意味がよく……」
なにこれ、現実?夢?いやいやありえない……夢だ、夢だ!
なんで公共の場で?しかも唐突すぎるし胡散臭いし!
え、何?どーゆー反応すればいいの?え?誰か助けて!
乃流は完全に古いwindousのごとくフリーズした。
当然周りもザワつく。
噴水前にいた女子、購買や食堂から様子を見に来た女子でごった返していた。
「そんなっ、どうして凪木様があんな平凡な女子と!?」
「あれって大津乃流じゃない、成績も良くないし可愛くないし」
女子は驚愕の言葉と乃流を罵る言葉で溢れかえっていた。
特にファンクラブの女子は恐ろしい視線を乃流に向ける。
「ごめんなさい、その……付き合えません」
(多分冗談だと思うし……女子の視線が怖い。ここは断っておこう……)
乃流はこれ以上ないというくらいに頭を下げた。
長い髪が虚しく揺れる。
「え、普通即答OKだろ!?なんで断る!」
「自意識過剰……」
乃流はジト目でぼそっと呟いた。
おじゃまします…
登場人物を化学式にあてはめるなんて、すごい発想ですね!
こんなふうに例えて恋愛を描くなんて…
みた瞬間、すごいな!と思いました!!
私事ですが、化学式とか結構好きなんですよー
これからの活躍、楽しみにしています!
ありがとうございます!
名前決めってなんか難しいんですよねー
自分は科学が好きなので関連させてみましたw