*キミと僕の止まった時間*

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1:いちか:2015/10/09(金) 01:08 ID:Oj.

キミと僕の止まったままの時間……。笑ったキミの笑顔はずっと止まったまま。君の中でもきっとそうだろう。……止まったままの時間がまた動き出す。

>>2/*キャラ*

2:いちか:2015/10/09(金) 01:15 ID:Oj.

*キャラ*

名前:坂本 叶(さかもと かなる)
性別:男
年齢:13歳

名前:有馬 輝(ありま あきら)
性別:女
年齢:13歳

名前:藤白 音羽(ふじしろ おとは)
性別:女
年齢:13歳

名前:渡部 巡(わたべ めぐる)
性別:男
年齢:13歳

あの日消えた夏の思い出、僕達はもう忘れない。

3:いちか:2015/10/10(土) 20:50 ID:Oj.


音羽、キミはいつも笑っていた。他の表情なんて見た事がないかもって思ってしまうくらい笑顔しか僕に見せてくれなかった。ねぇ?キミの笑顔がずっと僕の頭から離れない。僕はそのたびに涙を流す。もう一度止まった時間が動き出す事を願って。



真っ青な空に浮かぶ雲、そしてその下にいるちっぽけな僕。今日も思い続ける。音羽はなんで最後まで笑っていたんだろうって…。なんで最後まで人の事ばかり心配していたんだろうって。
あまり思い出したくない話だが、3年前音羽という真っ白な女の子が死んだ。音羽は僕の友達でいつも僕の事ばかりで自分の事は後回しにして、そしていつも笑っていたそんな女の子だった。そんな音羽が最後僕に言った言葉、それは、

『私は心配しないで。叶はまだまだこれからがあるの、物語の続きが。だから、ね?そんな悲しそうな顔をしないで。』

こんな感じだ。そこまで、そんな時にまで人の事ばっかり。少しは自分の事心配しろよ、そう思うのは俺も普通だと思う。自分の物語が終わるっていうのに…。

4:いちか:2015/10/11(日) 16:20 ID:Oj.

でもそんな音羽はいなくなった。

『…叶。私、ここにいるよ。泣かないで。私の名前呼んだだけなのに、ここにいるよ。ここに…。』

ふと今までの思考をさえぎる静かに囁かれた声に僕は聞き覚えがあった。

「…音羽?」

あたりを見渡す。誰もいない。目に入ったのは音羽のくれたプレゼント。音羽がいなくなってからずっと開けれずにいた青いリボンのついたプレゼント。僕は無意識にそのプレゼントを開けた。

「…これって、メガネ?」

あまりにも予想外のプレゼントに少し手が止まる、それでも手を伸ばし眼鏡を手に取りかけてみる。目の前には泣きながらも笑う音羽がいた。

『すっごく似合ってるよ。やっぱり叶にはコンタクトより眼鏡だね。』

「音羽⁉︎」

『えっ、叶…?見え…てるの?声、聞こえている?』

少し音羽から笑顔が消えた。ぽろぽろ涙がこぼれていた。僕も、音羽も。

「…あぁ、見えてるよ。」

あの時より少し音羽も大きくなっていた。身長は相変わらず僕より小さいが、他もいろいろ大きくなっていた。 (変態w)

『叶…!』

僕がそんな事を考えているうちに音羽は僕に抱きついていた。

5:いちか:2015/10/18(日) 11:09 ID:Oj.


流石に僕もだてに13歳やってるわけでもないので、顔が少しずつ火照っていくのがわかった。

「一旦離れろ。」

『えーー?ひどいよー、今の今まで誰にも気づいてもらえなくってひとりぼっちで……』

少しぶすっとした表情を見せ、文句を言う音羽は、大きくなっていても子供だった。

「……っていうかお前本当に音羽?まだ状況が理解できてないんだけど?」

『んー、なんかよくわからないけど、まだ死んでないみたいにその辺ふらふらしてて…?そんな状況が理解できないと言われても私のほうも理解できてなくて。』

「んで?今にいたると?わけわかんない話だな。」

『まぁ、これからここで匿ってもらおうと思ってるし、よろしく〜!』

「はい?」

僕と音羽の不思議で馬鹿みたいな日常はここから始まった。

6:いちか:2015/10/20(火) 23:40 ID:Oj.

ー第一章ー「居候」“isourou”


「……音羽さん?僕の家に居候したいと?」

『うん!そういうことー♪』

いやいや、まてまて。僕は自分の思考を簡単にまとめる。いきなり目の前に現れたのは亡くなったはずの音羽で、しかも僕にしか見えないらしくて……僕の家に居候したいと。僕がそんななかで通常より作りの悪い頭をフル回転させて思考を巡らせている間、音羽は僕の隣に座り、僕を見つめ答えを待つばかりだった。

『……叶、無理だったり嫌だったりしたら、無理矢理ってわけにもいかないから、その、あの』

音羽は少し申し訳なさそうに眉毛を“ハ”の字に下げながら言った。

「……僕が嫌とか無理とか言うと思うか?僕、そんなに悪い人じゃないよ。信じてよ。」

『えっと、信じてないとかそういうわけではないのだけれど、いきなり迷惑かなって。』

「……はぁ、だーかーらぁ”ーー!!僕そんなアホじゃないって言ってるの。まぁ、音羽の気持ちもわからなくもないからね。」

音羽はふんわり優しく『ありがとう。』と言って静かに笑った。

「おう。」

その笑顔が消えないでほしい、そう願うことしか僕にはやはりできなかった。


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