『ごめんね……』
その言葉を最後に、君はいなくなった。
不思議と僕は……
君が誰か、わからない。
3年前。
僕が中学3年生だった時、不思議な転校生がやってきた。
その子は2週間だけ、僕らのクラスメイトになった。
名は、月海和という。
特徴的な名前だったから、よく覚えている。
夏だったのに、長い黒髪をずっとおろしていた。
すっきりとした前髪の下に見える顔は整っていて、男子たちはいつ髪を上げるのかわくわくしていた。
その頃、僕は俗にいう【ガリ勉】で、女の子のことなんて興味を持ってなかった。
もちろん、月海和にも。
Character☁
高江 陽太 Takae Yuuta
雲海 月海和 Unnkai Ruuwa
偶然にも、僕と月海和は隣の席に……
にはならなかった。
でも僕は、月海和に恋をしたんだ。
きっかけは、委員会だった。
僕は栽培委員だったのだけれど、月海和も栽培委員会に入った。
小さい時から植物は好きで、小学生の時は環境委員会だった。
最初は、何も喋らない月海和にイライラするばかり。
月海和が植物に水をあげていた時、あいつは笑ってた。
その笑顔は、今でも忘れられない。
そんな月海和は、親の転勤が続いて……という理由で、他県へ引っ越してしまった。
ほとんどの男子が告白し、夢破れた。
僕も告白しようと思ってた。
でもみんな振られてて、告白しても意味ないと思った僕は、その気持ちをぐっと抑えた。
最後に握手した時……
涙が出そうになって、目尻に力を入れてわざとそっけなくした。
そんな月海和と、またこの時期に会うなんて。
思いもしてなかった。
高3の夏といえば、青春真っ盛りだけれど。
友達は彼女とでかけてて、正直暇だ。
この暑いのに、先生はなかなか冷房をつけないものだから、皆保冷剤やらなんやらを隠し持っている。
そんな時に、1人の転校生がやってきた。
名を、月海和という。
なかなか可愛い子だなぁ、と思った。
髪はシンプルにまとめていて、それが整った顔を引き立てている。
月海和は、僕の1つ前の席になった。
最初に席についた時、月海和は小さな声で
「陽太……くん?」
と言った。
なんで僕の名前を……知ってるんだろう。
「初対面だよね?」
僕が聞くと、
「あ……、えっと……ごめん、人違いかも」
月海和は少ししどろもどろになって、目線をずらす。
そう。今、僕は月海和を覚えていないんだ。
月海和はいつも、ある時間に姿を消す。
気になってついていくと、月海和の手にはじょうろがあった。
ん?と思いもう少し覗いていると、月海和は花壇の方に歩いて水をあげる。
このとき……なんだか見覚えのある笑顔が僕の目に映った。
一瞬だけ、記憶が蘇る。
あれ……。
僕、こいつのこと好きだった……?。¥
最後のやつは誤爆です。すみませんm(__)m
9:珱り:2016/09/16(金) 18:44 気づくとそこはベットだった。
「保健室……?」
「そうだよ。大丈夫?倒れてたらしいよ……。暑さだと思うけどねえ。」
「しっかりしろって〜!」
「まあ、何事も無くてよかったよ」
養護の先生、友達、担任の先生。
みんな心配してくれたんだ……。
「お前〜、校舎裏でなにしてたんだよ?」
「それは……っ」
それは……っ。
なに……してたんだっけ……?
教室に戻り席につくと、月海和が振り返る。
「大丈夫?しんどかったら言って?」
「ありがと……でも、暑さで倒れただけだから、多分大丈夫」
僕の言葉に、月海和はでも……と言いたげだったが、諦めて前を向く。
僕、ほんとに何してたんだろ。
+Character☁
小林 幸亜 Kobayasi Yukia
コメントは随時受け付け中です(*^^*)
ただ、雑談は控えていただけると嬉しいです
陽太どうしたんだろう。
そう思うことが増えてきた。
私は、陽太のことが好きで、この高校を選んだ。
私と陽太は幼馴染。
でも、最近の陽太はなんか……、変。
何かに取り憑かれているみたいだ。
思い当たることといえば、雲海さんだ。
雲海さんが転校してきた時から、いつもなにかを考えてるような気がする。
なにかあったんだうか……。
夏休みが終わり、秋になった。
この高校では、夏休みが終わるとすぐに林間学校というイベントが有る。
男女4人グループで新種の虫を探そうという趣旨だ。
ペア決めのとき、ちらっと月海和を見ると、1人でいた。
「なあ、雲海入れね?」
僕が提案すると、すでにグループとして決まっていた幸亜と考祐は快く受け入れてくれた。
「雲海、僕らのグループに入らない?」
「え……、いいの?」
ちょっと困惑気味な月海和だったが、その後幸亜が
「何いってんの〜、全然オッケ〜!」
とフォローしてくれたおかげで、月海和の表情が緩んだ。
「ありがとう」
あれ……
なんでこんなに嬉しいんだろう。
+Character☁
桑田 考祐 Kuwata Kousuke
Characterまとめ
Main Character
高江 陽太 Takae Yuuta
Sub Character
雲海 月海和 Unnkai Ruuwa
桑田 考祐 Kuwata Kousuke
小林 幸亜 Kobayasi Yukia
無駄話
私の名前は、【くびかざり】(珱り)です。
林間学校1日目の朝は早い。
集合時間は6時30分と、遅刻組にとってはかなりきつい数字である。
僕はいつも早起きな方だけれど、念には念を。
昨日は10時に寝た。
少し眠気が残るなか校庭に行くと、15分前でもかなりの人が集まっていた。
「おは〜陽太」
こちらも眠そうな幸亜。
しかし髪はバッチリキメている。
「俺のほうが早かったな〜陽太!」
考祐はサッカー部でいつも朝が早いので余裕な表情だ。
月海和を探すと、もうすでに列に並んでいた。
とりあえず、グループのメンバーはそろっていたことにホッとして、僕も列に入る。
月海和に軽く挨拶をして、人の間をすり抜けていく。
なんでこんなに、
ドキドキしてるんだろう。
私……、林間学校が終わったら……。
20:珱り:2016/09/16(金) 21:14 バスの座席はくじで決めた。
僕の隣は月海和。
こんな偶然ってあるのだろうか。
月海和はあまり話す方ではないので、皆がわいわいしている中、僕らだけが黙っていた。
「あの……さ、陽太くんって、そのっ……。」
唐突に月海和が口を開く。
だが、また黙りこんでしまった。
「林間学校、楽しみだね」
ここは僕が場を盛り上げないと……。
謎の責任を背負う僕。
「あ……うん、楽しみだね」
「虫、詳しい?」
「いや……あんまり、好きじゃないから」
「僕も、男なのにね……」
また、会話が続かない。
僕も月海和もそこまで話が上手ではない。
沈黙が続く中、バスは旅館へと進む。
読者さんってだれかいらっしゃるのでしょうか?
22:珱り:2016/09/16(金) 21:15いらっしゃるのであれば、できればコメント頂きたいですm(__)m
23:珱り:2016/09/16(金) 21:17更新ペース上げていきます!多分!
24:桜咲:2016/09/16(金) 21:18名前変えました。【さくらさく】です。
25:桜咲:2016/09/16(金) 21:28 「うわー気持ちいい!」
ん〜と背伸びをすると、涼しい風が吹く。
「ではこれから新種捜索開始!まだ新種を見つけた先輩はいないから、見つけたら凄いぞ!」
先生の合図が聞こえると、皆一斉に走りだす。
うちのグループはそこまで走らず、あくまで林を探索するという目的。
自然の中を歩いていると、不思議な感覚に陥る。
まるで……
まるで、異世界に迷い込んだように。
「あれっ、まって!?」
ずっと地図を見ていた幸亜が急に大声をあげた。
「なんだよ」
考祐は長い間歩いていたせいか、少しイライラしている。
「ここ……地図に書いてない!」
幸亜が叫んだ瞬間、皆地図を取り出す。
「ほんとだ……こんな大きな展望台、描いてないはずないですから」
いつもは落ち着いた様子の月海和も眉間にしわを寄せる。
「やべぇぞ、俺ら」
「僕ら、完全に……」
「「「「迷ってる?!」」」」
更新今日は終わりです。
長くなってしまってすみません(^_^;)
僕らは、完全にこの林の中で、迷ってる。
まずは展望台で、自分たちの位置を調べる。
「あれ……、多分、集合するとこ……」
月海和が指差す先には、確かに見覚えのある建物があった。
「結構遠いし暗いけど、走るしかない!行くよ!」
リーダーシップのある幸亜がそう言うと、誰も反論することなく、ひたすら走った。
月海和はそこまで運動神経が良くないと思っていたけれど、かなりスタミナはあった。
かれこれ2時間くらい進んでいると、木々の先に薄っすらと光が見える。
「ふぅ……、ラストスパート!頑張ろ!」
3、2、1、あと……一歩。
「ついた……っ」
「ちょっと待って!」
月海和が僕らを引き止める。
「みて……これ、綺麗な蝶」
見ると、そこには青と白の美しい蝶が、葉にとまっていた。
「まってこれ……こんなの見たことある?」
「いやぁ、ここだけのやつとかかも……」
言われてみれば、こんな蝶、見たことないけれど……。
「まぁ、でも、一応とっておこ?」
僕がそう言うと、月海和がコクコクとうなずく。
「まぁ、他のやつらがこの蝶とっててそれが新種!ってなってたら最悪だしな」
考祐がゴソゴソと大きなバッグから網を取り出す。
「一発で仕留めて!」
「あいよっ!」
考祐が網を蝶に向かって振りかざす。
すると。
「あれっ……、消えた!?」
考祐の持っている網にも、周りにも……。
蝶なんていなかった。
この物語は完結しそうです(●´ω`●)
31:桜咲:2016/09/17(土) 10:12 「不思議な事って、あるんだよ」
私が小さい時、ママはそう言った。
強い思いこそあれば、奇跡だっておこせるって……
私はその奇跡を
おこせるのだろうか……っ。
「不思議な事ってあるんだねっ……」
「あれはびっくりするよな〜」
「ほんと。あの蝶どこ行ったんだろう」
ホテルに戻った僕らは、エントランスで【あの蝶】について話し合っていた。
あんな不思議な事って起こるのだろうか。
「幻覚だったんじゃないの?」
幸亜の意見は一理あるけど、皆が幻覚を見てるなんて……。
ちょっと違う気がする。
「まぁ……明日は早いし、とりあえず寝よ?」
幸亜が言った。確かに、目が眠そうだ。
「うん……じゃあまた明日……」
僕らが椅子から立とうとした時……。
「お願い……待ってっ……」
月海和が僕の服の裾を掴んだ。
「どうしたんだよ?」
考祐と幸亜が振り向く。
「っ……!!」
幸亜が、絶句した。
それもそのはず……。
月海和と僕、今キスしてるから……。
『……』多すぎましたm(_ _)m
読みにくかったらごめんなさい
「っおい!離れろって!」
月海和を離す。
「人の前で何すんだよ!」
僕がきつく言うと、月海和はうつむいた。
「ご、ごめん」
「っ、もう寝てくる」
場が悪くなっってしまい、僕はそそくさと部屋に戻った。
同じ部屋の考祐は、ベットに横たわったままだ。
「どうすんの?」
僕が明日の支度をしている時、考祐が言った。
「どうするって……」
「どうするって言われても……」
周りの部屋は電気もついておらず、起きているのは僕らだけのようだ。
「雲海、絶対お前のこと好きだって!」
急に考祐が起き上がる。
「そんなこと言われても……」
好きでもない人に好きって言われて……
あれ?誰にキスされんたんだっけ……。
次の日。
体を揺らされ起きると、目の前には幸亜と結子が居た。
「早く!遅刻したら私達が怒られんのよ!はいっ!」
結子がベットから僕と考祐を落とす。
なんつー馬鹿力。
僕らは慌てて身支度をし、ダッシュでエントランスへ向かった。
「あーっ!先生、来ました!」
幸亜が声を上げた。
少し目を気にしながら、体育座りをする。
「じつは……、この中で新種らしき虫を見つけたチームがいるぞ!」
熱血教師のこの言葉に、皆がおおっと沸いた。
「これだ!」
僕は後ろの方に居たので、必死に体を前に倒す。
「うわぁ〜、綺麗な蝶……」
それは、青と白の小さめの蝶だった。
「陽太、めっちゃ綺麗じゃない?あれ!」
横に居た幸亜は、目をキラキラさせている。
「あれさ」
考祐が怪訝そうな顔をする。
「なんか、見たことある気がするんだけど……」
+Character☁
登代 結子 Toyo Yuko
「はぁ?見たことあるわけ無いじゃん。私らが見たの、オレンジの地味な蝶だけだし」
幸亜がもっともな事を言う。
「いや、なんかさ……」
でも考祐は、まだ納得していない様子だ。
「見間違いとかじゃない?花であんな感じのはあると思うよ」
僕が言うと、結子もうんうんとうなずいた。
「えぇ……見間違いじゃないと思うんだけどなぁ……まあでも俺以外に見た奴いねぇし、そうかもなぁ」
ポリポリと頭をかく考祐。
「もう、変なこと言わないでよ、ドキドキしたじゃんか」
結子がコツンと考祐の頭を小突く。
でも……
僕も花じゃない?とか言ってたけど。
確かに、見たことあるような気がするんだ。
あの、青と白の蝶を……。
もしかしたら今、物語がどういった展開なのかわからない方もいらっしゃるかもしれないのですが、あえて解説はしないようにしようと思います。
解説は終わってからしようかな〜と考えています(*^^*)
>>38の結子のセリフ「ドキドキ」は、『見つけていたのに採らなかったのかと思った』という意味になります(๑´ڡ`๑)
41:ルルー◆zI:2016/09/17(土) 17:13 今、この話読ませてもらいました
ドキドキですね!
初めてのコメント……(´;ω;`)
ありがとうございます!
この物語は自分で書いてて楽しいです(*^^*)
いえいえ
読んでいて、おもしろいです!
これからも読ませてもらいますー
はい!
お暇な時に読んでくださいな(*´ω`*)
もっと書く気出てきたー!!
これからもガンバってねー!
ぜひ読ませてもらいますー
また陽太くんから逃げちゃった……。
頑張って……その……キ、キスしたけど。
私には恋なんてできないのかな……。
でも、私にはもう時間が……っ。
林間学校2日目は【T林を守る会】が作成したワークシートを使い、自然について学ぶ。
今日はクラス行動なので、昨日のように迷うことはなさそうだ。
T林は日本では知名度がある方だそうで、チラチラ他の学校の生徒も見える。
ワークシートにはここにある池のことについても書かれていた。
T林が有名になった一つの理由である月海池【ツキミイケ】は、日本有数の透明度らしい。
「見てみて!月海池の写真!綺麗だね〜」
幸亜が指差す先には、まるで船が浮いているように見えるほど綺麗な月海池の写真があった。
「日本にもこんなとこあったんだな〜、月海池かぁ。へぇ〜」
考祐が幸亜の持っていたパンフレットを取る。
「勝手に取るな!それに、【ルウイケ】じゃないし。【ツキミイケ】だし!」
「逆によくそんな難しい読み方したね〜」
3人が笑っている中、僕だけが考え込んでいた。
月海池……、ルウ……?
る、る……
るうわ……?
月海和……
誰……、なんだ……?
【自己消去能力】
50:ルルー◆zI:2016/09/17(土) 18:06いきなりキスはびっくり!
51:桜咲:2016/09/17(土) 18:09 >>50
ですよね(^_^;)
月海和、思い切ったことしましたΣ(゚Д゚)
ほかにもビックリはたくさんあります!
発想おもしろい( ^)o(^ )
>>52
ありがとうございます!
≫53
こちらこそありがとうございます
今さらいうのもなんですが
タメokですか?
「なぁ、幸亜」
聞いたことがあるけど何かわからないこの言葉。
幼馴染な幸亜なら、なにか知っているかもしれない。
「月海和って、なんかしってる?」
すると幸亜は僕の事を叩く。
「考祐に続いてお前もか!月海和じゃなくて、【つきみいけ】!」
「いやっ、そうじゃなくて」
「あ、先生呼んでる!はい、走ろう!」
幸亜が僕の手を掴んで走りだす。
結局、せっかく思い出したこの言葉……【月海和】について、何もわからないままだった。
>>54
タメいいですよ〜!
でも私がタメ苦手なので……すいませんm(_ _)m
≫56
よかったー
別に苦手でも大丈夫だよー
>>57
ありがとー☆
『やめろって!』
『ご、ごめん』
『っ、もう寝てくる』
!
なんなんだ、さっきの……。
変な夢を見てしまった。
知らない女の子が出てきて……。
知らない……?
違う、知ってるはず。
知ってるんだ、あの子の事……、でも思い出せない。
あの子は誰だ!?
誰、なんだよ……。
100丁度で終わりたいなぁ〜笑
61:桜咲:2016/09/18(日) 12:12 林間学校という高校生活最後のイベントが終わった頃、1人の転校生がやってきた。
名を、月海和という。
「あ!」
そいつが前に現れた時、思わず声を出してしまった。
「美人だからって驚き過ぎだぞ〜」
考祐が軽い冗談をいうと、クラスがどっと笑った。
僕が驚いたのは、そんな理由じゃない。
月海和……、夢に出てきた女の子にそっくりなんだ……。
≫60
終われると思うよー!
小説の展開分かってきたかもw
>>62
あるあるな展開だからねww
「僕らって、会ったこと、ある?」
月海和が僕の前の席についた時、僕は思い切って聞いてみた。
「ん……と、」
月海和は一旦下を向いてから、
「多分……、ない、うん、ない」
となんだかぎこちない答えを出す。
僕には、それが嘘を付いている用に見えて……、僕も合った記憶はないけど、感覚が残ってる。
それに、今の返事。
何も知ってなかったら、答えるのにあんな時間がかからないと思う。
僕は、また少し経ってから聞くことにした。
月海和に遠慮したら、この謎は一生解けないままだから……。
えぇ?!
なんで陽太くんの記憶、消えてないの!?
月海和が来て2週間ほどたった頃。
「実は、雲海さんが転校することになりました」
担任からの急な発表に、教室から「え〜」、という声が漏れる。
「なんで引っ越すの?」
幸亜が聞くと、月海和は小さな声で
「親の……転勤で。職場を動きやすい仕事だから」
と答えた。
その時、僕はいてもたってもいられなくて、休み時間になってから放課後会えないか聞きに行くと、月海和は15分くらいなら……と渋々受
け入れてくれた。
この15分で……
聞きたいことを全て聞かないと……。
ああ……、私のバカっ……。
結局、また逃げてる。
このままじゃ変わらない……。
この15分で……
言わなきゃいけないことを全て言わないと……。
放課後になった。
僕は、一応お洒落な服で行くことにした。
最後に会うわけだし、しっかりした服で行かないと失礼なような気がしてしまったから。
メモやボイスレコーダーなんかも、一応持っていくことにした。
忘れたら、全てパーになってしまう。
質問は事前に考えている。
結構行く前にやることがあったのに、待ち合わせの公園についたのは10分前だった。
暇だったのでブランコに座っていると、バタバタと慌ただしく月海和が走ってくる。
よし、と僕はブランコを降りた。
ああ、いよいよ放課後だ……。
私は、一応お洒落な服を着ていくことにした。
好きな人と、最後に会うんだから……。
どうせなら、最後は可愛い自分を見てほしい。
陽太くんのことだから、きっと待ち合わせの時間よりかなり前に来るだろう。
そう思って、準備は帰ってすぐに始めたものの、服選びにかなりの時間がかかってしまった。
待ち合わせ時間5分前に慌ただしく公園へ向かうと、陽太くんは案の定ブランコに座っていた。
私は身を引き締めて、口を開いた。
「ごめんね……っ」
かなり走ってきたのか、月海和はハアハアと息が荒れている。
「ううん、僕、早く来ちゃったから」
「そっか」
少し沈黙があってから、
「「あの!」」
2人の声が重なる。
「あ、ごめん、先いいよ」
月海和がそう言ってくれたので、僕から話し始めることにした。
「じゃあ、先に……」
僕はバックからメモを出し、念のため、ボイスレコーダーの電源を入れた。
「あのさ」
「うん」
「もう1回、答えて欲しいんだ」
この僕の言葉に、月海和がビクッと反応した。
うん、間違いない。
月海和は、確実に何かを知っている。
「僕と雲海、前もあったこと……あるの?」
ここはあえて、『あるよね?』と自分の考えを前には出さずに質問した。
〜ここからネタバレです〜
「…………、あるよ、もう2回も」
2回……!
僕が思っていたより多い数字に驚いた。
でも、なんで2回もあってるんだ?1回でいいんじゃ……。
僕がずっと黙って考えていると、僕が考えていることを悟ったのか、月海和が喋り出した。
「実は、私、1回陽太くんに会って、記憶……、け、消してるの」
記憶を……、消す?
「自己消去能力……、知ってる?知らないよね、こんなの」
【自己消去能力】……、この聞きなれない言葉に僕が固まっていると、
「えっと、要するに人から自分についての記憶を消せる能力、ってこと……」
なるほど……。
「でも、なんで……」
すると月海和はうつむきながら、
「好きだったからだよ……」
とつぶやいた。
「最初の1週間で、もう好きになってた。でも告白する勇気がなかった。このままじゃ嫌だと思って、どうせなら記憶を消したほうがいい
かなって……。だから、高校であえて、すごく嬉しかった。でも林間学校が終わったら、また引っ越すって聞いてたの。だから、少しで
も長い時間一緒にいたくて、あの青と白の蝶を作ったの。また告白できなかったから、その、記憶を消そうと思ったんだけど、悔しく
て……、それで、その……き、キスしたの……。でも、完全に私についての記憶を消すのは、キス、できた今のほうがいいと思って、1日
目に記憶を消した。でもその後、やっぱり完全に消えるのが嫌で、目立ちたがりやの人が居る人がホテルから出てきたところを狙って蝶を
飛ばした。記憶は消えてたと思ってたけど……消えてなかったんだね」
このことを知ったところで、僕はほとんどなんのことかわからなかった。
でも、青と白の蝶を見たことがあるっていう考祐は正しかったんだ。
そして……月海和が僕を好きだってことも。
ごめんなさい、ちょいちょい文の空け方がおかしいところあります(^_^;)
72:桜咲:2016/09/18(日) 20:55 もし、「え?なんで?」と思うことがあったら言ってください。
わかりにくく書いてしまったところと、矛盾に気づかず書いている場合とあるのですが……(^_^;)
自分でも恐ろしいほどの速さww
3日でここまで進むとは……!
「うぅ……グス」
ずっと歯を食いしばっていた月海和が、とうとう泣き出した。
「あぁ……ごめん、やっと、告白……?できたから……」
なんだか僕が泣かせてるみたいじゃないか。
「おい、泣くな!はい、ハンカチ」
僕がハンカチを渡すと、月海和は「あ、ありがとう」と言って涙を拭いた。
「また、記憶、消すの……?」
「うん、消したくないけど、能力知られちゃったから……、ごめんね」
消されちゃうんだ……。
「また、会える?」
「うん、きっと。また会えるよ……、じゃあ、記憶……消すね?」
月海和が皆の記憶を消そうとした時、僕は一番言いたいことを言おうとした。
「あのさ」
月海和が一瞬だけ、動きを止める。
「僕、また会ったら、きっと、言うと思う」
だめだ、涙、でそう。
「好きですって!」
出せるだけの声を出した。
月海和はまた泣いて、そして、
「じゃあ私も、また告白するよ、陽太くんに」
と笑った。
「次に会うときは、陽太、でいいよ」
「うん、頑張って言ってみる」
「じゃあ……」
「「ばいばい」」
目を覚ますと、目の前にかわいい女の子がいた。
受験前の大切な時期に、なにフラフラ歩いてるんだよ、自分。
頭をコンと自分で突いて、家に帰ろうとした。
すると、その女の子が口を開く。
「ごめんね。」
不思議と僕は、君が誰か、わからない。
Epilogue
!
なんだ、夢か……。
あまりにリアルな夢だった。
僕は身支度をして、1階に降りる。
朝ごはんを食べていると、チャイムが鳴った。
ドアを開けると考祐が
「おそいぞー!」
と家の中に入ってきた。
え?と思いながら掛け時計を見ると、うわっ、もう時間だ!
慌ててバックを取って、考祐に
「ごめんごめん」
と言いながら自転車を出す。
「そいえば、早く行った小林からメールがきたんだけどさ」
考祐が信号を待つ間、ものがごちゃごちゃとしているリュックからケータイを出した。
「俺らの学科に、首席が居るらしいぜ」
おお、それは凄い……!
「あの大学、女子の割合少ないし、しかも美人らしい!俺らちょーラッキー!」
へぇ……。
一体、どんな人なんだろうな。
入学式早々遅刻したら大変だ。
僕らは自転車を思いっきり漕いで、大学へ向かった。
ーENDー
78:桜咲:2016/09/19(月) 13:53 これにて【君が泣いた時】終了です。
読んでくれて、どうも有難うございましたm(_ _)m
所々「ん?」と思うところはあったかもしれませんが、多めに見てください(^_^;)
感想や批評などはまだ受け付けます(*^^*)
ぜひコメントしてくださいね!
(くそう……100で終われなかったぜ)
80:ルルー◆Lck:2016/09/19(月) 19:27 おもしろかったよー
100でおわれなかったけどめっちゃ良かった!
>>ありがとー!!
100で終われなかったのは未だに悔しいよ笑
次の小説もぜひ読んでね(*´ω`*)
ぜひ読ませてもらいます!ww
83:桜咲:2016/09/19(月) 19:59 >>82
はい!ぜひ(新しいの全然考えてないけど……)
次作決定です!おまたせいたしました!
というか、ちょいちょい挑戦していたんですけど、続かなかったんです……。
今回も似たような小説になるかと思いますが、どうぞ、よろしくお願いします!
こんばんは〜青蓮です。遅れてすみません。
完結済みということで一通り読ませていただきました。
率直に言うとストーリーがよく理解できませんでした。
アイデアを必死に出されたんだろうなーというのは感じましたがそれだけです。
内容がよく理解できませんでした。とはいえ、文才が無いというわけではないかと……冒頭部分はきちんと理解できましたので。
ただ、時代(いつ)の混在(話が何度もさかのぼる)。情報の混在(矛盾)。視点の混在(キャラの視点がコロコロ変わる)が本編で何度も起きているのが問題です。
矛盾はともかく、時代や視点を変えていいのは1話の中で最低1回。むしろ変えないのが基本です。なぜなら、時代や視点は読者が本を読むうえでの最も大切なハシラ。「この時代、このキャラクターを通して、見て、聞いている」ということが分かって初めて読者は物語に入り始めるんです。
細かいことを言ってもなかなか難しいので、アドバイスとしては『プロットを打ってみる』のはどうでしょう。いわば『物語全部の設計図』ラストのネタバレまで書くあらすじです。
(私のスレッドで「あらすじは難しい」と言っていたので、簡単ではないかもしれませんが……)
時代・場所(いつどこで)を書いて、そこで起こる何か(誰が、何を、どうして、どうやって、そしてどうなったのか)について、まとめてみてください。
面倒くさいと思うかもしれませんが……。
*以下本編より切り抜き。
「そいえば、早く行った小林からメールがきたんだけどさ」
「俺らの学科に、首席が居るらしいぜ」
おお、それは凄い……!
「あの大学、女子の割合少ないし、しかも美人らしい!俺らちょーラッキー!」
↑主席が女子なんて情報あったかな……(汗)
というように、作者が頭の中で描いてる世界を整理しないで吐き出すと、読者には理解できないパターンがよくあるんです……。(3日で書かれたとのことで、それにしては力作だとは思いますが……)
1度ではなく2度。自己消去能力というアイデアは素晴らしいと思います。
伏線や物語の筋道を整理すればかなり伸びる作品だと思うので次回作の参考にしてみて下さい。
それでは〜。
すみません、下げてました。
分かりにくいので上げておきます。
>>85
ありがとうございます!
ですよね(-_-;)
作者なので話の内容がわかっているので、どうしても情報が少なくなることはわかっていたのですが……まさかここまでとは。
視点については○○sideと明記していない部分もあるので、すごく読みにくいと思います。
私はあまり情報を書きたくないというか、読者様に想像して欲しいというか__でこんな小説になったんですが、読者様に想像させすぎました苦笑
____________________________________
・時間,視点,矛盾の混在↓
矛盾→実は私、プロットなどを書いたことがなくて__というか苦手なんですよね(*_*)その時にバーって書いちゃうかんじです(どうでもいい)。簡単なあらすじを書いてから書き始めてみます!
視点→いろいろな人の視点があったほうが……と思っていたんですが、今読み返すと途中で
「は!?さっきこうやって言ってたじゃん!じゃあこの視点だれからだよ!」
ってなりました(´・ω:;.:...
不必要な視点は無くすようにし、できるだけ○○sideと明記するようにします。
・主席が女子という情報が無い↓
私も投稿した後に気が付きました……後で付け足したほうが良かったですね……すみませんm(_ _)m
・アイデアについて↓
有難うございます!私自身もなんでこんなアイデアが出たのか理解できません(ヾノ・∀・`)
________________________________________
今回は私の作品の評価、有難うございます(*´艸`*)
頑張ってもっと良い小説書きます!(あれ、これって青蓮様のスレに書いたほうが良かったのか?)
もしそちらのスレに書いたほうが良いのであれば書きますので。
私が青蓮様のコメントの読み取り方を間違っているようでしたら言ってください。
本当に有難うございましたm(_ _)m
何か不思議なヒロインだね