初めまして、葉月です。
此処でオリジナル小説を書いていきます。
更新は暇な時にするので、早かったり遅かったりします。
荒らしやなりすましはしないでください。
コメントやアドバイスなどがあれば、教えていただけると嬉しいです。
宜しくお願いします!
〜登場人物〜
*神田 未来(かんだ みらい)
中学1年生。1年1組。
この物語の主人公。
引っ込み思案で臆病者だが、優しい性格をしている。
幼い頃に両親を亡くし、兄と義姉と甥と姪と暮らしている。
*中川 夢歩(なかがわ ゆめほ)
中学1年生。1年2組。
明るい性格で、しっかりしている。
未来の幼なじみで唯一の友達であり親友。
*高崎 柊真(たかざき とうま)
中学1年生。1年1組で未来のクラスメイト。
クラスでは男子にも女子にも人気があり、リーダー的存在。
明るくて、少し子供っぽい性格をしている。
*藤田 紘太(ふじた こうた)
中学1年生。1年2組で夢歩と同じクラス。
柊真の幼なじみで親友。
クラスでは男子にも女子にも人気があり、リーダー的存在。
優しい性格で大人っぽい。
大体こんな感じです。
また登場人物が増えたり、追加設定は書いていきます。
基本は未来視点ですが、たまに別の人視点だったりします。
4:葉月◆UQ:2016/10/30(日) 12:03 第1話 夢
此処は…何処…?
知らない人たちだ…
「ねぇねぇ知ってる?神田さんって親が居ないんだって!」
な、なんで知ってるの…?
「うっわ〜、カワイソw」
皆そう言うよね…
「10年ぐらい前の飲酒運転をしていた大型トラックと乗用車の事故知ってる?」
それがどうしたの…
「あぁ〜、幼稚園の年少の時ぐらいの事故だけど、今でも有名なやつ?」
知ってるんだ…
「神田さんってその事故の被害者らしいよ〜」
な、なんで知ってるの…
「うっわ、疫病神じゃんw消えてほしいなw」
疫病神とか言わないで…!
そう言いたいのに声が出ない…
「おい!!神田にそう言うのやめたれよ!!」
え…誰…?
_______________________________
「ん…」
目を開いて視界に入ったのは見慣れた私の部屋。
どうやら夢だったみたい…
時計を見ると4時半。
いつもより少しだけ早いけど、もう起きることにした。
第2話 家族
とりあえず、私は着替えて顔を洗いに洗面所に向かった。
洗面所にはすでにお兄ちゃんが居た。
「お、未来おはよう。随分と起きるのが早いじゃないか。」
「お兄ちゃん、おはよう。ちょっと夢見ちゃって目が覚めたの。」
お兄ちゃんは私より20歳年上。
兄妹だけど、かなり年齢が離れている。
「変な夢でも見たのか…?」
お兄ちゃんは私を心配してくれる。
10年前にお母さんとお父さんが亡くなってから、ずっと私を育ててくれた。
「うん、ちょっと変な夢だったけど大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」
「大丈夫なら良かった。今日は入学式だし、不安が夢になったんだろうな。」
「多分そうだね。」
お兄ちゃんと少し会話して、お兄ちゃんはダイニングに行った。
私も顔を洗い、歯を磨いてダイニングに行った。
「あら、未来ちゃん、おはよう。随分と早いわね。」
お兄ちゃんのお嫁さんの遥香さん。
私のお義姉さんでもある。
「お義姉さん、おはようございます。夢見ちゃって目が覚めちゃったので…」
お義姉さんはお兄ちゃんのお弁当を作ったり、朝食を作ったりしていた。
「そうなのね、ちょっと顔色悪いけど、大丈夫?」
お義姉さんはいつも私の事を心配してくれる。
「ちょっと嫌な夢を見たので…もう大丈夫です。」
「大丈夫なら良かった。いつもより早いけどもう朝ごはん食べる?」
「はい、頂きたいです。」
私は椅子に座ってお義姉さんからお味噌汁を受け取った。
隣でお兄ちゃんがお味噌汁をすすりながら、
「今日も遥香の味噌汁は旨いっ!」
と言っていた。
私も一口お味噌汁を飲んだ。
「今日も遥香さんのお味噌汁、美味しいです。」
「良かった、頑張った甲斐があったわ。」
お義姉さんは笑った。
私はのんびりとお義姉さんが作った朝ごはんを食べてから、部屋に戻って本を読んだ。
葉月みーっけ!
ほかのとこじゃ更新早いのに、ここだと遅いねw
ま、初の恋愛小説みたいじゃん?←
早く続き見たいから、更新早めによろ!(ゝω・´)
みーたんだ〜(((o(*゜▽゜*)o)))w
えへ、ほかのとこじゃ書きやすいしねw
恋愛って自分自身がそんな経験してないから、あんまり案が浮かばないのよw
更新スピード?
んー、できるだけ頑張る…
もしかしたら、リア友来るかもしれないw
第3話 陽太くんと陽菜ちゃん
7時を過ぎると、明るい声が聞こえてきた。
「お母さん!おはよう!」
「んー…お母さん、おはよー…」
甥の陽太くんと姪の陽菜ちゃんの声だった。
「陽太も陽菜もおはよう。」
お義姉さんが挨拶する。
部屋のドアがノックされて、しばらくするとドアが開いた。
「お姉ちゃん、おはよう!」
「お姉ちゃん、おはよー…」
「陽太くん、陽菜ちゃん、おはよう。」
陽太くんと陽菜ちゃんが入ってきて、挨拶をしてくれた。
陽菜ちゃんはまだ眠たそう。
陽太くんと陽菜ちゃんは挨拶すると、顔を洗いに行った。
陽太くんと陽菜ちゃんにとって私は叔母なんだけど、
そんなに年も離れてないから私をお姉ちゃんと呼んでいる。
私も姉弟みたいな感じで育ったから、甥と姪より、姉弟の感じがする。
ここで未来のお兄ちゃん一家のご紹介。
*神田 冬樹(かんだ ふゆき)
未来の兄。
建設会社に勤めている。
10年前に両親を亡くしてから、ずっと一家を支えている。
8年前に大学で知り合った遥香と結婚。
息子の陽太と娘の陽菜がいる。
*神田 遥香(かんだ はるか)
冬樹の妻で、未来の義姉で、陽太と陽菜も母。
8年前に冬樹と結婚。
義妹の未来を本当の娘のように可愛がっている。
*神田 陽太(かんだ ようた)
未来の甥。新小学校1年生。
未来を本当のお姉ちゃんと思っている。
明るくて元気。
*神田 陽菜(かんだ ひな)
未来の姪。新幼稚園の年中。
未来を本当のお姉ちゃんと思っている。
未来が大好き。
人なつっこい。
来たぜ!
恋愛系か…ププッ
優星との物語じゃないのか??←←
優星は全く関係ございません←
12:葉月◆UQ:2016/11/23(水) 15:55 第4話 準備
私はそろそろ学校に行く準備をした。
壁に掛けてある制服に袖を通す。
制服は赤色のリボンに紺色のブレザーとスカート。
色合いが落ち着いていて、私は気に入っている。
制服を着るだけで何か気分も違う。
髪にお気に入りのバレッタを付ける。
亡くなったお母さんの形見の物。
寝る時やお風呂の時など、そういう時以外はいつも肌見離さず付けている。
そろそろ家を出る時間となって、私は部屋を出る。
「未来ちゃん、そろそろ学校に行くの?」
お義姉さんが聞いてきた。
「そろそろ行こうと思います。」
「そう、行ってらっしゃい。私達は後から行くわね。」
「はい、行ってきます。」
私はそう言って靴を履いて玄関の扉を開けた。
ローファーは履き慣れてないから、違和感がある。
「行ってらっしゃい。」
「お姉ちゃん、行ってらっしゃいー!」
お義姉さんと陽太君、陽菜ちゃんに見守ってもらいながら家を出た。
第5話 知り合い
私は家の近くの公園に行った。
公園にある時計台は8:10を指している。
約束の8:15まで後5分。
「おはよー!ごっめーん、待たせちゃった?」
声の正体は夢歩ちゃんだった。
「おはよう夢歩ちゃん。私も今来た所だから。」
夢歩ちゃんは幼稚園の頃からのお友達で幼なじみ。
明るくて優しい女の子。
「良かった!私が遅れたのかと思っちゃったよ。そろそろ学校行こうか。」
夢歩ちゃんが言った。
「そうだね。行こう。」
私が言って二人で学校に行った。
________________________
学校前の信号で待ってると、二人の男の子が自転車に乗ってきた。
制服や鞄を見ると新しいし、多分同級生になるかな。
「中川?」
一人の男の子が夢歩ちゃんの苗字を言った。
「あ、藤田じゃん!そうだよ、塾の中川だよ。」
「夢歩ちゃん、知り合い?」
「紘太の知り合い?」
私ともう一人の男の子が聞いた。
「今ハモってたね、二人。私と藤田は塾が同じで友達。」
夢歩ちゃんが言う。
「そうだよ、俺と中川は塾が一緒。柊真、見事にハモってたな。」
藤田という名前の男の子が言った。
「信号変わったから行くぞ、紘太。」
柊真という男の子は先に行ってしまった。
「あ、本当だ。お先にー」
藤田君も行ってしまった。
「私達も行こ!」
夢歩ちゃんが言うと、一緒に信号を渡って学校に入った。
第6話 入学式
「あ!私2組だ!未来は?」
隣から聞こえた夢歩ちゃんの声。
「私は…1組…夢歩ちゃんとクラス離れちゃった…」
そう…私は1組で夢歩ちゃんとクラスが離れちゃった…
「残念…でも1組と2組なら体育の授業は一緒だよ!」
夢歩ちゃんが言った。
クラスが離れちゃったのは残念だったけど、体育の授業だけでも一緒なのは少し安心した。
「中川、2組なんだな。俺も2組。」
話しかけてきたのはさっき会った藤田君だった。
「そうだよ。藤田の名前あったね。」
夢歩ちゃんが言った。
「そうそう、隣に居る子、誰?」
藤田君が私の方を見て言った。
「あー、この子は私の幼なじみの神田 未来!」
夢歩ちゃんが言った。
「は、初めまして…神田 未来といいます…」
うわぁ…緊張したぁ…
「へぇ、神田さんか。よろしく。」
藤田君が私に挨拶した。
「じゃあ藤田の隣に居る子は?」
夢歩ちゃんが聞いた。
「俺は高崎 柊真。」
高崎君は自分で言った。
「神田 未来って1組に名前あったけど、本人?」
高崎君が言った。
「は、はい、私は1組です…」
「へー、俺も1組。ま、一応一年間よろしくな。」
高崎君が言った。
見た目がちょっとつり目で怖いイメージだったけど、案外怖くなかった。
「よ、よろしくお願いします…」
でもやっぱり初対面の人と接するのは緊張する……
「新一年生の皆さん!クラス表から自分の名前を見つけた人は体育館の前に集まってくださーい!
生徒会の人の指示に従って、右側から1組、2組、3組、4組と並んでください!」
先生と思われる女性が私達新一年生に指示をした。
「指示も出たし、体育館前行こうぜ。」
藤田君が言い、私達は体育館前に移動した。
________________________
〜入学式中〜
_________________________
「終わった〜!校長先生とか教育委員会の話、長かったね…」
夢歩ちゃんが伸びをしながら言う。
確かに式は長かったな…
「2組の担任の先生、ゴリラみたいな人だったね…期待外れでショック…」
夢歩ちゃんがガックリしている。
確かに体つきが大きな先生で怖そう…
「1組の先生、優しそうじゃん!羨ましいよ…」
「数学担当の先生だよね。雰囲気は優しそうだったね。」
「そうそう。あ、クラスに着いちゃった。じゃあね。また後で!」
お喋りしてたら1組の前に着いた。
クラスに入ると、とてもガヤガヤしていた。
こういう煩い所、なんか怖くて苦手…
黒板に座席表が貼ってあった。
えっと…私の席は…右側から二列目、前から三列目。
自分の席を見つけて座ってると、左に座ってる子は高崎君だった。
何かの偶然かな…?
急にドアがガラガラッと開いた。
「皆さん初めまして!今年一年間あなた方の担任を務めさせていただきます、笹川怜花です!
皆さん、一年間よろしくお願いします!」
とても明るい女性だった。
それにとても綺麗な方。
「さて、一年間この1組の皆さんは仲良くなってほしいので、早速自己紹介をしてもらいます!」
えぇ〜!?私、人見知りなのに…
第7話 自己紹介
「そうね…、自己紹介では名前、出身小学校、趣味、入部希望している部活、クラスの皆に一言言ってね。」
笹川先生が言った。
自己紹介では普通に言う内容。
人前で喋るの無理…
自己紹介用紙でもあったらなぁ…
「出席番号1番の人から前に出て自己紹介していってね。」
ま、前まで出るの!?
私の出席番号は8番だからすぐに順番が回ってくる…
緊張してきたせいで、寒気が…
「出席番号1番の青木 悠人です。出身小学校は……」
えっ!1番の人、もう自己紹介してる…
ど、どうしよう……
「神田…」
不意に左側から声が聞こえた。
左を向くと高崎君が私の方を向いていた。
「お守りか何か、持ってない?」
え…どういうこと…?
「神田、緊張してるんだろ?そういう時はお守りか何か大事なものを握りしめるといいから。」
なるほど…
私は髪の右側に付けてたバレッタを外した。
私の前に座っていた女の子が席を立って前に行った。
次が私の番…
私の前に座っていた女の子が戻ってきて、次は私の番。
私はバレッタを握りしめて席を立った。
前に行く前に高崎君がそっと、「頑張れ」と言ってくれた。
「出席番号8番の神田 未来です。出身小学校は〇〇小学校。
趣味は絵を描く事や読書です。入部希望している部活は美術部です。
一年間宜しくお願いします。」
ペコリとお辞儀して私は自分の席に戻った。
ちょっと緊張したぁ…
でも高崎君が緊張を和らげる方法を教えてくれたから、そこまで緊張はしなかった。
私はこっそりと高崎君にお礼を言った。
「緊張を和らげる方法を教えてくれてありがとうございます。」
高崎君は、
「いや、別に大したことないからお礼なんていいよ。」
と言った。
良い人だな…
小学校の時は乱暴な男の子が多かったから、優しい男の子はそんなに居なかった。
すぐに高崎君の番が回ってきた。
「出席番号13番の高崎 柊真です。出身小学校は□□小学校。
趣味はバスケ。バスケ部に入部希望です。
色々と一年間宜しくお願いします。」
高崎君はさっさと自己紹介を終わらせて席に戻っていた。
______________________________
クラス全員分の自己紹介が終わった。
終わったら笹川先生はプリントを数枚配って今日は帰宅となった。
「未来ー!一緒に帰ろー!」
夢歩ちゃんだった。
「うん、一緒に帰ろう。」
私は夢歩ちゃんと一緒に家に帰った。
夢歩ちゃんのクラスでも自己紹介はしたらしい。
担任の先生が見かけによらず、案外面白い人なんだって。
色々と話してたらあっという間に家に着いた。
「じゃあまた明日!バイバイ!」
夢歩ちゃんが言って、私も
「うん、また明日」
と言った。
「ただいまです。」
玄関を開けて家に入った。
「あら、未来ちゃんお帰り。」
「お姉ちゃん、お帰りなさい!」
「中学校どうだったー?」
お義姉さん、陽太君、陽菜ちゃんだった。
「一日目はまあまあでした。でも楽しそうです。」
私はそう言って部屋に入った。
まだ一日目だからこれからどんな学校生活が待っているかは分からないけど、何とかやっていけそう。
明日からの新しい中学生生活が楽しみだな…
第8話 友達
次の日、いつも通りに朝6時に起きた。
今日は昨日みたいに夢を見てない。
昨日と同じ通り、朝ごはんを食べて着替えて家を出た。
今日も昨日と同じ公園に行って夢歩ちゃんを待った。
着いた直後に夢歩ちゃんが来た。
「未来おはよー!」
「夢歩ちゃん、おはよう。」
挨拶をして二人で学校に行った。
「今日は午前中は学校の場所確認で午後からは部活動紹介だね!」
夢歩ちゃんが言う。
「うん、そうだったと思う。楽しみだね。」
昨日もらったプリントにはそう書いてた。
「うん!クラス着いたからまた後でね!」
「後でね。」
そう言って1組の教室に入った。
まだそんなに人が来ていなかったけど、来てる人はもう仲良しグループを作っていた。
私は人見知りだから友達できるかな…
そう考えて、暇だから鞄から本を出して読んでいた。
しばらく本に読み更けていると、誰かに話しかけられた。
「あの…神田さん…?ほ、本読むの好きなんですか?」
ポニーテールをした女の子だった。
えっと…この子の名前は…
「ご、ごめんなさい!急に話しかけて…私は同じクラスの松川 沙良って言います…
私も本読むのが好きで美術部に入りたいと思っていて…」
私は正直吃驚した。
まさか私に話しかけてくる子が居るなんて思っていなかった。
「そ、そうなんですか…本読むの好きです…」
どう返事をすれば良いのかちょっと迷ったけど、何とか返事できた。
それで松川さんの顔がぱぁっと明るくなって、
「神田さん!私でよければ友達になってくれませんか?」
私は二度吃驚した。
話しかけてくれた上に友達になってほしいって…
「ぜ、是非!こんな私でよければ友達になっていただければ…」
緊張しながら答えた。
「ありがとうございます!じゃあこれから私たちは友達だね!」
「は、はい。」
初めて夢歩ちゃん以外の友達ができた…!
小学校の時は少し関わりのある子なら居たけど、友達と言える訳ではなかった。
これから私と松川さんと仲良くなるんだ…
*松川 沙良(まつかわ さら)
未来と同じ1組の生徒。
読書とイラストを描くのが好き。
人見知りである。
第9話 部活動紹介
午前中は担任の笹川先生が学校を案内してくれた。
午後からは皆が楽しみに待っていた部活動紹介がある。
お昼休みにお弁当を松川さんと一緒に食べた。
松川さんも私と一緒で読書が好きなので、二人で本の話をした。
お互い始めは緊張していたけど、共通の話題があってすぐに打ち解けれた。
あっという間にお昼休みは終わって、午後からの部活動紹介が始まった。
最初は文化部の吹奏楽部の演奏だった。
次に家庭科部。
私が入部希望している美術部もある。
三年生の先輩方が数枚の作品を見せてくれた。
すっごく上手…
そんな感じで文化部の紹介は終わって、次は運動部の紹介だった。
どの部活もとても迫力があった。
「未来ー!美術部凄かったね!」
夢歩ちゃんだった。
「うん!夢歩ちゃんは結局どの部活に入るの?」
「迷ったけど、やっぱり未来と一緒に美術部入ろうかな!」
「本当!?それだったら嬉しい!」
「テニス部も良かったけどねー、聞いた話だと先輩が後輩虐めるらしいし。」
「そうなんだ…怖いね…」
「うん、美術部だったら画力上がるし、授業の役にも立つかなって思って。」
「夢歩ー!!そろそろ行くよー!!」
誰かが夢歩ちゃんの名前を呼んだ。
「はーい!!今行くよー!!」
「ごめんね、友達呼んでるからもう行くね!」
「うん、夢歩ちゃんが美術部に入るって分かったし。」
夢歩ちゃんは友達の呼んでいる方に行った。
「さっきの子誰?」
「あ、松川さん。友達の夢歩ちゃん。幼稚園からの友達なの。」
「へー…神田さんの友達なんだ…」
「う、うん。」
「とりあえず教室に戻ろうよ。」
「う、うん。」
そう言って教室に戻った。
「やっぱり美術部すごいね!美術部に入りたいって気持ちが強くなったよ!」
松川さんが言う。
何か松川さんが明るくなったような気がする…
話した当時は人見知りって感じで敬語だったし…
「ねーねー神田さんのこと、未来って呼んで良い?私は沙良で良いから!」
やっぱりちょっと人が変わったような…
「う、うん。いいよ。沙良ちゃんって呼ぶね。」
「ちゃん付けかー、まあいいよ。友達なのに苗字でさん付け呼びは何かよそよそしいし。」
「そうだね。」
「ねーねー、一緒に帰らない?あの小学校出身なら帰る方面同じだし。」
「ごめんなさい…いつも夢歩ちゃんと帰ってて…」
そう、小学校の頃からいつも夢歩ちゃんと一緒に学校に行き、帰りも一緒だった。
それは中学校でも一緒にすると約束をしていた。
「そっかー、じゃぁちょっと2組まで付いてきて。」
沙良ちゃんはそう言って私の手を掴んだ。
「え…?いいけど…」
沙良ちゃんは一体何の為に2組に行くのだろう…
その時、私はまだ気付いていなかった………
後から後悔するなんて………
第10話 一緒に
「確か君が未来の友達の夢歩さん?」
2組に入って沙良ちゃんが発したのはその言葉だった。
「ちょ、ちょっと、沙良ちゃん、いきなり何言ってるの!?」
私は訳がわからなかった。
「そうですよ。私が未来の友達の夢歩ですよ。」
夢歩ちゃんは驚いていたけど、冷静になって答えてくれた。
良かった…夢歩ちゃんが私のことを友達と思ってくれて…
「 私、これから未来と一緒に帰りたいんだ。
でも未来は君と帰る約束をしてる。
君的にはどう思う?」
沙良ちゃんはそう言った。
そんなに私と帰りたいの…?
「別に私はどうでも良いよ。
未来が貴女と帰りたいのなら一緒に帰ったらいいじゃない。
私は別の友達と帰るし。」
夢歩ちゃんの意見だった。
何か沙良ちゃんと夢歩ちゃんの二人に悪いな…
「じゃぁ私は未来と帰るから。
時間もらっちゃってごめんね。」
沙良ちゃんが言った。
とりあえず私は沙良ちゃんと帰ることになった。
「大丈夫よ。」
夢歩ちゃんが言った。
沙良ちゃんは私の手を掴んで2組を出た。
1組の教室に戻ると沙良ちゃんは私の手を離して言った。
「じゃあ一緒に帰ろ!」
「うん…良いよ…」
友達って…一緒に帰らないといけないのかな…
第11話 帰宅
「ねぇねぇ、何時部活動体験行く?」
沙良ちゃんが私に聞く。
今は沙良ちゃんと帰宅中。
夢歩ちゃんは新しくできた友達と帰るみたいで…
何か夢歩ちゃんに悪いことしちゃったな…
「未来、聞いてる?」
「あ、ごめんなさい…部活動体験は金曜日に行こうかな…」
「もう、未来ったら!」
夢歩ちゃんは何時部活動体験行くのかな…
「未来が金曜日に行くなら、私も金曜日に行こうかな!」
沙良ちゃんは嬉しそうに言う。
「沙良ちゃんも金曜日に行くの?」
「うん、金曜日に行く!」
「そっか…」
「…未来って好きな人、居る?」
沙良ちゃんが急に真面目に聞いてきた。
「私はいないよ。恋愛ってまだよく分かんなくて…」
そう。私はまだ恋愛感情がよく分からない…
いわゆる初恋ってものもまだで…
「そうなんだ〜、私は居るよ…エヘヘ…」
「沙良ちゃん、好きな人居るんだ…頑張ってね…?」
「どうして疑問系?ありがと…」
「えっと…他人の恋愛って応援するものじゃなかったっけ…?」
「あ、そういうことね。応援してくれてありがと!」
沙良ちゃんは少し顔が赤かったけど、嬉しそうだった。
「私…高崎が好きなんだよね…」
「高崎って…私の隣の席の高崎君?」
「そう、その高崎。小学生の頃から好きなんだよね…」
「そうなんだ、確か高崎君と沙良ちゃん同じ小学校出身だったよね。」
「そうだよ。私、家がこっち方面だから。じゃあね、また明日!」
「うん、私は沙良ちゃんとは逆でこっちの方面だから…また明日。」
そう言って私たちは別れて各自家に帰った。
私はこの恋の応援を後から後悔するなんて…思ってもいなかった…
第12話 美術部体験1
「未来!部活動体験行こう!」
沙良ちゃんが言う。
今日は部活動体験に行く約束をした金曜日。
「うん、一緒に行こう。」
「もう集まってるねー」
美術室の前に行くと、 既に5人来ていた。
「今日美術部の体験に集まったのはこれぐらいかな?じゃあ一年生の皆さん、美術室に入ってー」
美術室の中から一人の女性が出てきて、私達一年生を中に入れてくれた。
「皆さーん、注目ー!此処に居るのは今日美術部の体験に来てくださった一年生の皆さんです!
あ、私は美術部の顧問の有坂です。」
明るい人だな…
有坂先生は美術室の中に居た人たちに向かって言った。
すると、その中の一人の女性が立って、私達一年生の前に来た。
「ようこそ、一年生の皆さん。本日は美術部の体験に来てくださってありがとうございます。
私は三年の部長、浅川瑠璃です。」
綺麗な人…
「今日はグループに分かれてデッサンをしてもらおうと思います。
グループはこのくじで分けます。」
部長の浅川さんがそう言って、1つのくじが入った箱を出した。
「くじには番号が書かれています。
黒板にグループの番号が書かれたグループの位置が書いてあります。
くじを引いたら各自移動してください。」
そう言われて、くじを引いていった。
「未来は何番だった?私は5番だったよ!」
沙良ちゃんはそう言って引いたくじを見せてくれた。
「私は3番だったよ。」
私はそう言って沙良ちゃんにくじを見せた。
「あーあ…違うグループかぁ…残念。」
沙良ちゃんが残念そうにしてると、浅川さんが、
「今日来てくれた一年生は7人。一年生全員が違うグループになるように二、三年生も7グループに分けたの。
だから一年生は同じグループになれないの。」
こう説明してくれた。
じゃあ、夢歩ちゃんと同じグループになれないんだ…
「くじを引いたら、黒板を見て一年生は移動してください。」
浅川さんにそう言われて、一年生は黒板を見て、グループの位置に移動した。