ここでかくのは初めてですがどうぞ宜しくお願いします。
2:カナ◆ClA:2017/03/08(水) 20:53 「…ねぇ、大丈夫?」
目を開くと飛び込んできた、白い天井。
そして、その人。
黒く澄んだ瞳に、茶色がかった短い髪。
その出逢いは偶然だったのか、必然だったのか___。
「奏、大丈夫?」
私、神崎 奏は、只今保健室のベッドに横たわっている最中。
そして私の顔を覗きこんでくるのは、加賀美 花依。
私の親友と言っていいほどの友達である。
『…ぁ、うん、大丈夫』
花依「本当に?」
眉を八の字にし、目にうっすらと涙を浮かべた顔で心配してくる花依。
本当だよ、ということを示すように、ゆっくりと頷いてみせる。
花依「…そっか」
やっと安心したのか、ふにゃりと笑う花依。
__本当に、良い友達をもった。
こんな状況のとき、私はいつもこう思うのだ。
だって、本気で自分のことを心配してくれる友達なんて、中々もてるものではないから。
___少なくとも、私には。
何故私が今、保健室で寝ているのか。
それは、私の持病が原因である。
___ナルコレプシー___。
突然睡魔が襲ってきて、意識が遠のいていくのだ。
その睡魔には抵抗出来ない。
病気持ちだからって、苛められたこともあった。
それが原因で、友達だって上手く作れなくなっている。
……怖いのだ。
いつか、裏切られることが。
もしかしたら、花依にだって裏切られる時が来るかも知れない。
『……は…』
自嘲気味に笑った。
本当の友達であろう人さえ信じきれない自分が、段々惨めに思えてきたのだ。
しょうがないじゃない、全ては家族のせいだ。
『…ねぇ、花依。今何時?』
ふと時間が気になって、ベッドの横にある椅子に腰を掛ける彼女に問いかける。
病気とはいえ睡眠時間。
ある程度の時間は経っている筈だ。
花依「今?今はねぇ……」
数秒間の間があってから、花依が答えた。
花依「多分、五時限目の終わりくらいかな。ほら奏、二時限目に倒れたじゃん。それからずっと寝てたよ」
詳しい時間を言わないのは、時計がないからだろう。
今日は早帰りの為、確か六時限で終わりだった筈だ。
女子高校生というものは、暇な時間があれば友達と遊びに行くものだと言う。
私にはそんなことさえ、出来ない。
いや、出来ないんじゃない。
しないのだ。
そもそも自分から遊びに行こうと思ったことはないし、友達もほとんどいないため遊ぶことはない。
それに数少ない友達である花依も、私の体を気遣って誘ってこない。
ただ、それだと当然花依に悪いと思ってしまうのが私な訳で___。
『花依、今日遊ぶ?』
出来る限りの自然な笑顔を浮かべて訊く。
花依「ううん、無理しないで奏。私は大丈夫だから」
花依が真剣な表情で言った。
花依は、鋭い。
私の嘘をいつも見抜いてしまうのだ。