私、東響春華は、恋をしました!
でも、それは叶わないんだ。
だって……。
恋した相手は、先生だから。
登場人物
東響春華
主人公。
性格は、明るくて、泣き虫。
高嶺秀矢
水臣高校の教師。
春華のクラスの担任。
吉津朱莉
春華の親友。
優しくて、怖がり。
古河悠仁
朱莉と春華の幼なじみ。
今日は、高校三年になる日だ!
思わず、「やった〜!」と言ったら。
「春姉、静にして」
双子の妹、実琴が抗議した。
「ごめん、ごめん」
でも、この喜びはすごい。
実琴が笑いながら、
「朱莉さんと、行くんじゃなかったの?」
ハッ!
「そうだった〜!」
遅刻する〜〜!
「お母さんは?」
「新しい義父さんの所に行ったぽいよ?」
ニヤニヤ笑いながら、実琴は言った。
時計を見たら、もう遅刻ギリギリ!
「行ってきまーす!」
急いで玄関を飛び出す。
「春華!遅いよっ!」
「ごめんごめん!」
朱莉に謝り、あっという間に慣れた高校に着いた。
クラスは‥………?
3ーA。
やったぁ!
「朱莉、同クラだよ!嬉しい!」
「春華、一年間よろしくねっ!」
歓喜の声を上げ、二人抱きついていたら。
「退け」
「あ、すいま………!悠仁じゃん!」
それは私と朱莉にとって、見慣れた顔だった。
「春華か、朱莉もか!」
古河悠仁。
私と朱莉の幼なじみ。
今まで同じクラスになったことないから、悠仁がいた事に、驚く。
でもさぁ、“も”って、ひどくない?
案の定、朱莉は頬を膨らませた。
「“も”って、何よ!」
私は、話を変えるように、
「あっ!雪成生徒会長だよ!」
途端に、朱莉の顔がボッと赤く染まる。
何故ならば……
「朱莉、カレシの所行きなよっ!邪魔しないし!」
雪成生徒会長と、朱莉はつき合っている。
まぁコレは、トップ☆シークレットで、知ってるのは、私だけじゃないかなぁ?
朱莉は、真っ赤になりながら、雪成生徒会長の所に向かった。
むふふ〜!
朱莉はさておき、私と悠仁はクラスに入った。
「春華!同じクラスになったねっ!」
去年同クラで、友達の真緒が駆け寄る。
「真緒〜!」
「春華〜!で、朱莉は?」
「カレシの所、行ってるよ」
真緒もニヤニヤし始め、
「へぇー!一学期早々、イチャイチャ?」
私も、ワザと、
「そうよ、そうよ!カレシなしにとったら、かなり堪えるわよ!」
真緒と笑いながら、席に着く。
偶然ながら、悠仁の隣だ。
ま、気兼ねなくできそう!
真緒が私の席の前に立ち、隣に莉愛を連れてきた。
東条莉愛。
同クラになったことがない。
莉愛は、おどおどと、
「東響さん、よ、よろしくね」
私も、ニッコリ笑って、
「よろしくね、莉愛っち!」
突然、莉愛っちと呼ばれたのに驚いたのか、莉愛が倒れ込む。
危ない!
「莉愛っち、大丈夫?」
真緒も心配そうに、のぞき込む。
莉愛っちは、息を調えながら、
「うん。莉愛っちって、呼ばれたのに、驚いただけ」
私と真緒は、笑い転げた。
莉愛っちって…。
チョー純粋じゃん!
と…
朱莉が帰ってきた。
当然、私と真緒は黙ってない。
「カレシと、イチャイチャしてきた?」
「良いねぇ、カレシ持ちは」
朱莉は、少し笑いながら、莉愛っちを目に留めて、
「新しい友達?」
私と真緒は、ニッコリ笑いながら、言った。
「莉愛っちだよ!」
そしてまた、笑い転げる。
朱莉はポカーンとして、莉愛っちと目と目で不思議がる。
ざわざわとしていたら。
ガラッと戸があいて、一人の先生が入ってきた。
「えー、3ーAの担任になった、高嶺秀矢だ。よろしく」
カッコイい!
その先生は、イケメン!
髪、染めてるのかな?
「先生カッコイいよね?」
悠仁に囁くと。
不機嫌そうに、悠仁は、
「………ああ」
と答えた。
クラスの皆、ざわざわし始める。
私も、例外じゃないけど。
ふと、先生を見ると、フッとホッとしたかのように、頬を緩めていた。
その表情が、あどけなくて、ドキッとした。
コレが恋なのか______?
この胸のときめきは何なのか。
その正体は、意外な時に知った。
高嶺先生の授業は、楽しくて。
嫌いな数学が、得意になりそう。
家に帰ると。
実琴はまだ帰ってきてない。
代わりに、お母さんが帰ってきていた。
「うふふ〜。おかえりー!」
なんか、機嫌がいい。
悪いけど、少し不気味だ。
「義父さんと会ってきたんだって?実琴が言ってたよ」
お母さんは、うふん、と笑った。
「やぁねぇ、実琴ったら!見てたのかしらねぇ?」
当たりって、事か。
お母さんは、笑いを止めて、まじめな顔になった。
「春華は、新しいお義父さん、ほしい?」
元々前から知っていた。
お父さんと、お母さんは私が小学四年の時に、離婚した…。
「ね、お母さん」
「なぁに?」
ずっと前から、聞きたかった。
恐る恐る、口を開く。
「何で、お父さんとお母さんは、離婚したの?」
お母さんは、無表情になってから、
「それは、教えられないわ」
告げた。
心臓が、ツキンと痛んだ気がした。
「じゃあ、お義父さんの名前くらい教えてよ」
お母さんの顔が、パアッと明るくなった。
「良いわよ。お義父さんの名前はね、萩野佳人さんよ♪」
萩野佳人………。
固まった私にかまわず、お母さんは続ける。
「萩野さんはね、お母さんの出版社に勤めててね、知り合ったのよ!」
と、知りたくもない情報を教えてくれる。
その声は、とろけるような感じだった。
ムッとして、口をとがらす。
「何それ。私や、実琴が勉強してるとき、恋でもしてたわけ」
お母さんは驚いたように、
「何、春華!そんな言い方!お母さんは、萩野さんと、マジメなお付き合いを…!」
「あーもう!そんな事言わないでよ!萩野さんなんか、どうでもいいから!」
それだけ吐き捨てて、家を飛び出す。
何よりも、お母さんの言い方が嫌だった。
「萩野さん、萩野さんって…!」
うるさいし、お母さんは萩野さんが居ないと、ダメなの、と思ったから。
どこへ行くあてもなく、ただ夜の町をさまよう。
「東響?」
リリカ!元みかぜだよ!
リリカの小説は、いつ見てもおもろい!最近、『私の恋は叶わないの?』っていう小説を書いてるんだけど、少しだけ、実話とか入れてる。ほんの少しね!ぜひ、見てほしい!
これからも、ファイト!
>>10 レミリア、ありがとう!おもしろそう!
読んでみるね〜!
そちらこそ、ファイト!
応援してま〜す!