拝啓、意識と群青の深層より

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1:六波羅短大:2017/08/22(火) 13:20

Re: -Under The Sea-

 ____母なる海と誰かが言ったけれど、あながち間違いでもなかったみたいだ。

 宝石のような銀の泡と共に、僕の下らない呟きが上へと舞い上がる。あんなに綺麗な僕の吐息と、あのつまらない言の葉が、同じ僕の口から生まれたなどとは信じがたい。僕は、それらが黒の彼方へと消えていくのを確かめ、ゆっくりと目を閉じた。

 ____嗚呼、どうせ暗闇だもの。何も変わらない。そうだろう?

 返答は無い。そんな事分かりきっていた筈なのに、何故かきゅうっと胸が締め付けられた。分かってた筈なのに。
 僕はゆっくり微笑むと、ぎゅっと拳を握り締めた。何かが指の間をすり抜けていく。それは僕にとって喪失なのか。それとも、元々僕の手の中には無かったものなのか。

2:六波羅短大:2017/08/22(火) 14:42


 ____でも、僕はずっと永遠に君を取り戻すことは出来ない。

 ____君はまだここにいるけど、もうここにはいない。

 ____折角、君に会いに来たのに。全部、聞こえてるんでしょ? 

 ____意地が悪いなあ。

 返答は無い。僕はため息をついた。きっとまた、さっきの銀色の宝石が僕の唇の端から旅立ったのだろう。悲哀と切なさを内包して。いつだってそうだ。いつも君は僕を振り回してばかりで、こんなところまで会いに来させる。君は、この海の、この闇の何に惹かれた? 僕にはさっぱりなんだ。君のことはいつも理解出来ない。
 でも。

 ____僕を振り回してくれるのは、君だけなんだよね。


何処かで何かが揺らぎ、体が不意に暖かくなった。うっすらと目を開ける。ほんの少し驚愕が襲い、僕は瞬きをした。


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