とある時代のとある国のとある街、冬の夕暮れ午後6時。
「ハッピーバースデー、あなた」
「ありがとう」
噴水前で見つめ合うカップル2人。
幸せそうな笑顔を、私は軽く睨みつけた。
どこの誰だかは知らんが。
そもそも、どうして1つ歳を重ねたくらいでそこまで喜ぶのか。
誕生日の無い私にとっては、実に理解不能だった。
>>02 登場人物
登場人物
<セレット・アトラトス> 通称セレット
この世の理を捻じ曲げる少女
幼い頃スラム街に放置され、生きるために窃盗や詐欺を重ねてきた
ひょんなことから名門高校に通うことになる
<テスタ・アールドノア・リトグリフォン> 通称テスタ
神に愛され悪魔に嫌われた少年
アールドノア王国第一皇子で、セレットのクラスメート
温厚な性格で人徳があるものの、世間知らず
とても運がいい
<ビストル・ブレッガ> 通称ビストル
自然が心を開いた少年
両親が街の一角にある小さな薬局を営んでいるが、あまり繁盛はしていない
そのため学校に行けず、独学で薬の勉強をしている
スラム街で怪我人や病人を助けている
<シェリカ・ランシュレルド> 通称シェリカ
定められた摂理に疑問を持つ少女
セレットのクラスメートでもありルームメイト
両親は大病院の院長で、自身も医師を志している。
<ベスタ・アールドノア・リトグリフォン> 通称ベスタ理事長
セレット達が在籍するベスタ学園理事長
テスタの叔父にあたる。