ずっとずっと憧れてた、中学校
そこには 天使(?)がいた
※途中、GL要素出す予定なので苦手な方さようなら。
>>2
藤田 梨愛_ふじた りあ
中1
三浦 美玲菜_みうら みれな
中1 梨愛の親友
神山 葉月_かみやま はづき
梨愛の隣のクラス(4組)担任
基本 梨愛sideで書きます
今日は待ちに待った中学校の入学式。
制服を着て鞄を持って鏡の前に立つと、ほんとに中学生って感じ。
そしてお母さんとルンルンで家を出た。
おっ。ここが谷川中学校ね。まぁ知ってたんだけど。w
昇降口にいくと、クラス発表の紙がはりだされていた。
えっと私は…………3組だ。美玲菜も一緒だ!よかった〜
他にも仲いい子結構いるし、なんだか楽しそう。
受付も済ませ教室に行くともう半分くらい来てて、話をしていた。
「あっ、梨愛〜!同じクラスだね!」
「うん!みことあやが一緒で嬉しいよ〜!!」
何て話していたら担任らしき人が入ってきた。
「おはよーございまーす!!!」
うわっ。暑苦しいタイプかこいつは。
私が一番嫌いなタイプだと、一瞬でわかった。
それからこれからのことを考えてたら、入学式はあっという間に終わり、また教室に戻っていた。
「はーい、皆さん!はじめましてっ!………………」
あーウザイうるさい。もっと静かにしゃべれないのかな。。
後ろを見ると美玲菜もめんどくさそうな顔で担任を見ていた。
「えー、俺の名前は、鈴木優です!優しいと書いて、優です………」
それからも長い長い鈴木先生の自己紹介を聞いて、学校は終わった。
帰り道、私とお母さんと美玲菜と美玲菜のお母さんで、鈴木先生のことを話していたが、私と美玲菜は話をほぼ聞いていなかった。
というわけで、そこで初めていろんな情報を聞いたが、私は正直そんなことどうでもよかった。
入学式の翌日は、早くも学年集会。
それなのに美玲菜は欠席。サボりか?
集会とか、ずっと座ってるのも疲れるし、どうせ話長いだろうし。
ばれなきゃ寝てもいーや、なんて思ってた。
が。ちょっと待て。
廊下に並んだとき、名簿順でならび、三浦美玲菜もいない、今日限定で最後尾の私の後ろには、4組の先生が来る。
はずなのだが。
私の後ろには童顔でショートカットの女がいる。まるっこい輪郭に、くりっくりの大きな目。小柄で細い。
4組の担任?は?高校生だろ、って思うくらい、かわいらしい。
なんて思ってたら列は進み、体育館へ。
そして集会が始まったが、最初の主任?の話なんてまったく聞こえないくらい、斜め後ろで立ってる4組の担任らしき人に目が吸い込まれていった。
そして先生たちが順番に話していくという流れ。
ウチの担任とかよくわからない人の話は上の空だったが、4組の担任らしき童顔さんが前にたつと、自然と背筋がのびた。
「おはようございま〜す、」
その声はとても特徴的。
かわいいけど、どこか不思議な感じで。
やはりその人に吸い込まれていく。
「私は4組担任のカミヤマ ハヅキと言います!8月うまれだから、ハヅキです!
で、、んーと、担当教科は理科で、2組から5組まで担当します!1,6組はすいませーん」
ゆるゆると話すせいで皆眠そうな顔をしている。というか、背中が眠いといっている。
それでも話は続き、童顔カミヤマハヅキ先生について、まぁまぁ情報を得ることができた。
25歳。独身。実家暮らし。
私が入ろうと思ってる吹奏楽部の顧問。
好きな食べ物はトマト。
人体模型を愛している。(本当かは謎)
そして、童顔のせいで未だにお酒買うときに年齢確認される。
つまり、私の「童顔」という見方は正解だったというわけ。
なんて、カミヤマハヅキ先生のデータをまとめていたら、集会は終わり。
思ってたより数倍楽しかったのは、カミヤマ先生のおかげだろう。
私は後ろに実年齢よりずっと幼いかわいい気配を感じながら、るんるんで体育館を出た。
「「「「お願いします」」」」
「はいお願いしま〜す」
この瞬間をずっと待ってた。
理科の初授業!!んん!!!!!
まずは自己紹介とか言って、カミヤマ先生は集会のときと似たようなことを話していた。
ただ、新たに分かったことは、先生の名前の漢字。
なんとなく分かっていたが「神山 葉月」。普通だ。w
そして全員自己紹介していく、と?!
これはたるい。
とりあえず後ろの美玲菜に助けを求める。
「ねぇ〜美玲菜〜自己紹介とかめんどい!」
「そりゃ誰でもめんどいわな」
sosは届かず冷たく見放される。
まぁ、美玲菜が言ってることは正論だが。
30人ほどしかいないため、後ろから2番目でも15分しないうちに順番はまわってきた。
よし。ここは真面目っぽく!w
「えっと〜、藤田梨愛です。好きな食べ物はトマトです。よろしくお願いします」
「、私もトマト好きだわ〜」
いや、座ってから急に言われてもね。次の美玲菜も戸惑っている。
眠い。寝る。
でも神山先生はなんかムカつかない。
かわいいから。の一言で許せてしまう。
この人はずっとそうやって生きてきた人生の勝ち組なんだろう、と思えば納得。
それから美玲菜の自己紹介も終わり、少し授業をすることに。
「じゃあー教科書7ページ開いてくださーい」
わ〜。これは眠くなりそうな。
内容も授業自体も、眠気を誘う。
バンッ!!
え
何事、と思い前を見ると、どうやらその辺の男子が寝ていて、机をバーン!したらしい。
「おはよー」
「…はよざいます」
「目はさめましたかぁ!!」
「あっはい」
「はーい、じゃあ続きしまーす」
うわ。ぶっさw
軽蔑するように眉を寄せ目を細める神山先生は、かな〜りブス。
でもそのあとすぐに見せた笑顔はかわいすぎて、腹が立つ。
きっと自分がかわいいって自覚あるよ。あざといねぇ〜。
そんなこと考えてたら顔がにやけてたのか、横の列の子が心配そうにこちらを見ていた。
「…梨愛ちゃん、もうすぐ順番だよ?」
「えっえっなんの?!」
「なんか〜、先生が問題だして答えてくやつ」
はっとしているともう順番は私の前まで来ていた。
「………はい正解〜。
次は…り、あ、さん…だね?えーっと……」
考えてねーのかよ、と心の中で思いながらも静かに問題を待つ。
「水が氷になりはじめる温度は何度でしょーか!」
「えっっと…0度?ですか?」
ワハハッ
なぜ笑いが起こる!?違う?
「いやー、こっちがきいてんのに聞かれても、ねぇw、まぁ正解ですw」
そこか。はい。まぁ、こーゆーときはニコニコしとけば好感度さげずに落ち着くだろう。
変になんか言うと後々めんどくさいことになりかねない。
そして最後の美玲菜の番が終わると同時にチャイムがなった。
「「「「ありがとうございました」」」」
「はーいありがとうございましたー」
それからも神山先生見て「あーかわい〜」とか思うことはあったんだけど。
結局何もないまま夏休みも終盤。
…もう自分の気持ちぐらい、気づいてんだけどさ。
やっぱ私、神山先生が好きだ。
それを認めるのは悔しかったけど、あんないい先生他にいない。
憧れの、likeの好きだろうと信じる。
なんてね。いきなり私がこんな風になるわけもなく。
ちゃんと理由あるから、ねぇ。
神山 葉月side
うう。なんかひっかかる。
3組の…梨愛さん…時々すごく悲しそうな寂しそうな顔してる。
部活の時とかよくある。
「鈴木先生〜、あの……………」
「へぇ、まー、梨愛なら大丈夫ですよ!普段元気ですし!」
大丈夫に見えないから聞いたのに。
鈴木先生、やっぱ熱血もどきだったか。w
いや、これは笑い事ではない。
早めに聞いとかないとね。
よし、明日の部活で聞いてみよう。
「ねぇ梨愛さん」
「はい」
「最近なんか嫌なこととかある?」
「ないです!ニコッ」
笑顔、かわいいけど…だめだ。くじけるな!私!
「っと、じゃあ気になることとか、は?」
そう聞くと梨愛はもう諦めたのかポツポツと話し始めた。
「……って言われるけどどうすればいいか分からないとかはありました」
なるほど。原因はお隣の2組の優衣さんね〜。
ちょっと仲いいからって不登校の子の世話任されても、そら困るわな。
田中先生もずいぶんと無責任なもんだ。
「………………………って私は思うよ、梨愛は絶対なにも悪くない」
「ッ…………」
「だから、これからは責任背負いすぎないで、美玲菜さんとかとも協力して今まで通り優衣さんと仲良くしてね」
「…はい、、なんかすいません」
どうしたのねぇ。普段めっちゃ元気なのに〜。まぁでも私にはいつも冷たいかも。笑
「いいのよ〜私が勝手に気になっただけ!じゃ帰ろ〜」
「はい」
私が歩き出すと梨愛もついてきた。
「ほんっと先生って気まぐれですよねw」
毒舌うう。もっ。
でも梨愛の顔はさっきより明るくなった気がするから安心。
これからも少し見といた方がいいね。
「さようなら〜」
昇降口につくと梨愛を見送り、鍵を閉めた。
「ねぇ梨愛さん」
「はい」
誰かと思ったらまさかの神山先生。
何かした?私
「最近なんか嫌なこととかある?」
…?なぜ?
「ないです!ニコッ」
ま〜ここはないですに限るよね。
「じゃあ気になることとか、は?」
はい?これは何いっても問い詰められるやつ。。
そう悟った私はもう話し始めた。
内容は隣のクラスの優衣のこと。
話してるうちに結構感情が入ってしまい、自分でも驚いた。
でも神山先生はちゃんと聞いてくれた。
「…………………梨愛は絶対なにも悪くない。」
ほんと、なのかな〜。
都合よく綺麗に励ましにきた神山先生に心を許してしまった自分が恥ずかしい。
でも最後まで聞いて答えをくれたのはありがたいと思っている。
だから一応お礼を言ってから、昇降口を出た。