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1:Rapunzel:2017/10/05(木) 05:46


書きたいなって思ったので書きます。
マイペースにハイペースに更新して行きます。
良かったら感想書いてくれたら嬉しいです。
初心者なので暖かく見守ってください。

2:Rapunzel:2017/10/05(木) 05:46

「 1 」

9月 新学期

1ヶ月ぶりの教室はなんだか懐かしく感じた。

「おはよ、あやな!」
「まなみおはよ」

笑顔で私に駆け寄って来たのは1年生の頃から仲良しのまなみ。
2年でも奇跡的同じクラスで今も大親友だ。

「夏休みどうだった?」
「楽しかったよ〜」
「健太くんと、デートした?」

まなみがニヤニヤしながら聞いてきた。
健太とは私の彼氏のこと、もうすぐ半年になる。

「あんまりできなった、なんか忙しかったみたい」
「そうなんだ、あ噂をすれば御本人の登場です」

振り返ると健太が笑顔で手招きをしていた。
私が笑顔で駆け寄ると私の頭を優しく撫でた。

「相変わらず赤ちゃんみたいだなー」
「うるさい、てかどうしたの?」
「あ、今日用事できて一緒に帰れなくなったんだ」
「はー?またー?」
「ほんと、ごめんな?」

そんな顔で謝られると許さない、とは言えない。

「分かったよ、また今度アイスおごってね」
「おけおけ、じゃまたな!」

そう言って彼はまた私の頭を撫でて、ニコッと微笑んですぐ立ち去っていった。

もうすぐ付き合って半年だって言うのにまだ付き合いたてのようにドキドキして、会うたび健太を好きになっていく。

「なにニヤニヤしてんだよっ」
「健太って本当にかっこいいよね」
「のろけるなー!」

まなみが私のほっぺをつねった。

あぁ、きっと私はこの世界中で1番の幸せ者だ。
大切な親友もいて、大好きな人もいて、これ以上の幸せなんてないよ。

この幸せがずっとずっと続きますように。
そう願った9月のはじめ。

3:Rapunzel:2017/10/05(木) 06:02

「 2 」

暑い季節を乗り越えて寒い季節がやってきた。

11月
私には大きな悩みがあった。

「健太がおかしい」
「どういうこと?」
「電話もでない、メールもこない」
「なんか理由あるんじゃないの?」
「ない、絶対ない」
「なんで?」
「..浮気!絶対!浮気だ!」

私が声を荒らげて叫ぶとまなみが冷静に言った。

「健太くんはそんなことしないと思う」
「なんで?」
「そんな人じゃないよ、いい人じゃん」
「なんで?」
「分かるもん、そんなことするような人じゃない」

どうして、まなみにそんなことが言いきれるの?
どうして、まなみが私の彼氏の肩を持つの?

「どうして言いきれるの?」
「私は、健太くんのこと信じてあげたいよ?」
「なんで、健太のこと好きなの?」

まなみは黙って顔を背けた。
..図星?

「まなみ?」
「あやなはお気楽だよね、何も分かってない」

まなみはセリフを吐いてどこかへ行ってしまった。

...まなみに何が分かるの?
てゆーかなんで怒られたの、私。

色々な感情がフツフツとこみ上げてきた。
気付いたら涙もこみ上げてきた。

気分転換にジュースでも買いに教室を立ち去った。

昨日まで暖かかった廊下はすごく寒くて冷たい風がツンと当たってなんとなく痛かった。

4:Rapunzel:2017/10/05(木) 06:14

「 3 」

食堂では沢山の人がお昼ご飯を食べていた。
自販機で大好きなカフェオレを買って飲みながら校舎を歩いた。

なんとなく私は中庭に向かった。
…私が健太と出会った場所。


_____1年前

「やっぱここ暖かいね〜」
「日当たりいいもんね、お弁当には持ってこいの場所だよね!」

お気に入りのベンチに座ってまなみとお昼ご飯を食べていた時のことだった。

バコンっ!

「…けほっけほっ」
「ちょ、あやな大丈夫?!」

上から何故だかラーフルが落ちてきて散らばった粉でむせてしまった。

「うん、、でもなんで?」
「どこから降ってきたの?」

タッタッタと大きな足音がして駆け寄ってきたのは高身長の男の子だった。

「すみません、当たりませんでしたか?」
「大丈夫ですよ、、けほっけほっ」
「あーまじごめん本当にごめん!!」
「うん..あ!」

私は大きな声で叫んだ。
だって私の大好きなカフェオレが倒れていたから。

「最悪すぎる…」
「ごめんなさい、買いますよ、てかお金渡します!」
「いやいいです!」
「じゃあ、今度ちゃんと返します。」

必死に謝る健太が面白くて私はクスッと笑った。
それから毎日昼休み、カフェオレを持ってきてくれた。

そんな健太が可愛くて愛おしくていつの間にか好きになっていた。

そして健太に告白されて私達は恋人になった。
大好きな、大切な存在だった。

少女漫画のヒーローみたいな健太のことを会うたび好きになって、私で釣り合うのか不安になったり。

そんな日々が幸せだった。

5:Rapunzel:2017/10/05(木) 06:35

「 4 」

暖かい思い出を振り返ってフワフワしてた私は鼻歌をうたいながら歩いた。

「なに言ってんの?約束違くない?」
「仕方ないだろうが」

聞き覚えのある声がして恐る恐る近付いて見るとそのに見えたのは健太とまなみの姿だった。

「もう私、言ってもいい?」
「なにを?」
「あやなに本当のこと」

本当のこと?
いきなり過ぎるその状況に私の頭はまったくついて行けなかった。

「待てよ!ちゃんとするから」
「それ何回目?もう私あやなからあんたの話聞くの嫌なんだけど耐えれないんだけど?」

耐えられない..
私、まなみにのろけすぎてたのかな?

「今日蹴りつけるから」
「言ったね?約束だからね?」

そして健太はまなみの頭を撫でた。
私の頭を撫でる時と同じように、同じ笑顔で。

「なにしてんの?」
「…あやな!?」

2人はしまったと言わんばかりの顔で後ずさりをした。

「約束ってなに?本当のことってなに?」
「いや、違うのあやな」
「耐えれないってなに?蹴りつけるってなに?」
「あやな聞いて」

まなみが私に近付いて来た。

「近寄らないでよ」
「あやな…」

私は今にでも泣き出しそうだった。

「気分悪い..」
「どうしたの?」
「アンタら2人気持ち悪すぎだね」

「影でこそこそ浮気して表では好きとか言ってみたり親友のふりして裏では愛し合ってんの?笑わせんな、汚いんだよ、見てるこっちが吐きそう。」

まなみは黙って下を向いて泣いていた、健太は冷たく私に言い放った。

「泣かしてんじゃねえよブス、吐きたきゃ吐けよ」
「健ちゃん大丈夫だから」
「健..ちゃん?」

健太くん、健太くん、健太くん、健ちゃん。
まなみが健太を呼んでいる声が頭の中で再生されて何かが胸から喉にこみ上がった。

「…おえっ」
「まじじゃん」

本当に吐いてしまって思わず腰が抜けた。

「あやな大丈夫?」
「…やめて近寄らないでまた吐くから」

「もう私、まなみのこと友達なんて思ってないよ?」
「あや..」
「だから健太と気にせず付き合っても大丈夫だよ」

「健太、別れよ?」

まなみが泣き出して私になにか訴えようとした。

「まなみ?」
「…ん?」
「ありがとう、信じてたよ、大好きだったよ、まなみはちゃんと幸せにしてもらってね」

「健太」
「..はい」
「まなみのこと幸せにしてやれよ、泣かせたらぶっころす、今までたくさんの幸せをありがとう!」

小説に書いてありそうな臭いセリフを吐いて私は俯いた。

「..行って」
「なに..?」
「もう私の目の前から消えて?」

2人は私の前から立ち去って行った。

恋する嬉しさと別れる切なさと裏切られる辛さを知った17歳の秋でした。


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