自己満足で書いてたスレが埋もれちゃったのと、忘れちゃったので新しく建てようかと。。。
亀/気分次第で更新するので、放置多めです。
最悪失踪するかもです。
ど素人なんで、語彙、内容色々とおかしいところあるので、その辺は、ちょっとだけ目をつぶっててくれれば。。。あまりにも酷ければアドバイスお願いします。
感想は普通に嬉しいので、暇があればお願いします。
__貴方は今どこで何をしていますか?
__この空の続く場所にいますか。
あなたと別れてから2年の月日が流れました。
あの時のことを私は一生忘れない。
“5年後の私へ
私は今日中学校を卒業しました。
昨日は志望校の合格発表を見に行きました。合格してました。この時の嬉しさ、まだ覚えていますか?
高校生活はどうでしたか?来月からまた新しい1歩を踏み出します。
部活動は中学と同じく陸上部に入っていましたか?ちゃんとしっかり生きていますか?
中学の時、志望していた桜が丘大学に入学できていますか?
しっかり将来を持っていますか?
あと、今付き合っている綾李くんとは今も付き合っていますか?それとも高校か大学で別れちゃったのかな?
なにはともあれ、この手紙をもう一度開くことになる年齢まで生きていることを願います。
追伸
この手紙を開いてくれてありがとう。思い出してくれてありがとう。
中学の頃の願いは叶わなくとも、生きていてくれてありがとう。
酒井 玲那”
毎年カレンダーの3月17日に手紙開くまであと〇年!って書いてたっけ。
結果的に忘れることなく綺麗に引き出しの中に置いてあったんだけど。
流石に中身までは覚えてない。
懐かしいな。綾李くんも…。
今日、会えるかな?
〜会場〜
今日は、同窓会。
先週あたりに華蓮からもらった電話で行くことになった。
華蓮は幼稚園からの幼馴染。目はくりくりで、身長はそこまで高くなくて昔っから体が弱かった。
ピアノとバイオリンがとても上手で、家に遊びに行くとリクエストした曲を弾いてくれたっけ。
ってそんなことは置いといてさ、綾李くんはどこ。
手紙を開いたのは今日。
綾李くんのことを思い出したのも今日。
綾李くんは中学で一緒になって、片思いを1学期まるまる続けてからの、文化祭で告白して。
でもそのあとどうやって別れたんだっけ。
思い出そうとすればズキンと頭が痛む。
数分もすれば一学年ほとんど集まったようだ。
「玲那〜。」
遠くから駆け寄ってくる華蓮たち
「久しぶりだね。」
「そうでもないような気がするけどね。」
世間話やらなんやら話しているうちに綾李くんのことは忘れていた。
だが
「ねえ、玲那。綾李来てないっぽいんだけど、知らない?」
「え?綾李くん来てないの?」
「玲那知らなかったの?てっきりまだ付き合ってると思ってたんだけど…。」
「ごめん。わかんない。」
「ってことは、連絡先も?」
「綾李くんの携帯が変わってなければあるんだけど…。ちょっと怖くて。」
怖いのは本音。何に対しての恐怖心なのかは分からない。
「ああ。誰か違う人につながるのは嫌だもんね。そんなことあんまりなさそうだけど。」
「そうだね。一回かけてみるよ。」
プルルルル プルルルル
スピーカーフォンにしてみんなに聴こえるように机に置いた。
しかし一向に出る気配はない。
挙句の果てには留守電につながった。
そんな光景を遠くから見つめる者がいることにまだ私は気付かない。
それはとても冷ややかで鋭い視線だった。
「ねえ。あんた。」
「え?」
「あたしだよ。玲那。思い出せないほど記憶に残ってないの?ひどいなぁ〜。」
とけらけら笑いながら顔を覗き込まれる。
「もしかして、紗耶香?」
「そうだよ。それよりさ、綾李のこと。」
「ああ、綾李くんの幼馴染だっけ?」
「そうだけど。それはいいの。今は置いといて。…病院行った?」
…?何言ってるの?紗耶香?
「病院?どういうこと?」
「その顔は全く知らなかったんだ。…彼女のくせに…!」
待って?意味が分からない!?なんで?
思い出そうとすれば頭が割れそうなぐらいの頭痛が襲う。
頭を抑える私に声をかけてくれる華蓮の声も聞こえない。
私に聴こえるのは紗耶香の冷たい声だけ。
「…あたしの方が。あたしの方がいつも見てたのに…。」
最後にきいた声は紗耶香の涙声だった。
目が覚めたのは病院のベッド。窓の外を見れば茜色の光が空一面に広がっていた。
起きればタイミングよく看護師さんがこちらへ来た。質問をいくつかされた。
「特定の人物、あるいはそれに関連する時期を思い出そうとすれば頭痛がするんですね?」
「はい。割れそうなぐらいに。思い出すこともできなくて…。」
なんやかんやで一応診察を受けることになり、病室を出てから診察室へ向かうのだが、その途中。
ある人物の名前が見えた。
“村岡 綾李”
入ろうとしてプレートがかかっていることに気付いた。
“面会謝絶”
へなへなと膝から崩れていきそうなところを、たまたま通りかかった看護師さんに抱きかかえられた。
「あや、り、くん。」
小さくつぶやいた声が聞こえたのだろう。私を抱きかかえた看護師さんは言う。
「村岡さんのお知合いですか?」
うつむいたままこくんと頷く。
「村岡さんはこの病院に来てから既に3年が経ちます。ですが、まだ、目覚める気配がありません。昏睡状態に陥っているのでしょう。我々が何をしても反応を起こしません。」
3年…。昏睡状態?
「それって、いつか、目覚めるん、ですか?」
「それは分かりません。何年も眠り続ける方や、そのまま起きることなく息を引き取る方、昏睡状態に陥ってから4〜5年で目覚める方もいます。昏睡状態にも段階があり、一番軽いものから、ややぼんやりとした命識困難、うとうとしている状態、浅い眠りの状態でぼんやりとしている昏豪、呼びかけると目をあけるけど、また眠ってしまう傾眠、つねると目を開けるけど、刺激が加わらないと眠り込んでしまう嗜眠(しみん)、または昏迷、昏眠とも言います。そして一番重度な昏睡です。つねっても無反応のように、刺激を与えても何も反応してくれません。」
看護師さんが説明してくれているが、ほとんど聞いてなかった。
もしこのまま何年も眠り続けるならば?
そのまま起きることなく亡くなっちゃうの?
「治す方法は?」
ゆっくりと目を閉じ首を横に振られるだけだった。
パタパタパタ
「酒井さーん。診察ですよ。って」
「ごめんなさい。ご迷惑かけました。今から行きます。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
特に異常なし、か。
“何か、思い出したくないことが本能的に働いているのかもしれませんね。”
思い出したくないことが分からない。
「玲那!倒れたって何!?体?!大丈夫なの?!」
「お母さん。そんないっぺんに聞かないでよ。答えらんないじゃん。特に異常なかったから大丈夫だよ。」
力なくへらっと笑いながら答えれば、今度は母のほうがへなへなと床に座り込んだ。
「玲那が倒れたって華蓮ちゃんから連絡きたとき、お母さんちょうど仕事で。不在着信とメールが何件も来てたのに…。遅くなってごめんね。」
「大丈夫。そんな早く死にはしないから。一応もう退院できるし。」
ただ、今は自分のことよりも綾李くんのことのほうが気になっていた。
3年前。
丁度、綺麗にごっそりと抜け落ちた記憶の部分に当たる。
その時期に何があったのか。
__思い出したい。
全く出来事を覚えてないことが気持ち悪くて仕方ない
___怖い
そう。私は怖いのだ。思い出すことを恐れ、躊躇している。
その時起こった出来事も何もかも全部を私は受け止めきれるのか。
とにかく、綾李くんが起きない以上、私が思い当たる当時者は彼しかいない。行き当たりばったりで、とにかくいろんな人に聞いてまわることもできるが、私はそこまで子供じゃない。
「どうしたの?」
不意に母が顔を覗き込む。
「いや…別に…なんでもない。」
「結構深刻そうな顔してたけど?」
言われるまで気付かなかった。
「大丈夫だよ。」
「どこが。あんたはいつもそうやって、どうにもできやしないのに一人で丸め込もうとする。」
……言い返す言葉も出ない。
「いつか、いつか本当に倒れる日が来るんじゃないかって。じゃあ、倒れて病院運ばれてるんだもん。」
悪い癖だ。大丈夫ってごまかしてただけ。ほんとは悩んでるの気付いてほしかった。助けてほしかった。
誰かに言われたっけ。
“あんたの“大丈夫”ほど不安なものはない”
って。周りに心配ばっかりかけてたんだね。
__時は過ぎ、1か月後
「こんにちは。」
「こんにちは。」
「お見舞いですか?」
「はい。気にはなるもので。やっぱり面会謝絶のプレートは今日も外れてませんでした。なので、また来週きます。」
これで何度目だろうか。どれだけ願っても祈っても、目を覚ます気配はない。
思い出せないのなら、もういっそ忘れさせてくれればいいのに。
思い出せない時間がもどかしい。
コメント失礼します!
いつも零さんの更新を楽しみしています。
表現力とか…もろもろ、全て美しくて!!
次の更新も楽しみしていますので、
これからも頑張ってください!!
>>10
わー、初コメント!
ありがとうございます。
今から更新するつもりですので、これからも読んでくれたら嬉しいです!
できなかったお見舞いの帰り道、近くのカフェテリアにて__
退院してから毎週日曜日にお見舞いに行ってるとはいえ、これで何週目なんだろう。
このまま、おばあちゃんになっても目を覚まさなかったら?
そうなる前に、このまま綾李くんは息を引き取るだろう。
そんな嫌な考えが一瞬頭をよぎる。
ただの妄想だと言い聞かせてみても、どこか現実味があって笑うこともできない。
__はぁ。
誰かと重なったため息。
キョロキョロと見渡していれば相手と目が合い、反射的に逸らしてしまったが、よくよく思い出すと見覚えのある顔。いつも笑顔を振りまいていて、誰に対しても同じ態度で、面白くてどこかしらに寝癖つけてて
「ねえ。」
相手が誰だったか思い出せないまま、相手から声をかけられ、反射的にそっちの方を見て、小さな声で
「はい。」と。
「あや…。」
「あや?」
「あ、えっと、あや……、!綾李の彼女さん、だよ…ね…?」
なんで知ってるのー。。。そして、やっぱりあなた誰〜?
そのまま顔に出てたのか、
「いきなりごめん。俺、鳴海 界って言うんだけど、えっと、あや、りの相棒的な、要するに親友?ってか、友達なんだけど。」
と申し訳なさそうに自己紹介してくれた。
「唐突でごめんね。ずっと、ではないけど、えーっと、」
「酒井玲那。」
「そう、玲那ちゃん。探してたんだ。3年ぐらい前から、あやと連絡が取れなくなって。あいつ、彼女できてから、ずっとのろけ聞かされて、それが、高校卒業した当たりぐらいからかな、パタッと連絡来なくなって、何回かけても繋がらなくて。玲那ちゃんなら知ってるかなって。」
界くん、あっ!よく綾李くんの隣にいたいっつも女の子が周りを取り巻いていた人。
そのおかげで綾李くんまでもてるようになったんだよね。
って、そんなの今はどうでもよくて
…そんな目であたしを見られたって、あたしだって知りたいよ。
ゆっくりと目を伏せれば、伏せたまま一言
「どんな現実でも、また綾李くんと仲良くしてくれる?」
「もちろん!あやと、何年一緒にいたと思ってんの?」
よかった。でも、もしかしたら…。
そんな不安がよぎりながら、話す覚悟を、そしてできるだけ思い出せるだけ思い出し、一から話すこととなる。
「嘘、そんな…。」
あぁ、やっぱり。話すんじゃなかったかも。
涙目で、半ばあたしを睨むような目つきになった事を見逃さなかった。
やっぱり。やっぱり、予想通りの反応。
「嘘じゃない。そして、綾李くんに関する3年前からの記憶をあたしはなくした。」
綾李くんがいたときの思い出を懐かしむどころか、思い出すことすらできない。
「どうして…。」
「そんなの!…そんなことわかってたらこっちだってこんなに悩んでないわよ!」
気付いたら叫んでいた。そのあとすぐにお金を置いて荷物を持って、帰ろうとしたが腕を掴まれた。しかし、涙目になっている私を見て界は掴んでいた手を離して、放心状態で立っていた。
お店を出たのはいいものの、このままでは電車にも乗れないし、人目のある場所を避けたかった。
__本当に、何してんだろ私。ただの八つ当たりじゃん。
相手は悪くない。そうわかってるのに、自分が失った部分の記憶のなかに何があるのか。わからなくてもどかしいだけ。
「おねーちゃん、かわいいね〜。…ってあれれ〜?泣いてるジャン。彼氏に振られちゃった〜?」
こっちの気も知らないで、陽気な声で話しかけてくる大学生ぐらいのグループ。
「よかったら話聞くよ〜。そうだ、僕の家おいでよ。」
無視し続けてもなお、しつこくついてくるやつらに苛立ちは募るだけ。
下手に慰められるくらいならそっとしておいてほしい。
それが今の私の心情だった。
「キャッ!」
いきなり強引に腕を掴まれれば、そちらの方を向くしか選択肢はなく
「ねぇねぇ〜。無視してないでさ〜。」
茶髪に耳につけまくったピアスが目に入る。
「しつこい。邪魔、あんたらに何が分かるっていうのよ!ほっといてよ!」
キッと睨めば、大声で叫んでいた。
その場にいた人やただの通行人たちはその声量に驚き、こちらを向くなり、訝しげに見つめて去るもの、冷たい視線を投げかけるもの、玲那に同情の視線を送るものがいた。
その冷たい視線やらなんやらに、男たちはいたたまれなくなったのか、そそくさとその場を立ち去って行った。
立ち去っていくのと同時に、男たちの去った方向と逆方向に走り出した。
気付けばここがどこだか分からなかった。
「思い出せないのに、懐かしいなんて変ね。」
ざっと見渡してみても、滑り台とブランコ、鉄棒があるだけのそこまで広くもない公園。
「もう、嫌だ。」
そう呟いてはしゃがんでは目を伏せる。
伏せた目からボロボロと零れ落ちる涙が土の色を変えていく。
そのうち感情が天気にまで現れたみたいに、分厚い雨雲で空一面覆われ暗くなったと認識した時には遅かった。
落ちてきた雨粒が地面ではねるぐらいの勢いで打ち付ける。
雨が降るなんて予報はなく、もちろん折りたたみ式ですら傘を持ってない。
激しい雨に打たれては、此処がどこかも分からない公園でただ独り。
帰ろうと立ち上がれば、軽い立ち眩みでふらっとよろめき、そのまま後ろに倒れるはず、だった。
ふわりと抱きとめられる感触がした。
怖くてつぶっていた目を開けば、見覚えのあるような顔。
「大丈夫、ですか?」
その一言を聞けば十分だった。
「あっ…。」
「あっ…。兄貴の…。」
停滞…。受験控えてるんで、もともとやけど更新頻度ぐっと下がるかも…。
========================
やっぱり、どこかで覚えてるもんなんだな。
彼と会うのは3回目ぐらい。
「…てか、大丈夫すか?」
ぼーっと顔を見つめていたが、彼の声と打ち付ける雨の痛さと冷たさで我に返った。
「や、あの、えっと。ごめんなさい。大丈、夫。」
「兄貴の彼女さんですよね。こんなとこで何してんすか?」
間髪入れずに投げかけられる問いに自分でも分からない。
「わかんない。気付けば此処に居たの。」
「そんなことありえる?けど雨、やみそうにないので一旦うちにおいで。」
「え、そんな。迷惑かけられない。」
「そんなこと、今はいいから。風邪ひくよ?」
「でも。」
「いいから。とりあえず家に帰りたい。」
本当に帰りたそうにしている相手を見れば、黙ってうなずいて後ろをついていくしかなかった。
当然、傘はない。でも私は彼のタオルを頭から被せられ、手を引かれて走っていた。
走ること数分もかからないぐらい。
カチャリとドアを開けると同時に「あー、りーくんおかえりー。」と幼い男の子の声がした。
「おー、ただいま。綾斗。」
そう言ってクシャッと笑えば、走ってくる綾斗君を抱っこしながら自己紹介してくれた。
「えっと、多分、俺のこと覚えてない、よね。綾兄の弟の李緒斗と「あーい。綾斗だよー。」」
「あぁ!思い出した。リオくんだ!綾斗くんは、私がいたときはいなかった、よね。」
「丁度、綾兄が病院入るちょっと前に生まれたんだよ。」
まちゃここと、ちゃまこッス!やばい・・・語彙力が凄い!!次めっちゃ気になる・・・テスト期間終わったらもっとじっくり見る😄
20: 零 ◆CQ:2018/06/25(月) 20:06
>>19
気付いてあげれんくてごめんよおおおぉぉ
独り言で誰かと話してても、適当に挨拶から入ってくれればなんなりするから、いつでも来てな〜。
語彙とか、全くないんで。勉強中です…。
じゃあ、テスト期間終わる前にちょっと更新するわ。
「 あやとくんは何歳かなー? 」
「 しゃんさい。 」
……かわいい。
見た目的には、写真で見せてもらった綾李くんの小さいころとさして変わらない。
「 よくできました〜。 」
くしゃくしゃと頭を撫でるリオくんも、かわいかった。
「 あんたたち、何を騒いでんの?……って、あら、? 」
「 えと、お邪魔してます。 」
「 やだ、ずぶ濡れじゃない。早くお風呂入ってきなさい。 」
「 え、えと……。 」
「 ほら、早く。風邪ひいちゃうから。 」
「 ……ありがとうございます。 」
連れられるがままにお風呂場へ。
後でタオルと着替え持ってくるからゆっくり入ってきな、とドア越しに言われれば一つ返事を。
そして思い出す。覚えてないのに、懐かしい。
強引で美人なお母さんと、無口だけど優しいお父さんに、やんちゃでかわいい李緒斗君。それに加えて、綾斗君。
**
「 李緒斗はタオルで我慢できる?彼女が上がったら入りな。 」
「 彼女じゃねーし。 」
「 珍しいじゃん、初めてじゃない?女の子家に上げるの。 」
「 この家、初めてじゃないと思うよ、玲那ちゃんは。 」
「 え…?玲那、ってあの玲那ちゃん? 」
「 他に誰がいるんだよ。 」
俺は苦笑しながら、彼女の名前で動揺する母を見つめる。
「 玲那ちゃんは綾兄の彼女だよ。 」
「 玲那ちゃんは綾兄の彼女だよ。 」
そう告げたときの母の顔は見なかった。
それでも、なんとなくわかる。綾兄を知る人がいて、俺ら家族を知る人がいて…、思い出さないわけがない。
「 ……そっかぁ〜。通りで見たことある子だと思った〜。 」
母の声は明るかった。無邪気にはしゃぐ綾斗を眺めるような、柔らかくとても優しい瞳だった。
そん中に多分、寂しさとか、悲しさとか閉じ込めてるんだと思えば、少し寂しくなった。
**
なんで、覚えてないはずのことを思い出したんだろう。
“ 強引で美人なお母さんと、無口だけど優しいお父さんに、やんちゃでかわいい李緒斗君 ”
どうしてだろう。
気付けばぽろぽろと涙を零していた。
涙腺弱くなったなぁ、私…。
この記憶を取り戻せる日は来るのだろうか____