もしも願いが叶うなら

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1:薫+*Mio+*◆xs RustyHonesty:2018/04/04(水) 15:51



早く忘れて、楽になりたい。


>>2

2:薫+*Mio+*◆xs RustyHonesty:2018/04/04(水) 15:54

こんにちは!掛け持ちしまくってます薫です!
自分が葉っぱに来れるかさえ危ういのに、どうしても書きたくて……スレ立てちゃいました!
かなり色々放置してますので、どうにかします(笑)
今回はファンタジー。
パラレルワールド、魔法など出てきますので、苦手な方は注意してください。

荒らし、なりすまし厳禁ですよ!
コメントくれたらめちゃくちゃ喜びます。
では……start!

3:薫+*Mio+*◆xs RustyHonesty:2018/04/04(水) 16:03

「おーい、みゆ〜!さ、か、え、み、ゆ〜‼」

バタバタと走る足音。
小学5年生となり、初めて出来た友達が、自分の名前を呼んでいる。
そんな風景を見るのも、今日で3日目。

みゆはパタンと本を閉じて、ため息をついた。
1人、『秘密基地』でのんびりできる時間は終わったらしい。

……分かりやすい、単純なあの子のことだ。

自分が1人で本を読むのが好きだなんて、分かるはずもない。
それに、秘密があるなんてことも。

(絶対の魔法、なんて……。あの子なら気付けるわけがない)

気付かれないから、大丈夫だよね。
自分に自分で言い聞かせたみゆは、トントンと階段を降りていった。

4:薫+*Mio+*◆xs:2018/04/04(水) 16:29

「ねえねぇ、みゆは好きな人いるのー?」

下校中、弾丸のように話しまくるりのの唐突な言葉に、みゆは少し顔を強張らせた。
しかし、それも一瞬。

「あたし?いるよ?」

あっさりと答えたみゆの眼には、『自信』の二文字が見てとれる。

(あたしには、絶対の魔法があるから……!) 

りのなんかに知られたって、痛くも痒くもないんだから。
そんなことを思いながら、聞き返すみゆ。

「りのはいるの?誰?」

「わたしー?いるよ!星康人くん」

「マジッ!?」

余裕だと思って自分から訊いたは良いが、あわてるみゆ。

(嘘、同じじゃん…)
 
しかし、そう思ったのは、りのも同じらしい。

「え、えと…」

2人の間に気まずい沈黙が流れた。
しかし、みゆは余裕の表情に戻っている。
 
「かぶっちゃったね…ま、お互いに頑張ろ?」

そして、微塵も思っていないことを言う。

4年生の時に転校してきたりの。
この『かわせみ第一小学校』に1年生の時からいるみゆは、りのよりも、相手の星康人と親しい。

それに、自分には……!
みゆは、内心クスッと笑ってしまった。

5:薫+*Mio+*◆xs:2018/04/05(木) 09:43

その後は、全く別の話をして家へ帰った。
そして――みゆは、先ほどから頭にある『絶対の魔法』について考える。

絶対の魔法。
それがいつからなのか、どのようにして手に入ったのかは分からない。
しかし、気が付いたら使えるようになっていた。

6:薫@ゆず◆xs:2018/04/23(月) 09:10

最初は――保育園に入る前。
平仮名をうまく書けるようになりたいと思った。
その時に、初めてこの能力を知った。

『絶対、平仮名を上手く書けるようになる!』

心の中で強く唱えたら…そう、急に平仮名が上手く書けるようになっていた。急に。
その時は驚いたが、すぐにそれを理解する。

そして味わった、優越感。
あたしは、『絶対◯◯する』『絶対◯◯になる』と心の中で強く唱えたら、それを現実にすることが出来るんだ――。

それを知ったときに芽生えた、『あたしは他の人とは違う、特別なんだ』という思い。
言葉で表しようのない、どこか黒い喜び。

そして―その『絶対の魔法』に絶対の自信を持つみゆは、今もその能力を、毎日のように使っている。

7:薫@ゆず◆xs:2018/04/29(日) 10:00

しかし、その能力のことは誰にも言っていない。
自分だけの秘密だ。

1人で回想をしていると、我に返った。
明日の学校の用意でもしようかと、予定帳を取り出す。
明日は新学期が始まって、まだ5日目だというのに実力テストがある。

みゆは勉強があまり得意ではない。
しかし、学校では勉強ができるという位置付けだ。

――正しくは、テストで点数が取れるという位置付け。
そう、絶対の魔法を使えるのだから。

8:まつり@ゆず◆xs 元薫 クソワロタンバリンシャンシャン依存症:2018/05/13(日) 17:57


その時、りのとの会話を思い出したみゆは、ハッとした。
――りのと、好きな人が同じ。

純粋で可愛らしい容姿のりのには、絶対の魔法を使わないと勝てない。 
みゆはそう判断して、先手を打つことにした。

「絶対、康人ともっと親しくなる……!」

胸の辺りで手をくんで、ギュッと目を閉じる。

(絶対、絶対、りのには負けない!あたしの方が、ずっとずっと前から、康人のことが好きだったんだから……!)


――どれほどの時間が経ったのだろうか。

「みゆ、ご飯よ」

と心配した母親が部屋をノックするまで、みゆはずっと、絶対の魔法を繰り返していた。

9:まつり@ゆず◆Go 今のトリップです:2018/05/21(月) 21:05




――その時はまだ、楽観視していた。

10:まつり@ゆず◆Go 今のトリップです:2018/05/21(月) 21:16


翌日、みゆは登校する。眠い目を擦りながら。
しかし、昨日のことを思い出すと、一気に目が覚めた。

(康人は、どこ……?)

絶対の魔法が効いているはずだから、話しかけてくれるよね。
みゆはその嬉しさに、口元を押さえた。
そう断言できるほどに、慣れているのだ。

絶 対 の 魔 法 を 使 う こ と に。

しかし、タイミングというものもある。
康人を見付けて、

「おはようっ!」

と反射的に挨拶をしたみゆの横から、

「康人くんおはよ〜っ!!」

聞きなれた声が。りのである。

(えっ、何でいるのよ!!)

驚いて、りのを見つめるみゆ。
するとりのは、勝ち誇ったように、静かに口角をあげた。

「みゆも、おはよう」

この微笑みを見ると、ああ、りのって美人なんだ……と改めて感じてしまう。
昨日よりも自信があるような、大人びた雰囲気。

(え、なんでよ……!!)

あの、子供っぽくはしゃいでいたりのとは大違い。
その微笑みに、みゆは違和感を覚えるのだった。

11:まつり@ゆず◆Go:2018/05/21(月) 21:22

その後、普通に

「あ、おはよう」

と挨拶を返してもらえた二人だが、横入りされた気がしたみゆは、どこか落ち着かなかった。

(なに、りのったら急に……)

心の中で少し悪態を付くものの、りのには普通の顔で接する。

こんなこと、全然気にしてないんだから!
……そう、思い込んで。

りのも康人も悪くない。
それを知っているからこそ、無性にはらただしかった。

12:まつり@ゆず◆Go:2018/05/22(火) 19:08

しかし、それも一瞬で解決する。
みゆは、新たに挨拶をする対象を見付けたのだ。

「るこるん!おはよ〜!!」

仲の良い友達の、瑠湖である。
今年はクラスが分かれてしまったが、去年は同じクラスだったので、大の仲良しだ。

「おおっ、みゆっちお久!」

愛らしいボブヘアーを揺らして、瑠湖が駆け寄ってくる。

自分のことを、みゆっち……というあだ名で呼ぶのは、瑠湖だけ。
それだけ親密な友達同士なのだと、りのに見せつけたい。

みゆは、なぜかりのを敵視してしまう自分自身に腹を立てつつ、謎の快感も覚えていた。

13:まつり@ゆず◆Go:2018/05/23(水) 18:10

一時間目は、実力テストがある。
朝はなにかと慌ただしいので、その後はりのや瑠湖、康人と話すことはなかった。

朝の会で、軽くテストの注意点の説明を受けて、すぐに一時間となる。
まわってきたテスト用紙に『栄美憂』と記名しながら、みゆはいつも通りの行為を始めた……。

14:まつり@ゆず◆Go:2018/05/23(水) 23:05

(絶対、この問題を正しく解く!)

心の中で強く唱えるうちに、頭に浮かんでくる、解法と答え。
左手で鉛筆を握りしめ、右手ではシャツの胸元をギュッと掴む。

そして。頭の中に、はっきりと、明確におりてきた答えを、解答用紙に書き込んでいった。

――最初は、『問題を解くヒントが欲しい』『解き方を簡単に教えて』といった、些細なものだった。 

しかし、深みにはまっていくと中々抜け出せず。 
必ず満点を取れるよう、答えを欲するようになった。

そして、今。

(りのには負けたくない。あたしのこと、康人に見てもらいたい……)

強く強く念じ、手に力を込めて。
 
――国語、算数、共に満点を取った。

15:まつり@ゆず◆Go:2018/05/23(水) 23:16

「ねぇっ、みゆっち!」

肩を、軽くポンと叩かれて振り向くと、そこにいたのは……りの。
みゆは、りのに『みゆっち』と呼ばれたことに少々憤りを覚えつつ、

「なに?」

と応じた。

(なに、るこるんと同じように呼んじゃって……)

「もう、怖い顔しないでよ〜。そんなことよりさ、今日、一緒に帰ろ?」

「あ、ごめん無理」

思わず即答してしまった。
今日はなんとなく、りのと関わると良いことが起こりそうにない。
……それに、

「今日、るこるんと一緒に帰る約束しちゃったんだ」

そう、先約があるのだ。
それを何気なく伝えると、みゆはまたしても謎の快感を覚える。

あたしはりのとは違う、特別な能力を持つ者だ、という意識。

(るこるんと二人で帰るんだから!昨日一緒に帰ったし、良いでしょ!)

――瑠湖は、絶対の魔法のおかげで出来た、大切な友達。
『親友の二人』という関係を、壊したくないのだ。

16:まつり@ゆず◆Go:2018/05/24(木) 22:05

しかし、りのはそんなことはお構い無し。

「へえ、るこるん?と一緒に帰るんだ。じゃ、わたしも一緒に三人で帰る!」

「え……」

(もう、なんでこうなるのよ!何、りのってばわがまま言っちゃって……)

みゆの心情を読んだかのような、りのの発言。
それにイライラとしつつ、みゆはハッと思い付いた。

――絶対の魔法を使えば、瑠湖と二人で帰ることができる。

りのに気取られないように、スカートの裾をギュッと握りしめて。
心の中で唱えようとした……その時。

「あっ、るこちゃーん!!」

りのが大声をあげた。
それを聞いて、無意識に手の力を弱めるみゆ。

瑠湖に絶対の魔法がバレたら……それを考えると、怖くなるのだ。
しかし、

「あっ、気のせいだったみたい!ごめんね、みゆ」

と悪びれなく言うりの。
その能天気な言葉に、みゆの中に怒りの感情が湧いてきた。

「りの、今のってわざと……」

ポロッと溢した、自分の声。
その意味を理解した瞬間、みゆはあることに気付き、サッと顔を青ざめさせた。

(りの、もしかして、絶対の魔法に気が付いて……)

17:まつり@ゆず◆Go:2018/05/25(金) 18:10

嘘だ、嘘だと思いたい。
当然、りのが口に出した訳じゃないし、みゆの考えすぎかもしれない。

……でも。

(『完璧な栄美憂』じゃ無くなるかも……)

りのも瑠湖も康人も、そんな自分を好きでいてくれる訳がない。
――そんなの嫌だ。

率直にそう思ったみゆは、必死で頭を働かせながら瑠湖を待った。

18:まつり@ゆず◆Go @は全角:2018/06/23(土) 22:23




「あっ、るこちゃーん!」

今度こそ、瑠湖が来たようだ。
しかし…みゆが瑠湖に話しかける前に、りのは自己紹介をしていた。

「わたし、りの!縣莉乃っていうんだよ!よろしくねっ!!」

「よろしく〜。ウチ、参沢瑠湖っていうの。参るに沢って書いて、みさわ。よろしくね〜!!」

二人の世界に入る前に、あたしも輪の中に入らないと…!
そう思ったみゆは、

「るこるん!」

と、割って入った。

「今日、あたし用事あるんだ!だから、早めに…」

途中まで言うと、瑠湖は察してくれたよう。

「そだね、ごめん。帰ろっか〜」

と、校門に向かって歩き始める。
それに安堵するみゆ。

……当然、用事があるなんて嘘だ。
ただ…二人で帰りたいがために吐いた、小さな嘘。

19:まつり@結珠◆Go:2018/06/27(水) 18:27

親友を騙した……。
少しの罪悪感は覚えるものの、みゆは何事も無かったかのように歩く。

しかし、心の中は正直。

(結局、りのも一緒になっちゃった)

……と文句を垂れる。
しかし次の瞬間、

「ねえ、二人は今日のテストできたー?」

というりのの声にハッと我に返った。
意味深な笑み。

(りの、本当に絶対の魔法に気付いたのかな…)

改めて不安になった、みゆ。
しかし、そんなことは二人に関係ない。

20:まつり@結珠◆klVAly. 紅蓮の弓矢キタ━(゚∀゚)━!:2018/08/03(金) 16:00

「え〜っ、ウチ全然自信ないよ…。みゆっちも天才だけど、りのちゃんも頭良さそうだもんね〜」

瑠湖の純粋な返答に、みゆは複雑だった。

(りのも、頭が良さそう……?)

自分の方が、りのより頭が良い。
みゆは確信していた。
日々の生活態度を見て、特に。

(りのは空気読めないし、言動も幼稚だし……)

瑠湖は、優しいんだ。
だから、思ってもいない褒め言葉を……。

でも、絶対の魔法を使わずに比べたら?
そう考えると、学力は負けているかもしれない。

その事実が、よりみゆを苛立たせた。

……でも。

(絶対の魔法を使いこなして、人の裏側も考えて行動しているあたしだもん。負けるなんて、あり得ない…)

そう無理矢理思い込んだみゆは、

「りのはどうなの?勉強得意?」

と、強気に返した。

21:匿名:2018/08/11(土) 17:34

邪魔ス冫ぞ(▼一▼)ノ ̄~~ズカズカ  ¬(`A´)ノ=〔〕邪魔すんなら帰ってええよ


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