長編は書けない…というか続かないので短編です。
不定期更新。思い付きで書きますので見て下さる方は気長にお待ち頂けると有り難いです。
批評はお受けしますが、主の気紛れ,謎の話,駄文,誤字脱字を理解した上での「優しい」アドバイスやご指摘をお願いします(メンタル弱いので…)←
他に質問や疑問があればお気軽にお聞き下さいな。
…では、暇な時にでもどうぞ。
とりあえず短編ひとつ。
題名は思い付いてないので無し。思い付けばつけるかもしれませんが…。
「なんかこんなに空が綺麗だとさ、空に向かって飛びたくならない?」
暑い炎天下の屋上に二人。
僕に掛けられた言葉が、やけに心に響いた。
…彼女がそれをどういう意味で言ってるのかは理解できてないけど。
「…でも、人間は空を飛べないから落ちてしまうよ。」
そう僕が返すと、前にいた彼女は振り向いた。
特になんの顔をするわけでもなく、全くもってその通りだよ、とでも言いそうな表情で僕を見上げる。
「でも、それでも…一瞬でも空に近付けるなら、私は落ちても良いかなって思えるんだよね。」
にしっと悪戯っ子のような笑顔でそう告げた。
普通なら、いやいやダメだろ!って笑って返すんだろうけど、今の彼女なら空高くまでずっと飛べそうな気がして、何も言えずに俯いた。
「キミも飛べるだろうけど、まだその時じゃないよ。きっとまだ、何十年も先。」
そう告げる彼女は自分でそう言った癖に、やけに苦しそうな表情を浮かべた。
もうどう声を掛ければ良いか分からなくて、震える手をぐっと握った。
「…じゃあ、僕が飛ぶまで…そこで、空で待っててよ。」
乾燥していた喉のせいで掠れた声になったが、ちゃんと伝えられた…けど、彼女は笑いを辞めて驚きの表情を浮かべていた。
や、やっぱり駄目だよね、今のは気にしないで。と言おうと口を開いた瞬間、彼女は大声をあげて笑い出した。
「あはははは!いやあ吃驚しちゃった、そんな事言われると思わなかったよ…!…ふふ、ふふふ。うん、いいよ。待ってるよ、ずっと待ってる…けど!すぐ飛んじゃ駄目だからね、ちゃんと何十年も後にしてよね!」
笑いすぎて出てきた涙を拭いながらそう告げられる。
…笑われたのは不服だけど、僕の願いを受け入れて貰えたからまあ良かった。
ふ、と顔を彼女に向けると、最後に楽しい話出来て良かった、と呟いて空に顔を向けていた。
彼女は柵を掴み腕の力だけで立ち上がると、重心を空にかける。
「ふふ、じゃあ何十年後かに。」
「…また、何十年後に。」
暑い炎天下の屋上に僕が一人。
煩い蝉や人の鳴き声と車椅子のタイヤが空回る音を最後に、僕は強く目を瞑った。
「殺したい彼と悪運彼女」
これはもうひとつ続きとか考えてるやつ…骨組みに適当に取って付けただけのリメイクなので駄文注意です。
あと題名やばいけどギャグ…というか全然そんな要素ないです。題名通り。
「…あんたを、殺したいんだよ。」
きらりと光るナイフを喉の辺りに向け、欲望が剥き出しの眼で睨み付けられる。
夜なのにやけに暑い風が流れる中、彼は突如私の部屋の窓から侵入してきた。
寝起きの私は声を出すことも出来ずにぼうっと眺めていたが、ふとこんな気持ちが浮かんでいて。
…私は、構わない。
死んだって構わない。
だが、私はどうにも死なないのだ。
「…構わないよ、出来るなら別に。」
「…あんたがどう言おうとやるつもりだが、それを聞いて安心した。……せいぜい、一撃で…ぶふぅっ!??」
びたーん!
…という効果音が合うだろうか。
閉じていた目をそっと開けると、予測はしていた光景が広がっていた。
私の目の前で床に転がり、ナイフが顔のすぐ近くに突き刺さっているのに身動きひとつしない彼。
これはまた悪運強い人だなあ…なんてのんびり思いながら、丈の長いワンピースの裾を払ってしゃがみこむと、彼を見つめながら問いかけた。
「…大丈夫ですか?」
「…くっ…なんなんだ、お前…近づいた瞬間何かと転けたりナイフが飛んでいったり…!!お前は何者で、俺に何をしたいんだ…!!」
ガバッと上半身を起こすと共に、突き刺さったナイフを勢い良く抜いて最初の時のように目の前に向けてそう叫んだ。
じりじりと、焼けるような熱い目。
私と正反対の目をしていて、何故か視界から外すように目を細めながら告げた。
「……私は、普通の人間だし、特別貴方に何かをしたいわけではない。…あと、鼻血出してる人に言われてもかっこよくないし怖くないです。」
「なっ…!?」
気付いてないのかよ、と言いたくなるくらい沢山出ているのに、私に言われて気付いたらしい。
手についた血を見て驚いているようだった。
そんなちょっとした血で驚いてたら刺した時吃驚してこの人が倒れちゃうんじゃ無いだろうか。
ふう、と細く息を吐き出すと、立ち上がって手を差し出す。
そこに転んだままでは、血や床の埃などで服が汚れてしまうだろう。
「…良ければ掴まってください。転んだままでは汚れてしまいますよ。」
手を見て、顔を見て、また手を見て。
きょとんとしたままこちらを見てくる彼は、整った顔立ちをしている為か少しばかり愛らしいと思えてしまった。
「…ああ、すまないな。」
そう告げると、私の手にそっと彼の手が重なる。
私の手より暖かい彼の手を軽く握ると、自分の方へ引っ張りあげる。
…はずだったのだが。
「……!」
「…はは、捕まえた。」
どうやら、引っ張られていたのはこちらの方だったようだ。
反射的に瞑っていた目を開けると、遠くにあった彼の身体とにやにやとした顔。
そして、右手に握られているのはキラキラのナイフ。
…ああ、ここで殺るつもりだったのか。
引っ張られた衝撃で刺さっていたら死んでいたかもしれないが、ここで刺せていないのならもう…無理だろうな。
まだ気付かない彼の身に起こる不幸を見つけた私はそっと心の中で呟くのだった。
「(……どんまい、です。)」
「ぐふぁ…っ!?」
私は本が好きだ。
何でも知っていて、読むだけで全てを理解できる本が。
…だから、私の部屋に本が沢山あっても…たまたま崩れるって事も、有り得るでしょう?
見事に角から落ちてぶつけられた頭をおさえて踞る彼。
…まあ、脳震盪も無いし死にはしないなと踏んだ私は立ち上がる。
「…気は済んでないでしょうが、もう寝ないといけないので帰りますね。お疲れ様でした。」
「っくそ…!!次は絶対…!!!」
まだ痛そうにおさえている彼は、ビシッとナイフをこちらに向け、何時ものように睨み付けて毎回同じセリフを告げた。
「…はい、手短にお願いしますね。」
明日もまた忙しくなるのだろうか。
自然とついて出た溜息を隠す事なく吐き出すと、くるりと背を向けてベットへと向かうのだった。
まだ判定の場所分からなくて色々削っちゃっておかしくなってしまいましたな…変な所ありましたら教えて頂けると有り難いです。
7:りふ◆bU:2018/07/01(日) 23:40
「嫌いだよ、私は」
シンとした教室に、ぽつりと放り出された言葉は僕の心に突き刺さった。
思わず顔を俯かせても、彼女は関係無いといった雰囲気でまた口を開く。
「そうやってすぐ俯くところ、自分に自信が無いところ、頼まれ事を断りたくても断れないところ」
言われた言葉全てが僕の心に傷をつけていく。
全部全部聞きたくなくって、もう耳を塞いで座り込みたくなった。
「自分の事もだけど、他人の気持ちにも鈍感なところ」
もう、やめてよ。
「自分の気持ちをはっきり言えないところ」
これ以上、傷付けないでよ。
「……私の気持ちに、気付かないでいるところも」
もう、………え?
ぼそりと小さく呟いた言葉に思わず顔をあげると、息がつまりそうだった。
ぽわんと赤らんだ頬に涙ぐんだ目、ぎゅうっと服を握った震える手を見て、僕は今すぐに彼女を抱き締めたくなった。
けど…流石に、付き合ってもいないのに出来るわけがない。
と思っていると、本っ当に馬鹿なんだから、と言われたが今度は心に刺さる事は無かった。
「こういう時は声掛けたり抱き締めたりするところじゃない。………でも…ちゃんと、気持ちを伝えてくれたところは…好き」
僕は思わず、今度こそ彼女を抱き締めた。
薄暗く光る四角の物体を慣れたようにするすると指を滑らせていく。
…また今日も返信来てない。
随分前から数分置きにちらちら見るも、何も来ていなくて。
こんな事を続けて、まだ2日目。
こういう事が駄目なのは分かっていて、ネット依存症なのも分かってる。分かってる。…けど、さ。
そうなっちゃうのは相手との会話が楽しいからで、特に早く返信するよう急かしてもないし、私、悪くないよね?
…なんて。悪いのは分かってる。世界は良くない事だって決めているんだから。
…けど、この止められない気持ちはどうしたらいい?
携帯を離せば良いのだろうけど、その間に返信が来てたら気になって開いてしまいそうだ。
こんな事親にも相談できないし、友達なんて余計に無理。
言った所で引かれて終わりでしょ?
…詰まる所、私にはもうどうしようもないのだ。
気を紛らす為にいれたアプリだって、とうの昔に捨ててしまった。
シナリオ通りの返答じゃないものが楽しくて、アプリなんて興味が無くなってしまった。
この世の中はつらいことが多すぎる。そんな世の中で生きている私は、相当凄いんだろうな。…はは、なんちゃって。
また考えすぎてしまった。
そろそろ辞めない、と………ああ、返信来ちゃった。
また、数えないとな。
「 私たち、さ、あと何年生きるんだろうね 」
その言葉は重くも軽く告げられ、俺は思わず眉を潜める。
確か、平均寿命は女が87、男が81…だったような。
…それを知って、何だというのだろうか。
「 そっか、6年も寿命違うんだ……うん、決めた。 そっちが私より早く死んじゃったら、私も一緒に死ぬよ! 」
「 ……はあ? 」
笑顔で言い出したのは、突然の心中宣言。しかも俺が先に死ぬ前提で。
いつも通り変わってる幼馴染を見やれば、ふとぱちっと目が合う。
ゆるゆると目を細められると、雰囲気に当てられたのか、俺もなんか気が抜けて。
「 …お前の人生だし、好きにすりゃ良いよ 」
「 うん! 駄目って言われても好きにさせてもらう! 」
…んな先の事とか分かんねぇけど、まあそれでも良いか、とか思ってしまった俺は。
人生どうなるか知らねえけど、こいつと一緒に全てを共にできるなら。
…それも悪くないと思った俺は、相当、暑さでやられてるらしい。