家にも学校にも私の居場所なんてどこにもない______
2:桜子◆ZI:2018/07/15(日) 18:25いじめ小説です
3:桜子◆ZI:2018/07/15(日) 18:49 私の名前は早乙女茜。
私立白樺学院中等部に通う2年生。
白樺学院とは小・中・高・大とエスカレーター式の名門一貫校である。
お金持ち学校の最高峰といわれ、東京都の中心に広大な敷地を持つ巨大な学校だ。
ヨーロッパ風の綺麗な校舎、かわいい制服…
まるで楽園のようだと誰もが思うのだという。
そう思ったら大間違いよ。
ここはまさしく「地獄」
突然だけど、まず私の家庭事情から説明するわ。
私の父の家はかなり貧乏でいつも毎日の生活をするので精一杯だったらしい。
父は高校を受験するとき公立を受けようとしたんだけど、特待生になったら学費・その他の費用が全額無料になる白樺学院を受けたんだって。
無料なら公立より安いじゃないかって。
そして無事白樺学院高等部に特待生で入学した父はもう目が飛び出るほど驚いたらしい。
無駄に広い校舎、学食の値段の異常さ、そして内部生との金銭感覚の違い…
小中公立の父にはすごい衝撃だっただろうね。
私はそれ聞いたとき(公立行った方がいろいろ安く済んだんじゃ…?)って思った。
修学旅行費とかも凄いし、ここ。
そして何より父がびっくりしたのは「白百合の会」と呼ばれる組織(?)
簡単にいうと学院にいる特権階級集団。これに入ると大抵のことは許される。
しかし誰でも入れるわけではなく、家柄、本人の素養など厳しい条件をクリアすると入れるのだ。
「白百合の会」に所属している人間は学年に10人ほど。まさに「選ばれた人間」
本人達もそう思っているのか傲慢で自信過剰な奴が多い。
私の言い方から分かると思うけど、この「白百合」はまだ学院に残っていて私を苦しめている。
父は友達との生活レベルの違いに困惑しながらも部活動に励み、青春してたらしい。
でも出会ってしまったの。あの女と。
父が友達とじゃれあっていたときうっかり、ある人にぶつかった。
これさえなければ、この出会いさえなければ、私は生まれてこずにすんだのに、苦しまずにすんだのに。
そのある人とは「白百合の会」メンバーであり私の母_________
桜庭香織との出会いだった
私、母の事は嫌いだけど、顔だけは美しいと思う。
だから父は母に一目惚れ。
うっかり「きれいですね」とか言っちゃったらしい。バカみたい。初対面の人に言うことかよ。
母に「何を言っているのですか?」って聞き返されたって。そりゃそうよね。
なんやかんやあって父のアタックで高2の夏めでたく付き合うことになった。
その後父と母は白樺学院大学に進学。
卒業した後父は普通のサラリーマンになり、母はコネで大企業の事務員に。
父と母は結婚しようとしたんだけど、母の両親が大反対。
そりゃそうよね。エスカレーター式の私立学校に初等部から通わせて、溺愛していた娘が普通の庶民と結婚するって言うんだもん。
だけど二人は強く愛し合っていた(笑)ので反対を押し切って無理矢理結婚。
ちなみに父の両親は結婚に大賛成。逆玉の輿だもんね。
ちなみに結婚したとき父と母は24歳。
1年後には私も生まれ、まさに人生の黄金期。
でもその幸せな生活は長くは続かなかった。
私が5歳のとき、
父が
死んだ
暴走する車にぶつかり、即死だったという。
父は友人も多かったため、沢山の人が悲しんだ。
お葬式のとき、母は無表情だった。
思えばこの頃が一番楽しかったなぁ。またお父さんと遊園地行きたいなぁ…
父の葬式が終わったあと、母は実家に帰ることになった。
母の両親は溺愛していた娘が戻ってきて狂喜乱舞した。
私はこいつらも絶対許さないと決めている。
父の葬式に満面の笑みで現れたドクズ共。
父と、父の両親をバカにしたあいつらを絶対に許さない。
私は母の実家で当たり前だけど、煙たがられた。
「自分達から娘を奪った庶民の娘だから」、と。
祖父母から辛く当たられるのも辛かったけど、何より辛かったのは母が冷たくなったこと。
父が死んだ後、私に興味なんてなくなった、いや最初からなかったかのように関わりがなくなった。
そしてなんと父の死からわずか2年後……
母が再婚した。早乙女啓二という母が勤めていた大企業の社長だった。
母が再婚する前に私は白樺学院初等部に小学受験した。
私は祖父母に嫌われているとはいえ、あの桜庭家の孫。
公立小学校に行かせるわけにはいかなかったのだろう。
なので父が死んですぐ、お受験の勉強を叩きこまれた。
祖父母は初等部から入学させることにこだわった。
なぜなら初等部からの入学者でないと白百合の会には入会できないからだ。
桜庭家の孫なら必ず合格できたし、白百合の会にも入会できたと思う。
でも私は落ちた。
反抗心で面接では何も答えず、ペーパーテストは白紙で出した。
祖父母には恥さらしと言われ、結局私は地元の公立小学校に行くことになった。
小学校はすごく楽しかった。あのとき落ちて良かったと思った。
だがその楽しい生活も長くは続かなかった。
一つは義父・早乙女啓二が白樺学院中等部を受験させようとしてきたのだ。
義父は元白百合メンバーであり、母より4歳年上でずっと母の事を狙っていたらしい。
なんと驚いたことに母は父が存命中も義父と不倫していたのである。
あの笑顔や優しさはすべて嘘だったの…?と私は絶望した。
何度も泣いた。同時になぜ父は私を置いて逝ってしまったんだろうと思った。
私も連れて行ってくれたらよかったのに。
白樺には行きたくなかった。
父の出身校だが、母と義父の母校でもあるのだ。絶対に嫌だった。
だから前みたいにテストは白紙、面接では無言でいようかなと思ったけど、祖父母から話を聞いていたのか、
「もし前と同じことしたら無事でいられると思うなよ」と脅された。
結局中等部には合格した。
周りの親子が喜びに涙するなか、私には悔し涙が頬を伝っていた。
そのようなことがあり私は今、白樺学院中等部2年生としてこの学校に通っている。
その後早乙女家には弟が生まれ、母と義父はその子にかかりっきりになった。
まるで私なんかいないみたいに。
そして…学校にも私の居場所はない。
ああ、過去を思いだしていたら学院についてしまったわ。
今日もまた、地獄が始まる。
長々と回想してごめんなさい!
これから本編始まるんで良ければ見てくださいね!
>>1
人違いだったら申し訳ないのですが、以前にも(3年程前にも)この小説板にいらっしゃいましたか?
>>14
三年前ですかぁ…
どんなハンネでした?
なんか上から目線みたいになってごめんなさい
17:のん◆Qg:2018/07/15(日) 21:15 『桜』さんや『櫻子』さんで、キャスフィ板にもいらっしゃったような...
すみません、人違いでしたよね(^^;)
>>16
いえいえ、全く問題ないです!
>>17
私ではないです、すみません!
できればこの小説を読んでくれると嬉しいです!
>>19
そうですよね、すみません(^^;)
はい、これから拝読します!
「ごきげんよう」
白樺学院ではこの挨拶が普通なの。
まぁ私にその挨拶をしてくれる人はいないけど。
校門には「白樺学院中・高等部」と刻まれている。
レンガでできた立派な門。
そこをくぐるとヨーロッパ風の校舎と広いグラウンドが見える。
そして…
私に向けられる好奇の視線。
皆が私を見てひそひそ話をしている。
「見て、今日も来たわよあの女」「朝から嫌なの見ちゃった…」
もう慣れた。こんな風に言われるのも。好奇の視線を向けられるのも。
私を見てくる人達は完全スルーし、下駄箱へ向かう。
さすが名門校。下駄箱ですら立派だ。
そして…私の下駄箱には水浸しの汚いトイレットペーパーが大量に敷き詰められていた。
はぁ…毎日毎日何が楽しいんだか。
私は上履きをこんなことにされるのが分かっているので、予備の上履きを鞄から取り出した。
だって、こんなことされてスリッパ履くなんて絶対嫌だもの。
ていうか下駄箱なんとかしなきゃ…
そう思って掃除しようとすると誰かがやってきた。
「おはよう、早乙女さん。今日もいい天気だね」
「ごきげんよう、九条さん」
私に声をかけてきたのはこの学院の理事長の息子で白百合の会のメンバー、九条司。
成績優秀、スポーツ万能の完璧人間。意外なことにこいつは私と幼稚園が一緒だったらしい。
まぁその頃の事はいろいろあったからほとんど覚えてないけど…
私は白百合の会の人間からいじめを受けている。
そして、この男は私をいじめているグループの一員だ。
正直言ってあまり関わりたくないけど、直接いじめてくるわけではないし、他のメンバーに何か言われたら怖いので適当に返事をしなきゃならない。
いじめ系いいねー頑張って!
24:桜子◆ZI:2018/07/15(日) 23:04 「下駄箱、大変そうだね…」
「ええ、ですので今から片付けようと思いまして。心配してくださりありがとうございます」
「ああ、心配はしてないよ」
してないのかよ!って突っ込みたいけど我慢我慢。
私はビニール袋とビニール手袋をはめて、中のトイレットペーパーを取り出して袋に入れた。
私はカバンの中にたくさん掃除用品を入れている。こういうときのためにね。
うげぇ、やっぱ汚いな…こんなのが自分の下駄箱とか泣きたくなるよ…
ていうかいつまでいるのかしら?九条さんは
「いっつもそんな風に掃除してたんだぁ…」
ほんとになんなんだろうこの人。気持ち悪い。
掃除が終わったので袋をゴミ箱に捨てて、教室に向かおうとした。
「ちょっと何無視してんの?置いてかないでよ」
「ごめんなさい。無視したつもりはないんですけど…」
消えてくれ。
「まぁいっか。じゃあ僕白百合のサロンに行くから。じゃあね」
「ええ、ごきげんよう」
ふう…
こっからが本番勝負。今時計は8時05分を指していて、結構生徒が登校し始めていた。
私はクラスの日直の仕事を全てしなくてはいけない。
学級日誌と出席簿、配布物が溜まっていないかチェックし、ゴミ捨てをする。
これを毎日だ。地味にきつい。
>>23
こんな駄作を読んでくれてありがとうございます!
萌夏さんも小説書いてますか?ぜひ読みたいです!
駄作じゃないですよ!すごく面白いです❤
はい、いじめ系書いてます。「いじめ」の小説です。ってやつです。読んで感想書いてくれると嬉しいです!
早起きが苦手で初めは起きられなくてよく殴られたなぁ…
いけないいけない。こんなこと考えてる場合じゃないわ。
早くしないと怒られる。
配布物と日誌などを持って教室へ向かう。
急がないと、ゴミ捨てがあるんだから。
教室に入ると何人かの生徒は来ていた。
だけど私に挨拶する人はいない。
「あの人もよく学校来れるわねぇ…」「ある意味すごいわよ」
ひそひそひそひそ
私が歩くたびこんな感じ。うっとうしい
椅子には大量の紙ごみがあった。机には「負け組」「豚女」などの落書き。
カバンを置いてゴミ捨て場へ向かう。もう15分だ。ヤバイ。
ゴミ捨て場に向かうと、いじめの主犯格で白百合の会メンバー西園寺毬絵と橋本百合香が取り巻き達と登校していた。
「あら?早乙女さんじゃないの!毎日ご苦労様ねぇ〜」
「でも、ゴミ捨て係ってあんたに似合ってるわよ」
「「だって…」」
「「存在が、≪ゴミ≫だもんね〜〜〜」」
取り巻き達が笑う。
私は何も言い返せず黙ってるだけ。当然だ。彼女たちは「白百合の会」メンバーで私は一般生徒。しかも学院カースト最底辺。
言い返せる立場じゃない。でも、悔しい。こんな奴等にいいように言われるのが。
「ゴミを捨てるので通してもらっていいですか?」
「ちょっと待ちなさいよ。生意気じゃない?何様〜?」
西園寺が顔を歪ませる。
あっ、これヤバイ。
「ちょっとそのゴミ貸してよ、手伝ってあげる」
「あ…ちょ、ちょっと…」
西園寺の取り巻きにゴミ袋を奪われた。そして…
ガサガサガサ
「え…?」
私の頭の上に大量のゴミが落ちてきた。一瞬何が起きたのか理解できなかった。
「やっだー。きったなーい。キャハハハハ!!!」
西園寺達が笑う。
「ちゃんと片付けとけよクズ。」
そう言い残して行ってしまった。
私はその場にへたりこんだ。
うぅひどすぎるこいつらムカつくう😡
30:桜子◆ZI:2018/07/16(月) 10:37 降りかかったゴミを払い、再び袋に入れてゴミ捨て場に捨てた。
はぁ…朝から疲れるなぁ…あっ、もう予鈴なるわ。早く行かなきゃ。
教室に入るとザワザワしていた雰囲気が一気にシーンとなった。
西園寺達や一部の男子達もクスクス笑っていた。
私の机やいすは紙ごみや落書きだらけだ。
そこに座るのは屈辱でしかない。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、担任の一色が入って来た。
この人は私のいじめを見て見ぬふりしている。白百合メンバーが主犯なので手が出せないのだろう。
「はい、みなさんおはようございます。今日も頑張りましょう。以上です」
適当すぎると思う。
ホームルームが終わり、1時間目の準備に入ろうとしていた。
一時間目は………体育だった。
>>29
ほんとムカつきますよね
自分でも思いましたw
しかもバレーボール。
運動神経皆無の私にとって地獄以外何者でもない。
最初のウォーミングアップで死にかけになってしまう。
ウォーミングアップはグラウンド3周、腹筋腕立て伏せ15回、馬飛び15回だ。
お金持ち学校のくせにどうして体育はこんな厳しいのか謎すぎる。
「ウォーミングアップ終わり!元の隊形に戻れ!」
皆が一斉に走り出す。
「じゃあ今日女子はバレーやるわよ。まず二人一組でペアを組んでちょうだい」
げぇ!ペア組む相手なんているわけないわよ!
そう思っていたら、
「早乙女さーん?組む相手がいないなら私達と組みません?」
西園寺の取り巻き達だ。きっと指示されて来たんだろう。
私のクラスは39人で女子が19人だからどこかで三人組が出てくるのだ。
「え…はい分かりました…」
ああもう!碌な目に遭わないこと分かってんのに!
「二人組作れたわねー?今日の体育は自由だから好きにしていいわよ」
自由ならなんで二人組作らせたんだよ。
「はーいじゃあいくよ早乙女さーん」
うお、ボールが来る。ていうか早くない!?全力で投げてるでしょこれ!!!
「ぐへ!!」
勢いがすごくて指を思いっきり突き指してしまった。痛い。
「ちょっとぉ〜、ほんとグズだよねぇ〜」
その様子を見て西園寺と橋本が笑っている。
「ご、ごめん…でも突き指しちゃったから保健室行ってもいい…?」
「はぁ〜ふざけてんの?私たちがあんたを入れて〈あげた〉んだよ?それって失礼じゃない?」
「で、でも…」
「そうよ、早乙女さん。この子達に対してそれは失礼じゃないの」
「友達のいない寂しいあなたを誘ってあげたのよ?この子達は!それをそんな風に言うなんて!ちょっとお仕置きが必要じゃないかしらぁ?」
西園寺や橋本、その取り巻きが集まってくる。他の女子はこちらをチラチラ見ている。
意味わかんない。突き指したから保健室行くって行ってるだけなのに。
「よーし、じゃあ皆早乙女さんを押さえて!」
「「りょーかーい!!」」
取り巻き達がそういうと、私は羽交い絞めにされた。
「やめて…!離してったら!」
「コラ、暴れんなよ!」
沢山の人に押さえられているため身動きが全く取れない。
「じゃあ皆ー早乙女さんを的にしてボール当てしよー?」
「「いいねー!さんせーい」」
う、うそ…
「よし、じゃあ私から行くわよ!それ!」
「ウッ…」
橋本の投げたボールが鳩尾に直撃した。
一瞬息ができなくなって吐き気がした。
「ゲホ、ゲホ!…」
「ちょっとこれくらいでへばんないでよねー。さあみんなで投げよー!」
取り巻き女子が投げたボールが一斉に私へ向かってくる。
バシバシバシ!!!!!
「うぅ…も……めて…」
〖キャハハハハ〗
もうやめて_________!
体育が終わった。
私の体は痣や擦り傷でボロボロだった。
早く着替えよう……
更衣室へ移動している途中、外体育から帰ってきた九条に出会った。
「あれ?早乙女さん大丈夫?凄いことになってない?」
半笑い顔で九条が聞いてくる。
「なんでもありません。少し転んだだけです」
「いや違うでしょ。あー毬絵や百合香がやったのか。毎日毎日飽きないなぁ」
なに、その言い方。私の中で何かが切れてしまった。
「なんなんですかあなたは!バカにしてるんですか!?そのスカした態度がほんと頭に来るんですよ!不愉快なんです!!やめてください!関わらないでください!!!」
「………………」
あ…やばい。とんでもないこと言ってしまった。
白百合メンバーの九条司になんてこと…
謝らないと…
「し、失礼なことを言ってすみません!!!えっと、着替えないといけないのでさようなら!!!」
「ちょっと待ちなよ。好き勝手言ったくせに逃げるの?」
顔が怖い…ほんとにとんでもないことしてしまった…
「あの、本当にすみません…反省してます」
今私は保健室で正座している。
あの後腕を引っ張られ保健室に放り込まれた。
九条は一言も喋らずずっと外を見ている。
ちなみに授業はもう始まっている。
「ていうか、早乙女さんって心の中では僕の事そう思ってたんだ」
九条はニコニコしながら口を開いた。
「いえ…さっきのは興奮してたのでうっかり出ただけです。はい」
ひぇ〜マジで怖いんですけど。
九条は学年カースト最上位で中等部の白百合メンバーの中心的存在だ。
明日からもっとひどいことが待ってるかもしれない…
「まあいいけどね。君にどう思われてようが僕には関係ないし」
おっしゃる通りでございます。
ああ、でもいじめられてから話しかけてくれるただ一人の人だったのに…
ちょっぴり寂しい。
「ていうか、僕のことほんとに覚えてないの?」
「は?」
急に何言ってんだコイツ
「は?じゃないよ。僕達同じ幼稚園行ってたでしょ。そのとき僕と早乙女さん結構仲良かったじゃん。覚えてない?」
やばい全く思い出せない。いたっけ、こんなやつ。
私が仲良かったのって、マイカちゃん、エリちゃん……ん!?
「あーーーーーー!もしかして!」
「あの眼鏡かけていつもおどおどしてたあの子が九条さん!?」
「うん、そうだよ。ていうかはっきり言うね」
えー!眼鏡くんが数年でこんなに変わるもんなの!?
「あ…でも苗字変わってませんか?昔は明智だったような…」
そうなのだ。苗字が九条に変わってる。
「ああ、母が離婚して再婚したからね。早乙女さんとこと同じだよ」
「まあ、そうでしたの…」
仲悪かったもんなぁ、こいつの両親。
「思い出してくれて良かったよ。でも僕が聞きたいのはそんなことじゃない」
「へ?」
「どうして初等部に来なかったの?一緒に行こうって約束したのに」
約束なんかしてたっけ…
あーなんかそんなこと言われて適当に流した記憶がある。
九条だったんだ。
「ごめんなさい。そのとき私にもいろいろありまして…私が至らないばかりに落ちてしまったんです」
「違うでしょ。真面目に受けなかったんでしょ?この学院に行きたくないからって」
「…………」
「ほんとにそれで良かったの?」
「ええ、少なくともこの学院にいるよりは小学生時代の方が楽しかったですわ」
「でもほんとは後悔してるんじゃない?」
「……してません」
「嘘つかないでいいよ。だってあのとき初等部合格してれば白百合にも入れたしあんな奴等にいじめられることもなかったんだから」
「…!」
そう…私の中に芽生えていた小さな後悔…
____あのとき初等部に入学していれば、と
何度も自分が白百合メンバーであいつらをコテンパンにする夢を見た。
そしてそんな自分が惨めで泣いた。
自分で選んだのに…私って最高にかっこ悪いって。
「あ…えっと…」
本当の事を言われたのでなんて言えばいいのか分からない。
「僕との約束破って公立行ったのは許せないけど…まあいっか。許してあげるよ」
そう言ったあと九条は私に近づいてこう言った。
「あいつらに言ってやめさせよっか?」
「え?」
「い・じ・め」
そういうと九条はニッコリ笑った。
考えたことをひたすら書きなぐってるだけなんで話しがめちゃくちゃになっちゃいます(^^;)
41:萌夏:2018/07/16(月) 15:34なんか九条くん怖い(ーー;)
42:桜子◆ZI:2018/07/16(月) 15:36 一瞬、理解ができなかった。
「え……九条さん、いじめを…やめさせて…くれるの…?」
「うん、いいよ。その代わり…」
「…………?」
「前みたいにまた仲良くしてね」
そう言って九条はニッコリ笑った。
その笑顔に少しドキリと胸が高鳴った。
>>41
九条はこれからもっとやばくなりますよ(笑)
マジか笑笑まってまーす!
45:桜子◆ZI:2018/07/16(月) 17:33 ×その笑顔に少しドキリと胸が高鳴った→○その笑顔はとても不気味だった
変更します!すみません!
あ、不気味だったんだ恋したんかとおもうた笑笑
47:桜子◆ZI:2018/07/17(火) 00:22 その後着替えを済ませ、教室へ戻った。
九条はまだサボるらしい。
でも九条があの眼鏡くんだったなんてなぁ。
だから私に声かけてくれてたのかな?
そんなことを考えているとあっという間に教室についた。
「どこ行ってたんだ!早く席に座りなさい!」
「は、はい!すみません!」
その様子を見て西園寺達が笑っている。
でもそんなのもこれで終わり。
だって九条がいじめを止めてくれるんだもの!
私は余裕の笑顔で西園寺達を見た。
「早乙女さん大丈夫〜?私たちずぅっとあなたのこと心配してたのよ?」
授業が終わると橋本と西園寺、その取り巻き達がやってきた
「でもどうして授業遅れてきたの?ちょっとしたケガじゃない。なにサボってるのよ」
「教室に入ってきたときの生意気な顔もムカついたんだよね〜。調子乗ってんの?」
パシッ!
乾いた音が教室に響く。
「……………」
何も言わずに頬を押さえる。
痛い。痛いな。早く飽きてどっか行ってくれればいいのに。
「あのさぁ、そんなくだらないこといつまでやるつもり?」
「つ、司!」
九条が珍しく口を挟んできたので驚く西園寺達。
「もう中学2年生でしょ。いい年していじめとか恥ずかしくないの?」
「で、でも……こいつムカつくじゃん!そもそもこれ始めたのは……」
「何?百合香」
九条が威圧感のある笑みで橋本を見る。