走れカオス

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1:手右:2018/12/18(火) 23:06

手右が書いたSFミステリーです!
初めて書いたので感想などコメントしてって貰えると嬉しいです!!

2:手右 1:2018/12/18(火) 23:10

治安官はスピード違反の車を発見する。それもとんでもないスピードで走っていた。
捕まえてみると、その男、本庄 楓は言った。
「以前住んでいた火星では、速度制限などないんですよ」

しかし速度制限機まで外しているとは!手の込んだ奴だ。
「本庄さん、貴方は今、自分が火星の家のベッドの上で、ドラッグを
   やりながら、地球で車を走らせてるとでも、思っているんですか?ここは地球ですよ。
   貴方の行為は、極めて危険です」

「いや、そんな事は思っていない。私は地球にいる。しかし、これを見てくれ。この世界は、何か少し変だ。
   かかりつけの精神科医を呼んでくれないか」

そう言う本庄が、ダッシュボードに手を伸ばすと、ダッシュボードは変形し、彼の手はめり込んだ。
彼の周囲は、彼の意思のままに変形するのだ!

治安官は思った。こいつはもしかすると、現実改変能力を発揮させる、ヤバいドラッグの中毒者じゃないのか?
だったら、早い所、その精神科医とやらに引き渡した方が良い。

3:手右 2:2018/12/18(火) 23:11

本庄は鈴木医師の治療院へ運ばれた。
「本庄さん、また、ご自分の記憶を語って頂けますか?」
本庄は、記憶を語り出した。妻を殺害し、今、地球で治療を受けている事を。

「どうして貴方は、自分の奥さん滝を殺したと思っているのですか?彼女は死んでいませんよ」
「滝は、火星解放運動の事を、マスコミに漏らそうとしたのです。それで私がレーザー銃で...」

「しかし、そんな記録はどこにもありませんよ。一度滝さんと会ったらどうです?」
(どうして、この男は自分の妻を殺した、という記憶を持ったのだろう?)

そして、本庄は滝の家に行った。
滝は、彼を出迎えコーヒーを入れてくれた。

「ところで、貴方はまだ、私を殺したっていう、固定観念を持っているの?」
「ああ、残念ながら、その記憶は捨てきれない。君が火星解放運動を、マスコミにリークしようとした時...」

「貴方は、私にレーザー銃を撃ったわ」
「それで、どうなった?」
「外れたのよ」

「そうか...しかし記憶が...」
「貴方は、泣いていたわ。私は、すぐさま、離婚訴訟を進め、警察に訴えた。貴方は捕まって、でも弁護士が
   貴方の精神の不安定を主張し、罪を逃れた代わりに、精神科の治療を受けるよになったの」

そして、彼女が言うには、妻殺しの記憶を植えつけたのは、火星解放運動団体らしい。
「貴方に自殺して貰いたかったのよ。そして貴方は自殺した。未遂だったけど」

(自殺未遂?そんな馬鹿な!そんな記憶は全くない。だいたい、この妻は、何かおかしい)
「変な記憶を持っているのは、僕だけじゃないのかもしれない」

この世界は一体何だ?
「少しわかってきたぞ。滝!君は実在しているようだ。そして、鈴木医師。彼も実在するのだろう。
   しかし、この場所。これは変だ。ここは本当は、火星の牢獄か精神病棟だろう」

4:手右 3:2018/12/18(火) 23:13

(それに、この女は実在しているが、これが滝本人だとは、限らない。誰か別の人間が滝の
   振りをしているのかもしれない)

彼は自分の家に戻った。
そうだ、鈴木医師にテレビ電話をかけてみよう。

「もしもし先生。あんたは今火星にいるんだろう。俺もそこにいる」
「何を言ってるんだ。君は奈良。私は埼玉だよ」

「あんたの治療を止めようと思う。そうすれば、この精神の牢獄から出られる気がする。
   俺は囚人じゃなくて、自由市民なんだから、治療を止める事は、当然出来るよね?
  
それに、滝が、俺を監視しているらしい事もわかった。解放運動の手先らしい」
「本庄さん?反乱は成功したんですよ。そんな事は子供でも知っている事です。もう終わったんです」

「じゃあ、反乱が失敗したと言う記憶も、俺に植え付けられた記憶なのか?」
本庄がテレビ電話のモニターに手を伸ばすと、手はモニターの中に消えた。
(やっぱり、これも幻覚だ!しかし完璧ではない。どこかでボロが出る)

例えば血液検査をしたらどうだろう。血液中にドラッグの成分が出れば、幻覚中と判断できる。
しかし、血液検査そのものが幻覚だったら...
そうだ。良い事を思いついた!

「先生、良い事を思いついたよ。奈良に行って、もう一度滝を斃すんだ。三年前に死んだ女を
   斃す事は不可能だ。だから、俺は彼女を殺せないし、俺の記憶を証明できる!」

「落ち着いてくれ。本庄さん。わかったよ。貴方の話は、ある程度正しい。証明の必要はない。
   君は今、火星にいる。しかし、牢獄にいるのは滝の方だ。彼女は反乱軍に捕まった。
   君は、妻に話してしまった責任を感じて自殺しようとしたが、失敗したのだ」

5:手右 4:2018/12/18(火) 23:14

(それが、本当だと言う証拠がどこにある!)
本庄は計画通り、滝にまた会いに行き、殺した。

「こんちわ先生、新聞見せてくれないか」
本庄が鈴木医師の元を訪れた。
(ない?何故、殺害事件が新聞に載っていないんだ?)

「どうしたんだ?自分が殺した滝の事件を探しているのか?そんな事件は起きていない。
   これで君は、妻を2回殺した偽記憶を持った男になった訳だ」

「いや、私は絶対に彼女を殺した。彼女の勤める6階のオフィスにエレベータで上がり、
   逃げる彼女の額にレーザー銃の照準を合わせ...」
「いや彼女は生きているよ。なんならテレビ電話をかけてみようか?」

(今度こそ!2度失敗したからと言って、3回目も失敗するとは限らない)
本庄は急いでいた。地球の車は遅いので、速度制限機を外して、高速道路をひた走った。
そして自動運転に切り替え、眠りに着くのだった。


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