追われ身の勇者

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1:伊藤整一:2019/04/08(月) 00:23

第1章:走狗編

異界の星レマには5つの大陸があった。その大陸の1つテオラーモ大陸最大の国家アラリエ帝国は、長らく大陸北西のラオエ島を占拠する魔王軍の侵略を受けていた。時の皇帝セネリニスは強力な勇者を雇い、これを滅ぼさんとした。

勇者は味方を集めつつ魔王軍の基地を次々に占領し、たった1年6ヶ月で魔王の首をとり、帝国に平和をもたらした。

そして魔王が討たれて17日経った日の1544年4月4日、帝都モマの宮殿では皇帝が部下の報告を聞いていた。
「陛下、勇者達が船の手配を要求しています。どうやら、今の船には入りきらないようです」

「わかった。98門の一等戦列艦『デオデッラ』と輸送船を6隻を急行させよ」

皇帝は機嫌よく答えた。魔王討伐成功の喜びがまだ残っているのだ。
もっとも、魔王討伐成功の報告を聞いた時は、思わず玉座から立ち上がるほどの喜びようだったのだから、機嫌が良くない方がおかしいだろう。

「それと軍用輸送船も40隻ばかり。第1陸戦隊をのせよ」

皇帝は薄い笑みを浮かべて言った。

「何故ですか?」

部下は怪訝な顔をして、思わず訳を聞く。皇帝は叱ることなく、

「信頼できる筋によると、勇者とその仲間は義勇軍を率い、反乱を企てているらしい。これを見逃してなるか! まともにやれば大赤字になる。今のうちに討てば大した損害にはならない。だから早く手配せよ」

皇帝は拳を震わせながら言った。部下も困惑に満ちた汗を流しつつ、勅命を受け、軍に早速手配を命じた。
さらに皇帝は勇者たちの反乱を宣伝するようにも命じた。人相書きが忽ち各所に貼られ、昨日の英雄は今日、国賊になってしまった。

さて、命令を受けた海軍は、早速艦隊を編成し、向かわせた。陸戦隊は総勢2000人。勇者の率いる義勇軍よりは少ないが誰もが戦闘のプロである。勇者が道中で雇った強者たちさえ倒せば敵ではない。
部隊は4月17日の明け方、勇者たちが居る旧魔王軍の元基地、エマージェに上陸を開始した。まず、戦列艦による艦砲射撃を行い、上陸部隊が海岸に居る義勇軍をあっという間に殲滅すると、勇者の雇った賞金稼ぎや傭兵団を攻撃した。
寝起きを襲われた彼らは本来の力を発揮することが出来ず、次々に殺されて行った。
傭兵団は壊滅し、生き残った数人が勇者の元へ撤退したのみだった。その生き残りも追撃を受けて多くが倒れ、勇者の元に辿り着いたのはただ一人だった。
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前のファンタジー小説がアレだったので設定を考え直してみた。

2:伊藤整一 hoge:2019/05/02(木) 19:14

このために作った架空言語辞典を無くしたので、一時休止します。


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