欠けたピースとお姫様

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1:餅◆u/kL6:2019/06/07(金) 22:31

ピースには、様々な意味がある。平和だったり__ちなみに手で作るピースもこれから来ているらしい__パズルのピースだったり。『ピース』と示すだけで、異なる意味が溢れ出すのだ。それは、他の言葉でも同じ事だ。

しかし、この世界のピースは、パズルのピースのみ含める。…戦争が今でもどこかしこで起きているこの世界に、平和と言う意味で言うピースが、存在し得る訳もないのだから。


これは、とある小さな国のお姫様が平和と言うことを探す話。決して語り継がれることのない、お姫様の住む国と同じくらい小さな物語、である。

2:餅◆u/kL6:2019/06/07(金) 23:11

姫は、とある、他の国から見向きもされない後小さな国のお姫様でした。豊かとは言えない生活の中でも、彼女は暖かな国民と、両親からの愛を受けすくすくと成長していき、13歳へとなりました。これは、この国ではもう働くことができると言う年齢になります。つまりは自立して生活することもでき、両親から離れられると言う__まあ、成人した、と言えるということでしょう。姫は、これから親の元を離れ、1人で生活をすることになります__が、その前に。姫の住む国は、沢山の大きな国で囲まれていました。兵を沢山持っている国があって、恐ろしい兵器を大量に撃つ国があって、エトセトラ、エトセトラ。国の外を一歩踏み出して仕舞えば、帰らぬ人となってしまう訳です。ですから、……そう、何かの手違いで、戦火が飛び散るなんていう悲劇も起こりうる訳なのです。
姫が豪華とは言えない城から離れ、大分国境の方に近付いた方へと一人暮らしを始め、最初の夜を寝て過ごしている頃。一瞬の間に、国中は炎で溢れ返りました。見る所に、火、火、火。なんて言うことでしょうか、国は1日の、しかも夜の一間に、亡国となってしまったのです。しかし、炎は国の中心の方から燃え上がっており、端の方に居た姫は助かりました。ですが、起きた時には炎の音しか聞こえません。朝を告げる小鳥の囀りも、サクサクと言う畑を耕す音も、全て全て、そのまま消え去ってしまったかのようでした。姫はその惨状に、足がすくんで、動けなくなりました。暖炉の暖かい音じゃない、新年を祝い古い農具達を燃やす、あの喜びの音じゃあ無い。どうして、私達の平和が、壊されなければいけないの。皆、皆、本当は平和を願っている筈では無いの、なんて、平和を愛する彼女にとって、戦争なんてあってはいけないものなのだ、と再確認しました。戦争なんて、皆を悲しませるだけのものである、と。

3:2F長官:2019/06/07(金) 23:33

緩衝地帯かな?

4:餅◆u/kL6:2019/06/07(金) 23:52

いらない、いらない。怖い炎も、人を傷つけるだけの武器も。いつまでこの世界は、醜い戦争を続けるのでしょう。この世界についてしまったのは、ただの戦争の神なのでしょうか。平和を愛する神様は、どこかに消えてしまったのでしょうか。ええきっと、違う世界線の、どこかへ消えてしまったのでしょう。でも、それでも。……少しくらいなら、平和を願っても良くは無いのか、と彼女は思いました。平和くらい、望んだって良いことではないのか、なんて。それさえも、我儘になってしまうとは、あまりにも酷い事でしょう。姫では無くなった彼女は、暑さにやられたのか、数本ネジの外れたらしい頭で考えました。このまま居ても死が訪れるだけで、良いことは無いでしょう。ありもしないのです。死と言うものは、一番の恐怖であって、それを乗り越えられるものはないのですから。……まあ、今の彼女は恐怖と思っていないようですが。

5:餅◆u/kL6:2019/06/07(金) 23:56

>>3
読んで頂き、有難う御座います。まあ、そのようなものと考えて頂ければ、と思います。


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