_親がいない若泉家の兄弟たちに、
晴れた爽やかな日がやってくることはありません_
>>2
* 登場人物 *
長女 / 若泉 花純 / ワカイズミ カスミ / 高3
無口でクール。叔母に送ってもらっているお金で家庭を支えるため、兄弟には内緒でバイトをしている。兄弟が嫌いな訳ではないのだが、淡々としているので誤解されやすい。一人だけ他の兄弟と母が違う。
次女 / _ 珠莉 / _ ジュリ / 中3
少し気が強く、反抗期真っ最中。花純がバイトをしていると知らないので、毎晩のように家に居ない長女を嫌っている。一緒に暮らし初めて3年が経つが、まだ姉と認めていない。
長男 / _ 流星 / _ リュセイ / 中1
大人しく、優しい。だが一人で抱え込みやすく、学級でいじめられていたことも黙っていた。花純を頼りにしている。
次男 / _ 光 / _ コウ / 小5
明るく馬鹿ですぐ反抗する。特に花純に対して対抗心むき出し。学校でも問題児視されているのだとか。根は良い子。
三男 / _ 涼 / _ リョウ / 小3
光とよく喧嘩をする。一緒になって悪いいたずらなどを実行しようとすることも。でも根は良いやつで流星を頼りにしている。
* ルール *
荒らし、なりすまし禁止
アドバイス、感想大歓迎◎辛口なのはやめて下さい、
悪口禁止
文才ないです、
次女の珠莉視点で進んでいきます。
父が言う、『 良い子 』
母が言う、『 大好き 』
親が言う、『 ずっと愛してる 』
良い言葉なのかもしれません。
私たち兄弟も、そう言われて育ってきました。
だけど最終的に____
父は、病弱だった一人目の母と私たちを捨てました。
父は、若くてうるさい、子持ちの女と結婚しました。
父は、一人目の母が死ぬと私たちを引き取りにきました。
そして最後_、
何の罪も犯していない、ずっと良い子にしてきた私たちを、
愛すだけ愛して、
どこかに消えてしまった。
私は、あの女と結婚したから、母が死んでしまったと思っています。
だから私は、父とあの女を恨んでいた。事実を言えば、今も恨んでいるけど。
いつか、あの女に復讐してやろうと思っていたんです。
だけど、父と一緒に消えた。
だからその女の子供も恨むことにしたのです。
復讐も考えたけど、さすがに親のしでかした行動で子供に復讐するのは可哀想だと思ったからやめました。
若泉花純_____
私は、あなたを恨んでいます。
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私たちの家庭_若泉家が
笑顔でいっぱいになるときはないと思います。
兄弟の関係はいつも最悪。
口を開けば喧嘩ばかり。
まあ、暴力がないだけマシなんですけど。
常に雨が降っているかのような、ジメジメ感と苛立った空気に包まれた若泉家。
晴れた日のように爽やかな、笑顔と笑い声で溢れる家族にはいつまで経ってもならないと思います。
その証拠として、これからの私たちの生活、見てみてください。
若泉家は今日も雨___
「 珠莉、今日、何時頃帰るの? 」
土砂降りの雨の日の朝。
鞄を持ち、ローファーを履こうとしていた私を呼んだのは花純さんだった。
「 今日は部活がないから5時には帰りますけど...。 」
今日は寝癖がなかなか直らなくて時間はギリギリ。
いつもなら、もう家を出ている時刻だ。
遅刻しそうなことを分かっていながら、そんなことを聞く花純さん。
正直イライラする。
「 分かった。.........てね、 」
はい?
いや、何も用事ないなら聞く必要なしじゃない?
しかも「 分かった 」の後、「 てね 」しか聞こえなかったんだけど。
何言おうとしたの、謎なんだけど...。
「 おい涼、もう行くぞ! 」
「 待てよ馬鹿光! 」
色々と考えていた私を我に帰らせてくれたのは光と涼。
あの二人が登校する時間って...、結構やばい!
私は行ってきます、も言わずに家を飛び出した。
滑り込みで教室に入ったのに、ぎりぎり遅刻にされた朝。
好きな芸能人が出演する番組を録画し忘れたことに気付いた1限目。
数学でコンパスが必要なのに涼に貸してそのままなのを思い出した3限目。
静かに食べていたのに隣の席の奴のせいで服にお汁がかかった給食。
そして、やっとの思いで昼休み。
しかし、唯一友達と話せる時間だと言うのに私は疲れ果てていて__、。
「 はぁ〜.....! 」
「 どうした珠莉ぃー!! 」
友達と話すために教室の隅に移動した途端、私はため息が出た。
小学校からの付き合いである友達の羽加( ワカ )は死んだ目をしているであろう私の肩に手を置き揺する。
「 珠莉、目死んでるわー、笑 」
からかうように言ったこいつは波流( ハル )。
お前だっていつも目死んでるだろ....。
「 だってさ、聞いて!?まず朝、花純さんがさ__ 」
「 花純さんって....あの、綺麗な人? 」
綺麗__?
綺麗____、なのか_?
まあ美人な方だけど、なんか認めたくない自分が....。
「 うん、まあ綺麗な。その人がさ、また朝__ 」
「 珠莉って、よく花純さんの愚痴言うよねー。 」
「 ちょ、話止めんな! 」
なかなか話が前に進まない。でもこれが女子だ←?
「 ごめんごめん、 」
「 ん。でね、遅刻しそうなのに___ 」
____キーンコーンカーンコーン____
「 あ、珠莉、時間切れー!もう掃除行かないと。 」
あー!せっかく話が進みそうだったのに!
なんでこんなに昼休み短いの!意味が分からない!
私はすっきりしないまま午後の授業にも出ることになった。