誰かの為になれるなら、薔薇を捨てても良い。
薔薇なんて、誰かが戻してくれるでしょう?
あの時、心の薔薇を捨てた美蘭。
誰かの為になる、と言って飛び降りた。
私なんて、何も出来ずに立ち尽くしていただけだった。
薔薇を戻そうなんて。否、命を戻す_か。
そんな事出来る人間なんて、この世に1人しか…
私しか、居ないよね。
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荒らし等は止めて下さい
この世界の、特殊な命。
それがすべて散った時に命は消え去る
薔薇
花びらは一輪につき8枚で、気を失うまでのダメージを喰らうと1枚散る。他の人に自分の薔薇を分け与える事は可能。(上限は8枚)この世界は争いが絶えなくて、薔薇がすべて散ってしまう人は多い。その中で私は生き続けてきた。
でも、いつからだろう。
気が付けば、私の薔薇は12枚になっていた。
周りは全員8枚。私だけ12枚。
その時は単純に嬉しかった。
他の人よりも長く生きられるかも知れない。
そんな思いで過ごしてきた私は馬鹿馬鹿しいと思った。
冷静に考えてみれば、他の人に分け与える事も不可では無いだろう。しかし、例え周りの薔薇が散っても、私は平気だった。
それで、人を下に見る様な態度の事が多くなった。
しかも、その思いが進行していくのを手助けした「私だけにしか無い能力」が出てきたのだ。
『薔薇』その物を取り戻す能力
それで、ますます私は人を見下す様になった。
あの子が現れるまでは。
CMスレから来ました
とても面白そうな設定ですね!
更新楽しみにしてます
とても面白く、続きが楽しみです!
6:音◆AE:2019/09/10(火) 10:15 >>4-5
ありがとうございます(`・ω・´ )
更新頑張ります!
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その子も私と似た能力を持っていた。
それには無性に腹が立った。
__私だけで良いのに。
薔薇を取り戻せるのは、この世で一人…私だけで良い。
皆は私に従えば良いんだ。なのに、そんな、もう一人居るなんて。
皆から慕われていた、その子。
威張る事も、自慢する事もなくって、本当に皆の役に立ちたいって思っていたんだろうね。
勿論その姿もムカついた。
けど、その子の後ろ姿は、なんだか頼り無く見えて、何か守りたいような感じがして、自分の威張った心なんてどうでも良くなった。
「……貴女、何で薔薇を他の人に分け与えるの?自分だけ生きていれば良いんじゃないの…?」
ようやく声に出た程。
彼女は『何か』を纏っている様に見えた。私の黒い心を壊してしまう物。
「…私は、誰かの為になりたい。前にお父さんとお母さんの薔薇、戻せなくて。私が、自分さえ良ければって思ってたから。でも、もう今はそんな事したくない。だから、ですよ」
__この子は芯が強い。
そうだった。
私はお父さんとお母さん…
妹までも、見捨てたんだ。
「お姉ちゃん!何で!?」
妹の声が脳裏に響く。
ああ、そうだ。私の事を気遣ってくれていた。大切だった。
私は今まで狂っていたのだろうか。
_いいや。
合ってる気もするし、違う気もする。
今まで私が貫いてきた意思。
続けてこれたのは、自分で正しいと思っていたから。
どうしよう。
あの子の様になるのか
今の私を続けるのか。
でも、いつか能力は消え去ってしまう。
そうか。
そしたら、あの子の薔薇、無くなるんだ。
なら、私が自分の為に持っておけば
皆、私を敬ってくれる。
これでいこう。
そしたらあの子も私には逆らえない。
妹は、生きてるかな…
お父さんとお母さんは薔薇が残ってるとは思えない。
二人共、意思表示とかも無く、気が弱い。
それに比べて妹は。
生きる、という意思がしっかりしていた。
それに、傷が付いても1日以内に治る程の生命力。
生きてたら、復讐とかは少し怖いけど。
やっぱり妹だから。