僕は、忘れないから。

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1:D!es:2019/10/27(日) 00:29

僕は彼女と、2回目の「はじめまして」をした。

_あ、日野さん
_話しかけてみようかな
_昨日委員会で話したし、もっと話したい

「日野さん!」
「…?」
首を傾げ、日野さんは丸い目で僕を見る。
「日野さん?あ、ほら委員会一緒の」
「ごめんなさい。覚えていません。」
あまりにも早口で、あまりにもはっきりと言い切って、僕は何も言えなかった。

「あ、いや…違うんです。覚えてないっていうのは…」
次はもごもごとしている。今は困惑する時間ができた。
やがてメモ帳を取り出し、あぁ!と何かを思い出したようににこにこと笑う。
「これです!これで_これなので…覚えてないんです…」

そこには大きく「前向性健忘」と書かれていた。

2:D!es:2019/10/27(日) 00:38

日野さんはゆっくりと語り出した。


_私、記憶がリセットされているんです。

いつから?

ずっと前から。

ある出来事があってからの記憶がまるでないんです。

それが前向性健忘。

ある出来事?

…それは秘密。

親友の恵美にも言ってないんだから。

親友なのかもわかんないけど、よく一緒に行動してるから親友なのかもね。

…とにかく覚えてない。

だから、ごめん。


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