初小説です
更新遅めですがゆるーくがんばります
登場人物
原 雪花(ハラ ユキカ)中2
・銀髪碧眼の美少女
友達はいるが別に私いなくてもいいや思考
中島・スティーリィ・エミリー(ナカジマ・スティーリィ・エミリー)中2
・金髪翠眼の美少女
自己中だけれど繊細で人の痛みがわかる女子。だが性格にやっぱり難有りで不登校気味
坂場 花(サカバ ハナ)中2
・黒髪朱眼の美少女。
和総本家もビックリの和風少女。さばさばしており男らしい。
原 雅樹(ハラ マサキ)高2
・雪花の血の繋がらない兄。小説を書くのが好きでよくネットにupしている。雪花がこっそりイラストをつけているのを知っている。シスコン。
宮本 咲也(ミヤモト サクヤ)高2
・茶髪深緑眼の美少女。
超がつくほどのリア充生まれながらの陽キャ。
クラスのほとんどは友達。雪花とエミリーと花が可愛くて友達になりたい。
(雪花のつけ忘れていた設定)
イラストをよく描いていて雅樹の書いたネット小説に匿名で挿絵等を描いてあげている。兄に対してすこしツンデレ。
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6:りん :2019/11/03(日) 00:04 第1章
(雅樹視点)
名は体を表すと先生が言っていた。初めは半信半疑どうでもいいと思っていた。−けどあいつに会ってから、360度変わった。
雪の中に咲く花のように今すぐ折れてしまいそうなのに消えてしまいそうなのに、それでも芯があって、簡単には折れないプライドがあって…
そんな雪の溶け残りも少なくなってきた春。
彼女ーーー雪花は俺の家族になった。
「おっし…こんなもんかっ!」
フライパンからオムレツを皿に移す、旨そうな匂いをさせながらケチャップで味をつけ付け合わせのサラダに特製ドレッシングを回しかける。鍋からコンソメスープを取っ手がついたスープ用の皿に入れ、朝食は完成。
けどこれは俺のじゃない
2階にあがってドアを三回ノック。
「雪花ー朝飯できたぞー起きたら食べろよー」
…
「、、、」
まぁ知ってたけど、返事なんていままでなかったからいいけど、別に!くじけてないもん!
モヤモヤとどこかいつも道理と安心する自分を押し込んで、靴とスクールバックを持って玄関を開ける。
「いってきまーす」
返事はない。
高校生になってから2年目の春。
あいつと家族になってから2年目の春。
いつもの7時。
雪花の眼が覚めるまであと10分。
(雪花視点)
玄関が閉まる音がした。
多分もう7時なのだろう。
「ん〜〜っ…」
上半身を起こして伸びをする。私は朝にひどく弱いらしい、時間がたってなんとなく起きようと思ったら起きれるけどそれでも周りから見たらダメらしい。
「ふぁ〜…ぁ」
幾らか覚めてきた眼を擦りながら階段を降りる。
今日の朝御飯は…オムレツ!やったーっ!!
「いただきますっ…!」
私用に作ってくれたご飯、私が好きな味、兄さんのオムレツ大好き!…まぁ絶対に言わないけど…恥ずかしいし…
「ふぅ…ごちそうさま…」
大好きなオムレツだったのかすこし朝に食べるには量があるように見えたけどペロリと平らげてしまった…。前に兄さんとご飯を食べたときに、「その細い体のどこに入っているんだ?」って言われたけど…別に!私!普通に食べますけど!
「って!こんな時間…」
時計を見れば7時半。
私が学校にいくのに必要な時間は20分。
洗面所行き顔を洗って歯を磨いて髪を整えて…
昔は全然気にしてなかったのにみんな中学生になってから急に大人っぽく振る舞い初めて…なんだか腑に落ちない…。
制服を来てリボンを結ぶ。スニーカーを履く。
鞄を持つ。今日はなんとなくスムーズに準備が終わって気分がいい。
「いってきます」
玄関を開ける。雪の溶け残りも少なくなってきた春。
中学生になってから2年目の春。
この家の住民になってから2年目の春。
お母さんが亡くなってから2年目の春。
(雅樹視点)
「おはよ〜!雅樹ッ!♪」
このあげた小説の評価なかなかよかったな〜とかネタが浮かばないな〜とかその他諸々ぼんやりと考えながら学校への道を歩いているとどんっと背中に衝撃が走る。
「うわっ!…ってなんだ咲也か…」
「なんだとはなんだよ〜可愛い可愛い咲也ちゃんが朝から声をかけてあげたって言うのに〜!」
「はいはい可愛い可愛い朝から元気だなおまえ」
こいつは宮本咲也。高校から友達に…いや、知り合いだ。こいつは友達と言っているがう〜ん…まぁ俗に言うクラスの接しやすい女の子ってやつだな。
だが…こいつには恐るべき問題がある…それは…
「咲也〜おはよ〜♪」
「さくさくおっはよ〜!」
「さっく〜おはよ〜!放課後新しくできたカフェ行かない?」
「さく〜おはよーねぇ聞いてよ〜昨日彼氏がさー……」
「ゆうちゃんおはよ〜♪」
「おっはよ〜!ゆいゆい!」
「かなちゃんおはよ〜!いいね〜みんな行こー!」
「みきちゃんおはよ〜!そっか…それは大変だよっ!!」
そう…こいつは何を隠そう
“超リア充”なのだ!!!!
しかもおまけに超がつくほどのリア充なのだ。こいつは新学期早々35人のクラスメイトと友達になり、同年代だけじゃなく先生や地域のおじさんおばさん犬猫兎象ママパパぼくその他諸々エトセトラエトセトラ…と、まぁ全人類に愛されるために生まれてきたって感じのやつだ。しかもかなり可愛い。多分これも愛される要因なのだろう。
そしてそのリア充少女は例のお友達からのマシンガン朝の挨拶に一切の迷いのなく適切で相手を絶対傷つけない挨拶を返している。
…すげぇな…こいつ…
「ん?なになに雅樹くん?見惚れちゃった?咲也ちゃんに見惚れちゃった????」
「ん!?んなわけあるか!」
明るく笑ってて笑顔が似合うなーひまわりみたいなやつだなーなんて全然まったくこれっぽっちも思ってないんだからね!!!!
「んも〜いいんだよ〜いつでも惚れても好きになっちゃっても!」
「何でおまえ、そんなに素直に可愛いとか言えんの?好きとか、はずかしくねーの?」
「んーー?」
咲也はそのひまわりみたいな笑顔を更に明るくし優しい声でいった。
「事実だからだよ、雅樹くん。好きなのも嫌いなのも、言えるときに
わなきゃ」
ひどく優しかった。
「ね?雅樹くん。」
春の冷たい風が頬を撫でた。
(雪花視点)
「〜でさーだからさ〜……よねー」
「あ〜分かる〜そこいいよね〜!」
つまんない。つまんないつまんなーい。
なんて絶対言わないけど、やっとできた友達だし、けどつまんないなぁ…
「雪花ちゃんはどう思う?」
「ぅえっ?私ぃ?…いいと思うけど、私も好きだよ?」
「ほんとに?ありがと〜!」
友達は昨日の夜徹夜して作ったというキャラクターのカンバッチが敷き詰められている筆箱…通称『痛ペンポーチ』なるものを声高らかに自慢してきている。正直どうでもいいてか都合のいいときだけ私になにか求めてくる辺り別に私要らないんじゃないかとモヤモヤしてくる。
はやくお昼休み終わんないかなぁ…
やっぱり二人のなかに無理やり入れてもらったようなものだし…
けど3人でいるのに二人でしかわからない話いれてくる方も悪くない!?
キーーンコーンカーンコーン…
「あ、鳴った」
みんなバラバラだったのに鐘が鳴るといそいそと席に戻る。二人は席も近いし話ながら戻る。いいなぁ…うらやましい。
「はぁ…」
無意識のうちにため息。だってしょうがないじゃん。そりゃ楽しいときもあるよ、けどさっきみたいに私いなくてもいいじゃん状態がほんとにモヤモヤしちゃって嫌だなぁ…
はやく家に帰りたいなぁ…
五時間目の授業の先生が入ってくる
この先生は声が低いし国語だからまだうるさい教室も静かになるまであと数分って感じかな?
「授業を初めますよ、号令」
気を付けーれーーい…
日直までだるそうに声をあげる。
春の日差しに暖められたぬるい風が
少し空いた教室の窓に流れ込んできて
私の髪を撫でる。
あ、結構眠いかも…
柔らかくて暖かい春の日差しは
十数年間生きていても
毎年のように
ひどく優しかった
(雅樹視点)
お昼とは言い切れないが夕方とも言い切れない曖昧な時間、これが俺の帰宅時間。
委員会にも部活動にも属してない俺は仕事で帰ってこれない親の代わりにこの家の家事をしている。よって、俺は委員会にも部活動にも属してなくてもかなり忙しくそこそこに充実している。
「ただいま〜」
しーーーん……
まぁ知ってたけどさ、靴があるから雪花が帰ってきてるのは知ってたけど返事がないのがお決まりなのはちょっと寂しいかな?なんて…
「今日の飯どうしよっかな…魚は昨日やったし…けど最近肉値上げしてるもんな…」
「ふんふんふ〜ん♪ふんふ」
「「あっっっ」」
刹那。俺たちの間に稲妻が走った。
説明しよう!どうせ聞かれないし…と独り言をいっていた俺と、誰もいないからと鼻歌を歌っていた雪花、この自爆が自爆を呼ぶ地獄。脳の処理が追い付かないそんなとき、人間はこうなる。
「「うわぁぁぁぁぁっっ!!!!!!!!????」」
今日の晩御飯は焼き肉になった。
(雅樹視点)
「あのさ、雪花…」
「…」
その日の晩御飯はとても気まずいものだった。
わが原家の唯一のルール、みんなで一緒に食卓を囲む。がこんなに拷問じみたものに成り下がるなんて思ってもいなかった…。
「にいさん…」
「はっはい!」
突然雪花によばれ、軍隊だったら即刻退場の返事をしてしまう。
「知ってたの…?」
空気に溶けていく雪花細い声
。発した言葉の意味を吟味し、理解する。
「私が匿名さんってことか?」
「……」
「そう」
話は一時間前ほど遡る
〜一時間前〜
「にっにいさん!?」
見事お互いに爆死した俺たちは脳の処理が追い付かない中、状況把握の為に会話を試みようとしていた。
「ゆっゆきか!聞いてたか!?」
「ひゃっ!」
ばさばさばさー…
突然大声をあげしまった俺は案の定雪花を驚かせてしまい、雪花が両手一杯に持っていた荷物を廊下に散乱させてしまった。
「あー…!すまん!」
廊下に落ちた荷物…もとい紙を屈んでとろうとした瞬間
「だっ」
「だめっっ!!!!」
「うわっ⁉」
雪花が声を張り上げ、俺の行動を阻止しようとしてきた
「なっなんだよ雪花!ビックリするだろ!」
「だっだめっ!兄さんはっ!それ!見ちゃだめ!」
「何でだよ!気になんじゃん…」
「これは…別の人に見せるのっ!」
まるで子猫を触られた母猫のように紙束を大事に抱き抱える雪花。
さっきの大声のせいかそれとも動揺のせいか、雪花は息をあらげている。
「わかったよ、見ない」
「わかればいい…」
そのあとは会話もなし
俺たちは言葉にならない気持ちを飲み込んで互いのやるべき事をやるために、また別々になってしまった。