あなたに恋していていいですか
まだ好きでいていいですか
男子になりたい女子と、野球部の坊主が
織り成すストーリー。
※この話は、実話をもとにしたフィクションです。
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俺は男である。〇か✕か。
Answer:× 。
「はぁ…誰だよ俺を女にしたやつ。俺は男だっつの。」
文句を垂らしつつ、女物の制服に腕を通す。
この行為には、いつまで経っても慣れない。男なのに、俺は男のはずなのに、セーラー服を着ることを強いられている。
本当に意味がわからない。
全てが。
変わってきた体つきも、始まった生理も、全部全部、俺には理解ができない。
俺は男のはずなのだ。なのに、なのになんで、女に現れる変化しか出ないんだ。
本当に、納得がいかない。
でも、そんな俺でも、女と同じ感情を抱くようになった。
そう、男を好きになったのだ。
世間ではこれを同性愛、というのだろうか。
いや、俺は外見は女だから、普通に異性愛なのだろう。
この恋心は、何故だか俺の胸にストンとおちた。
俺は男のはずだ。なのに、男に恋する気持ちが直ぐに納得出来た。
そういう所が、俺の女の部分なのかもしれない。
あいつは、俺の事を意識どころか女としても見ていないだろう。まあその方がこっちとしては嬉しいが。
絶対に実らない恋。
でも。
___あなたに恋していいですか?
___まだ好きでいていいですか?