この作品はフィクションです
実在の人物、団体、事件とは一切関係ありません。
深く考えてはいなかった
ガツンッッッ
「調子乗んなよ玖村ぁ…何だよさっきの態度」
「ちはるー程々にね」
「は?私は親切に人との付き合い方を教えてんのよ」
……
お気の毒
でもあんたも暗いから悪いのよー
いじめなんて
どこにでもある事で
むしろ出逢わない方が難しい
だから
「行こっ」
こんな事になるなんて思わなかったんだ
第1話「期待」
「うーわー…ザ・田舎」
「舞、荷解きは?」
「今やるー」
ふぁ!?
最寄駅徒歩40分!?!?
うわあぁ…田舎ナメてた…
葛西舞、15歳
本日東京から引っ越してきました
「…マックに行くのに電車に乗らなきゃ行けないとは…」
便利な都会とは
全く違う環境
浮かないように溶け込まなきゃ
学校
あそこの本質は勉強では無く「集団」に染まる事だと思う
集団から外れた人間は見下され、攻撃される
天国にも地獄にもなるシビアな場所
さながら社会の練習台
まぁ今まで上手くやってきた
きっと
大丈夫
次の日
キーンコーンカーン…
「小田切さん!」
「翠ちゃん」
「こら先生でしょ!…月曜の事なんだけど」
「あ、転校生の件ね」
これから
「楽しみだなぁ」
私の新しい学校生活が始まる
To be continued.
第2話「再会」
「あなたが葛西さんね、担任の大瀬戸翠です」
「葛西舞です、よろしくお願いします」
「週末に越してきたんでしょ?どう?こっちは」
「いやぁ…何も無いですね!」
「アッハッハ、まぁそうだね、大丈夫慣れるよ、あーよかったぁ、東京の子だって言うからもっとギャルかと思った」
「ハハ」
髪色暗くしといて良かった…
引っ越し前は金髪だったもんな
「クラスの子に迎えに来て貰う事になってるからちょっと待ってね」
「はい」
…どんな子だろ
少し緊張してきた
ガラッ
「あ、来た来た、小田切さん時間通りね、よろしく」
何か…素朴な子
しかも何かガン見されてる!
「じゃあ葛西さん小田切さんと教室に行って」
「はーい」
「葛西…?」
ぞくっ
な…な、何今の!!
凄い睨まれた
先生気づいてないし…
「じゃあ行こっか葛西さん」
え、え?
「1年生の教室は3階だから階段上るね」
「うん」
気のせい…か?
一瞬睨まれたと思ったけど…
普通…にしてくれてるっぽいしな…
気にしないでおこう…
To be continued.
第3話「決意」
「あ、葛西さんトイレはいい?」
「行きたい!場所も確認したいし」
「ねぇ葛西さん、中学どこだった?」
「えー?分かんないと思うけど花丘学園って所だったよ、一貫校の割に馬鹿ばっかでね遊んでばっかりだったよ」
「…へぇ、東京って田舎からしたら派手なイメージだな、荒れてないの?いじめ酷かったりとかさ」
「あ、偏見、そりゃ無くは無いけど何処にでもある事じゃん、そんな大した事無いって」
ガチャッ
「ごめんね待たせて」
「ううん…私と同じ地獄を見ればいい」
「何か言った?」
「ううん、何でもない」
To be continued.
第4話「教室」
カッカッ
「えーというわけで葛西さん自己紹介お願いね」
「東京から来ました、葛西舞です、よろしくお願いします、趣味はプリ撮ったりアクセ集めたりとか、あっSNSやってるんで気軽に絡んでください」
…ていうか
地味!!
髪染めてる子1人…2人?
女子マスカラすらして無いじゃん
うっわあぁ
これが田舎かよ…
まぁ、そういう所だって言うなら合わせるけどさ
キーンコーンカーン…
「ねぇねぇみなちゃん話しかけてみようよ」
「え〜行くの?」
「東京の話聞きたいじゃん」
「うーん…」
あのニキビちゃんビビってんな
さて、行動を
「ねぇ、私藤塚優里亜、話そうよ」
顔は可愛い…
けどなんか中途半端なギャルだな…
微妙にダサいと言うか…
「いいよ!」
「あぁ〜先越されちゃった」
「あ…本当だ、藤塚さん達、仕方ないね、後にしようよ」
「藤塚さん派手だし東京の事興味ありそう」
ふーん
クラス内の力関係的にこの子結構強そうね
ひとまず仲良くしておこう
「よろしくね藤塚さん、おしゃれだねー!髪…ピンクアッシュ?可愛いねー」
「あ、分かる?流石東京人」
「わかるよー!私もアッシュ入れてるの、ブラウンアッシュー」
「あ、本当?」
「何か…やっぱ雰囲気違うね、都会人って感じ」
「……」
「詩乃?」
To be continued.
第5話「告白」
「渋谷とか原宿はよく行ってた?」
「学校が近かったから帰りに寄ってたよ」
「本当に?すごーい!109とかどんな感じ?」
「よく行ってたショップは7階の雑貨屋で凄い可愛いiPhoneケースが一杯あってー…」
「そーなんだ〜!やっぱ東京って凄いね〜!いーないーなぁ、やっぱ都会は違うよね〜、こっちって見た目地味な子が多いからあんまり流行りの話とか盛り上がらないんだよねぇ」
「ハハ」
「…小田切さんなんかも東京に住んでたらしいけど素朴で大人しい子だからそーゆー感じじゃ無いし…」
「えっ、小田切さん東京に居たの!?」
「うんなんか中学の途中まで東京に居たらしいよ、聞いてみたら?」
「うんそうするー!」
「ねぇねぇ小田切さん、東京に住んでたんだって?何で言ってくれないのー、どこ中??何区に住んでた?」
「…ばーか」
そういうと詩乃は急に過呼吸になってしまった
「…小田切さん?」
「しの!?大丈夫!?」
「ゲホッゴホッゴホッうぇっ…ご、ごめん、普通にしようと思ったけど…無理!!!私中学の時葛西さんにいじめられてたの…ゲホッゴホッゴホッ」
「詩乃ティッシュ!!」
「っ……!!」
「詩乃!!」
詩乃は走り去っていった
詩乃が出ていった後
「…いじめだって…」
「まじで?」
「本当かな」
「でも詩乃ちゃんの様子やばくなかった?」
「い…いや、違くて誤解だから、ね!?」
「…しの、中1の時いじめが原因で不登校になったっていってた、葛西さん…もしかしてあんた?」
To be continued.
第6話「想起」
中1
……
………
舞は中1の時を思い出すと
「っ…」
走り去る
「ちょっと!!!」
その呼び止めも聞かず私は教室を飛び出した
舞が出て行った後
「ねぇゆりどうするの?」
「え?」
「葛西さんをうちのグループに入れるって…」
「あー…そうね…場合によっては仲良くしない方が良いかもしんないねぇ」
その頃舞は
苗字と髪型が変わってて気づかなかった
あいつは
「玖村…お前、やっぱり…玖村なんでしょ!」
「あ、思い出してくれたんだ、おっそーい、苗字が変わっていたとは言え元クラスメイトなのにさ」
「お前どういうつもりだよ!!」
「何の事?わざわざみんなの前でいじめの事をバラした事?私は嘘はついていない、転校初日だって言うのに印象最悪だね」
「玖村、お前…」
「葛西さん、あんたそれがいけない事だって私に言う資格あるの?私はあんたにチャンスをあげた、わざといじめの話を振って気づかせようとした、あの時気付いて一言でも謝ってくれたなら許すことは出来ないけれどあんたの邪魔はしないつもりだった、けどあんたは思い出すどころか「大したことない」って言った、あの瞬間に心にしまっておいた恨みが湧き上がってきたの」
To be continued.
第7話「狂気」
「い…いや、その…私は、たしかにうちのグループはあんたをいじめてたけど…私は良くないって思ってたよ?」
「そうね、あんたはただ見てることが多かった、見張りとか言ってね、けどそれは良心が痛むからじゃない、いざという時自分はやってませんって言い逃れする気だったんでしょ、私は知ってたわ、あんたが一歩引いたところでいじめを面白がっていたこと、私はあんたのそう言う卑怯なところがすごく嫌いだった、葛西、あんただって同罪だ!!!」
「…何様?玖村の癖に!!!」
そう言うと詩乃は私を蹴り飛ばした
「い…たっ!!」
私は知らなかった
自分がこんなにも激しく恨まれていた事
「もう昔の私じゃないのよ、足蹴りなされた気分はどう?」
「痛っ…」
「葛西さん、私はね決めたの、あんたに楽しい学校生活なんて送らせない、追い詰めて追い詰めて死にたくなるくらい惨めにしてあげるから楽しみにしててよ、ここにはあんたの仲間はいないのよ、面倒事を避けて逃げてきたあんたが1人でどこまで耐えられるかなぁ、頑張ってね、葛西さん」
そしてこれから何が起こるのかを
To be continued.
ここまでで冒頭部分は終了し次回からは違うパートに入ります
22:恵那:2020/03/22(日) 21:40 第8話「名取静@」
ヒーローっていいよね
かっこよくてワクワクする
けどいつからかな
あれ?と思うようになった
何人もいるヒーローが1人の怪人を皆でやっつけて
これっていじめじゃないのかな?
静の家にて
「静ー!もう半になるわよー!」
「うん分かってる!ひーさしっぶりのがーっこぉーだー!」
「ちょっと!!後4分でバス来るわよ!!」
「行ってきまぁーす」
学校にて舞は
昨日は結局1日中避けられていた
最悪…
教室行くの気が重いな…
あいつのせいで
玖村の分際でふざけやがって
そっち側に行く気なんてない
少しずつ空気を変えていってやる
その時静が
「ちぃ〜こぉ〜くぅ〜!!」
ドンッッ
「あ、ごめんね!」
「……」
教室にて
「ゆりちゃんえっちゃん久しぶり!!静、ふっかーつ!」
「あ、名取じゃん久しぶり、お前靴履き替えるの忘れてんぞ」
「お久ー!」
「静!インフル治った?」
「うんもう完全回復だよ!!ずっとDVD観てて充電もバッチリ、エコノミー、ビジネス、マネーパワーーー変身!この通りもうすっかり元気だよ!」
「…ねぇ恵那あれ何?」
「日曜の朝やってるヒーローアニメらしいよ…」
「ちょっと待って最近のアニメどうなってんの」
「あ、そーだ!ゆりちゃんえっちゃん先週LINEで言ってた転校生どうだった?来るって言ってたよね!?」
「あ、あー…それがねぇ…なんていうか…見てみ」
「ふぇ?」
「詩乃ちゃん大丈夫?」
「何か言われたら言ってね、守るし」
「ありがとう…」
「…詩乃ちゃん具合悪いの?」
「そうじゃなくて…」
ガラッ
舞が登校してくる
「あ、来たわ…」
「あっさっきぶつかった子!あの子?」
「ちょっと声でかい」
「何ー?何なのー?」
「あのね、静、あのこさぁ中学時代小田切さんと一緒の学校で小田切さんをいじめてたんだって、もう昨日大変だったんだから!!小田切さん大号泣で過呼吸になって早退しちゃって教室の空気お通夜状態よ!」
「…いじめてた、詩乃ちゃんを…悪い子なんだ、そっか」
To be continued.
第9話「名取静A」
ヒーローは正義の味方
悪い奴から弱い人を守る人
「まだよく分かんないけどそういう訳でちょっと様子を…って静!!!」
舞は
あれ
あの子…さっきの…
そう思っていると静は詩乃に
「ねぇねぇ詩乃ちゃん、詩乃ちゃんいじめられてたの?」
「え…」
「ちょっと名取さん」
「仲間はずれにされたの?水かけられたりとか?」
「ま…まぁ…」
「名取さんいい加減」
「静に任せて!静は正義の味方だから悪い子は懲らしめたげる!!」
「え?」
そう言うと静は自分の席に戻り鞄から水筒を取り出す
そしてそれをバシャンと舞に掛けた
「ねぇ今どう言う気持ち?やな気持ちでしょ?人をいじめちゃダメなんだよ!分かった?」
「ちょ…静ちゃん何してるの」
「えー?静だって辛いけど…ヒーローはさ、悪い奴を諭して改心させるでしょ?」
「静ちゃん今そういうのは…」
…何この子
「ぷっ!静ー!あんたいきなり何してんのー!」
「見てあの顔ぽけーっとしてる」
「藤塚さ…」
「千穂」
「名取、ナイス厨二病、うけるわー」
「天罰だろ」
「お前らもそう思う所あるだろ?」
まずい…
「あ、葛西さん待ちなよ!!詩乃ちゃんに謝りなよ、ねぇ!!」
「静ぁー、程々にしてあげたらぁー?」
「ねぇってば逃げるの!?」
あーもううるさい…
空気読めない子だな
うざい!!!!!
そう思い舞が思いっきり扉を閉めると静が
「痛い!!!!」
静の手を扉に挟んでしまった
「…うえええええええぇんっ」
To be continued.
第10話「名取静B」
「静大丈夫!?怪我は!?」
「うええええぇ、ゆりちゃああん、痛いー」
「葛西てめぇ…」
「ち…ちが、わざとじゃ…」
「あ、あ、あ、あ、あ」
「詩乃大丈夫!?」
「だ…大丈夫、昔の事思い出して、同じ事された事あるから…ごめん…」
「…何?わざとなわけ?」
「違う…ちょっと力が入って」
「黙れ、何?朝ぶつかったとか言ってたけどそれ?どんだけ性格悪いんだよ」
そう言うと優里亜は私のカバンを私に投げつけ
「帰れ、静に怪我させやがって帰れよ!!」
「いいぞ藤塚ー、お帰りの準備良いですか〜、お出口こちらでーす」
舞は出て行った
「やべぇー!久しぶりに面白いもん見たわぁー!なぁお前ら?」
「ぷっ、やべーうけるー!」
「まじで帰るんかな?」
「静ちゃん大丈夫?皮むけた?」
「おいやばくね?翠ちゃんになんて言う?」
「……」
「…なんなのあの子、最悪」
「今日は散々だったね静」
「うんゆりちゃん大好きー!」
「本当あいつないわ…恵那?何してんの?そこあいつの机」
恵那は舞のノートをゴミ箱に捨てた
「これぐらいしたっていいでしょ、静に怪我させたんだし当然の報いだよ」
「そっか、ペンケースにしーよぉ…ぽいっ」
ヒーローが大勢で1人を倒すのはいじめじゃないのか?
静は考えた
考えて考えて答えを出した
いじめじゃないよ
だってみんながそれを支持してるんでしょ?
良いって思ってるんでしょ?
だからきっとそれはフェアじゃなくても正義なんだよ
みんながいいって思っていれば正義なんだよ
「ゆりちゃん良いよね?」
そう
だから
葛西さんの物をゴミ箱に捨てるのも
「良いんじゃない?」
みんなが良いと思えば正義に変わる
葛西さんは悪い人
懲らしめて、詩乃ちゃんや静の気持ちを分かって貰わなきゃ
静は正義の味方!!
To be continued.
第11話「連絡」
「ねぇ藤塚さん達まだこれ貰ってないよね?昨日HR居なかったし」
「何これ?」
「再来週泊まりの校外学習あるでしょ?それのしおり」
「あー!あれか…分かったありがと、大変だね花房さん、係なんだ」
「うんまぁ」
「ゆりちゃんお泊りだよー!楽しみだね!」
「えー…あれ進路についての講演とかでしょ?めんどくさいわ」
「静はヒーローか魔法使いになるって決めてるよ!!」
「叶うといいねぇ」
「次選択授業だよねー?」
「あ、やばい私パレット洗ってない」
「千穂移動するよ」
「…うん」
「行こう詩乃」
「うん」
舞はと言うと
机に落書きがされていた
がきくせー…
中学生とやる事変わんないじゃん
はぁー…
「葛西さぁーん、どうしたのぉー?なぁに?それ…東京では机アートが流行りなの?流石発想が違うわー!」
いや、犯人お前だろ…
刺激したくないから言わないけど
「えっちゃん静が描いた猫ちゃん上手でしょ?」
「こら!」
この子大丈夫か…
くだらない嫌がらせ
だけど
これが毎日続いて行ったら
何かが変わってしまうのだろうか
玖村のように
「ちょっと無視ー?ねーぇ」
どーするべきかな…
はー…
反応すると付け上がりそうだしな…
まんまと玖村の思惑通りだ
その時ポーンとLINEの着信がなる
あ…LINE来てる
…いや時間無いし後で返そう
そう思い舞は去っていく
「無反応だねぇ、冷めてるわぁ」
「全然響かないー!反省無いー!」
「つまんないわぁ…」
そう言うと優里亜は舞のカバンから舞のスマホを取り出し操作し始める
「よし、まだロック掛かってない」
「ちょ…ゆり」
「別にLINEとかは見ないわよ、あ、あったSNS…しかもこいつ2個アカウントあるわ、恵那アカウントメモして、こーゆーSNSってさぁ、結構面白かったりするんだよね」
その日の夜舞は
あ、そうだLINE返してなかったわ…
誰だろ
越智栞(おちしおり)
「まいまい元気?そっちはどう?」19:30
栞…
転校するまでちはると3人でずっと一緒だった
元気かな
プルルルルルル
「はぁ〜い!まいまい?」
「うん久しぶりー」
栞の声だ…
「元気ー?って1週間経ってないけどどうよ?」
「家の目の前が田んぼでさ…本当にど田舎」
「うわーまじで?……まいまいなんか元気なく無い?大丈夫?」
「え……分かるんだ」
「分かるよー、3年も一緒だったじゃん、なんかあった?聞くよ?」
「…玖村が、居る」
To be continued.
第12話「悪煽」
「は?玖村…って、あの玖村?中1の時の」
「うん」
「え?まじ?何それどういう偶然…そういや玖村って途中で転校したんだっけ…」
「何か前と全然態度違くて!!凄い敵意剥き出しで喧嘩売ってくる!!!」
「はー!?何それ…玖村って暗くて黙ってる印象しか無いんだけど…てかそれってさ、まいまいやばいよね、あたしが言うのもなんだけど…信用ないのは多分新参者のまいまいの方だし…クラスの人的に」
「…うん」
「あのさまいまい……何て言ったら良いか分からないけど負けずに頑張ろーよ、始まったばっかじゃん」
「…うん」
「しばらく下手に出て様子見な!ね、相手は玖村っしょ?何とかなるよ」
「うん」
あ…そう言えば
あの子に謝ってないや…
そして電話を切る
…喋りすぎたかな
つい…爆発しちゃった
こっちで話せる子居ないからなぁ…
……
話して、良かったのかな
冷静になってきた…
今はもう離れて居るから栞になんて思われても最悪大丈夫だけど…
あの人達は…
いいや今は考えたくない
それよりも明日からの私の事だ
私はTwitterを開き「明日も頑張る。」そう呟いた
…これからどうなるんだろう
その頃栞は
プルルルルルル
「あ、もしもしちはるー?」
「はーい」
「あのね…」
その頃優里亜は
ウィンウィン
ガー…
「よし!準備OK!」
次の日
…とりあえずあの子に謝っておこう…
その方が良い
ガラ…
「あ、きたよ」
…?
黒板の所に集まって何やってる…?
そう思い舞は黒板の前へ行く
これは…
私のSNS…!!!
Twitterのアカウントの写真が印刷されて黒板に張り出されていた
「3月27日、16時28分『おとーさんの転勤が決まった。中間テスト終わったら引っ越すらしい。ちょうど田舎らしい。まじ憂鬱。』5月22日、11時12分『やばい…家の周り探索したけど何もない。同じ日本と思えない、全体的に寂れてるし人も田舎臭さハンパない。うわあぁ、ここに染まりたくないわあぁ。東京帰りたい〜』…随分ディスってくれてんじゃん、ねぇ?こんだけ馬鹿にされたらこっちだって仲良くする気無くなると思わない???ねぇ、葛西さん?」
To be continued.
第13話「友達」
何で…
このアカウントは誰にも教えてないのに…!
「こんなんもあるよー、2月7日16時56分『さっき3人で歩いてたら大学生に声かけられたー!ファミレスでケーキ奢って貰ったよ!ロリコン乙笑』」
「ビッチじゃん」
「知らない人についていくなって言われてないのー?」
その言葉を聞き私は黒板に貼ってある紙をビリビリ剥がす
「無駄よー?もうみんな見てるしアカウント知ってるから」
「あ、これもやばくね?」
「うけるー」
その人達を睨み付けると優里亜が
「何よ、何が不満なの?あんたが最初に「気軽に絡んで」って言ってたから絡んであげたんじゃない、あぁそうだ葛西さん、明日も頑張るなんてツイートしてたけど今の状況は自業自得でしょ?被害者ぶってんじゃねーよ、静にも謝らないし」
「あ…それは謝ろうと」
「いいよいいよいらないそういうの、あんたがクズなのはよーくわかった、静のことも、小田切さんのことだって悪いなんて思ってないでしょ?葛西さんあのね、ここにはもうあんたを信用してる人間なんていないから、謝られたって信用出来ない」
「…藤塚さん調子づいてるなぁ…」
それから休み時間になり舞は人気のない階段で1人座って居る
ポーン
LINE来た…
越智栞、神谷ちはる
「まいまい今日は大丈夫ー?」
「がんば笑」
…いや、「笑」じゃねーし
やっぱ言うんじゃなかった
眼に浮かぶよ
昔いじめてたやつと再会するなんていいネタなんだろうな
きっと2人して面白がって居るんだ
本気で心配していたら「笑」なんて語尾に付かないだろうし
何より2人はそう言う人だ
私は何度もそういう2人の様子を見てきたし
そうやって他人を笑って居る2人と一緒に他人を笑ってきた
栞はクラスで権力があったちはるの機嫌をとって甘い蜜を吸うタイプ
昔いじめてたやつが転校先に居たなんて美味しいネタ
栞がちはるに黙っているわけがない
笑い話に必ずする
私の心配なんてしてない、だってもう私は傍に居ない
私はもう
仲間として重要じゃない
あの2人はそういう人だ
切り替えが早くてシビア
別にいいんだ、2人にとって私はその程度の存在だったんだろうし
私にとってもそうだったから
…自分でも驚くほど
ちはるにも栞にも執着が無い
ただ楽だったから一緒に居た
学校ってめんどくさいよね
1人で居ると損をするようになっているから
居場所を見つけなきゃいけない、取り繕わなきゃいけない
私はちはるや栞と一緒に居る事で
いじめられる事も無かったし面倒な係やら立場を避ける事が出来た
けど私は
心から2人と繋がっていたわけじゃなくて
ただ自分が損をしないために
計算して一緒に居ただけ
…はぁ、嫌な事考えちゃったな
…いざ自分が笑われていると思うとめんどくさい…
色々冷める
友達の事どう思ってる?
もし友達というものが
漫画やドラマみたいにお互い信頼しあう仲を指すのなら
私には友達など
居なかったのかもしれない
To be continued.
第14話「花房浩子@」
「葛西さーんおはよう」
「朝からゴミ漁ってどうしたの?」
「ていうかくさーい」
やる事が古典的すぎる
引き出しすくねーな
「なぁ、あれさぁ…どうよ?藤塚達」
「…まぁ…良くはないと思うけどしょーがなくね?口出ししたら藤塚や冬馬になんか言われそうじゃん?」
「ほっとけばいいだろ、そのうち飽きるって、なぁ唯」
「……あ、浩子、ノート持っていくのか?手伝う」
「いい、1人で行ける、付いてこないで」
ガラッ
「大変だねぇ、お兄ちゃん、花房妹は相変わらずつれないねぇ」
「いっつも1人だよな友達いねーの?」
「あいつめんどくさがりだから1人が好きなんだよ、いじめたらころすからな」
「いじめねーよ、手は出すかもしれねーけど」
「やってみろよ、前髪ぶち抜いて生え際五センチ後退させてやる」
「こわっ!シスコンこわっ!」
「あ、そうだ葛西さん、SNSのアカウント消したの?なんか今朝見たら無かったけど、まぁそうだよねー、あんな痛い事書いてたのバレちゃったらそのまんまになんか…」
ガタッ
舞はぴしゃんと教室の扉を閉め出て行く
「止めた方が…良いよね…」
「詩乃は気にしなくて良いって」
「そうだよ詩乃ちゃん」
「私…私ね、私がやめてって言ってあげれば葛西さんへの嫌がらせが和らぐんじゃないかと思うの、でもそうしたくない自分がいるの、嫌なやつよね」
「そんな事無いよ」
「当然だよ、あんな人に関わらない方がいいよ、自業自得なんだから放っておきなよ」
「…みんなありがとう…」
その頃舞は廊下で
誰も私の話など聞く気がない
このクラスには馴染めない
物が無くなったり捨てられたりは本当に困るんだけど…
先生に言っても後々エスカレートするかもだしな…
耐えるしかないのかな
1つ分かった事がある
悪意を向けられる事はそれだけでストレスだ
酷く疲れる…
その時
「葛西さん、良かった見つかって、どこに行ったのかと思った」
「えっと…」
この子誰だっけ…
「これ、渡して無かったよね、机の中に入れておいても良かったけれど捨てられそうだから直接渡そうと思って」
「あ…ありがとう」
気を遣ってくれた…?
「あの、これって」
「今度泊まりの行事があるの、そのしおり」
泊まり…!?
最悪…今の状況で…!?
「確かに渡したから、あ、スカートの後ろ折れてる」
「えっ」
「はい直った、じゃあねそういう事で」
なんか…
あのこ
普通にしてくれた?
避けては…居なかったよね?
舞は教室に戻り座席表を見る
「あった座席表」
前から2列目…
花房…浩子
To be continued.
第15話「花房浩子A」
「花房さん!」
「…何?」
「あの…ちょっと良いかな、ここじゃなんだから場所…変えて」
「…良いけど」
舞と浩子は校舎裏に行く
「さっきはありがとう、教えてくれなかったら行事の事知らなかったよ」
「まぁ係だし」
「あれって毎年やってるの?」
「そうみたいね」
「泊まる所ってどんな所なのかなぁ」
「さぁ…私も行った事無いから」
は…話が広がらない…!!
これだからナチュラルぼっちは…
頑張れ私…
教室の感じではこの子特につるんでるこ居なかった
いじめってものは1人で居るから標的になりやすい
なんとかこの子を引き込んで2人になれば…
「あのね…気を遣ってくれてありがとう、私に…話しかけるの勇気がいるでしょ?周りの目とか…嬉しかった、あのね私…玖…小田切さんと前の学校で色々あったけど私も…その…友達を止められなくて…しんどかったんだ…小田切さんには…そう見えて無かったみたいだけど」
「…そう」
「こっちの人のこと…あんな風に言ったことも反省してる…環境が変わるのが不安で…つい…」
ちょっとずつでも
「あ…あのさ、花房さん…良かったら…たまにでいいから、こっそりでいいから、私と話してくれないかな、やっぱ寂しくて…自業自得だけど…」
玖村に植え付けられたイメージと違うって思わせられたら…
「…話す分には良いけど…」
「本当!?」
「でも友達にはならないよ」
「…え?」
「私1人が好きだし面倒な事嫌いなの、わざわざリスクを犯して葛西さんと仲良くするメリットある??普通に会話くらいはするよ?無視とかくだらないいじめする気ないし、けど葛西さんを助けたいとも思わない、私は何もせず見てるから私を巻き込まないで」
「……」
「ただ見てるだけ、それの何が悪いって言うの?葛西さんだって覚えがあるんじゃないの?」
「浩子」
「光輝」
「ちょっと来て、すぐに」
「…じゃあ行くから」
浩子が校舎の中に行くと光輝が
「今葛西と喋ってただろ、やめとけよ、藤塚に見られたら面倒だぞ」
「知ってるわよ大丈夫、私は葛西さんと友達になる気は無いわ、藤塚さん達みたいに子供っぽい嫌がらせする気もないけど」
「…何かあったら俺に言えよ」
「はいはい、好きにすれば良いのよ、いじめようがいじめられようが、私に被害がなければそれで良い、誰だって自分が一番かわいいのよ」
To be continued.
第16話「獲物」
浩子が去って行った後舞は
『何が悪いって言うの?』
悪いなんて言えない
それが賢いと思う
けど自分が実際言われると
ものすごくむかつく