オリジナル小説を書きます。
ジャンルはいじめです。
よろしくお願いします
いじめについて私は深く考えた事は無かった
「ちょっと野崎〜〜、地味な癖に調子乗んなよ、昨日掃除頼んだのになんでやってくれなかったの?」
「そーだよー!野崎のせいでうちら市川にきれられたんですけど」
そういって莉愛と小春は野崎結菜を蹴り飛ばす
「…2人とも程々にね〜」
「えぇ?やる事やれって言っただけだよー?」
正直私は莉愛達と気が合わない
けど、莉愛達といると正直楽だからなんとなく一緒に居る
私もいじめられた事があるし二度とあっち側には行きたく無い
地味だった私が莉愛と話すようになったのは「佐藤」「斎藤」
席が前後だったのは偶然だった
もしそうで無かったら
仲良くなんてなれていない
入学4日目
忘れようも無い実に衝撃的だった
斎藤莉愛
ピンク髪解禁
それはもう堂々としたものだった
まだまだみんな愛想良く振る舞う友達作りの序盤も序盤だと言うのに強烈な個性の主張
私の感想は当然この子やばいな、だった
自由な校風で染めるのは茶髪程度なら黙認されていたが
「1年はしてはいけない」と言う暗黙の了解があった上まさかのピンク
当然目をつけられた
「あのさ、1年っしょ?初っ端からその頭はないわ、スカートも短すぎだし今年の入試レベル低いって思われるよ」
うわー、まじで呼び出しされてる
しかもあの先輩結構有名な人じゃん
あーあ…どうやり過ごすつもりなんだろ
「うっせぇよ、てめーら学校の支配者でも気取ってんの?え?何?学校の風紀は私が守る〜!的な感じですかー?」
喧嘩売ったーーー!!
強すぎだろ…
「風紀委員会ないのにセルフ委員?痛くない?」
「なっ、親切で言ってんだよ!生意気!!!!」
そういうと先輩は莉愛を突き飛ばした
「…う、うえええええええぇん!!!」
「うわー!泣き出したんですけどー!さっきまでの勢いどうしたー?恥ずかしーなぁくそがき!!」
「…はーいおっけー!こっち向いて、動画の最後に目線もらっていーですかー?あーもう肘打ったじゃーんいったーい、ていうかあからさまな呼び出しに何の準備もしないわけないじゃん、ずっと撮ってんだわばーか!今時そんな可能性も考えず呼び出したん?あったまわる!お前の代の入試だーいじょうぶー?もうパソコンに送ったんで大事に保存しますね、せっかくだし良い感じに編集して知らない先輩に殴られましたって教員室で泣いてこようかなぁ?あーSNSで公開したほーがいい?それともデータ親御さんに送りましょうかー?」
「な…」
「おいばばぁ、今後私にごちゃごちゃ言ったらてめーらの人生に消えない傷を付けてやるからな、陰湿にずぅーっとね」
先輩を堂々と追い払った話は広がり怖がる子がいる一方で武勇伝のような扱いをする子もいた
莉愛はクラスの中心だった
派手で物言いがきついが何も無ければ明るく良く笑う人で
積極的に人を引っ張り主導権を取りに行くし
楽しいことを提供するのが上手だった
真面目組は莉愛を敬遠したが逆らいはしなかった
私は最初中間くらいのグループに属していてその時はまだ他人との人間関係をそれほど計算していなかったから楽しそうでいいなぁくらいに思っていた
だけどあの時
「ねぇねぇ佐藤さん、つまんなそーな顔してんね」
私は莉愛の前の席でたまたま莉愛の視界に入ったのだ
そしてそれは私を少し変えていく
「学校は楽しまなきゃだよ?なんか悩み事?」
はっ、話しかけられた…
びっくりした
「いや、ちょっと親と喧嘩してて…」
「親?何で?」
「いやー…まぁ色々…」
「仲悪いん?」
「んー…微妙かな」
「へぇー、自分の言ってる事分かってもらえなくてむかついてんだ?」
「えっ」
「だって親の意見に納得してたらそんなふてくされないっしょ、莉愛と一緒だねえ、莉愛も言っても言っても聞いてくんないの、莉愛が髪ピンクにした理由それだもん」
「えっ?」
はじめまして。全部読んでみましたが、面白いです!これからも更新頑張って下さい
11:恵那:2020/03/25(水) 07:15ありがとうございます😊
12:恵那:2020/03/25(水) 07:33 「うちねぇ、親別居してんの、この中学結構難関じゃん?東京の中でも、だからこの中学受かったら久々家族3人でご飯行こうって約束してたのにお父さんがやっぱ無理とかいうからむかついて罰としてこの頭にしてやったわけ」
重っ
そんなサラッと言う!?
「…ピンク髪が何で罰?」
「え?だって罰っていうのは不自由を与えることとか恥をかかせることだと思わない?娘が急にこんな頭になってぐれたら親にとって恥でしょ?だから罰」
意外に思った
堂々として気が強い莉愛が一瞬少し悲しそうな顔をした事
この日を境に莉愛とたまに話すようになった
もっぱら親の悪口で盛り上がった
「まじー?大概にしろよって感じだよねえ」
「自立するまで逆らえないの辛すぎ、何かいい方法ないかなぁ」
「じゃーみなも髪染める?」
「えっ」
「みな染めた事ないっしょ?少なくとも超びっくりすんじゃね?茶髪くらいなら学校的にもどーって事ないしなんか言われても莉愛がいるし?もしかしたら本気だよ!!!!って伝わるかもだし、ダメならダメでしてやったりかもよー?」
莉愛が居なければなかった発想だった
髪を染め家に帰りリビングに行くとまず始めに母親からビンタを食らった
「何考えてんの!?あなたはまだ中学生でしょ!?すぐ戻しなさい恥ずかしい!!!!!」
「きゃははっ!お姉ちゃん金髪って!笑い止まんないわー」
「舞美はあっち行ってなさい!!!」
「私が…何でこうしたか興味ないわけ?」
「どーせ大した理由じゃないでしょ、後で聞いてあげるから戻すわよ!!!!」
「お姉ちゃん頑張ってー」
母親に髪を引っ張られ私は母親をビンタした
「虐待かよババア」
やって良かったって思った
この人にはわからないと確信が持てた
最も強い絆で結ばれ最も長く傍にいる人
愛せるはずの人を愛せない
私の苦しみが
「しねよ」
私はそういった
それからお父さんとお母さんは私たちを部屋に行かせ話し合っている
「何だあの頭は、あれで学校行くつもりか?」
「そーみたい、今までに無い反抗ぶりなの」
「荒れるなんてお前がちゃんと見てないからじゃないのか」
「全部私のせいだって言うの!?!?ふざけないで!!!!大体あなたはいつもいつも…」
「お前は何の話がしたいんだ」
両親は私が反抗したことに対してショックを受けていた
まぁそうだろう、私が両親に不満があるなど思っていなかったのだから
「あーあ…ちょー揉めてんじゃん、どーすんの?」
わたしはその妹の言葉を無視してガチャリと扉を開ける
「お父さんお母さん」
「美奈、舞美も」
「心配かけてごめんなさい、叩いてごめんなさい、思ってたより髪色明るくなっちゃって、八つ当たりしてごめんなさい」
「あ…そうなの?じゃあ元に戻しましょ!」
「髪がすごく傷んじゃったから良くなってからにしたい」
「いやでも学校で浮くでしょ、校則…あー…」
「他にも明るい人たくさんいるし大丈夫、金髪だからって非行に走ったりしないからお願い」
母さんは怯えていていつもより弱かった
私は親の説得を押し切った
次の日学校で
莉愛に髪色を見せると
「…美奈、せいぜい栗色くらいかと思ったら金って!!!!思い切り良すぎー!!!!んで、どーだった?」
これは決意の証拠でもあるからなんだかんだ理由をつけて気がすむまで戻さない
「一層嫌いになった」
「あー…そっか」
「でもすっきりしたよ、ありがとう」
「私は何もしてないけどどういたしまして、あんたかっこいいよ美奈」
これをきっかけに莉愛といつもつるむようになった
髪についてはしばらく戻せ戻せと言われたが私の態度があまりに頑なだった事や
あの時の反抗ぶりを考慮した両親が折れた
まぁ金髪である事以外はちゃんとしてたし成績も礼儀も
どうせ思春期のずれたおしゃれくらいに思ったんじゃ無いかな
莉愛と居て分かったのは楽だという事
この人は自分を世界の中心にできる人だから子供ばかりで制約だらけの教室の操作なんて難しくない
いつのまにか莉愛に情報が集まっていて支配されている
嫌な事は人にやらせて、楽しい事は見逃さない
そして莉愛の良いところは側近には自分に準ずる待遇を認める事
何もしていないのに一目置かれる
まるで自分が優れているかのように錯覚出来る
あぁ、なんて気持ち良い
家庭環境が良くないからこそ学校で上位にいるのは凄く嬉しかった
「今日帰りに坂道の裏に出来たあそこ行こう」
「いいね」
その時通りかかった先生に睨まれたが莉愛は
「大人気ないなー、すーぐ顔に出る」
敵を作る事もあったが莉愛がいれば全然怖くない
自分の能力では得られないはずの特をしている
そうか、こうすれば良かった
人生は常に競争
凡人の私は黙ってたら常に誰かに負け続け常に損をし続ける
そんな私が地道に努力するより合理的に良い待遇を受けるにはこう言う人間を利用すればいい
こういう自らの力で上位に行けるような特別な人間を
傍に居て少し嫉妬していた
莉愛は今までどれだけ私より得したんだろう
分けてもらっても罰は当たらないわ、あまりに不公平よ
家はもう諦めたけど学校でならまだ間に合うわ
初めは純粋だった友情が狂っていった
莉愛の機嫌をとって気を遣って過ごして
確かに良い思いはする事が出来た
けれど時々ふっと虚しくなる
私って本当につまらない人間
私は何をしている?
自分が得しようとして人の為に動いている
私の意思は必要とされてない
私の価値は何処に?
私でなければいけない事は?
莉愛自身も次第に私の扱い方が変わった
私より小春の方が動くから私は補助的だったけど
そんな莉愛に従い彼女を増長させた事が野崎の件の一因だったかもしれないな
少し話が逸れたがとにかく私はまともな友情すら失った
それを無視して時間を過ごしているうちにかつて親に対して中身を見ていないなんて思っていたのに
私は本当に中身が無くなっていた
中身なんて無いから居ても居なくても良くて
繋ぎ止める物が無いから少し離れたらすぐバイバイ
誰にも泣きつく事が出来ない
孤独だな
ある日莉愛達と歩いていると莉愛のお母さんと、野崎のお父さんが一緒に歩いているのを莉愛は見てしまった
「莉、莉愛…」
「そういう事、あっそう」
その次の日莉愛は野崎結菜を呼び出した
※ここからは莉愛と結菜の部分です
「あっ、野崎さん来たあ」
結菜は取り巻きなし、2人きりのこの状況に内心少しびびっていた
「やっほー野崎さん、急にごめんねぇ?」
「良いけど…何…?」
「これ見て」
莉愛はスマホを見せる
「この2人知ってる?野崎さん」
「え、男の人は私のお父さんだけど、女の人は…何処かで見たような…?」
「この人莉愛のお母さん、野崎さんのお父さんと同じ病院の看護師、この2人ね、付き合ってるよ」
「…へー」
ごめんなさいなぜか匿名になってしまいました私です
24:恵那:2020/03/26(木) 08:24 莉愛は結菜の手を掴み
「野崎さん協力しよ!!!親同士が不倫なんていかれてる!!急に言われて困ってると思うけど私達に罪は無いんだから歪み合わずに協力して別れる方向に持って行こう…やっぱり2人でいるところを抑える?それとも病院の偉い人にちくるとか、とりあえず作戦練らなくちゃ、うちお父さんに知られたく無いのよね、そっちはお母さんどんな感じ?そこ考えないとね、野崎さん一緒に家族取り戻そうね!!」
「勝手に話を進めないで」
「えっ…」
「私は良いよ、そういう工作…」
「野崎さんも無関係じゃ無いのよ!?」
「斎藤さんの家には幸せがあったんだね、私の家は不倫が無くなっても別に幸せじゃ無い、これ以上疲れたく無いの、乱れたく無いの、ごめんね」
結菜がそう言うと莉愛は結菜を階段から突き落とした
だが結菜は怪我はしなかった
莉愛は結菜を睨み付けるように見ながら
「幸せがあった?そうね、そういう時もあったけど?それを現在進行形で壊してんのは誰だと思ってんの?誰が好き好んであんたと仲良くすんのよ、お互い様と思って我慢してやろうとしたのにまじクソだな、あんたもあんたの父親もまじゴミだわ、選んだのは自分自身、出来るだけ早くしね!!!!」
莉愛はそういうと美奈達の方に戻る
次の日
私達は結菜を取り押さえる
莉愛は
「漫画やドラマのいじめ描写でさぁ、顔に水つけるやつやるじゃん、あれ莉愛意味あんの?って正直思ってた訳、だって水じゃん、絶対ぬるいよね、そこでここに理科部からパクってきた青虫が3匹、私虫嫌いなんだよね、ビニール袋あるとはいえ持ってくんのきもかったわー、とりまこれで味付けしまーす、60秒でそれ全部飲み干して、よーいどん」
そして結菜は飲み干した
「はいおつかれー、少しは頑張ったんじゃ無い?だいぶ大目に見たけど」
「さすがにやりすぎじゃない?莉愛」
「何言ってんの甘いわよ、これで終わる訳ないじゃ無い、はい洗い流しまーす」
バシャバシャバシャ
「いくら洗っても性根の汚さは取れないけどねー」
そんないじめが半年も続くと、次第に結菜は学校を休みがちになった
そしてついに野崎結菜はいじめを苦に転校していった
野崎の転校の件で2年に上がるまでは莉愛も大人しくしていた
だが2年に上がりまた莉愛は新しい生贄を見つけた
「ねぇ見てー、莉愛の新しいオトモダチ」
「…え?」
「野崎いなくなって寂しいじゃん??だから見つけてきたの、これからはこれで遊ぼーよ、野崎の時みたいにさぁ」
そう言って生贄にした子を前に出す
私は莉愛を突き飛ばしてしまった
「うわっ」
「変わらないねぇ、莉愛は悲しいほどにほんっとにくずだよね」
「はぁ?何その言い方?散々1年の頃仲良くしてやったのに莉愛に喧嘩売んの?」
「してあげた、か…そうね、私は莉愛に仲良くしてもらってたね……」
友達じゃ無かった、それでも良いって思ってた
「いい加減さ自分を磨く事で自信を持てるようになりなよ、そんなやり方でしか自分の価値を認められないの?自分はいじめられてるこいつよりはマシだ、そう思いたいんでしょ?」
そういうと莉愛は私を蹴り飛ばした
「さっきから調子乗んなよ、何様のつもりだこら」