第一話 旅立ち
ここはとある世界にある島、神殿島(しんでんとう)。
その島にはカーリッチという村がある。
この村にはとある仕来りがある。それは二十歳になったとき、世界を旅することだ。
簡単なように思えるが、旅をする世界はノヴラードという獰猛な生き物がいる。
ノヴラードは人を襲うため、危険と言われるのだ。
そしてその危険な旅に出ようとしている、一人の若者がいた。
彼はイナト・スヴェルツ。
万屋(よろずや)の息子だ。
彼が家から出てくると、イナトの四人の兄妹と母親が出て来る。
「じゃあ、行ってくるね。」
「気を付けるんだよ!」
「体調管理は怠らないように。」
「分かってるよ。じゃあ、元気でね!」
元気よく返事をすると、家族は安心したかのように、振っていた手を下ろす。
話が変わるが、イナトは旅のついでにしたいことがあった。
それは、自分の父親を探すことだ。
実はイナトの父親、ガロリオーガは探検家で、頻繁に旅に出ていた。
しかし、ある日を境にガロリオーガは帰ってこなかった。
消息も不明な父の情報が集まれば良い。もしも生きていて取り越し苦労ならどうでも良いのだ。
しばらく歩くと、雲を貫く高さの塔が見えた。
あそこが、旅をする世界に行くための道のような所だ。
少し重い木の扉を開け、上の方を見る。
目に映ったのは、どこまでも続く螺旋階段(らせんかいだん)。
この階段を上っていくと、気がつけば下界に居るという。
イナトも、どこまでも続く階段を一歩、また一歩と上っていく。
…上って数分経った頃だろうか。気がつくと、イナトは木々が覆い茂る森の中にいた。
「ここは…?下界に来たのかな…?地図もないし、どうしよう…。」
すると、遠くから動物の荒い息遣いと馬車の車輪の音が聞こえる。
「おーい!そこのお前ー!そんなとこで何してんだー?危ねぇぞー!」
若い男性の声が森に響き渡る。
「だ、誰…?」
馬車に乗った男の姿が見えてきた。
薄い紫の髪をし、黄色に近いオレンジのヘアバンドを付けた人だった。
目はイナトのような垂れ目ではなく、キリッとした深い紫の目だ。
「こんなノヴラードがいる森で何やってんだよ…危険だから乗れ。」
促されるまま、イナトは馬車に乗る。
「そら、行けっ」
馬車の荷台の方には、いろいろな種類の剣や装備が詰め込まれていた。
値札や仕入れ品と書いてある箱もあったから、何かの商売をしているのだろう。
箱の方を見ていると、ヘアバンドを着けた男が話しかける。
「なぁ、あんな所でなにしてたんだ?」
「ちょっと…。迷い込んじゃってね…。」
正確には「降りた」だ。
しかし、天界人とバレたらどうなるかは分からない。
だから、迷い込んだでいいのだろう。
「迷い込んだ…ねぇ…。お前、名前は?」
「イナト・スヴェルツ。えっと…君は?」
「俺?俺はルーア。ルーア・レゾンティックな。」
「ルーア…なんだろう。女性みたいな名前だね。」
作者『たしかに…マジネーミングセンス無いから許して…(土下座)』
「それなんだよな〜…俺の親どうなってんだよ。」
ルーアは笑いながら話す。
少し笑うと、また話しかける。
「てかお前、装備も武器もなんも無ぇじゃんかよ…。俺の知り合いの店で買ってけ。」
ノヴラード対策だ。装備や武器が無いと、簡単にやられてしまう。
「ありがとう。」
10分程馬車を走らせると、大きめの村が見えた。
「あそこが俺の村だ。」
看板がすぐそこにあった。
「デヴイー村…?」
「そうだ。」
ずいぶんと、のどかな村だった。
次回へ続く
一言失礼します〜(^▽^)/
3:暇人影薄果物:2020/04/20(月) 14:02 この小説、一週間に一回のペースで上げていこうと思います!
ちょっとほかの作業もあるので、投稿(?)頻度めっさ遅いです…(´・ω・`)
語彙力や文章力も皆無なので、誤字・脱字があれば、脳内変換でお願いします…(;・∀・)
では次回作をお楽しみに…:(;゙゚''ω゚''):
第二話 初のバトル
村の中心辺りまで行くと、少し大きい家があった。
「ここが俺のダチの店だ。」
遠くからでは分からなかったが、近くに来ると防具・武器の店と分かった。
看板が壁に下がり、ドアの横には、剣や防具が入った箱が綺麗に並んでいた。
ルーアはドアを開けて、声を出す。
「おーい!ディズボー!サーヴィー!こいつに装備物売ってくれ〜!」
カウンターの奥から二人の男女が出てくる。
「なんだよ〜朝っぱらからうるせーなぁ〜。」
「しっかり営業しております。声を出さなくてもちゃんと来ますよ。」
透けた布を顔に当てている女性は少し迷惑そうに話す。
「すまんすまん。で、こいつに武器と防具買わしてくれや。」
「分かりました。ディズボ、7.5サイズのプラチナ防具を。」
「扱き使うなや…まぁ持ってくるけどな。」
少し待っていると、少し大きめの箱と刃が長めの剣が運ばれてきた。
「ほぉ…レインキータか。上物じゃねぇか!」
ルーアは剣をまじまじと見つめると、驚いた表情をする。
「レインキータ?」
イナトはこの世界の装備をよく理解せずに旅に出た。
だから装備物に関しては何も分かっていない。
するとディズボは言う。
「知らねェのかよ。レインキータはプラチナの次にレアな物だぞ。」
「そんなに価値があるんですか…。」
プラチナは世界で一番価値のある物。それの次に価値がある物を、あんなにさらっと出されたら、価値観が鈍りそうだ。
「全部で109000G(ゴールド)になります。」
Gは天界でも下界でも使われる通貨の単位の事だ。
「た、高い…。でもギリギリ払えるかな…?」
イナトの持ち金の三分の二が減る高さだった。
困っていると、ルーアが張り切った顔で言う。
「俺が半分払ってやる。金なさそうだしな。」
「ありがとう。」
イナトは思った。
『これ遠回しに馬鹿にされたな…。』
「毎度ありぃ」
「ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。」
会計を終えて、早速防具を装備する。
「おぉ〜似合ってるな。」
「そうかな…。」
装備したのは、肩当てに腰辺りまでの鎧、太ももの横部分だけ開いた丈夫な布
だ。数は少ないが、これが普通らしい。
「イナト、そういやさっき森に迷い込んだとか言ってたけどよ、なんかしてんのか?」
馬車に乗りながらルーアは聞く。目は乗れと言わんばかりに、後の方を見る。
イナトも馬車の席に座ると、馬車が動いた。
「実は旅しててね。歩いてたらいつの間にか、あそこに居たんだ。」
「ほぉ〜。旅な…。なぁ、俺もついて行って良いか?」
ルーアは目をキラキラさせて言う。
旅の経験者なのだろうか。
「良いよ。明日出ようと思うんだ。でも宿どうしよう…。」
「俺んち、泊まって行けよ。そこで準備も整えっからよ。」
すると空の方から何かが急降下してきた。深い緑色の龍のような生き物だ。
「グォルアァァァァァ!!!」
「リアドーンの群れ!?ちょ、イナト、戦うぞ!」
再び空を見ると、六匹くらいの群れがあった。
そう。あれがノヴラードの一種、リアドーン。
通常のノヴラードよりも凶暴なことで知られている。
ルーアは器用に馬車の手すりのような所に馬のロープを巻く。
「戦う!?僕戦い方分かんないよ!」
「はぁ!?ンなもん関係ねぇ!取りあえず剣に力貯めてみろ!」
言われるがまま、剣に集中し、力を貯めてみる。
すると、剣が若干白く光り出した。
「うし、貯めるのはできたな。そしたらリアドーンが近づいてきたら、思いっきり剣を振れ!」
「わ、分かった!」
ちょうどリアドーン三匹も目の前に来た。
そこでイナトは思いっきり、剣を振ってみる。
すると剣から赤い波のような物が放たれた。
「ギャオォォオン…。」
斬った瞬間、同時に三体のリアドーンは倒れた。
「す、スゲェ…一気に半分も倒しやがった…」
「ルーア!左!!」
「うぉ!?」
ルーアの左側から、一匹攻撃をしてくる。
するとルーアは右目を赤紫に光らせ、手に光で時計のような物を作り上げる。
「ルノヴィリア…ラオノース……!!!」
謎の呪文を唱えた途端、ルーア以外の時間が止まった。
時間が止まる前に見た彼の顔は、イナトの印象の彼とはまるで、別人だった。
To be continued (次回に続く〜)
〜続き〜
カチッ カチッ カチッ カチッ…。
時計の針の音が、止まった世界に響き渡る。
ルーアは一番高い所にいるリアドーン二匹を目がけ、剣を構え、大きくジャンプした。
「ハアァァァアッ!!!」
目にも留まらぬ動きで、一気に二頭を斬り付ける。
「っと…。」
降りてくると同時に、最後の一頭を剣で刺す。
どれも時間が止まっているからか、血が出ているにも関わらず、苦しそうな顔をしない。
スタッと見事に着地を決め、剣を背中についてあるホルダーに戻す。
すると、明らかにルーアの声では無い、少し低めの男性の声が聞こえる。
「ロイデルーノヴァ、ダルグーム…ナディグアーバ!」
「へへ…ズマネーヴ、リッセンヴァ。」
「ロウヴェニア…。」
「ナニデゥーム!」
謎の会話のようなものが終わると、再び動けるようになった。
「い、今のなんだったの!?」
「あれか?俺の能力の一つだぜ。時空停止な。」
「凄いね…。」
「まぁな!」
この世界の人間は、皆、能力を持っている。天界人も同じく、能力を持つ。
能力には属性がある。水や炎、強い属性では闇、光などだ。
誰でも全属性は持っているのだが、得意不得意がある。
ちなみに、イナトは全属性得意だ。ルーアは水と炎だ。
「そういや、さっきの声はなんだったの?ルーアの物じゃなさそうだったけど…。」
「あれか?アレは時空神エノールいるだろ?アイツの声だ。」
「え……。」
時空神エノールとは、世界全体の時間を管理している神だ。
「時間止められるこの力は、エノールからもらったんだぜ。」
ルーアは少し自慢げに話す。目に星が浮かびそうなほど、目を輝かせている。
力をもらったと言うことは、過去に何かあったのだろうか…。
「お、そろそろ着くぞ〜。」
見えてきたのは、岩山を切り開いて作ったような二階建ての家だった。
でも、全て岩山に全て埋まっているわけではないようだ。
岩山から飛び出ている所は、木造の家で、その上に二階があった。
「先に降りててくれ。馬車戻してくる。」
「あ、うん!」
馬車から降りると、家から一人の綺麗な顔の小柄な女性が出てきた。
日の光を浴びて、気持ちよさそうに背伸びをすると、イナトに気づく。
「ん?客人?お、ルーも帰ってきたか〜。」
所々焦げている、厚手のエプロンを身に着け、頭には明るいオレンジのバンダナをつけている。
目は赤に近いオレンジで、髪は綺麗な茶髪だ。
馬車をしまい終えたルーアが戻ってくる。
「お、レリー!仕事終ったのか?」
「丁度ね!ルー、この人お客?」
「う…客人でもあるし……た、旅仲間…でも…ある…。」
旅と聞いた瞬間、レリーと呼ばれた女性の優しい顔が変わり、顔に影が落ちた。
「…また旅に出るんか…?前みたいな旅にか…?」
「こ、今度こそは!今度こそは、安全な旅にするから!俺、旅も職業に入るから!」
過去に何か危険な事をしたのだろうか。それともレリーが怖いのだろうか。
ルーアの顔が青ざめる。かなり怖いのだろう。
「お願い!!なんかこいつ、戦闘慣れすらしてないから心配なんだ!お義母さんにも許可とるから!」
お義母さん…結婚でもしているんだな、とイナトは思った。
「……じゃあ、お母さんから許可が下りれば、行って良し!」
「有り難き幸せ!!!」
レリーはさっきの優しそうな顔に戻り、イナトに話しかける。
「夫がごめんなさい!待たせちゃったから、お茶入れます!入って下さい!」
「え…あ…良いですよ!なんか悪いですし…。」
「良いんですよ!ささ、どうぞ!」
半ば強引にイナトはルーアの家に入れられた。
「イナト、行けなかったらホントにすまん…。」
「大丈夫だよ…、奥さんの方が大切だしね!」
次回に続く…(やっと二話後半仕上がったー!!)
っと、ここで、これまでに出てきたキャラのプロフィール的なもの置いときます!
1 イナト・スヴェルツ
身長:169cm 体重54kg 性格:家族思いで優柔不断 属性:全部 好きな物:甘い物・お菓子作り 嫌いな物:虫
特徴 髪の毛が白く目が緑、料理が上手。五人兄妹の長男。面倒見も良い。
2ルーア・レゾンティック
身長:172cm 体重:53kg 性格:明るく、アクティブ 属性:毒 好きな物:楽器作りとココア、妻 嫌いな物:姑
特徴 亡くなった母の形見のヘアバンドをいつも着けている。村の子供になぜか好かれている。楽器職人で手先が器用。過去にとても危険な旅をした。
3レリー・レゾンティック
身長:165cm 体j「それ女にさらっと聞かない!!」ハイ… 性格:明るい 属性:水 好きな物:アクセサリー 嫌いな物:炎系のノヴラード
特徴 ルーアの妻。冒険が好きだった鍛冶職人です。ルーアが危険な旅に出た以来、旅に出ないようにしていた。
4ガロリオーガ・スヴェルツ
身長:185cm 体重:56kg 性格:優柔不断 属性:雷 好きな物:家族とメロンパン 嫌いな物:ムカデ
特徴 20歳になったときに出る旅で、突如行方不明になった、イナトの父。髪の毛が白い。目は黄色。
ディズボとサーヴィーはモブです〜…。
これからどんどんキャラ増やしていきます!
次回をお楽しみに!(>▾<)
プロフィールに歳書くの忘れてましたm(_ _)m
年齢も置いときます〜
イナト:20歳
ルーア:22歳
レリー:21歳
ガロリオーガ:行方不明になったときは20歳。もし生きていたら今は39歳
あれ?思ったよりオッサン?
と思ったそこの読者様!
オッサンではありません!
イナトの世界の人間は、ルーアの世界の人間より寿命が遙かに長いので、まだ若いのです!
イナト世界の平均寿命:200歳
ルーア世界の平均寿命:80歳
…と、イナト達の世界の平均寿命はこんなに長いんです!
次回をお楽しみに! |´・ω・`)チラッ
あ…プロフィールにまた訂正点が…ホント申し訳ないです…。
修正
ルーアの属性は毒ではなく、水と炎です…。
別キャラと混ざってしまいました…。
すみません…m(_ _)m
第三話 化物洞窟
旅に猛反対されていたルーアは旅に行けるようになった。
そして次の日の昼、二人は旅へ出る。
薄暗い森を歩きながら、二人は話しに花を咲かせた。
話していると、ふとイナトの頭に浮かんだことがある。
それは「前みたいな旅」だ。
その前みたいな旅で、ルーアは旅に反対されていたのだろう。
イナトは思い切って、旅について聞いてみることにした。
「ねぇルーア。」
「何だ?」
「あのさ、前みたいな旅とか言って、反対されてたんだよね?何か危険な事しちゃったの?」
それを聞いた途端、ルーアの動きが一瞬止まった。
「あー…まぁ…な。仲間も二人いたけどな。」
「仲間?」
「悪魔のルノーラと人間のエリーだ。ルノーラは獣系の悪魔で、エリーと結婚してたんだ。彼奴ら、子供が二人いたのに、夫婦だけで俺に付いてきたんだ…。訳ありらしいけどな。こんな俺でも仲良くしてくれたよ。」
悪魔と人間が結ばれることは、この世界でも、悪魔の世界でも禁忌だ。
それなのに結婚したということは、禁忌を犯すほど、エリーが好きだったのだろう。
「危険な旅って言ったけど、二人は大丈夫なの?」
「…帰る日にトラブル起きてな…。それで、その日に…っ、二人は……。」
ルーアの顔が暗くなる。目からは涙が流れてきた。
「あっ…ゴメンね。辛いこと聞いちゃった…。」
「いや…いいんだ。こんなことした俺が悪いんだ…。あ、すまん、こんな暗い話して。」
少し気まずい空気のまま、歩いて行く。
すると、目の前に不気味な雰囲気の洞窟が出てきた。
大きめの馬車が通れる程度の横幅で、縦は六メートルほどの大きさだ。
入り口の右側に、質素な木の看板が立ててある。
「ネウターレに注意!目をつけられたら、逃げられない」と描いてあった。
「…ネウターレ?」
「この洞窟に住んでる、得体の知れない奴のことだ。」
「じゃ、じゃあ、回っていけば良いんじゃ無いかな?」
と、イナトは辺りを見渡すが、どの山も険しそうな物ばかりだった。
「無理だ。此処を通るしか無い。」
「じゃあ、早めに行こう!」
「おう。」
二人で洞窟に入る。
中は至る所にランプが置いてあるようだが、薄暗い。
「やっぱ不気味だな…。」
「来たことあるの?」
「何回か来たことあるぜ。」
「へぇ…。」
洞窟の中は二人の声と、足音が響き渡る。
少し歩いていると、足音が二人から三人に増えた。
「ねぇ、ルーア…。足音が…。」
「分かってる…分かってる…。」
ルーアは顔を青くしている。
「ねぇ、君たち。」
「ギャアアァァアア!!!」
気絶しそうなほど、ルーアは怖かったようだ。放心状態になってしまった。
「あっはははは!そんなに怖かったの?男なのに?」
馬鹿にするように笑う誰か。
「ねぇ、君たち面白そうなことしてるね。」
次回へ続く…
ルーアを支えながら、イナトは恐る恐る後ろを見る。
薄暗く、姿はハッキリ見えないが、小柄という事だけは分かった。
「…ネウターレ?」
「そうだよ。ま、それはあだ名みたいな物だけどね。そうだ、君たち旅してるんでしょ?暇だし、着いていっても良いかな?」
「え…良いよ…。取り敢えず、外に出よう。」
「じゃ、外に出たら着いていっても良いか教えて?」
「うん…。」
少し気まずい空気の中、しばらく歩くと、外に出ることが出来た。
ルーアも、我に返ったようだ。
「ルーア、大丈夫?」
「あぁ…すまん…。」
「で、着いていって良いかな?」
後ろから話しかけられて、ルーアとイナトは同時に振り向く。
そこには、二人が見下ろす程の大きさの美少年がいた。
目は綺麗な緑で、黒い髪をしている。全体的に、中性的な顔立ちだ。
灰色の裾が長いコートがよく似合っている。
「…子供か?」
「着いてきて良いけど…。そんなに小さくて大丈夫?」
「っふふ、やっぱりそうなるよね。でも、僕さ19歳なんだよね。ま、身長は155cmだから無理ないか。」
イナトは少し気になったことがあって、ネウターレに話しかける。
「そういえば、ネウターレってあだ名って言ってたけど、本名は?」
「あ、言ってなかったね。僕はアルス・フィーナック。」
「そうなんだ!僕はイナト。で、こっちがルーアだよ。」
「おい、俺の分まで勝手に言うなや。ま、手間省けたけどよ。」
ごめんごめんとイナトは言うが、笑っている。
それにつられて、ルーアとアルスも笑う。
この旅は賑やかになりそうだな、とイナトは思っていた。
次回へ続く〜
「なぁアルス。」
ルーアがアルスに話しかける。
「ん?何?」
「俺ら旅してる事言ってねえのに何で分かったんだ?」
「あー、それね。僕さ、人の記憶とかが分かるんだよね。」
「なるほどな…。」
その後も沢山話をしながら、腰までの高さがある草原を歩いて行く。
日が沈む頃に、ようやく村へ着いた。
「やっと村ついたね…。」
イナトは安心しきった顔で軽く伸びをする。
「イナト、ここらは建物に入るまで安心できないよ?特にこの村はフェンスがないから余計警戒しないと行けないからね?」
「・・・そうなんだ・・・。」
アルスは話を続ける。
「この村の中心に宿屋があるね。一人1000G掛るかな。」
話ながら、肩から掛けた大きめのバックの中を漁る。
「何やってんだ?」
「あ、あったあった。ここの宿の割引券持ってるんだー。」
少し自慢げに割引券をちらつかせた。
「それに、これが結構お得で、大人数で来れば来るほど割引されるんだ!だから、3人で3000Gが2100Gに下がるって訳!」
それを聞いた途端、ルーアの目が輝いた。
「マジか!すげー!!」
その二人を見ているイナトの顔に、ぽつっと、水滴が当たる。
上を見てみると、いつの間にか曇っていて、今にも雨が降り出しそうだった。
「ん?雨?」
イナトがつぶやいた途端、突然強く雨が降ってくる。
「うおっと、こりゃマズいな・・・。着替えまで濡れちまいそうだな。」
「ならこうすれば良いんだよ。」
アルスは手を上に上げ、三人の真上に透明な傘のような物を作る。
「これで濡れないでしょ?早く行かないとノヴラードでるよー。」
「ありがとう!」
「サンキューな。」
お礼を言われて、アルスは少し得意げに笑って見せた。
そして三人は早歩きで宿屋へと向かった。
次回へ続く(^o^)
お知らせ
しばらく小説を投稿出来ず、すみませんでした・・・。
最初に、週一のペースで投稿すると言いましたが、自分の用事や気力の問題で
不定期投稿になるかもしれません・・・。
できる限り、一週間近くで投稿出来るように頑張ります!
これからもこの小説をよろしくお願いします!
ここで、アルスのプロフィール置いておきます!
アルス・フィーナック
・身長 155cm ・体重「何kgか忘れたよ?」ソウデスカ ・性格 仲間思いで優しい ・属性 闇
・好きな物 マチャウ(チワワみたいなノヴラード(攻撃しないので、ペットとして人気))
・嫌いな物 湿地帯・沼 湿っぽい物「乾いてる方が良いじゃん?」
・年齢 19歳
特徴
体が細く、三姉弟の丁度真ん中。病弱。武器は使わず、素手で魔法を発動させる。しかし、攻撃魔法が苦手で、基本はサポート系の魔法しか使わない。(さっき上げた物語にもあった通り、透明な壁のような物で防御等々・・・)
作者『アルス今日随分喋るね〜』
アルス「まぁ、暇だし?w」
作者『ほ〜ん』
↑どうでもよすぎる
泊まる宿屋は、イナトの村にある宿屋より小さかった。
アルス曰く、一軒家を改装して作った宿らしい。
チェックインも済ませ、部屋へ向かう。
部屋は四人一部屋だった。三人組のイナト一行は同じ部屋になった。
部屋に入ると、宿の見た目とは裏腹に、中々に広い部屋だった。
「思ったより広いんだね。」
「だなー。」
ルーアはベッドの方に歩いて行くと、ぼふっと音を立てて寝っ転がる。
「ふぁーっ…疲れた…。」
「お疲れ様。」
疲れた体を癒やすため、三人は風呂に入り、早めにベッドへ潜る。
部屋の壁に付いているランプを消しても、少し大きめの窓からは、月の光が入り込み部屋は薄明るくなった。
「ねぇ、折角だしさ、女子トークならぬ男子トークしようよ。」
アルスはニヤけながら、話す。
ルーアは乗り気ではないようだ。「俺は寝る。」と言って、そのまま布団に潜ってしまった。
イナトもあくびをして、細い目でアルスに話しかける。
「アルス…。今日はさ、もう寝よう?明日も早いしさ…。」
「そっかー…。じゃあおやすみ。」
静かになった部屋の中には、三人の整った寝息が響いていた。
次回へ続く…(..;)
まだ太陽が上がらない頃、イナトは目を覚ます。
部屋はまだ薄暗く、物のシルエットしか分からなかった。
ベッドから降り、軽く背伸びをすると、バックから着替えを出してササッと着替える。
脱いだ寝間着は手早くバックにしまわれる。
外の空気を吸いに行こうと、イナトは部屋を出る。
カウンターには誰も居ない。まだ宿の主人も起きていないようだ。
外に出てみると、山の陰から太陽が顔を覗かせている。
ふと、目を横にやると、宿の隣に、ウッドデッキがあった。そこには、小洒落たベンチが一つ置かれている。
「ふー…」と、軽く息を吐きながらベンチに座る。
「隣の村までどれくらい掛るかな…。」
「半日くらいだな。」
突然後ろから声が聞こえる。
後ろを向くと、そこにはルーアが居た。
「おわっ!あ…。ルーアか…。」
「おはようさん。」
「おはよう…。」
ルーアは、イナトの隣の座る。
空を見た途端、ルーアの目が厳しくなる。
「…今日曇るな…。下手したら雨降るぞ。」
「えぇ……」
「今日は、後一時間位したら出るぞ。」
少し話すと、二人は部屋に戻る。アルスを起こし、荷作りする。
朝食も済ませ、宿を出る。
「隣村までは、半日かかるね。」
少し気怠そうにアルスは話す。
「まぁ、間に合わなかったら、その時はその時だ。」
次回へ続く(気力が…)
お知らせ…(-"-;A
もしかしたら、この小説、投稿辞めるかもしれません…。
理由は、ネタが無い・書く時間が無い・気力の問題・他の作業が多い …です。
言ったらダメかもしれないですが、このお知らせ書いてる時点で気力が0なりかけです…((オイ
行けるところまで行こうとは思いますが、結構短いかと思います…
もし、完全に辞めた時、このスレ?を削除したいのですが、仕方が分からないのです…
どなたか分かる方がいらっしゃったら、教えて頂くと有難いです(´;ω;`)
「不要になった」と言う理由で依頼するのは止めてください、との方針のようです
この程度なら削除しなくとも書きこまずに放っておけばそのうち沈みますし。
なるほど…
ありがとうございます(´;ω;`)