寂しく、重苦しく、無音の紺色の室内。薄い灯はチカチカと、すぐそこに迫った
別れを告げている。そんな部屋の壁に寄りかかっているのは二人の青年だった。
一人は黒くバサバサした髪をしており、もう一人は白く軽い巻き毛だった。
どちらも健康的かそれ以下の体つきだった。そしてそれに似合わない黒く重々しい銃を双方が持っている。二人は話さなかった。ただ乱れた息を直しながら床、銃、入口付近などを順に見つめる。スッ、と息が整い、やっと二人は顔を合わせる。
互いに口元、鼻の下、額から顎にかけてなど、至る所に赤黒い血がついている。
2人は数秒それを見つめると、フッと目を逸らしその醜さを笑った。
「最後のさいごまで汚ねぇ顔しやがって」
「…そっちこそ。」
次に顔を見合わせた時はその顔に苦笑が残っていた。腹の底から笑えなかった
事に苛立ちと虚しさが残っている様だ。その顔を見たくないという様に目を閉じ
遂には片手に構えていた銃を相手に向けた。二回、安全装置が外れる音がした。
「「じゃあな」」
数十秒後には建物内の人間に銃が二発撃たれたことが知れ渡り始めた。