さようなら。クラスメイトC。

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1:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:07

クラスメイトCにさよならを

2:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:08

『好きです…!!』『私も…!』

3:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:09

1階上、屋上の会話。私には関係ない。これはあくまでヒロインのストーリー。私はヒロインのクラスメイトで入ればいい。

4:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:09

悔しいけど、私はあくまでヒロインのクラスメイトCでしかないのだ。

5:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:11

幸せも無ければ…不幸もない。本当につまらない。ヒロインだけが楽しい世界なんて…理不尽…だとは思うけど。

6:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:12

こんな平凡な日常を変えることは出来ないのだ。名前もない私には。

7:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:13

この物語のヒロイン、愛華はこのクラスの王子様…?のような存在の颯斗に恋をしている。

8:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:14

そして今、やっとその恋が実った頃だろう。羨ましいな、ヒロインは…。私と住む世界が違うのが分かる。

9:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:16

でも、愛華がこの物語の主人公になるのは理解出来る。

10:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:18

腰まで届くような長くて巻かれたきれいな髪。しかも日本人かと疑うような茶色で艶やかな髪の毛。そして私の倍くらいあるような大きな目。雪のように白い肌で少し高めな平均的な身長。スタイルはいい割には颯斗との身長差はちょうどいい。よく作られた物語だ。

11:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:20

それに比べて私は…肩まで届くか届かないか分からないような真っ黒な髪。肌も茶色ければ、身長は高いのに足は短い。

12:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:21

全く…真反対のような人間だ。

13:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/29(月) 22:23

…変なこと考えてないでそろそろ帰らなければ。今日はこれから通学路でヒロインに会って転んでる所を助けて貰わなければならない。私はヒロインの引き立て役なのか…。

14:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 18:44

私はこれから時間がないので走って通学路を駆け抜ける。そこで石に躓いて転ぶ。そこをヒロインに助けてもらう。そうしてヒロインの優しさが伝わる一コマができる…らしい。

15:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 18:45

この世界のことはよく分からないけど、私みたいなモブ役にはヒロインの物語を進行させるためにモブの役割を果たさないと行けないらしい。実際、これから自分がやらなくては行けないことは朝、自分の頭に流れてくる。

16:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 18:46

今日は、転んでる所をヒロインに助けてもらう…そんな感じだ…

17:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 18:46

さて、帰るか。

18:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 18:47

めんどくさい気持ちを背負いながら一生懸命走っていた。すると案の定、通学路に石が落ちていて見事に躓いた。

19:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 18:49

あとは転んだ状態でヒロインを待つだけ。簡単な作業だ。さて、ヒロインが来るまで痛そうな顔をしていようか。

20:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 18:49

『大丈夫…じゃないですよね?』あ、やっと来た。遅いなぁ、と思いながらも顔を上げる。

21:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 18:51

そこに居たのはヒロインの愛華ではなく…颯斗とは違うイケメン。私に優しく微笑みかけて手を差し伸べてくれた。

22:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:17

……なんてことはなく、そこに現れたのは、朝から知っていたヒロイン、七瀬愛華

23:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:18

とりあえず、ありがとうございますと言って立ち上がる。

24:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:18

『いえいえ〜無事で何よりだよっ!!』

25:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:19

と明るく高い声で眩しい笑顔を向けられた。

26:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:19

『いえいえ、七瀬さんは優しいんですね。』と、在り来りなセリフも添えておく。

27:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:21

『えぇ〜?そうかな〜!ありがとう!』なんて言いながら微笑む七瀬愛華。やはり、ヒロインになるのは当たり前の存在だ。

28:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:24

その後私たちは他愛のない会話をしながら別れて行った。なんだか、凄く、凄く複雑な気持ちだ。

29:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:24

彼女が悪くないのは知っている。だけどなんだか…妬ましいというか、羨ましいというか。生きている世界が違うからしょうがないとは思うけれど、

30:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:25

一体私は何のために産まれてきたのだろうか。

31:かたいおふとん◆z. hoge:2024/04/30(火) 21:26

なんてまぁ、考えてる分かることでもないけど。一生をかけてモブ役を全うする。私にそれ以外に存在価値はないのだ。


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