「ペット」というなの新しい家族
お店で一目惚れ
他の子より少し大きな君
気になるな
お店の人に聞けばどうやら
長いこと家族が見つからないらしい
君は自分より大きな二本足の生き物に夢中
生き物が目の前を通れば
君の瞳はついていく
あぁ、帰らなきゃ
でも、瞳は君を離さない
長い間ずっと家族を探してる
10ヶ月短くて長い間ずっと
君はどんな思い？
私は君と一緒にいたい
暫くすれば瞳は君から離れない
体は君の前から動かない
帰りたくない
君を見る瞳から水滴が生まれる
どんなに言われても体は動かない
君と会って2時間で
君は腕の中
君は固まったまま
さぁ、ここが新しい帰る場所
君は動かない
こんなに大きな君の部屋
でも君は隅っこ
君の顔に暗い影
君はずっと警戒中
でも、大丈夫
愛してる
言葉に出さずとも伝わる
ずっと思えば
音の無い言葉は
私の体から滲み出る
君を触るこの手は
泡を触るように
柔らかく
君の肌に触れる
私が思えば君も感じる
私達が愛せば
君達は気を緩める
私の思いは
私達の思いは
君は
君達は
見えている
光も
闇も
見えるから
全て
でも君に隠さない
光も
闇も
隠せば出来る
大きな谷
私は焦らない
例え君に闇を見せても
だって私は君に
光も見せているから
光も闇も見せて埋まる大きな谷
谷が全て埋まれば
君と私を隔てる物は泡に化ける
泡の中には君と私がすごした記憶
君と話せば泡は増えて行く
その泡を見て
また泡は増えて行く
きっとこうやって
埋めていく
近づいていく
最後には
揺るがぬ絆
生き物はこうやって信頼していく
だってほら
あっという間
君が私を見て
尻尾をふり
表情に光が指す
いつか君が居なくなる
その日まで
前が見えないくらいの
泡を出そう
たくさん
たくさん…
終わり。ありがとうございました。