紡ぎ出される言葉の贈り物――
今、始まりの刻。
忘れたくない。
忘れないで。
忘れてほしくないんだ。
覚えていてほしい。
覚えていたいんだ。
でも
忘れたい。
忘れて
今が一番楽しいと
思えるように。
そうしたらいつか
また
あの時のように。
大好きだよ
大好き
キミたちなら大丈夫
そう思って
バトンを渡した
ねえ
本当は
あの頃に戻りたいんだ
でも
前を向いて
歩いていかなきゃいけないの
ねぇ
あなたも言ってよ
私がいないと寂しいって
必要だって
言ってよ――
過去じゃなくて
現在が一番楽しい
そう思えるように
忘れないといけないんだ
でも
忘れてほしくないんだ
そんな私のわがままを
あなたに聞いて欲しいんだ――
大好きだよ
これが私の
心からの
贈る言葉。
大好き。
それで
全部表せちゃうんだ。
雨降りの放課後
靴箱の木の湿ったにおい
植物のかもし出すあの香り
ピチャッと屋根からたれるしずく
傘をさして
バス停まで独りで歩くとき
靴の中に水が染み込んで
水溜まりに足を踏み入れて
制服が雨粒をはじく
好きだよ
雨の日は
私の心の中をを表しているみたいで
ずっと
ずっと
このままでいたい
刻が止まれば良いのにな…
でも、このまま流れてほしい
でも、もう一度――
でも、でも、でも―
鉛色のそら
泣いているわたし
涙があたたかい
懐かしいあのこえ
流れていくくも
泣いているわたし
夏がきた
菜の花色のあのこ
流れ星にねがったあのひ
泣いているわたし
泣いているわたし
泣いている――わたしたち。
嫌だ嫌だ嫌だ
嫌い嫌い嫌い
そう考えてしまうこと自体が
嫌だ嫌だ嫌だ
嫌い嫌い嫌い
そんなことも考えてしまうこと自体が
嫌だ嫌だ嫌だ
嫌い嫌い嫌い
無限ループ
見られたくなかった
大切な友達の名前
見られたくなかった
好きな芸能人も
歌手もいなくて
大切なみんなの名前を書いた
…こんな悲しい人の事、見ないでよ
あなたなんかに、大切な名前を見られたくない。
ねえ…
私にはこれしかできないの
生きていくための価値
こんなの、違うと分かっている
でも…
そう無理矢理信じ込んで
空っぽの人生
歩まなきゃ行けないんだ
――そう、今のままでは
ねぇ…好きだと言ってよ
私を必要として
そっと抱き締めて欲しいんだ
――疚しいことなんて、何もない。
怖い
死にたくない
嫌だ
怖い
それなのに
足が動かないのはなんで
震える
みっともない姿で
周りに流されそうになりながら
どうにかして立っている
ねえ
あなたはどうして裏切った―?
わがままでごめんね
私は、私が一番可愛いの
だから、私は、私は…!
目を閉じて、目を開いて。
こんなことを考えてしまう辺りも、わがままなんだ。
生きること。
それって、あなたにとってなんなの――?
一緒に生きよう。
一緒楽しいを創ろうよ。
ねえ、お願い。
生きることは
いばらの道…