一度止まった。
もう進めないのだろうか。
そんな不安が脳裏を過る。
だけど決して諦めない。
それが自分との約束。
闇にの鼓動に耳を澄ませて神経を尖らせる。
冷たい風が体全体に当たる。
また何かの試練を知らせるかのようだ。
戸惑いと震えを感じてしまう。
それでも闇夜に想いを誓う。
まだ捨てられない。
いや、決して捨ててはいけない。
築いてきたものは此処に健在しているのだから。
悪足掻きと捉えられても信念を貫いて歩き続ける。
そんな約束を交わしたことを忘れない。
嫌な感覚。
素肌が冷風に蝕まれるようでいたたまれない。
何度も逃げ場を探す他なかった。
扉を見つけても体が動かない。
そして扉は消えてしまう。
寒い。
体が固まるようだ。
それでも進みたくて・・・。
真実と虚像の自分の区別がつかなくて愛したのは虚像の自分よ。
鏡に身を寄せて問いかけて空想に耽っていたわ。
虚しい現実に押し寄せられることに耐えられなくて逃げ道を作る日々。
芝居じみたわざとらしい振る舞いをして笑って話したり上品ぶったり、下品なキャラに時々なるのは芯が欠けて弱くなったから。
幾つのお面を用意しているわ。
その内私の素性が知れて壊れることでしょうね。
【虚像】
壊れるなら自ら壊してしまいたい。
だからあれを求めてあの街に行った。
毎日に苦痛と悲しみの板挟みになって凄く窮屈な生活に耐えきれなくて壊れそうになるのを理性で抑えてきた。
けれどもう限界。
だから自己破滅行為に強行した。
あれさえ手に入れば気持ちよくなれる。もうこんな生活しなくて良いのだ。
一生天国にいられるような気分になれる。
待ってたわ。
これで足りるでしょ?早くあれを恵んで頂戴よ。
ああ、これで快楽を得られる。
今ねすっごく幸せ。脳が強く反応してるのが分かる。甘い蜜を干しているみたい。
これがあるなら全て捨てていいわ。
生まれ変わるのよ。
素敵な世界、幸せな世界、極楽浄土へ。
【自己破滅】
心から愛し、そして憎み、狂おしさを身で感じて。
ああ、気が遠くなって渦中をずっとさ迷ってたどり着いたのは紅黒く穢れていく腐臭を放った美と愛の世界。
純白で清純派でいようと心がけて過ごすのは苦行の如く。
黒髪をレッドブラウンに染めて黒いドレスを身に纏って高いピンヒールを鳴らして歩いて野心を満月に向けて永遠の愛を誓う。
あの人を心から奪いたいと幾度も願い想いを馳せる。
ああ、あの方。
もう言葉では表しきれない。
激しく抱き合いたくていとおしくて気が狂っていく。
体は常に求めている。
誰よりも愛していて欲しい。
【愛】
時の流れは残酷で感覚を蝕んでいく。
闇の空間で体が動かなくなることを察して戸惑う。
それでも抗うことなく皆白紙にしようと思えた。
今は駄目だけど強く波動を放てる日が再びやってくるだろうと。
闇がまた訪れた。
そしてこういうの。
「別れはまたやってくるけど決して悲しまないで。」と。
メロディと化として夜風を伝って月に攻撃を始めた。
闇のメロディは終わることを知らない。
【闇の訪れ】
感情が不安定な月の形のように揺らめく。
初夏の切なく淡い季節に心の奥に宿した創造世界と闇を帯びた感性を満月と土星に向けて。
ああ、心身が震える。
切なるひとときの願いを叶えたい。
それだけでは悲しくてもっと深く求めたくなる。
情愛が破裂しそうで苦しみもがいて胸部から黒い手が出て求めるものを全て奪いたくなる。
暴れ出す欲望に制御が利かない。
夏の訪れはこんなにも欲に満ち溢れる辛い日。
【初夏】
どこに行っても八方塞がりで。
何をしても得ても達成感を得られなくて。
深夜に重く自己嫌悪に陥る。
それとも私は罪になる程の我が儘なのでしょうか。
長年患っている病の膿が出せないから遠くに行こうとしているだけなのに。
逃げたいのに逃げられなくて。
ああ、感情が黒くなって腐っていくのを感じる満月の夜。
悲しみを止めたいと願う日々。
想い描いていた世界は想像よりも残酷で心が壊れそうになる、
届きそうで届かなくて。
目的を失ってしまう。
そんな私は空想世界で躍り続ける。
感覚がこのまま麻痺してしまえばいいと何度願っただろう。
身動きが出来なくなるほど脳が速度を上げていく。
それに負けてしまう体。
もっと自由にあの頃のように動きたい。
誰にも邪魔されずに自由になれる場所へ。
それは誰もいない闇の中だと悟ってしまった。
闇は知っている。
私の総てを。
闇は包んでくれる。
私の想いを。
闇は唯一の理解者。
だって生も死も受け入れてくれる懐の深さがあるのだから。
メロディが黒い空に限りなく広がっていく。
それはまるで悲しみと怒りに満ち溢れた感情が広がっていくようだ。
素肌を這う湿った音色が重味を増していく。
何があってもメロディーは途絶えない。
紡いでいく。
そんな約束をもう一人の自分と交わしたね。
誰かに認められなくても、ずっと奏で続けようとね。
私の為に奏でる。
Only my melody
少し冷え込んだ風が金木犀の薫りを運んできてくれる。
優しく淡い薫りに感情が感状が滑らかになる。
懐かしくてどこか切なくて。
いい加減にしなさいよ。
冗談じゃないわ。
こんなふざけたことやってる暇はないのよ。
人にも物事にも興味なんかないの。
ただ私は私のためだけに動いていたいの。
好かれたり愛される為にしてない。
あんたが用意してくれた豪華な演出もお断りよ。
それでは永遠にさようなら。
開放求めてさ迷う日常。
何もかも手離して逃げてしまいたくて。
なのに体が怠くて動けない。
逃げるのは脳だけ。
そんな虚しさに嗚咽を漏らしそうになる。
歯痒い想いが全面を駆け巡る。
誰にも邪魔されない場所にいつでも行けるように準備は少しずつ進める。
心の奥底から生きてるだけで精一杯と思いっきり声にならない声を張り上げた。
世の日常に辟易して逃げることは決して悪いことではない。
荷物まとめて遠くに行くわ。
【逃走願望】
熱い。
外は雪が降っているのに体が熱い。
もう、駄目かな。
その素性が知られたら近所に白い目を向けられる所ではない。
仕事柄が世間体から軽蔑され厭な目線を向けられ蔑まされるものだから。
婚約者にもこのことは云えない。
だって見ず知らずの男達に奉仕する仕事だもの。
背中には斑点が出ている。
気分も悪い。
それでもやめられない。
何をしてもどんな仕事しても不器用で要領が悪くクビに何社もなってきたからこの厭な仕事で長時間稼ぐ他ないの。
でも、もう限界だ。
辛い、打ち明けたい、だけど、そんな勇気がない。
涙が流れてきた。
どんな苦痛でも続けないと生活できない。
素肌や素性は嘘で穢れていく。
[素肌と素性]
厭な光の波動とエネルギーを感じる。
怖れて逃げた。
自身の中では眩しすぎて受け止められない。
自分の魂の光が直ぐに闇に紫と時々出てくる明るい色。
皆闇に消えてしまう。
光を手に入れた人間の波動を受け入れれば狂ってしまうことが分かった。
何があっても歩き続けていってる。
そんな気がする。
どんなことがあっても、失意に陥っても、壊れそうで脆くなっても、怖れて身を包んでも。
歩いてる。
前に進むだけではなくて自分の好きな方に向かって。
未来の為に動いているようで過去に動いてるみたいだ
。
どうしていいか分からない。
何のために動いているのかも。
目的が分からなくて本能のままに進んでいくだけ。
身体に震えが走る。
まるで体内で微生物が蠢くかのように。
視覚が黒やみから恐怖に染められた瞬間だった。
言葉も失い、目は見開いたまま。
居たたまれなくなり冷え込んだ身体を温めるために白湯を飲んで落ち着かせる。
心身へのダメージが起きてしまったのを感じた瞬間だ。
【震え】
罰を受けたのね。
それは総てにおいて私の野心せいだわ。
土星に誓いを託し魂を売ったのだから。
そう、願いが叶うのなら傷つくことを厭わないと。
このまま駆け抜けてゆくと。
いいの、これで。
心が黒く染まっても。
総ては私が選んだ道だから。
野心で空間を切り裂いて。
罰を受けたのね。
それは総てにおいて私の野心せいだわ。
土星に誓いを託し魂を売ったのだから。
そう、願いが叶うのなら傷つくことを厭わないと。
このまま駆け抜けてゆくと。
いいの、これで。
心が黒く染まっても。
総ては私が選んだ道だから。
野心で空間を切り裂いて。
甘く儚く優しい言葉が私の胸部を揺らがせて路に迷わせる。
だけど分かってる。感情の震えはおさまらないけどまだ理性で行動できていることとその奥を覗けば闇であることも。
駄目、余所見しては。早く私は行かないといけないところがあるのよ。
もっとちょうだい。あなたの総てを。欲を満たしてちょうだい。狂おしいほどに愛しい。眼からは熱を帯びた透明な液体が流れる。
名前を呼んで。耳元で。淋しい夜は嫌なの。
体を重ねた分愛しさと切なさが増していく。
懐かしい景色、そして蘇る想い出。あの頃は笑っていたかな。
だけど闇を宿していた。闇から出て眩しい光を見ることが苦痛に感じてあのときの感覚がまた体を這うようだ。
そんな自身もいずれは旅立つ時がやってくるだろう。
他国に飛び立ちたくて外国の人と話したり、環境を変えようとしている最中で何かに邪魔されて身動きがとれない。
誰のせいでも何かのせいでもない。
自分の感情のせいだ。
人生を変えたくて、やり直したくて海外の言葉を少しずつ覚えて歩むことは決して止めてはいけない。
戸惑いなく想いを伝えればいい。
もしあなたが日本に来たのなら快く迎えるよ。
切なく儚い桜が舞い散り、また新たな季節がやってくる。
どうしてこんなにももどかしくて悲しいのかも分からないまま時は容赦なく進み続ける。
決して止まってくれることもなく、かといって過去に戻ってもくれない。
未来が闇に隠れて見えなくて踠く日々。
心から幸せをかみしめられることはもう日本ではないと悟った。
海外に身を委ねたい。
幸せを謳歌できないのだから仕方のないことだろう。
自他共に人生のプログラムがある。
感情も生命は個々であり、共存するものではない。
他の道を選ぶことを止めることは邪魔になる。
続けるも、終わらせるも自分次第。
身体は薬で蝕まれて脳が狂っていくような感覚に苛まれる。
もう覚えてしまったんだね。
狂う前に永遠の眠りに就けたらどんなに楽だろう。
馬に股がって大地を駆け抜けて赤い大翔に掌翳す。
自由に生きて飛び立とうと誓い希望を抱く。
力強く駈ける君は私のパートナーだ。
でも、いつかは分かれるときがくるかも知れない。
幸せは長く続かぬ儚い夢のようだ。
そんな中でも時間が許す限りは君といる時間を大切にしたい。
My horse life
目が覚めるといつもと違う景色に身震いした。
部屋の壁が真っ黒、カーテンも真っ黒、薄ら寒い。
意識は少しぼやけている。
恐怖を感じて急いでベッドから起きようとするも起き上がれない。
そこでようやく意識がぱっとしてきた。
ベッドに拘束されていたのだった。
経緯をゆっくり思い出そうとして目を閉じた。
やっぱりだったんだ。
激しく暴動起こして叫んだり奇行を繰り返したことから薬を打たれて眠らされて拘束されたんだ。
明るい外の世界から遮断された。
未来が一瞬で消された。
この真っ暗な部屋に。
それならそうと人生に諦めがついたことも悟れる。
そんな無力な自分が今ここにいる。
Black Room