春も暮れ、
陽射しに光強まる頃、
草木は青空へ手をいっぱいに伸ばし、深緑のパノラマに全ての瞳は緑がかる。そよ風に響き合う草木のさえずりに耳を澄ませば懐かしき日々が蘇ってくる。暖かくて時に切なくて、君が溶け込んだ群青を見上げたら立ち尽くすだけだ。
日差しにプロポーズされたイチョウは鮮やかに黄色を火照らせて、葉がふわり舞いあがる。落ちた葉は道路を華やかにコーデして
僕は黄色い絨毯に招かれていた。
そよ風が喝采するようにイチョウの葉を吹き散らすのに背中押されて、貴族のお茶会へと足を運ぶ。