1レスで終わるような、書き捨てみたいなものをいろいろ。
コメントうれしい / 亀 / すぐ飽きる / センスはない
リビングのテーブルの上に、炭酸飲料のペットボトルが乗っている。殺風景で閑散とした部屋には似つかわしくない、生活感のある飲みかけのものだ。
きっと、彼が置いていったものだろう。ペットボトルをぼんやりと眺め、思わず苦い笑みを零す。同時に、彼の言葉をふと思い出した。
「炭酸って、スリルがあっていいよな。俺も、そんな人生を送りたいんだ」
彼の考えとわたしのそれは違う。そのことに、当時のわたしは薄々気がついていたはずだ。だって、わたしは炭酸が嫌いなのだから。
苦手なはずの、飲みかけの炭酸飲料に口をつけ、流し込む。炭酸が抜け、あまったるくなっただけのぬるい液体は、彼がもう遠い存在になってしまったことに気づかせてくれた。
ぬるま湯に浸かっているわたしは、弾けるように、軽やかに生きる彼には追いつけない。それがなんだか悔しくて、わたしは、炭酸飲料を買うためにコンビニに走った。
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ひとつめのはなし
おお〜
凄くお上手ですね
>>5
わ〜( ; ; )ありがとうございます…!!
「みんな、今日は来てくれてありがとう!」
ステージ上の彼女は、いつだって輝いていた。まるで星空のように輝くペンライトたちに照らされて、楽しげに歌う彼女が好きだった。所属していたグループが解散した後も、ソロ活動に励む彼女は僕の生きがいだった。
僕も、彼女を見守る星のひとつだったのだ。むしろ、彼女こそが光だった。
しかし、光は突然、あまりに容易に、失われてしまった。
彼女が引退を発表したという旨の記事を見たとき、僕は、意識を失い、三途の川を見た。川の先では、既に幾人かの彼女のファンが、絶望的な表情で立ち尽くしていた。これらは全て幻覚ではあるが、妙にリアリティがあったのを覚えている。
それからは、誰に会うことも、外出をすることもなく、家に篭ってただただ泣き続けた。
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なんとなく書いたやつ、続かない
カウンターに立ち、いらっしゃいませ、と言葉を投げかけるだけのバイトには、ほとほと嫌気が差していた。
レジを打つこと以外には、コンビニに来る客の観察くらいしかすることがない。あとは、前に別れた彼女との思い出を振り返る、とか。
彼女とは、好みやタイプが違いすぎた。だから、別れることになった。本当にそれだけだっただろうか。正反対でも、上手くやっていける方法はあったかもしれない。先を行かず、こちらから歩み寄ることも、できたかもしれない。
ぼんやりとしたまま反省会を始めると、その彼女に似た人が、自動ドアを蹴り倒さんばかりに走って入店するのが見えた。背格好だけで、顔は見ることが出来なかった。
「いらっしゃいませー」
なんとなくその人のことが気になって、挨拶と共に目線で追いかけてみる。
その人は、よく冷えた炭酸飲料を手に、睨んでいるようだった。
俺が好きで、彼女が嫌いだった、炭酸飲料だ。もしかしたら別れる原因は、俺が彼女の部屋に炭酸飲料を置いていってしまったからかもしれない、とも思っている。憎むべき炭酸飲料だ。
変な偶然もあるものだと感動したが、その人を見届けることもなく、次の時間にシフトが入っているらしい高校生が、だるそうに交代を促してきた。
帰ろうと店内を見回したときには、その人はもういなかった。
その人がもし彼女であったなら、嫌いな炭酸飲料を買ったのはなんのためだろう。もしかしたら、今更でも、歩み寄ろうとしてくれたのかもしれない。
その人が彼女だという確証はないくせに、どこか浮ついた気持ちは抑えきれない。まだ、自分にも歩み寄るチャンスは残っているのだろうか。
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ふたつめ