えっと、こんばんわ?
みるくてぃです。ここはボカロの小説スレにしようと思います。
恋愛からアドベンチャーまでいろいろ。私も投稿しますが、誰でも気軽にご投稿ください。
恋小説の場合は、言って欲しいセリフなどのリクエストも承ります。
例えば……
「分かってるって、俺のこと、好きなんだろ?」
をレンが壁ドンしながら!
とか。何でも、おけぃです。ちなみに鏡音廃なので鏡音系が多いかもしれませんっ!
upする場合、基本は恋愛系にしてくださると嬉しいです。
荒らしは来ないでくださいね!ちなみに作品を貶すのも駄目です。アドバイスなどは「私の場合」はお願い致します。
じゃ、スタートで!
みんなは「自分も人生は、自分が主役だ」そう、思っているかい?
みんなは「下があるから上がある」そう、思っているかい?
つまり、「不幸な人がいるから幸福な人がいる」そう思っているんだよね?
つまり、「必ず主役がhappyendを迎える」そう思っているんだよね?
シンデレラだって、白雪姫だって。みんな、幸せになった。
もちろん、犠牲になった、不幸になった魔女や、家族がいる。
……ねぇ、矛盾していないかい?
誰もが幸せになるのなら、不幸になる人は居ないはずだ。だって、自分の人生は自分が主役。
という事は誰もが主役である。主役はhappyendを迎える。
上の質問、全部当てはまる人も、いるだろうね。
どう思う?
……答えなんてない。世界はムジュンだらけ。そのムジュンはきっと…………………
「僕らそのものなのかもしれない」
これは、昔々のお話。……ではない。電子世界といういかにも近世代っぽい世界でのお話。
きっと珍しい、「主人公が『不幸』な結末を迎える」お話なのです。
ここは、バーチャル世界。すなわち電子空間である。
今 “リアル・ワールド” と呼ばれる世界で流行りのボーカルアンドロイド、VOCALOIDが住む世界。
綺麗な黒い髪を持ったリン。をの綺麗な黒髪は首の上で切られている。
その黒髪のてっぺんに白いリボンをひょこひょこと跳ねさせている、幼気の残る美少女。
そして長い、綺麗な青緑の髪を持つミク。長い髪の毛を2つにまとめている。
もう1人、金色の髪を持つレン。男性にしては少し長い髪を1つに纏めている。
みんな、幸せなはずだった。なのに、いつから……
「おはよう、レン」
窓の外から綺麗な声が聞こえる。この声はミクと呼ばれる者の声だった。
彼女がレンと呼ぶだけで、胸が苦しくなる。
「今日も、耐えないとな……」
彼女が呼んだレンという少年。リンもミクもそのレンに、好意を抱いている。
(2人が両想いなのは、知ってるの。だけど…)
応援したいのに、出来ない。この気持ちがもどかしくて、リンは作曲をやめて外を見る。
「今日、仕事だ」
憂鬱な朝。苦しい朝。嫌な表現はいくらでも出来るのに…いい表現なんてちっとも浮かばない。
爽やかな朝、なんてのもあるのだろうが、今日は天気も悪い。
小鳥のさえずりも、眩しい光も窓から入ってこない。
……入ってくるのは、彼女とレンが楽しそうに話す声だけ。
リンは、思う。何で僕は神に嫌われているのだろう、と。
(なんて、神じゃないんだし、分かるはずないか。)
こんな辛い日常、過ごしたくもない。どうせなら、死んでしまおうか。そう考えてしまうほどリンにとってはキツい日々なのだ。
リンはみかんを取りに行くため、椅子から立ち上がるが、よろけてしまう。
元から身体が弱いリン。それは日に日に酷くなってきている。
(このまま、死んじゃうのかな?だったら、それでいいのかも…)
うまく歩きながら鏡で身支度を整える。森になっているみかんはとても美味しいのだ。
リンはみかんが大好きなため、楽しい仕事よりも張りきってしまう。
「行ってきます」
誰も居ない部屋…いや、フォルダに声をかけてフォルダからでる。
フォルダと呼ばれる家を出た先には道路が続く。
その道路を進んでいき、森へと向かう。
(みかん、楽しみだな)
このかけがえのない今を、大切に生きよう。リンは心でそう、呟いた。
「ただいま」
みかんを収穫し、フォルダに戻ってきたリンはすぐに仕事の準備を始める。
今日は確かソロのはずだ。誰にも会わなくて済む、リンの心は少し軽くなる。
……このまま会えば、誰かを傷つけそうで、怖かったから。
リンには仕事なんて滅多に入ってこない。それは、リンが『めんどくさい』から。
リンの身体は弱い。つまり、VOCALOIDの出来損ない。そんなリンの仕事は、他の誰かの代理とかしかなかった。
しかしそんなリンにだってちゃんとした仕事は来る。今日は元からリンの曲なのだ。
歌うのは、「恋のコード」という曲。
2人の女の子は同じ人を好きになってしまう。
1人は席が隣で、授業中に手紙を交換し合う仲。
もう1人は小学校からの縁で、部活も同じ。
隣の席という関係を持った女の子はもう1人の子よりも彼との距離は遠い。
そこから始まる三角関係。友達だから、辛いんだー
ーーそんな曲。
リンは追い討ちをかけられたような気分だった。
自分も同じ環境にいるんです、そう怒鳴りたくなるような感情が心を支配する。
「もう、やめてよ……」
心臓がキリッと痛む。同時にズキリ、と痛む。
1つは身体が弱いため。2つめは…2人を思ったため。
「もう、行こう…」
いつもの行ってきます、がフォルダの仲に響かないまま、ドアは閉じていったーーー
「お疲れ様でした!」
仕事を終え、帰宅するリン。早く家に帰りたい、そう願うもその願いはあっさり玉砕してしまった。
「リン?」
え?聞こえた声にリンが顔を上げると、そこには大好きな人。
そう、レンだ。レンも仕事帰りらしく、衣装を見にまとっていた。
「レンも仕事?お疲れ様。」
「そっちも、お疲れ様。」
レンは笑顔を向けてくれる、数少ないのリンの友達。
レンの言動1つ1つで心臓が高鳴ってしまう。
(お願い、やめてよ…ミクちゃんが…ミクちゃんの、好きな人なんだよ…)
「あ、そうだ。家、来る?」
リンの気持ちを知らないレンは明るい声で声を発した。
「リンのためにみかんのパイ作ったんだ。食べてく?」
みかん。その言葉にリンは強く反応する。
「良いの?!」
リンの輝く目を見てレンは心の中でため息をつく。俺じゃこの笑顔をつくれないのか、と。
「じゃ、行くか。」
自然に出されるレンの手。自然とそれを握るリンの手。こんなの、通常運転だ。
何を話すわけでもなく2人は並んで歩く。リンはみかんのことを考えて、顔を綻ばせている。
そんなリンを見てレンも微笑む。 それはもう、心から幸せそうな顔で。
フォルダに着くとリンは今までよりも明るい顔になる。
椅子に腰掛け、今か今かと花のオーラをぱあぁと咲かせる。
そんなリンを横目で見て少し急ぐ。
「はい、どうぞ」
「ありがとう!」
美味しそうに頬張るリンを優しい瞳で見つめるレン。
「美味しいぃ〜」
ほらまた、こうやってレンにハマっていく。こんなの苦痛でしかないのに…………
嬉しくなってしまうのは、自分が最低だからなのだろうか。
でも、そんなのも気にならないくらい幸せだと、リンは感じる。
「すき、だよ…」
ポツリ、リンは呟いた。が、すぐにハッとする。
慌ててレンを見てみると何か考え込んでいた。
(きっと伝わってない、大丈夫)
伝わっても迷惑だから、困らせるだけだから。伝えてはいけない。
気持ちを封印するの。あと、少しだけ、ね。
夜、明かりがついた机の上で紙に文を書き進めているリン。
(これで、良いんだ。幸せな2人を壊さぬよう、失ってから、伝えるんだ。
翌朝、リンは倒れた状態で発見された。
ーーーーー衰弱死ーーーーー
呆気なく死んでしまった美少女の遺体。
ミクは泣き崩れ、レンは恐怖、ショック、悲しみで声も出ない。
レンは後悔していた。なぜ、早々に伝えなかったのだ、と。
そうしたら、悔やむことは無かったはずなのに……。
リンに一言、伝えたかった。
「好き、だ。リンがものすごく、好きだ。どうしようもないくらい好きだ!」
雨が降り続く中、レンは大空に向かって泣き叫ぶ。
もしかしたら、届くかもしれない。そんな、淡い期待を抱いて。
「ごめんね、リン…ほんと、ごめんな…」
ミクはその現場を目撃してしまう。ミクもレンの事が好き。
でも…彼の瞳に自分は映っていなくて。悲しかった。
だけど、許せた。リンなら、許せた。彼女の優しさを知っているから。
彼女の明るさを知っているから。他の知らない女より、リンの事を好きでいてくれた方が、よっぽど良い。
「ふふ、リンちゃん…大好き。」
ミクはそう言い残してその場をあとにした。
リンの遺書らしきものが見つかった、そう2人に連絡がいく。
【ヤッホ。これを読んでるって事は、リンは死んでるんだね。あはは、出来損ないのまま、死んじゃった。2人は、リンを支えてくれた。温めてくれたの。それが…ものすごく、嬉しかった。色々教えてくれたり、遊んだり、…みかんのパイを作ってくれたり。最高の時間だった。
……リン、レンが好きなんだ。ミクちゃんと両思いなのは知ってるの。だけどね、どうしようもないくらい溢れちゃうの。好きすぎて、どうにかなっちゃいそうだった…。ミクちゃんは、今、笑えてる?レンも今、笑えてる?2人とも、大事だから。失いたく無かったの。ごめんね、ミクちゃん。ミクちゃんとは真正面から向き合え無かった…。ごめんね、レン。こんな形で伝えてしまって。リンの分もいっぱい歌って、楽しく過ごしてください。レン、愛しています。ミクちゃん、リンの大好きな、大親友です。】
この文に2人は涙する。何で、伝えなかったの、何で、一人で抱え込んじゃうの…
それはリンの悪い癖だった。だからこそいち早く気づかなければいけなかった。
「リン……」
「リンちゃん…」
「「ごめん(ね)」」
「俺も、好きだ」
「私も、大好きな、最高の、1番の大親友だよ。」
「「ありがとう」」
2人はそっと手紙を封筒にしまい、リンのお墓の元へと運ぶのだった。
VOCALOIDは機械なのです。
…つまり、永遠に生きつづける。
彼等は、苦しみながらも生き続けた。
彼女の苦労を、無駄にしないよう。
精一杯生きた。
「もう、苦しむな」
そんな彼等も苦しくなってきたとき、博士に頼んだ。
「転生、させてください」
二人のデータは消えた。
消えたデータ3つは新たな体へ。
新しいデータ。
・鏡音 リント
・鏡音 レンカ
・初音 ミクオ
書類に並んだ3つのVOCALOIDの名。
かつて、一緒に遊んだものたちの転生後の名だった。
「君、は?」
「私はレンカ。」
「俺はリント」
自己紹介を終えた二人は微笑みあった。その笑顔に、お互い惹かれ合う。
「どうしたんだ?」
「怖い、の」
「大丈夫だ、ルカ姉さん」
「そうかしら、ミクオ。あなたは怖くないの?」
「うん、ルカ姉さんが居てくれるから」
こちらもにっこり微笑む。互いの未来は1つと知らずにーーーー
さぁ、このおとぎ話。終了だ。
この物語の主人公はリン。
転生したが、リンが今生きている訳じゃないからね。結果、不幸なまま死んだ。
みんなも幸せを信じればいいさ。
……精々、諦めないように頑張ってね。
無理矢理終わらせたっぽい気持ちもしますが、終了となります!
こんかいは3dsでの投稿なので、すこし読みにくいところがあるかもしれませんが、あたたかいめで見てやってください。
「レーンっ」
元気な声が聞こえてくる。
きっと、リンちゃんだろう。2人の仲の良さに微笑んでしまう。
「な、何だよっ!」
……まぁ、レン君は照れてるみたいだけど。
誕生してからずっと一緒にいて、双子のように仲の良い2人。
最近は少し、一緒にいる時間が減ってきているのだ。それはいい事でもあるが、2人にとっては苦でもあるだろう。
仕事が増えた点については嬉しいのだが、一緒に居られない。何とも言えない気持ちなはずだ。
「あ!カイ兄ぃ〜!」
笑顔でこちらに寄ってくるのはリンちゃん。後ろではレン君がこっちを睨んできている。
(ほんと、レン君は照れ屋だなぁ)
「ねーねー、レンがね、アイス買ってきてくれるんだよ!何が良い?リンはみかんアイス!」
元気の良いリンに思わず笑ってしまう。それからうーん、と悩む素振りを見せる。
「じゃあ、ミクには焼きネギアイスで、めーちゃんには焼酎アイス、僕はバーゲンダッツがいいな。」
「分かったー!言ってくるね!」
トタトタと走っていくリンちゃんに手を振る。冷蔵庫に空きを作ろうと歩き始めようとした時、
「え?熱?!大丈夫?!か、カイ兄!レンが、レンが!」
「熱じゃねぇっての。大丈夫だから、行ってきます!」
「え、ちょ…」
ほんと、突然の出来事でえ、とか何?とかしか言えない。
「はぁ。大丈夫なのかな?」
「うん、大丈夫だよ。」
よく分からないけど……きっと照れていたんだろう。
「むぅ。分かった。リン、これからリト兄と仕事入っちゃって、アイスはとっておいてね。絶対だよ?約束だからね?!」
「うん、分かった」
ドタバタ駆けていくリンちゃんから目を離してめーちゃんの部屋へと歩いていく………
「ねぇ、それって、レンはリンの事が好きって事なんでしょお?」
「うん、そうだと思うけど…」
酔っ払っているめーちゃんに羞恥心などないようだ。
いや、彼女に羞恥心を求める方が可笑しい。
「んー、でもリンちゃんがレン君を意識しているようには見えないんだよね。」
「そぉ?むしろ無意識なのかもよぉお?」
あー、もう滑舌悪いなぁと思うけど逆らえば命は無い。
「うーん、どっちかというとリント君に…」
「んー、リントぉ?」
鏡音リント。この家の苦労人3号である。当然1号は僕、2号はレンである。
「うん、今日も2人で仕事だって言ってた」
「ふぅん」
「そうそう、レンが焼酎アイス買ってきてくれるって」
「そう、……それって、あたしに?」
「そう」
あれ?と思う。だって、メーちゃんのためにした事なのに…………
めーちゃんは怒っているのです。何ででしょうか。あぁ、このままじゃ命が…
「あのね、あたしは、1cupアイスが好きなのよー?」
「そ、そうなの。そ、そ、そ「ただいま」
助かった。帰ってきたレンの声に安心する、カイトなのであったーーーー