諸君、私はワンパンマンが好きだ。サイタマが好きだ、ジェノスも好きだ。ワンパンマンの小説も好きだ、大好きだ、だが少ない!!足りない!!ワンパンマンのクロス小説が読みたいのに!!ない!!!!!
そうだ、つくればいいんだ
でも家にある大体揃ってるような漫画なんてワンピしかない!!数人クロスしているものを読んだじゃないか!!!でも...それでも私は.........!
クロス小説が、読みたい。
そうだ、どうせ誰もこんなの読みやしない、ハハッ、私ってほんと馬鹿だなぁ…1人であぁだこうだ考えて無駄な時間過ごして、どうせ後悔するならやって後悔した方がましだって、ばあちゃんがいってたじゃない。
次の日、お金の店の看板に新しい貼り紙がはられた。
ワンパンマンとワンピースのクロス小説、やりますーー・・・と。
サイタマはある日突然ポックリと逝った、そりゃもう、呆気なく。
それはいつものように現れた怪人をワンパンで倒してすぐのことだった、瓦礫の山の上を歩きながらジェノスを探す。頭が悪いはずはないのに何故か同じやられ方を何回もするジェノスはつい最近サイタマに油断王とからかわれ自爆しようとしたことがあった。
やったと思い敬愛する師匠の方を向いた瞬間にドン、上半身と下半身を真っ二つに裂かれ吹っ飛んでいった。飛んでいった方向を思い出しながら途中拾った下半身を脇にかかえ、不本意とはいえ弟子己の弟子となった男の名を呼ぶ。
「ここです先生!」
声のする方へ向かえばテケテケよろしく上半身だけとなった弟子がひときわ大きい瓦礫を背もたれにうつむいていた、元は壁だったのであろう瓦礫の上部分に何かが勢いよくぶつかったようなひび割れが見えたことから、あぁあそこにぶつかってここに落ちたのかということがわかった。
「また派手にやったな」
「すみません、気をつけてはいるのですがどうも癖になってしまっているようで言い訳がましいと思われるでしょうがなかなか直しづらく「長い!二十文字以内で答えろ」また油断してしまきました」
やべぇ、誤字脱字がやべぇ、
4:お金:2015/12/04(金) 20:47 ID:ipc 「まぁ、なんだ、次はもっと気を付けろよ」
「はい!」
ポリポリと禿げ頭をかきながら空を見上げる、厚い雲におおわれた空は灰色でどことなく憂鬱な雰囲気を醸し出している。
朝はからっからに晴れていてニュースでも今日はいい天気になるでしょうなんて言ってたくせに、こりゃ降りそうだと思ったサイタマは同時に干しっぱなしの布団のことも思い出してやべぇはやくかえらねぇと、ともう片方の空いた手でジェノスの上半身を抱えようと屈んだときだった。
「先生...?」
先に気づいたのはジェノスの方だった、何か喋ろうとしたらしいサイタマに態度でも応えようと目をあわせたがすぐにサイタマによってはずされたのだ。何かしてしまったのだろうかと考える前に、珍しく驚いた表情を浮かべる師に疑問を抱き話しかけ、もう一度目をあわせようとのぞきこみながら反応を伺った。
が、
サイタマの目はあわせるどころか半開きになっており、やがて完全に閉じ、そのまま目を開けることなくバタリと横に倒れ眠るように息をひきとった。
そう死んだはずだったのだ。
死んだらどうなるかはサイタマ自身、自分が強すぎると自負していたため死んだらどうなるなんて考えたことはなかったが、死んだら天国にいくだの転生するだのなんにもなくなるだのそういう考えは知識としてぼんやりとは知っていた。
というかあまりにも自然に死んだため自分でも死んだと気づくのにだいぶ時間がかかった。
新しく産まれたその世界は前の世界と変わらないくらい、否、むしろさらに危険ではないかと思えるほど危険な世界で、さらには前の世界でいうヒーローのような存在、海軍なるものがいて、でもやっぱり少し違って。そんな世界でもサイタマは強く生きて..
「どうすっかなぁ」
キラキラと輝く海面にさらに光輝くものがひとつ、正体はサイタマのツルツルの頭だ。生まれつきの、といったら変かもしれないが、最強の力と引き替えに今世では赤ん坊の頃からまったく髪の毛がなく最初から禿げていた。おかげで産みの親にもまわりにも気味悪がられ殺されこそされなかったものの、どこぞの九尾の人柱力のような扱いをされた。
まぁ、中身は死ぬ前のサイタマとなんら変わりはないため特に困ることはなかった。髪にたいする想いはかなりあったが。
そのことはおいといて、現在サイタマはちゃっとだけ、ちょびっとだけ変なことに巻き込まれていた。
お金さん
急に書き込んでごめんなさい…
お話おもしろいです!
私もワンパンマンとかワンピース、大好きです
でも、ワンパンマンの小説なんて書くの難しそうなのに書けるなんてすごいです!
続き、楽しみにしていますね♪
あああああああなんかきてるううううう嬉しいよおおおおお頑張りますうううう
8:お金:2015/12/04(金) 23:54 ID:ipc 目の前に大きな渦が見える、ここまでは別にいいのだ、その気になればパンチ1つだして海流を変える、だけではなく海底をさらすことだってできるがそれだとどこかの島に迷惑をかけてしまうだろうし、なによりすぐ横で同じように大渦にのまれそうになりながらも笑顔でどうしようかなと呟くこの青年を巻き込んでしまうおそれがあった。
てかなにやってんだこいつ
「助けてほしいけど誰もいないし...お?」
「え」
「お前ものまれちまったのか?いやーお前も大変だな!!」
サイタマは悟った、あ、こいつアホだ
「泳げないんだよねー俺、あ!こんな大渦の場合泳げようが泳げまいが関係ねぇか」
そんなことを言っている間に青年は大渦にのまれてしまった、仕方がないのでサイタマは海面にパンチを撃ち込もうとしたが、構えたときに船が大きく揺れたため撃つことは叶わず、青年と一緒に大渦にのみこまれていったのだった。
自分を海底に引き込もうとする海流にむかってやみくもに繰り出したパンチは効果を発揮し、海は何秒間かサイタマのまわりから引かざるおえなかった。その数秒でサイタマは飛んでいきかたの不自然な樽を見つけ、そこの宙にむかってジャンプをした。
空中に上っていくついでに樽の鉄の部分をひっつかみ適当に見つけた島にむかって投げた。樽は島の固い大地に激突することなく、海に叩きつけられ壊れることもなく、水面をゴロゴロと滑りながらやっとこさスピードが落ちた頃にたまたま近くにいたピンク色の髪の男の子に見つかり拾われた。
そこまで見たサイタマはよっしゃと思う前にある重大な過ちに気づいた。
ヤバい、あんなにまわしたら体あちこちぶつけたりとか頭変になったりしないかな。
(いやいやいやさすがに考えすぎだろ俺、ボロボロ壊れるってそんな、ジェノスでもあるまいし....え、ホントに大丈夫なのかあれ?中でミンチみたいになったりしてないよね?ね?)
結局サイタマは島にむかって海面を走ることになったのだった。
此島にはとある女海賊が在住していた、所詮その女海賊の縄張りというやつなのだが、そこに大変似つかわしくない気弱も気弱、こんなに働いているのにぜい肉ダルダルな少年がいた。とても不運、不敏な少年だ、でも誰も気づいてくれないし助けもない、毎日こきつかわれなにか
あれば一番最初に殴られるのはこの少年、そして一番殴られていたのもこの少年だった、樽に入っていた変に明るい青年とハゲ頭の男に会うまでは。
少年はある日大きな樽を見つけた、こっそりつくっていたてこぎの船をもう少しグレードアップさせてやろうとひろったつもりだったのだが、引き上げた感触からどうも中身がはいっているらしい、せっかく昼まで会わずにすむと思ったのにとため息をつきながら律儀な少年は樽を転がし恐ろしい海賊のしたっぱ達が今ちょうど掃除をしているであろう酒蔵に向かった。
したっぱ達はなんとこの流れついた酒樽を自分達だけでのもうとしていた、わかってんなと脅され慌てて何も見ていませんと答える、少年にとってしたっぱも女海賊もどっちも変わらず恐ろしい相手であり、腹の底で憎んでいる相手だったのでどっちがどうなろうが別にどうでもよかった。
一方サイタマは何をしているのかというと、
(会話に入りづれぇ)
少年が酒樽を転がし林の中に入っていったところで無事到着し、転がっていく酒樽から血が滲んでないことを確認してほっと一息ついたあと、この島にあるかもしれない町や、なくても自然にできた食料を探すため少年にちょっと話を聞こうとあとをつけていたのだった。しかしどうも少年はここの島の住人ではなく、この島にいつく海賊達の雑用係であるらしい、しかも扱いは底辺な上少年はこの海賊団の中にいたくないっぽい、もっと簡単に言うとそう、少年は非常に、非常に困っている。ならば助けるのがヒーローの役目だと思い飛び出そうとしたところであの青年がまさかの無傷で黒ひげ顔負けの登場をしたため茂みから出られずにいた。
「だれだお前ら」
「てめぇが誰だ!!!」
「一体どういう状況で樽から人間が出てくんだ!?」
したっぱ達の言葉はもっともである。
飛んできた金棒のおかげでどさくさに紛れてサイタマは青年と再会し、少年と会うことができた。
「あの....貴方の名前は.....?」
「俺?俺の名前はサイタマ、趣味でヒーローをやっている者だ」
「へ、へぇ」
少年ことコビーはちょっと変な人だなと思った。
自己紹介、青年のこれからの移動手段、からのコビーの笑えないドジ話、青年ことルフィは遠慮なく笑いコビーの心の傷に塩をぬりたくっていたが。
コビーの次はルフィという流れは自然で、その後サイタマにつづくのであろうと思われたがアルビダとかいうゴブリンの攻撃のせいでお手製の船と同じようにいい感じだった雰囲気も粉砕されたのだった。
「このアタシから逃げられると思ってんのかい!?」
(うわぁ....)
「そいつらかい、お前の雇った賞金稼ぎってのは...ロロノア・ゾロじゃなさそうだねェ」
(あ、こいつどっかで見たことあるって思ったらあれだ)
「最後にきいてやろうか...この海で一番美しいものは何だい...コビー!!!」
(キングん家でやったRPGにこんな敵キャラがいたっけ)
「......!!え.....えへへ、そ...それは勿論...」
「誰だこのイカついおばさん」「ぶはっ!」
「!!!!」
「ルフィさん訂正して下さい!!サイタマさんも吹き出しちゃだめ押しです!この型はこの海で一番...」
コビーの恐怖しか考えていなかった頭の中にルフィの言葉がながれる
『おれがなるって決めたんだから、それで戦って死ぬんなら別にいい』
「一番イカついクソばばあです!!!!」
あ、誤字...
13:マロン◆ak umlo:2015/12/05(土) 11:13 ID:tZI
葉っぱのぞいたら小説更新されててうれしいです!
特に、私の大好きなワンパンマンとワンピースのクロス小説なので…
続き待ってますね♪
そのうち、ゾロって出てきますか?
(ゾロが私の一番好きなキャラなんです❤ちなみにワンパンマンだとジェノス派です)
お金さんは誰が好きなんですか?
ワンパンマンではサイタマ、ワンピースでは同じくゾロですね、この小説はワンピ一話からずっと原作沿いでいくつもりなのでゾロは勿論でてきますよ!
そうですか、ジェノスが好きなんですか、お取り寄せしとくのでいつかジェノスもだしますね。
やった(^▽^)/
ありがとうございます!
ルフィとサイタマの笑い声、女海賊アルビダの怒鳴り声、コビーの叫び声が響く、振り上げられた金棒には勿論気づいていたがルフィの何やら自信溢れる顔をみて自分の出番はないと考えたサイタマは傍観にてっすることにした。
金棒は重い音をたてルフィの頭に激突した、普通の人間ならとっくに死んでいるはずの攻撃もルフィにとってはなんのその、悪魔の実を食べゴム人間となった彼に打撃は効くわけがなかった。驚愕するアルビダにゴムゴムの銃を放った、まるでサイタマのようにたった一発のパンチでアルビダはのされてしまった。
「........!!!手が...出番はないとのびたぞ!!」「お頭!!!アルビダ様が負けた!!!化け物だ!!」
サイタマは目を見開いた、悪魔の実の話はこの世界では有名だったので一般常識として知っているが、ゴム人間、打撃はいっさい効かない男、それはつまりサイタマの最強の拳も吹っ飛びこそすれどダメージにはならないということだ。ゴムゴムの銃という技は見たところ自分に対してはまったく効かないだろう、でも、それ1つしか技がないなんてことはないだろう。
もしかしたら俺よりも強いかもしれない?
考えついた1つの可能性にサイタマは己の心臓が勢いよく血を回し始める音が聞こえた。ドクンドクンと脈だつ鼓動はサイタマの本能の表れともとれる、戦え、目の前のこの青年と、お前が望んでいた強者との戦いはすぐそこにーー・・・
「サイタマさん!」
「あ、すまん」
全然話きいてなかったわと真顔で話すサイタマにはもうあの鼓動は流れておらず、怪人でもなくどちらかというとヒーローよりな海賊モドキのルフィになに考えてんだと自分に呆れいつもの調子にもどったのだった。
小舟にのせてもらったサイタマは走った方が速いけどめんどくさいし、どうやら海にたいして自分よりも詳しいらしいコビーに甘えさせてもらって、波にゆっくりゆられながらぼんやりいく方が得な気がしたためサイタマはルフィとコビーの話の輪にもはいらずぼんやりと海面を見ていた。
特に澄んでいるわけでもない海でもサイタマが集中してみれば海底までよく見える、あくまで集中したらだが。小舟が進むたび現れては消えていく波紋を目で追いかけることを繰り返していたら、話の種がつきたのか彼らにとっては謎のまんまのサイタマに目が向けられ、そして穏やかな好奇心にかられたままコビーは肌色の頭に話しかけた。
「サイタマさんはこれからどうするんですか?」
「ヒーロー活動を続けてく」
「ヒーロー活動するぐらいなら海軍に入ればいいのに...そしたら給料だってでるしわかりやすく活躍が広まるのに」
「お金とかまわりの評価とかそういうのはいらないから」
「え?」
「いったろ、趣味だって」
コビーにはわからなかった、みたところサイタマが強そうにはまったく見えない、というか無気力すぎてそこらへんのチンピラにでも倒されそうなくらいぼんやりとしてる。てか顔、服装はヒーローを意識してか長いマントを身に付けてはいるもののはっきりいってダサい。
ルフィさんがいうにはこの人も大渦にのまれたらしいんだけど..
どうしてもアルビダを倒したあとのルフィの方がコビーにとってはヒーローで、サイタマを誰かと比べるさいの対象がルフィしかあなかったためサイタマがおとってみえてしまっていた。
ルフィはサイタマを面白いやつだと認識していた、幼い頃ジャングルで過ごしていたせいか野生の勘はかなり磨かれた立派なものになっていたが、その勘がサイタマがただ者ではないと語っていた。無意識にそれを受け取ったルフィは特になんのアクションもリアクションも見せていないこの禿げた男を面白いと思わせていた。
面白い奴は仲間にしたい、一緒に海を渡って楽しく海賊をしたい。
サイタマを仲間にしたい。
スマホの画面が勝手に動くんだがなんだこれ...
18:お金:2015/12/05(土) 13:42 ID:ipc 「サイタマ!」
「あ?」
「俺の仲間になれ!!」
「ぇええええ!?」
なんで?!と叫んだのはコビーだった。サイタマはルフィの勧誘よりも何でこいつが一番驚いてんだろ、と思う方が大きかった。
「え、嫌だ」「その嫌だは俺も嫌だ」「えぇ...」「海賊は楽しいぞ!だから仲間になれ!!」「楽しい楽しくないとかじゃなくて」 「いいから仲間になれよ!」
「だぁああああうぜぇ!」
お前はジェノスかっ!!!
サイタマの叫び声は天高く響いた。
サイタマとルフィの攻防はその後も続き精神的疲労で疲れたサイタマをコビーは憐れんだ。
ついた先の島にはちゃんとした町があり、さらにそこそこ大きな海軍基地もあった。まるで火山のような形の海軍基地にあれ部屋どうなってんだろうと考えるサイタマの顔は相変わらず呆けている。
そんなサイタマを引っ張りながらルフィの案で町のレストランで昼飯を食べることとなった。ルフィのたべっぷりに貧乏性が魂にまで根をはるサイタマはドン引きしながら見ていた、自分は金は少ししか持っていないので店で一番安いメニューを一品だけたのんだ。
「じゃ、この町でコビーとはお別れだな!海軍に入って立派な海兵になれよ!」
俺とも別れるつもりなんだよな?と思わないこともなかったがサイタマは空気を読むという高度なことをして黙っておいた。コビーは泣きながらルフィにお礼をいい、サイタマにもちょっとだけエールを送った。おまけかよと思ったがそれもしょうがないかと数十分前のことを思いだし、またざわつき始める自分の戦闘本能をぬるくなったお冷やを飲むことで静めた。
「そういや基地にいるのかなあの...ゾロって奴」
背後で急に大きな物音がし、振り向けば他の客が壁に張り付いてこちらを凝視していた。明らかにオーバーなリアクションだったがコビーの話をはしっこだけ聞いていたこともあり、あぁそんだけ怖い奴なんだなと思うくらいだったが、さすがに大佐の名前で同じ反応をしているのを見たときはサイタマも変だなと思った。
店からでたあとはルフィの笑い声をBGMに海軍基地まで歩いた、なんで俺ついていってるんだろう、別れてもいいんじゃないか?ともんもんと考えが広がっていくがルフィの後ろ姿を視界にいれた瞬間にもやもやは消えた。
あ、分かった、こいつがここにいるからだ。
サイタマは老人のような気分で、といっても実際精神はおっさんなのだが、そんな感じでルフィを見た。なんだか胸がスカスカする、なんでだろう、海賊になりたいわけじゃない、ついていきたくなったわけじゃない、どちらかというとしょうがないからついてってやるよみたいな、そんな気持ちだ。 ルフィの生まれ持ったカリスマ性にやられたのか、それとも...
洋風、という考えもだいぶ薄まった町の家々をぼんやりと眺めながらルフィの台詞を思い出す
『俺の仲間になれ!』
弟子にしてください!
サイタマにとっては突然とまったように見えた前を歩いていた二人が足をとめたため、サイタマも思考の渦、というより何十年か前の記憶から意識を現実へと持っていき、目の前にある海軍基地へと目を向けた。
「近くで見るとゴッツイなー」
ルフィはコビーにいけよと優しく急かすがコビーはまだ心の準備ができていないらしく苦笑いを浮かべてルフィを見上げた。
「」
サイタマはロロノア・ゾロという男に別段興味はなかった、人の噂なんてあてにならないということはみをもって知っているし、ルフィの仲間になった覚えもないのでサイタマとはまったく関係がないからだ。だから壁を登って覗こうとも思わない。
「っと、」
ぜい肉ダルダル系男子であるコビーが自分の背よりも高く、手も届かないような壁に登るのは難しかったらしく苦戦しているようだった。ルフィはロロノア・ゾロに夢中で気づいていない、サイタマは無言で近づき、片手をコビーの足の裏に滑り込ませ持ち上げ、バランスを崩しそうになったコビーは反射で届くようになった壁のてっぺんへとしがみついた。
「あ、ありがとうございます!」
「へー、お前結構力持ちなんだな」
二人は少し感心したようにサイタマを見た、膨張色である黄色を着ているサイタマは少しぽっちゃりに見えていたのだが、ルフィよりも弱い、という先入観をなくして意識してもう一度サイタマをみれば、マントに隠れていた体のラインや腹のデコボコがよく見えて実は死亡ではなく筋肉なのかもしれないと思い直し、コビーはちょっとだけ自分の体型を恥じた。
ロロノア・ゾロを見て本物だということを確認したコビーは急に怖くなったらしく壁から落ちかけた、サイタマが支えてくれたおかげで地面に尻を打ち付けることにはならなかったが。
少し疲れたようなイケボが聞こえた、おそらくこれがロロノア・ゾロなのだろう、声から想像した顔は無駄にイケメンでサイタマは少し腹がたった。コビーを見やり登りたそうにしていたためもう一度コビーを上にあげ肩を踏み台にさせたままサイタマは壁によりかかり特になにをするというわけでもなく話に耳を傾けた、半分くらいすり抜けてったけど。
遠くからはしごをもった小さな子供がきた、サイタマと目があうとしー、のポーズをされ頷く間もなく女の子は壁にはしごをかけ、壁の向こう側へと降りていった。コビーが制止をかけるが止まらないらしく、またあのイケボが聞こえたことによって女の子はとうとうみんなの言う恐ろしい殺人鬼のもとへといってしまったらしい。
聞こえてくるのは可愛らしい声とそれに不釣り合いな低い声、どうやら女の子はロロノア・ゾロのためにおにぎりをつくって持ってきていたらしい、ロロノア・ゾロはいらない帰れ、殺すぞと女の子を脅すが女の子は帰らない、そのうち海軍な奴が来たらしくまるで悪人のような台詞としゃべり方で塀の向こうの二人に話しかけた。
空気は急激な速度を得て不穏に変わっていった、胸くそが悪くなるような笑い声に女の子を投げ飛ばせと言う言葉はヒーローをやっているものとしては見逃せない、よっしゃ動くかというところでルフィが先に壁から離れ女の子を受け止めた。
コビーをおろしながらサイタマは考える、今のが海軍というものなのだろうか、しかしどう考えてもロロノア・ゾロよりも海軍の大佐の息子の方が悪い奴のように思えた。
うーん、難しい、そもそもあやり深く考えることは苦手なサイタマが自然にではなく自分から物事について、特に人と人ととの関係について考えるのは得意ではなかったため、サイタマは事態を把握するのを早々に諦めた。
一旦海軍基地から離れ、女の子から事情を聞くため一行は町中に戻った。ルフィはいつの間にかロロノア・ゾロと会話をしていたらしく、それもふまえて色々と話し合った結果どうも悪いのは海軍の方だとわかったらしい。
ここにきてもやはり話を聞いていなかったサイタマは結論だけを聞いてあ、やっぱり?ぐらいしか反応を示さなかった。どうやら興味がないらしいことをやっと悟った二人は何となくサイタマの性格を理解した。勿論ルフィは野生のなんとやらでだが。
ふとわりと近くからあの胸くそ悪い声がした、堂々と道の真ん中を通り、一般人たちまちはよほど嫌なのか歯をくいしばってひれ伏していた。まるで大名行列を見ているようだとサイタマは思った。
「ロロノア・ゾロみてェに磔になりてェか!?三日後にはゾロの奴を処刑する!!みせしめだ楽しみに待ってろ!!」
その台詞を聞いてルフィは立ち上がる。
「一ヶ月の約束はどうしたんだ!!」
「なにィ?誰だ貴様どこで聞いた、ズが高ェな」
ざわつく町民達、反発した青年の姿をもっとよく見ようと頭をあげた。
「そんな約束ギャグに決まってんだろっ!!それを本気にする奴もまた魔獣的にバカだけどなひえっひえっ〜」
ルフィは無言で変な髪型をした男を殴った、サイタマはうっすらと笑った、へぇ、こいつはこういう奴なんだと。
「お前もくんのか」
ルフィは前を向いたまま隣をあるくサイタマに話しかけた。
「悪い奴は倒さないとダメだろ、俺ヒーローだし」
さも当たり前のように言うサイタマの表情はいつだって変わらない、本気なのかどうなのかまったくわからない顔だ。実力もまだわからない、しかしそれが面白いんだとルフィは感じたのだからしょうがない。そのまま二人は海軍基地へと歩を進めた。
ルフィが塀を乗り越えゾロに仲間になれと一方的な交渉をしている間にサイタマはコビーを塀の向こうへやるためしゃがんだ。
謎の行動に戸惑うコビーにおんぶ、とだけ言葉をはっするサイタマ、その一言ですべてが分かったコビーは何が邪魔をするのか、プライドが邪魔をするのか妙に嫌がり、少し時間がかかってしまった。
ゾロ、出てきましたねー♪
おもしろいです!
ありがとうございます。
27:お金:2015/12/05(土) 21:23 ID:ipc ルフィはどうやら屋上に向かったようで声は聞こえど姿は見えなかった、ゴム人間ならそう簡単に死なないだろうし、追いかけるのが面倒なのでサイタマはコビーの方に残ることにした。コビーが縄をほどこうとしているのをみてちぎった方が速いと近づいたサイタマは飛んでくる鉛の玉に気づき、素早い動きでキャッチした。
つかんだ瞬間にパン!と音がなり驚いたコビーがこけ、ゾロは撃ってきた方向、つまりは屋上を血走った目で睨んだ。
「あああああああ!!撃たれたあああ」
「いや、落ち着けって撃たれてないから」
ほら、と手に持っていた少し先っぽがつぶれた弾丸を見せる。
「あぁ、拾ったのか」
「いやつかんだんだって」
「だから拾ったんだろ?」
サイタマはこれ以上説明するのがめんどくさくなり諦めた。ゾロはまた撃ってくる、次もはずしてくれるとは限らないとコビーとサイタマに逃げるように言った、コビーがそれに猛反対をして、約束はとっくに破られていることを告げ、さらにルフィは、ルフィが強いということは本当だと叫んだ。
あ、それは黙って信じるんだと思ったサイタマは悪くない。
「そこまでだ!!モーガン大佐への反逆につきお前達三人を今この場で処刑する!!!」
コビーもゾロも、どちらも今死ぬわけにはいかなかった、まだ夢を、野望を叶えていない。必死の形相で向けられたたくさんの銃口を見た、サイタマは今日の夕食どうしよ、とか考えていた。 どうせ自分は銃弾なんて効かないし、二人に玉があたるまえにすべてキャッチしてしまえばいいのだ、と気安く構えていたところまたもやルフィに活躍の場を奪われてしまった。
と、いってもルフィに悪気はないし、サイタマもサイタマで目立ちたい願望があるわけではないので問題はない。
玉が当たった箇所が伸びるところをみてサイタマは少し引いた。ルフィは周りの反応に大笑いをし、たいへん満足したあと、ゾロに三本の刀をさしだした。
「ほら!お前の宝物どれだ?わかんねェから三本もってきちゃった」
「三本ともおれのさ...おれは三刀流なんでね...」
(マジか、三本目どこで持つんだよ)
「ここでおれ達と一緒に海軍と戦えば政府にたてつく悪党だ」
(おれ達...?)
「このまま死ぬのとどっちがいい?」
そしてゾロは海賊になった。
ルフィが悪魔の実を食べたことに気づいたらしいモーガン大佐は銃ではなく剣で斬り殺せと命じた、若干ビビりながらも雄叫びで誤魔化し、何十人もの海兵が走ってきた。それまで眺めていただけだったサイタマはルフィが縄をほどくのに手間取っていることに気付き、どうせもう狙撃される恐れはないから大丈夫だろうとコビーの横から離れ、迫る海兵をものともせずルフィとゾロの方へ向かった。
「サイタマさんも!危ないっ!!」
「お前もか、だからあと少し待てって」
「いいから貸してみろ」
「ほどけんのか?」
もしかしたら戦闘ではなくこういったことを得意とするやつなのかもしれないとゾロは思い、発言した。しかしその考えは間違っていた。
「えい」ぶちっ、
「んなっ、そんな簡単にちぎって...!」
「やっぱお前力あんなぁ〜!仲間にしてよかった!」
「なってないから」
こうして無事海兵がたどり着く前にほどけた....ちぎれた紐は力なく地面に落ち、三本の刀を受け取ったゾロはサイタマに軽く礼を言ったあと一気に八人もの海兵の刀をふせいでみせた。ルフィはお気に召したようだ。
次は俺の番だと言わんばかりに不思議な技を繰り出し海兵を蹴散らすさまをサイタマはただ見ているだけ、なんかおれいなくてもどうにかなりそうだし、あっちに参加するよりコビーの護衛としてこっちにいた方が良さそうだなと思ってぼんやりと立っていた。
そしてそれはやはり正しい判断だったことになる。
「待てェ!!!」
ルフィは声のした方をちらったみたあとモーガンを殴った。
「待てっつったろアホかこのォ!!!」
やっとこちらを向いたルフィにここぞとばかりに人質の存在を主張する、人質は勿論、コビーとサイタマだ。コビーは叫ぶ、ぼくはルフィさんの邪魔をしません、死んでも、と。サイタマはその横で耳をほじっていた。
「おれは海軍大佐だ!!!」
ルフィの頭上で大きな斧が振り上げられ、影をおとした。ルフィはまったく気にせずまっすぐヘルメッポに向かってパンチをした。
「ゴムゴムの...」
ゾロは刀をくわえなおし、その時をまつ。
「銃!!!」
「!?親父早くそいつを...」
ぶほっ
背後にいたモーガンはゾロの手により倒れ、ヘルメッポはなんとも雑魚悪役らしい無様な倒され方で気絶した。
一件落着のはずだった。
実はヘルメッポ、殴られたさいに拍子で銃を撃ってしまっていた、轟く銃声にさすがにヤバイと感じたのか二人同時にコビーとサイタマの名前を叫んだ。
「だ、大丈夫です、あたってません!」
すぐに聞こえた元気な声にひやひやしたぜと胸をなでおろすゾロ、何がおかしかったのか笑うルフィ。しかしコビーは気が気ではなかったコビーは見たのだ、右にいたはずのサイタマが左にいつの間にかいて、握りしめた左の拳の関節の隙間からもれる少量の煙と、手を開いたときに落ちていった完璧に潰れた弾丸を。
思わずサイタマから距離をとりその表情をよもうとしたが、無理だった。なぜならサイタマはそのとき、近距離で飛んできた鉛のたまをぺしゃんこにしながらキャッチしたときでも、なんら変わりなく真顔だったから。
コビーはここでやっと、サイタマが自分と同じようなただの人ではないことに気づいたのだった。
サイタマに話しかけようと発した一文字目の言葉は恐怖から解放された大勢の海兵達の野太い声に遮られあっけなく失敗し、その後サイタマがなんやかんやでルフィとゾロの船にのりこの島をでていくまで話せずじまいだった。
「あーー腹へったーー」
三人は海をさまよっていた。食料はつんでいない、航海術なんてものはこの三人が持っているわけがなかった。責任の擦り付けあいのはてに何故かゾロの身の上話になり、その後どんなやつを仲間にしたいかでルフィだけ盛り上がったあと、鳥を見つけたルフィはおれにまかせろと飛んでいき、そして降りてくることはなかった。
「あほーーーっ!!!一体なにやってんだてめェはァ!!!」
「うわっ、なんだよお前急に」
「てめェはすこしくらい役に立てよ!!」
「あー、うん、てかルフィは?」
「ってめェこの...!」
ルフィを助け終わったら絶対何発か殴ってやろう、そう心に硬く決意したゾロであった。
途中でくっついてきたなんちゃらのモギー一味の三人の話をサイタマは真剣に聞くことなく、耳から耳へと通り抜けさせながら空を見上げた、ゾロは眩しく光る頭に渾身の力を込め殴ったが、首がバネの玩具のようにビヨヨヨンと動いた頭を見てドン引きしただけだった。
しょうがないのでちまちまとサイタマが比較的気になる単語だけ拾い上げて記憶したが数十秒後にはもう覚えておらず、ルフィをさらっていったと言う鳥は一体どれくらいの大きさで、焼いたら食えるかなということをひたすら考え込んでいた。
ついた港にはひとっこひとりおらず、がらんとしていた。ゾロも同じことを考えていたらしく、呟かれた言葉を拾い上げたモギー?バギー一味の一人が少し照れたように襲撃中なんですと、自信の大きな頭を撫でながら答えた。となりの二人はこれからのことを冷や汗かきながら話し合っていた。
それもそうだろう、なんせせっかくもって帰ってきた宝を奪われ、手ぶらで帰ることとなればどんな目にあうかわからない、最悪殺されるかもしれない。ゾロはその様子を見てもやはりルフィの方が大事で優先事項なので、バギーに会わせてくれと頼んだのだった。
サイタマはこいつら悪いやつなのかなと思いながら静かにその様子を見ていた。
静かな街中で騒がしいところがあり、すぐにそこにバギーとやらがいることが分かった、ここらへんでサイタマはやっとモギーではなくバギーだということを知った。正直どうでもよかったが。
登ってみればショートカットでオレンジの髪の女に刃物を持ったバギー一味のしたっぱ四人が向かってきていた、サイタマがなにかをするまでもなくゾロが刀を抜くまでもなく、全員綺麗にゾロの刀に顔面を強打し、鼻血を流してその場に倒れた。
「ゾロォ!!!!サイタマァ!!!」
「鳥いなくない?」
ゾロは助けた女、ナミにケガがないかを聞いたあと能天気に話しかけてくるキャプテンにもう一度アホ!と軽く返した。
ルフィ…。
やっぱり天然ですね
相変わらず面白いです!
ちょっと気になったんですが、お金さんの年齢とか性別、もしよければ教えてください!
ちなみに私は中2の女子です。
中3の女です。面白いなんて、もったいない言葉ありがとうございます!年下...といっても一つ下だからお互いそんなに変わらない歳ですね。
36:マロン◆ak umlo:2015/12/06(日) 11:50 ID:tZI
そうですね♪
言葉遣いがとても大人っぽいからもっと年上の方だと思ってました…
サイタマは現在空気のような存在となっていた、することはなにもないし、いる場所も隅の隅の後ろの方で誰の視線の先にもはいってはいなかった。なによりゾロという名の知れた海賊狩りと裏切り者のナミ、そのナミの親分(仮)であるルフィという存在があまりにも強烈すぎた。
そんなサイタマも暇だが空を見るのも飽きたため周りと同じようにゾロとバギーの戦いを見守ることにした。
あっけなく終わった戦いは一見ゾロの勝ちのように見えた、だが残念、バギーはそう心のなかで嘲笑った。バギーは能力者であった、しかもゾロのような刃物を扱う相手とは一番相性の悪いバラバラの実を食べたバラバラ人間。ゾロに切り落とされたはずの右腕は他の部位同様血を一滴も流しはせず、いたって健康な肌なままそろりと浮かんだ手、その手にはしっかりとナイフが握られていた。
ゾロの体が影となり、ルフィとナミにはその異様な光景が見えていなかった、バギー一味はその三人の姿がおかしくてならず、笑いをこらえきれず声をあげて笑いだす者が大多数だった。
まぁその光景は隅の隅の後ろにいたサイタマにも見えていたが。
ガッ、という音と布をきつく握りしめたときのキリキリとした音が少々、さっきまでなかったはずの背後の気配に驚き、大きく後ろへ下がるゾロ、そこにはサイタマが切り落とされたバギーの手を持ち上げるサイタマの姿があった、足元から少し離れた先の床までのびる煙は、サイタマがそこからここまで一瞬のうちに移動したということを示していた。
離せ!とわめくバギーを見下ろし、サイタマは言った、
「やっぱお前悪い奴だろ、ゾロ殺そうとしてたし」
悪い奴は怪人でなくとも倒さなければならない、たしかに人間相手だったら多少手加減はするが、それでも倒さなければならない。
なぜならサイタマはヒーローなのだから。
面白い!
ここでもお金のことタメでいいかな?(さっそくタメでごめんね)
私はOKです!
Ok!
40:マロン◆ak umlo:2015/12/06(日) 13:05 ID:tZI
了解('◇')ゞ
改めてよろしくね♪
サイタマが少し力を加えればすぐに悲鳴があがる、驚く周囲なんてサイタマはなれている、愉快になることも緊張することもない、沸点ではなくそもそもの感情が薄いのだ。
「な、なんだてめェは!!」「いつからいたんだこのハゲは!?」
「ハゲとかいうな!」
バギーにはまだわからない、まだ弱いから、このハゲが!ぐらいしか考えられない。今自分の腕を握っているこの男がどんな力をもっていて、本気になれば骨が折れるだけではすまされないことも分からない。ただ不意をつかれてちょっと上にたたられただけですぐに巻き返せると思っている。
まわりも、そう思っている。
ゆるく握った拳を転がるバギーに向けた、のだったが、砲弾に吹き飛ばされた。ゾロは気転をきかせて砲弾で脅せばサイタマの助けになると思い砲台の向きをかえたのだが、うっかり、そううっかりちょっとマッチの火をちらつかせていたら指先にちろっと火があたって、熱くて手から落としたやつが点火されて、特製のバギー玉が容赦なくバギー一味とサイタマをつつんだ。
「だークソッ!サイタマのことは後だ、今のうちに逃げるぞ......!!」
「な、逃げるってあんた、やっぱり海賊は海賊ね」
「てかお前誰だ」
「私...泥棒よ」
ゾロはルフィの檻を肩に担ぎ上げ、バギー一味が拠点としていた酒屋から離れた。
その頃サイタマは服が汚れるのを恐れバギーを見放し酒屋の屋上から飛び降りていた。しかしどうも降りた側が反対だったらしく、連絡手段も持っていなかったサイタマとルフィ達はルフィがバギーをゴムゴムのバズーカで吹き飛ばすまで再開できなかったのだった。
よろしくマロン
44:お金:2015/12/06(日) 15:54 ID:ipc サイタマは見ることも食べることも叶わなかったルフィを連れ去っていったという鳥に半分脳を使いもう半分は海の水ってどうやったら真水にできるんだろうだった。横でルフィがナミに針で刺されようとも、ゾロが腹がへったと呟こうがどうでもいい、新しい島についても気づかないくらいにはどうでもいいことに頭を使っていた。
「孤島に着いたぞ!!何もねェ島だなァ!!森だけか?」
「だから言ったのに無人島だって、仲間探すのにこんなとこ来てどうすんのよ」
海岸近くは地面が岩だらけだからか草木は生えていなかったが、少し先では青々とした緑が生い茂っている、自然の食料は十分にいただけそうな森だ。
「サイタマ!お前は来るよな?」
「いく」
「意外ね」
「あ?」
「てっきりあんたはこういうの、来ないと思ってたわ」
「あー、腹へったからな」
サイタマは腹をさすりながら小舟から降りた。
ゾロは一応怪我人というのもあり、そのまま寝かせておくことにしたらしい、どうもサイタマがルフィ達と合流する前にバギー一味の幹部との戦いで脇腹怪我したあげくさらに自分で切り開いたのだという、サイタマは素直に引いた。
森の中は猛獣というより珍獣ばかりでしかも横を素通りしていくほど人間に対する警戒心というものがなかった、ライオンのような豚が後ろを横ぎったときは思わず顔の影を濃くして睨んだサイタマだったが、ナミにやめなさいと頭をはたかれた。
《それ以上踏み込むな!!》
「「ん?」」
森のどこからか声がする、普通のおっさんの声だ。
「え!?な、何!?今の声、あん誰よ!!」
《え?おれ?おれはこの森の番人さ...!!》
この森の番人というおそらくおっさんは、なんとルフィに向かって銃を撃ってきた。銃弾がルフィに当たる前になんなくキャッチをしたサイタマは撃ってきた方向に銃弾を投げ返した。
キュンッとまるでレザービームのような音をだしながら飛んでいった玉はどうやら見事おっさんのどこかに命中したらしく、慌てるおっさんの声をたどって三人は茂みの中へとはいっていった。
誤字脱字パネェ
47:マロン◆ak umlo:2015/12/07(月) 14:20 ID:tZI
誤字脱字はしょうがない
誰にでもあるよ
意味通じてるし大丈夫だよ(^▽^)
優しいなおい
49:お金:2015/12/07(月) 18:01 ID:ipc サイタマは気づいていないが、先程の人間技とは思えないスピードで飛んでいった弾丸はここにいる誰の目にもとまらず、虫かな?くらいで気づかれていなかったのであっさりスルーされたのであり、別にこんなの普通じゃん、という意味でスルーされたわけではないのでちょっと期待しても意味はないのだ、ルフィは、わからないが。
茂みの奥にいたのは安物の宝箱におさまるアフロで、傍らに落ちているいまだに銃口からでる煙を見ても怪しいのは明らかだった。急に走り出したそれをサイタマは素早い動体視力を使いその手の範囲から離れる前にアフロの部分を掴んだ。
「くらっ!!!早く離せェ!!!」
「に...人間だわ」
「離せってんだハゲ!」
「ぶっ殺すぞお前」
捕まったくせに威張っていたこのアフロのおっさんの名前はガイモンという、とりあえず離してやり、潮風が気持ちのいい海岸でお互い自己紹介をしあったことにより得た情報だ。
話によればなんとこのガイモン、もう二十年も前からこの箱、といってもいいような小さな宝箱にはまってしまったまんまここまで生きてきたという。さらに海賊だったとも言っており、ルフィがワンピースを目指し、暗にグランドラインにいこうとしていることを伝えればなんとも海賊らしい反応と言葉を発してくれたため、嘘ではないと言うことが分かった。
ガイモンが話してくれた情報の中にはグランドラインから逃げ帰ってきた海賊達の様子を見たことがあるというのもあった、逃げ帰ってきた海賊達の様子も気になるところであったがそれよりもサイタマに感情の起伏を起こさせたのはその海賊達を追いつめた というナニカの存在だった。
そもそもサイタマが海にでることになったのは島民達に追い出されたとかそういう理由ではない、乗っていた船が壊れたまたまサイタマのいた島に流れ着いたという巨人によるものだった。
困っていた巨人をサイタマはヒーローとして放っておけず、人の気配を避けながら食料を渡していたのだが、それがある日突然必死の形相でこの島からでるんだと言われたのだ。その大きすぎる人差し指と親指でサイタマの両肩を、その必要はないというのに優しく掴み理由はきっと言っても分からないと思うが自分を信じてくれと言うので、流されやすく、特に故郷の島に思い入れもなかったサイタマは巨人がとってきたという小舟で島から出たのであった。
まぁ、その小舟はサイタマが力加減を忘れて自ら壊してしまい、どこかに島はないかと久しぶりに本気で走り、本気で走れば自分は水面をも走ることができることを知ったサイタマはその体力を最大限にいかしめちゃくちゃに、走り回った結果、どこかの海のどこかの島にやっとこさ到着し、そこでしばらく過ごしたのちに小舟で軽い気持ちで沖にでたら当然の如く帰れなくなりルフィにあったのだった。
まぁつまりは、サイタマが好む文字数でいうと、現在サイタマにはなんの目標もない、ということなのだが、ここでサイタマにもしも自分より強いかも知れないやつがグランドラインとかいうのにいたとしたらいく?いかない?と聞けばそりゃあもちろん、
いく、と答えるであろう。
サイタマはそう頭のなかで答えが出た瞬間決意した、海賊になるわけではないが、自分もルフィ達と共にグランドライン、偉大なる航路へいってやろうと。運がいいことにたまたま会えたこのルフィという青年は誰もいきたがらないというグランドラインへいくようだし、それになんとなく、ルフィならできそうだな、と思わせるような青年であったため、ついていくことにした。
経験上そうするとルフィは勝手にサイタマを海賊として自身の仲間に位置付けてしまいそうではあったが諦めるのにはわりとなれているサイタマのことだ、特に問題はない。
サイタマがぼうっとこれからのことをなんとなく頭のなかで作り上げている間に何故か森のなかに入ることになっていたので、動きが遅いとナミに愚痴られながらサイタマは地面から腰を上げて尻についたわずかなかわいた砂を払い、なんで森のなかに入っていくのかもわからないままとりあえず三人についていった。
ついた先には大きな岩があり、ルフィがその不思議な悪魔の実の力を使い一気に岩の上へと飛んでいった。何回見ても不思議だなと思うのと同時にマジでなにしてんのかわかんねぇと1人頭の上に疑問符を浮かしていた。
「あったぞ宝箱っ!!!5個!!!」
ん?宝箱?と思い所々聞いていた話を半分本気で探し出すサイタマ、もしかしてガイモンが箱にはまる前にみた岩の上の宝箱のことかと思い至ったのは、しの見つけた宝箱が全て空っぽだったと分かったあとでのことだった。
泣きじゃくるガイモンにルフィはもう一度おれと海賊をやろうと誘った、正直な話サイタマから見てもガイモンが使えないことは分かった。ガイモンにはたしかに知識はあるが旅を続けていく上でその知識も追い付かなくなったり、ガイモンのもつレベルならすぐに他の船員も持てるくらいのものだ、ルフィとゾロを抜かした場合だが。
ただの汚いアフロのおっさん、しかも箱にはまっている、そんなガイモンをルフィは心の底から仲間になろうと誘ったのだ、その様子をみてサイタマは感心した。ルフィのような人間はそうそういないだろう、それこそしの時代その時代にたった1人しか現れないような貴重な人間性をもつ人間だ。
とても好ましく感じるし、なにか底知れない魅力もある。サイタマは一見にやついたともとれるような薄ら笑いを一瞬だけ浮かべた。
お金〜
スレが下に下がっちゃってたよー(´;ω;`)
暇なときに小説書いてね♪
楽しみにしてるから(^▽^)
あげてくれとったのきづかなんだ..あんがと、書くわ
55:お金:2015/12/14(月) 02:23 ID:ipc その後一行は果物をたくさんもらい、腹が減っていたサイタマは林檎を二個まるまんま食った、貧乏性は今世でも根深く残っており、むしろ扱い的に悪化していたため林檎が海に捨てられるまでに残ったものと言えば小さな種と綺麗な一本の糸みたいになった茎だけだった。
ナミが語るこれからのことにグランドラインの話があったため、なんとなくそこだけを拾い上げるように静かに耳を傾けていたサイタマだったが、必要な部分だけを的確に拾い頭のなかで繋げるなんていうことはサイタマにはできず、サイタマが現時点でグランドラインに対して得た胸をはって言えるほどの確実な情報と言えば、やはりグランドラインという場所は常人には危険すぎる場所だということだけだった。
ところかわって、これからルフィ達が上陸するであろう島にとある若者の声が響いた。
「みんな大変だーーーっ!!!海賊が攻めてきたぞーーっ!!!」
1人大騒ぎして村人の家が立ち並ぶ中の一本の道を走る若者の名はウソップという、彼が叫ぶ内容は訓練された人間もいなければ武器と言えば鍬だよねという村にとって大変なことであるはずなのに、村人達は家のなかで笑いながらそろそろ仕事の時間かと動いたり、よくやるよなあいつもと言いながら読んでいた新聞をゆっくり折り畳んでから次の台詞を待った。
「ウソだーーっ!!!!」
わっはっはっと笑うウソップに容赦なく飛ばされた銅製の鍋は綺麗な弧を描きウソップの頭に直撃した。思わずうっ、と軽くうなるウソップに村人達は怒鳴り声をあげながら思い思いのお仕置き道具を持って家の中からでてくる。ウソップはそれを見て毎度のことながら見事にことが運んでいくことに少し感動しながら走り出した。
その頃サイタマは熟睡していた、そりゃもうゾロに負けないくらいの寝方だった。動いてはいないが腹が満たされたあとぼんやりと空を見ながら穏やかな波に揺られていれば船酔いする人以外は誰だって眠くなるだろう。
サイタマは眠ると自分から目覚めるか直接触られたり何か強い意志を持った者が近くに来ない限り絶対といっていいほど寝たままなので、島についても起きなかった。ウソップが叫んだときはさすがに起きたがどうも雑魚そうなので放っておいて寝た。
ルフィはサイタマに飯を食いにいこうと誘ったが林檎がまだまだ胃に残っていて、それよりも寝ていたかったサイタマは生返事をして断った。ちゃんとした飯を食べた方がいいだろうという考えは三人とも頭に上ったが、誰もここに残らずにいるよりは一応、一応誰かに船にいてくれた方がいいので自分達が戻ってくるまで船で留守番をしておいてくれといえば、似たような生返事が返ってきたため、サイタマをおいていった。
サイタマは気づけばクロネコ海賊団と名乗る野郎共に縛られ、首には鋭く光る刃物を当てられていた。そう、サイタマは気づいたら人質になっていたのだった。
サイタマがここまでされて起きなかったのはクロネコ海賊団の現船長の1・2ジャンゴという男に催眠術をかけられ眠っていたからだ、寝起きで気が緩みまくっていたサイタマは自分でも気づかぬうちにあっさりとその術に引っかかり今の今まで寝ていたのだった。
クロネコ海賊団の団員のうちの1人がそういえばこいついたわと思いだし、まったくそんな必要はないのにこいつを死なせたくなかったら俺達を見逃せという取引をおこなった。まわりの団員もいろいろとありすぎたため混乱しておりなんとなくこうすれば無事に逃げられると考えた。
ルフィとナミは焦った、二人とも疲れているし、ゾロやウソップがどうなのかは分からないがまずこの場にいない、二人にとってサイタマはちょっと力の強いただの男だったから、自分達よりも弱い存在だから心配した。だって、刃物を当てられれば肌は切れて血がでるだなんてことは赤ん坊ですら分かることなのだから。
サイタマはよく状況を理解していなかった、でも自分のことは自分がよくわかっていた。サイタマは今、トイレにいきたかった、でもなんか流れで話を聞き流していたらだいぶ近くなってきたのでサイタマは立ち上がった。いきなりたったサイタマに反応が追い付かず、その固い頭に顎を強打した刃物を持っていた男は気絶し倒れ、こいつも強いやつだったんだと考えた団員は悲鳴をあげて逃げていった。
その考えは正しいのだが、二人はただ運がよかった、すごい天然だなで片付けてしまい、当のサイタマは近くの茂みに用をたしにいった。
サイタマは今日も空気のようにただ流されながら生きている、いつの間にか新しい船と一味が1人増えていたことはサイタマにとって特に興味をそそることではない、だって自分はルフィの仲間になった覚えはあるが麦わら海賊団に入った覚えはない、ゾロですら知り合いとして認識しているサイタマにとってまだ一言もしゃべってすらいないウソップは知り合い以下だ、たまたま隣を通りすぎていった人レベルだ。
お酒だって渡されはしたが飲む気はなかった、なんとなくサイタマはわかっていた、今酒をのんでも味わうなんてことはできないことを。サイタマに見合う敵どころかそこら辺の雑魚ですら倒せていないこの状況、話しかけてくるのも数人でしかも話の輪に進んで入ろうとしないサイタマはいつも外側にいて空気のような存在になっている。
サイタマの薄れていく感情は消滅までほスピードを格段に早めていた。そんなことはまだまだ会って日も浅く、サイタマが昔どんな人物だったのかも何も知らない彼らは気づけることは出来ない、そもそもまだ自分のことを偽っている人間だって居るのだ、わかるはずがなかった。
元々サイタマはこういう奴なのだろう、きっと一人でいるのが好きな奴で色々と沸点が低いやつなんだろうと考えた四人はサイタマのこど特に気にかけはしなかった。だからサイタマも、どこかヒーローのような雰囲気を持つルフィ以外気にかけはしなかった。
私、葉っぱ自体はほぼ毎日来てるから、スレ下がってたら何か書きこんどくね♪
61:お金:2015/12/14(月) 21:21 ID:ipcどうせ見てくれるのはマロンしかいないし気ままにやるとするかぁ....マロンがいなかったらとっくにやめてたわ
62:マロン umlo:2015/12/14(月) 22:04 ID:tZI やめないでよー
楽しみにしてるんだから
広くなった船にちょっとした感動を覚えたサイタマは船内を歩き回っていたところ、ルフィに呼ばれ外にでた。どうやら自作の海賊旗を見せたかったらしい、自信満々に見せられたそれはお世辞にもうまいとは言えなかった。
「コイツには...つまり絵心ってもんがねェんだな」
「ううん...もしかしてこれって芸術なんじゃないかしら」
「海賊旗は"死の象徴"のハズだろ.......まァある意味恐怖だけどよ」
「...あぁ、うん......」
四人はとても素直な反応を返した。
あっ…
更新されてるー!
嬉しー♪
ありがとうマロン、ありがとう。
66:お金:2015/12/15(火) 23:17 ID:ipc ルフィの画力に耐えかねたウソップは俺が描くといい、ふざけながらもなかなかのものになった、落書きという名のアートをよくしていたとウソップは鼻高々に言った、サイタマは大きな碇に座って寝ていた。
突然ドウンというもはやドンですらない音に叩き起こされ船に上がるとルフィが大砲相手に四苦八苦していた。なんだ驚き損かよと思いながらサイタマはお気に入りの場所となった碇のところへ戻っていった、その後大砲の音がしても賞金稼ぎの二人組が乗り込んできてもあいつらならどうにかするだろと適当に放置し、サイタマは海を眺めたり寝たりした。
サイタマが次に起きたのはルフィがあやまって海上レストラン『バラティエ』の三階の一部を壊してしまったときだった。久しぶりに見たサイタマに特に驚きもせずに船に残った三人はルフィが向こうでどういう扱いになるかをだらだらと話していた。
腹が減ったサイタマはウソップのメシ食いがてらルフィの様子を見に行くという案に賛成した。
いえいえこちらこそいつもありがとー(^▽^)
68:マロン◆7g umlo:2015/12/21(月) 17:01 ID:tZI お金ー
最近元気?
受験生だから忙しいのかな?
スレが下に落ちてたから上げとくよー♪
時間があるときにまた小説書いてね♪
とっても面白いです!僕どっちの作品も好きなので嬉しいです!よかったら続きを書いてほしいです!