どうも、お初の方ははじめまして、見たことのある方はおはこんばんにちは、アポロです。はい、ろくにかきおわらずじゃんじゃん書いていくアポロですハイ。
今回はハイキューの長編や短編を色々と書いていこうと思います。
……アテンショーン
1・荒らし、なりすまし、中傷、暴言は控えてください。
2・ここは私が書き溜める場なのでリレー小説ではありません。また、自由に小説を投稿できる場ではありません。
3・コメントをくだされば画面の前で小躍りし出します。それと懐きます。
女主は全話共通、相変わらず名前はいおりです。だって楽。男子女子どっちもいける中性的な名前ですから。
名字は緋影。はい、この名字は私がSS投稿掲示板で連載している『ワールドトリガー色々集』の共通ヒロインと同じ名字です。ワールドトリガーの方が気になる方は上記の『』内の題名を検索してください。きっと出てきます。
プロフィールです。
名前:緋影 いおり
女主時。
巨乳。ここは譲れません。長身でイケメン、ここも譲れません。頭脳明晰。無表情。雰囲気や喋り方はイメージとしてはワールドトリガーの『風間蒼也』に似ている。眼鏡着用、ここも譲れません。
男主時。
言わずもがなイケメン。表情は豊かな男主と無表情の男主の2パターン。身長は高身長な男主と低身長な男主の2パターン。こちらは顔立ちを『風間蒼也』似だと思ってもらって結構です。眼鏡はしている男主だったりしていない男主だったり様々です。
亀更新になるかと思いますがよろしくお願いします。
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設定忘れですが、主人公は関西弁か標準語です。今回は関西弁俺っ子女主。
1シリーズ【女子バレー部主将と音駒】
緋影いおり。顔が整っており、そこらの男子が霞んでしまう様なイケメンである。また、無表情をいつでも貫き通しているため思っていることや考えていることがわからない。女子の間では名字や名前に『君付け』は当たり前、本人非公認のファンクラブだってある。だが女子バレー部の部員はファンクラブには入っていない。後輩を含めて普通の女友達だ。
おまけに巨乳と来た。男子だって放っておかないだろうが、所謂学校の王子様の彼女は非公認の親衛隊に守られ男子は近付かない、それかファンクラブに入るかだ。
だが彼女の成績はてんでダメで、それを知る人物は少ない。
俺、黒尾鉄朗はその数少ない少人数に入っているのだ。そして今、クラスが同じの俺と夜久が一学期期末テスト前、彼女の勉強を見てやっているのだが、馬鹿過ぎて俺達二人の方が疲れてきた。だが、夏休みには梟谷グループの合宿がある。そこは男子に限らず女子もそうであり、コイツは音駒女子バレー部の主将だ。補習で来れなければ主将会議に響く。実際コイツが居ないと話が全く進まない。
コイツの指揮能力は飛び抜けて、どうかしていると俺は思うのだ。
夜久が緋影いおりファンクラブの会長とお付き合いをしているので、緋影と勉強、及び近付く許可は出ている。夜久居て超良かった。
『……すまん、俺が馬鹿すぎるから迷惑が掛かっている』
「いや、悪いのはいおりクンじゃない、そのいおりクンの頭脳だ」
『……イコールすれば俺の事だ、本当にすまない。……毎日予習復習はしている筈なんだがな』
むぅと腕を組んで椅子の背に体重を預ける緋影は眼鏡も相まって本当にイケメンだ。母の腹の中では男とされていたのだが急に生まれる前に女に変更されたかの様な、よくわからない例えをしてごめんなさい、途中から俺もわかんなくなってきた。
「予習復習もしているのにこの物覚えの悪さは……緋影お前頭どうなってんだ」と夜久が怪訝な視線を緋影に寄せる。俺はとりあえず質問してみた。
「いおりクンさぁ、どんな方法で予習復習してんの? ノートとかちゃんと取れてる癖に」
『……そうだな、その日に教わった事を教科書やノートを見ながら別のノートに書き込みながら復習をして、軽く明日の範囲を見る程度だな』
「「ちゃんと予習復習できてんじゃねぇか!」」
夜久が自身の教科書を勢い良く地面に叩き付けた。したーんと激しく投げつけた割りに小さな音がするが、それは気づかぬうちに俺の爪先に被さって居たらしい。お陰で注目を浴びずに済んだ。この夜久の奇行と夜久と俺の叫びにすら眉ひとつ動かさず「どうした」と平然としているコイツはどうなってんだ。驚くだろ普通。
夜久の彼女兼ファンクラブ会長は『宮原 玲(みやはら れい)』。
前にお前は一緒じゃなくて良いのかと一度宮原に聞いたことが有るのだが、「いおりクンが眩しすぎて一緒にいるとあたしが騒いで多分気が散るし何よりファンクラブは抜け駆け禁止なんだよおおお! あと愛する夜っくんがいるから絶対あたしが集中出来ない!」けど行きたい、でもダメなのおお! と涙ながらに言っていたのを思い出す。どっちだよ。
とは言え今はもう放課後だ。お互い主将である身なので部活にでなければならない。
「もう行こうぜいおりクン、夜っくん」
「そうだな行こうか緋影……って夜っくん言うな!」
『……そうか、もうそんな時間か』
俺と夜久が立ち上がればふいと時計に目をやる緋影。『そうだな』と机に手をついて立ち上がったとき、コイツの大きく豊かな二つの膨らみも動きに合わせるようにゆさ、と動く。
普通のジャケットを着ていればそれほど揺れないだろうが、今はブラウスにベストだ。納める布が薄い。
俺達二人はさっと目を逸らした。
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そうして緋影は無事期末を通過し、森然へと音駒の送迎バスで向かっていた。
「いおりはポッキー食べる?」
『……食う』
「いおりクンぼんちあげ食べるよね?」
『ああ』
「部長! メルティキッスもありますよ!」
『ありがとう』
「……緋影先輩、ポテトチップス」
『頂こう』
バス内で部員からお菓子をいただく緋影にリベロ兼緋影いおりファンクラブ会長、常識人美少女、宮原玲(みやはら れい)は苦笑いした。いや宮原も混ざりたいらしいが。
いおりにお菓子を差し出したのは上から3年副部長綺麗系女子『坂先すみれ(さかざき すみれ)』、3年セッター可愛い系女子『神前和江(しんぜん かずえ)』、2年ライトウィングスパイカー能天気女子『枝並 佳名(えなみ かな)』、ミドルブロッカー無口系女子2年『雪村 葉月(ゆきむら はづき)』である。
揃いも揃って美少女なのだから困る。男子の競争率が一番高いのが女子バレー部である。そのなかでもトップはやはりいおり。
天帝と呼ばれる彼女は勉強は全くだが他は最強だ。中総体ではベストスパイカー賞を受賞し、狙った賞はバレーに限らず総ナメだ。
勉強以外で負けることを許さないいおりは隙がないと言える。
そうして着いた森然高校。既に音駒男子バレー部は集まっており、私達に気が付くと黒尾と夜久が「おーい」と叫ぶ。あああああ! と宮原は叫んだ。
「夜っくうううううううううん!」
「っ!?」
ぴょーんと跳び跳ねてそのままの態勢で夜久に向かって飛んでいく宮原の足を、いおりが無表情でがしっと掴んだ。
乗りに乗った宮原の勢いはストップされ、行き場を無くした宮原の体は地面へと叩き付けられた。
「いおりクンなにすんの!?」
『……うちの部で唯一無二の常識人にそないなことをされたら部を纏めるのが俺しか居らんなるやろうが』
「〜〜! いおりクン分かってるね愛してる!」
『夜久に言え』
「もちろん夜っくんを一番愛してるよ当たり前じゃない夜っくん!! 私の中のOnlyOneは夜っくんのみだよ夜っくん! 今日もちっさくって可愛いね夜っくん! あ、私はたとえ夜っくんが私より身長が小さくても愛し続けるよ夜っくん! 安心してね夜っくん!」
「ちいせぇ言うな玲!!! 夜っくん夜っくんうるせぇ!」
「夜っくん今日の蹴りもキレキレだねええええ!」
宮原に夜久の蹴りが炸裂したが、吹っ飛びつつもそう叫んだ。海が「良いのか?」と夜久に聞けば「いつものことだ、慣れた」とあっけらかんとして言う。
山本は言わずもがな真っ赤である。
「あ、孤爪。後でセッターの練習一緒にしよー」
神前が孤爪にバレーボールを投げ付けながら良い笑顔で言う。その可愛らしい笑顔の裏には「拒否権はねぇぞ」言っているような威圧感。はんぱない。
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ワールドトリガーの風間 蒼也さんがハイキューの世界にやって来るお話。恐らく長編になるだろうと思われる。
下記はプロフィール。
風間蒼也
年齢は21歳。身長は158cm。好きなことやものはカツカレー、牛乳、自己鍛練。
喋り方はとても落ち着いており、クールである。大食らいのわりに身長が全く伸びなかった可哀想なワートリ界大学三回生。ハイキュー界では黒尾宅に厄介になるので大学には通っていない。トリガーは既にハイキュー界に来たときに消失。ワートリ界に置いてきたと思われる。
お金、保険証等は内ポケットに入っているので安心。
【風間さんトリップ事件】
黒尾side
深夜、部活で疲れた体を休めるために睡眠を取るっていたのだが、ばたっ! と言う物音で目を覚ました。
安眠妨害かよ……深夜とか、泥棒でも入ってきたのか?
くあ、とあくびをしつつ上体を起こしてベッドから降りる。ぱちんと電気をつければそこにはフード付きのパーカーにズボン、スニーカーを履いた、小柄な男が横たわっていた。
「……え?」
こいつ、誰? もしかしてマジ系の泥棒!? うそだろマジかよ。と若干わくわくしつつ「オーイ、おきろー」と体を揺さぶる。うわ、なにこいつ軽い!
男は「う……」と少し唸ってゆっくりと目を開けた。真っ赤な瞳が印象的な、黒髪の男は俺に気が付くと鋭い目をかっと見開き目にも止まらぬ速さで俺から距離を取った。彼の目には警戒の色が浮かんでいる。
え、なになに? なんで俺が警戒されてんの? え?
『……おい、』
身長からして中学二年生辺りだろうか、男の声はそのわりに低く、纏う雰囲気は大人びている。ませたガキも居るもんだなと俺も一応警戒する。
「なんだ?」
『……ここはどこだ。見た割りにはここは比較的安全そうで白い閃光も爆撃音もまるでない』
「は?」
白い閃光? 爆撃音? この人ラノベの読みすぎなの? と疑うも、その赤い瞳からは嘘は見受けられない。
「ここはどこって……東京だよ。東京」
『……東京? うそをつくな。
俺が先程まで任務で近界民駆除に当たっていたのは三門市の警戒区域だ。東京じゃない。俺の体は生身に戻っている。トリガーを奪ったんじゃないのか?』
……いやいや、まずトリガーって何!? 近界民駆除ってどういう意味!?
極めつけは、
『……お前は、近界民……ネイバーか?』
訳のわからぬ輩かと聞かれた。失礼。
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ヤバイ面白い!てか風間さん転生とか面白そう!!
6:アポロ◆A.:2016/04/22(金) 00:03 ID:eG2
「チョットチョット、いきなり赤の他人の人の部屋に現れて、訳わかんないものにされるのってないと思うんですケド」
へらりと笑えば少年は眉間の皺を濃くした。そんな若いうちから刻んでちゃ、将来取れなくなるよー。
『……いきなり現れた? 俺がか?』
「そーそー。俺は普通に東京の高校に通う高校三年生のバレー部部長の一般人だよ」
『……なら、俺はなぜ今ここに現れたんだ?』
腕を組んで小首をかしげる少年に「俺が聞きたいぜ。君こそ泥棒でここに入ったんじゃないの?」と少し睨みながら言えばこう返ってきた。
『……泥棒? なんでそんな馬鹿な真似をしなければならないんだ? 財産ならボーダーの給料で賄えているし、そんなことをする必要はない』
窓をその位置から見つめ、だが警戒は解かずに言い放つ彼に財産あるんだ、と不思議に思う。
少年は自身の身体をまさぐり、通帳、何か英語のマークがついているスマホ、保険証を取り出した。
彼自身持っていることに驚きなのか、「……なぜ通帳と保険証が」と微かに眉を動かす。
今見たところ、彼はあまり表情が変わらないらしい。彼はまぁいいやと自己完結したらしく、スマホを手に取った。
英語のマークはボーダーと読めた。
彼はめぼしい人物を見付けたのか、通話ボタンを押し、ぷるると相手を待つ。
「……風間さん?」
『菊地原か。どうやらボーダー支給のスマホは繋がるようだな』
「ホントに風間さん何ですか?」
『俺以外に誰がいる』
やけにクールな少年は風間と言うらしい。相手の菊地原とやらに電話をかけている。
するとスマホから別の人物の声が聞こえてきた。
「風間さん!? 風間さんなんですね!?」
とてつもない声量がスマホから聞こえてきてきぃんと耳鳴りが起こる。聞くからに女の声だ。よかったー、と安心する女は「今どこにいるんですか?」と風間に聞いた。
『……』
「……え、なんで俺の方見んの?」
『……ここはどこだ』
「東京音駒町だな」
『らしい。三上、調べてくれ』
「了解」
風間からじとりと視線を送られて答えれば奥の女がどこかにいった。菊地原とやらが「三上先輩の声ってば大きくて耳に悪いんですよ。どうにかしてください。三上先輩は僕が強化聴力のサイドエフェクト持ってること知んないの?」と後輩らしい菊地原がやけに偉そうにぶつぶつ言う。
というか……強化聴力って……。
「……ところで風間さん。さっきから風間さんとは別の心臓の音が聞こえるんですけど。どくどくうるさい」
「うぇ!?」
「やっぱり居るんだ」
心臓の音!? 何それ地獄耳じゃねぇか! とぼそりと言えば聞こえてるよと返ってきた。びびる。
『……黒髪のトサカヘッドのやけに身長の高いやつが居る』
「え、ヤバくないですか? 風間さん今トリガー隊室に置きっぱだし、ネイバーだったら……」
『その必要はない。このでかいのからは敵意は感じられないし、一般市民だ』
「ふーん」
ちらりと俺を見た風間にへらりと笑みを浮かべれば無表情で視線を逸らされた。呆れてる。
「風間さん、調べました!」
『どうだった三上』
「東京はありますが……音駒町と言うのは存在せず、ネイバーフットの方でも該当は有りませんでした」
『……そうか』
「恐らくそこは平行世界、パラレルワールドかと。戻ってこれますかね?」
『まぁ大丈夫だろう。ゲートさえ開ければ。開発室長に情報を回せ。菊地原もだ』
「三上了解」
「……菊地原了解」
そこでぷつりと通話を切った風間は俺を見直す。警戒は解かれている。
「で、どーすんのカザマくん。これから住むとこ無いんじゃない?」
『そうだな。最悪の場合ホテルに泊まるか家を購入するか』
「金遣い荒すぎ! 戻れるまで俺んち居なよ」
『……そうさせてもらう』
風間を家に置いたのは別に面白そうだったから。ネイバーとかの話は事実って分かったし。
「黒尾鉄朗、よろしく」
『風間蒼也だ』
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happy 面白そう? そういってくれるとありがたい!
8:アポロ◆A.:2016/04/22(金) 21:19 ID:eG2
風間が来てからの翌日の朝、父さんと母さんに紹介した。運のいいことに今日は日曜で両親は休みだ。もちろん部活も。
リビングにて、テーブルの椅子に腰掛けて説明する俺、隣の風間、正面の両親。
「って訳で、何もない空間から突然やって来た風間君を俺んちで帰るまでの間住まわせてやりたいんだけど」
駄目? そう聞けばしばらくの間沈黙が続く。やっぱり信じてもらえないか、と苦笑して風間君には家を勝ってもらわないとと遠い目をする。
そして母が口を開いた。
「良いわよ!」
「ですよねー。そんな易々……え¨」
母がダンと机を叩きながら立ち上がってそう告げた。なんかノリで言っちゃったけどマジかよ母さん。父さんにええ、と視線をやると諦めろと目で言われた。いや、良かったんだよ?
「一応聞くけど……理由は?」
「イケメンだからよ! 可愛い!」
「やっぱりね」
母さんは無類のイケメン好きだ。こうなるとは思ってなかったが……ここまでとは。
『……本当によろしいんですか?』
めちゃくちゃ丁寧な敬語を使って眉ひとつとも動かさない風間は母さんに聞いた。母さんは「もちろんよ!」とグッと親指を立てる。
「まあ、よろしく」
『ああ』
そうして母さんの質問タイムが始まる。
「名前は何て言うのかしら!?」
『風間蒼也です』
「蒼也君、身長はいくつ?」
『158です』
風間って身長が158しかないんだな、とか思ってたら顔に出ていたのか机のしたでぎゅと足を踏まれた。流石なんちゃらを駆除するボーダーとやらの隊員、力強い。筋肉のつきも良いし、何か中学で部活でもしてんだろうな。
「そう。蒼也君身長低いのね」
『……そうですね。よく子供と間違われます』
腕を組み、大人の雰囲気をかもし出しながらそう言った風間に目を見張る。え? 子供に間違われますってどういう意味!?
これにはみんなで目を見開いた。母さんが「い、一応聞くけど……歳は? 自分の世界では中高どっち?」と質問を投げる。
この身長ではよくて高校、悪くて中学だろうとおもうのだが……。
『……大学三回生の21歳です』
「はああああ!? うそ風間君俺より3つ上!?」
『ああ』
平然、いや、悠然と腕を組んでそう言い放った風間さんに「さん付けしろ」とぎろりと睨まれ、「ごめんなさーい!!」と全力で謝った。
いや、ホント見た目で年齢を考えちゃダメなんだなって思いましたごめんなさい。
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翌日、俺は学校や部活があるので家を空ける事になるが、母さん居るし、風間さんも物騒な真似はしないだろう。風間さん紳士だし。そして分かったことだが風間さんはよく食べる。フードファイターか、ってぐらい食べる。いやもうびっくりするくらいに。その体にのどこに入るのというほど食べるのだ。それこそ俺以上に。
「じゃあ俺学校行くから。風間さん俺の部屋自由に使っていいっすよ」
『有り難いな。だが朝からお前の母の手伝いだ。暇ができれば借りよう』
「ういーす」
こうして俺は学校へと向かった。
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任意教育の6時間の授業を終えて待ちに待った部活である。同じクラスの夜久と共に廊下を歩きながら昨日の出来事を包み隠さず伝えれば「風間さんか」と信じてくれた。いや、あっさり信じてくれ過ぎて将来心配になるわ。それを感づいたのか夜久に思い切り蹴りを入れられた。痛い。
ズバゴンと夜久に入れられた蹴りの音が比較的人の少ない廊下をこだまする。痛い。
「それにしても風間さんか。一度会ってみたいな」
「あの人全く表情筋つかわねえの。喋り方は大人だし、雰囲気はまさに成人した大人の社会人。ホントにクールだわあの人」
「聞いてると風間さんそのボーダーってのの組織の中でかなり強い人なんじゃないのか?」
「アタッカーランク2位、総合ランク3位だと」
「すゲぇな。アタッカーだの総合だのはわかんねぇけどとにかくすごい人って事は分かった。って言うかなんでそんなこと知ってんだよ」
「風間さんのボーダー支給のスマホは向こうとつながるらしいからな。風間さんの隊の高校一年の歌川にきいた」
「聞けば聞くほどすゲぇ人なんだな」
そうなんだよなぁ。
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そして部活前の着替えの時、俺は気がついた。
「……サポーター、忘れちった」
「ばか野郎!」
案の定夜久に蹴りを入れられました。痛いです。……作文?
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今日はサポーターが無いまま部活に励む。研磨には一応風間さんの事は話しているが、ゲーム中だったのできちんと聞いていたかは些か疑問である。
「あー、どうしよ。絶対擦っていたい」
そんな事を呟けば海に「まぁ怪我したら保健室行こうか」と穏やかに宥められた。
そんなとき、体育館の扉が開く。がらがらと言う大きな音にみんなが視線を集めるなか、そこに立っていたのはなんと身長158cmの風間さん。ちっせ。
『黒尾、お前の母親にサポーターを持っていけと言われたから持ってきた』
「……」
『……なんだ。体育館、バレー部は静かだな』
「かっざまさあああああん!」
サポーターを持ってきてくれた喜びで駆け出して行くと顔面に風間さんの持っていた紙袋が投げ付けられた。なんだろう心がいたいや。
あと静かなのはあなたの登場のせいです。
「風間さん、俺の何かが傷付いたよ」
『知るか』
風間さん無慈悲すぎて泣ける。
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